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チエちゃんの昭和めもりーず

 昭和40年代 少女だったあの頃の物語
+昭和50年代~現在のお話も・・・

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第121話 赤 飯

2007年11月10日 | チエちゃん
 お母さんは、お祝いだから御赤飯を炊く慣わしになっているというのです。
チエちゃんはそんなこと、絶対にして欲しくはありませんでした。
だって、そんなことをしたら、お父さんにもおじいちゃんにもバレてしまうからです。

 お母さんは、小学5年生になったばかりのチエちゃんを呼び、話を始めました。

「女の子は、小学校5・6年生になると、生理が始まる。
それは、将来赤ちゃんを産むための準備だから、女は誰でもそうなる。
生理が来たら、ひとつ大人になるということ。
チエの生理用下着やナプキンは、準備してあるから、生理が来たらお母さんに、すぐ言いなさい。」

チエちゃんはお友達がその話をしているのを聞いたことがあったので、特別に驚くことはなかったけれど、何しろ経験がありませんから、どうなるのかな?という不安もありましたが、今ひとつピンと来るものはありませんでした。


 そして、その日は突然にやって来ました。
学校から帰って、お便所に行ったとき、下着に茶色の染みがついていることに気が付いたのです。早速、お母さんに話し、生理用ショーツに履き替え、手当をしたのです。
何か変な気分・・・
ところが、それっきり・・・
あれは、何かの間違いじゃなかったのかと思い始めた3週間後、それは本格的にやって来たのでした。

初めの頃は周期が定まるまで、不順な日々が続きました。
ベタベタして何となく気持ち悪いのに、シャワーのなかったチエちゃん家ではお風呂に入れなかったし、学校で男子の目に触れないようにナプキンを取り出すのも一苦労で、何もいいことはありませんでした。
そんなことに毎月1週間も縛られるのです。

 それなのに、あれほど止めてと言ったのに、お母さんはとうとう御赤飯を炊いたのです。
何が、めでたいの?
ちっとも、いいことなんかじゃない。
どうして、女の子だけ、こんな目に遭わなければならないの?
大人になんか、ならなくたっていい・・・