気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

初心

2008-01-01 13:48:11 | きょうの一首
初心とはいつでも帰れる貌をして傍らにありてすでに帰れず
(馬場あき子 帰れず 朝日新聞新春詠)

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新しい年になりました。
あけましておめでとうございます。

今日の朝日新聞朝刊に新春詠として、朝日歌壇、俳壇の選者の競作が載っている。
この歌は、内容にまず納得させられる。常套句として「初心に返る」と言うが、その真実は「すでに帰れず」なのだ。「初心忘るべからず」の方が正確と言える。
初心を「故郷」「実家」「青春」などと入れ替えてみても一興ではなかろうか。

あらたまの朝の雑煮に白味噌を溶きてつかのま妻の顔する
(近藤かすみ)


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