気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

サニー・サイド・アップ 加藤治郎歌集

2005-08-21 17:46:45 | つれづれ
もうゆりの花びんをもとにもどしてるあんな表情を見せたくせに

ひとしきりノルウェイの樹の香りあれベッドに足を垂れて ぼくたち

書きなぐっても書きなぐっても定型詩 ゆうべ銀河に象あゆむゆめ

たれの子も産める体のかなしさに螢光に照る葡萄をほぐす

ぼくはただ口語のかおる部屋で待つ遅れて喩からあがってくるまで

(加藤治郎 サニー・サイド・アップ)

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題詠マラソン2005。今年で三年目で四苦八苦している。
毎日一首以上すすまないというおかしな自己ルールを作っていて、それなのに作り置きはない。
74番「麻酔」まで来て、治郎さんの「ゆりの花びん」を思い出して、返歌のような歌を作った。そのために『サニー・サイド・アップ』を再読。うたう☆クラブでは治郎さんにお世話になって、ペンネーム近藤かすみで行こうと決心した。あれから3年・・・勝手に治郎さんなんて気軽に呼んで、不義理をしたままだ。

麻酔から還るあなたを待つ夕べゆりの花びんをもとにもどそう
(近藤かすみ)