気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

今日の朝日歌壇

2005-08-10 21:57:31 | 朝日歌壇
さようならわたくしの過去すがすがとピアスの穴に夏の風吹く
(今治市 池内カナエ)

揉め事を喜ぶ本音ひた隠しそを憂うがに装うテレビ
(横浜市 我妻幸男)

息そろう太極拳のゆるゆると気は満ちてくるはつ夏の朝
(東京都 佐藤佳子)

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一首目。親からもらった体に自分で傷をつけてはいけないという考えがあって、私はまだピアスをしていない。ピアスをするとすがすがと風が通るのだろうか。この作者は何歳くらいの方なのだろう。さわやかな風を作者と一緒に感じることが出来た。

二首目。この歌が作られたのは、ひと月くらい前だろう。若貴兄弟のことだろうか。テレビという枠で切り取られたものを見ながら、わが身にひきつけ、平凡がいいかと思うのは、多くの人に共通するのだろう。ときどきそんな自分が卑しく思える。

三首目。太極拳の動きらしきものを少々やったことがあるが、汗をかく。緩やかな動きに中に神経を張り詰める。宝ヶ池公園や御所で、こういうことをやったら気持ちいいだろうな・・・

「風信」に奇しくも歌友、風間博夫さん『動かぬ画鋲』、資延英樹さんの『抒情装置』が紹介されたいた。多くの人に読んでいただきたいと思います。