「V.I.」の人物造形するまでに 彼女のきた道これからの道
吾がために綴りしものかこの書物 沈黙のなかサラは語りぬ
沈黙の時代に書くということ―ポスト9・11を生きる作家の選択 サラ・パレツキー
80年代に、V・I・ウォーショースキーの活躍に、どれだけ励まされたことだろう。- 『サマータイム・ブルース』
- 『レイクサイド・ストーリー』
- 『センチメンタル・シカゴ』
- 『レディ・ハートブレイク』
- 『ダウンタウン・シスター』
- 『バースデイ・ブルー』
- 『バーニング・シーズン』
- 『ガーディアン・エンジェル』
- 『ブラック・リスト』
最初の作品を読んでから、出るたびに即、頁を開いたものだ。
サラが小論集を刊行したので、その背景が分かった。「天使でも怪物でもない」一人の人間。以下、気になった箇所の備忘録
V.I.は彼女の分身でなく、彼女の「声」 18頁
中絶。存在しない医療処置に関して、法的権利を持つ状態に近づきつつある米国 121頁
すべての女性がレイプの高い危険にさらされている。6人に1人がレイプされている 128頁
キリング・オーダーズ 192頁
NSA通告 196頁
それを弁護士に話しただけで逮捕 198頁
ネットで外国サイトを調べただけで逮捕、送検もせず、弁護士への電話もさせず3日間勾留 201頁
ほんとうに恐ろしい状態になっている。だからこそ、サラ・パレツキーは声を挙げ続ける。