気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

今日の朝日歌壇

2005-08-01 22:23:13 | 朝日歌壇
スタバにて友と話せばリアリティ増してわが恋熱を帯びゆく
(前橋市 中野紗也香)

古着よりはずし置きたる貝ボタン育ちし海の光りを放つ
(古河市 高橋こう)

「朝顔が芽を出しました」君からのメールはいつも返事に困る
(東京都 保持壮太郎)

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一首目。「スタバ」は珈琲店スターバックスのこと、という佐佐木幸綱の注釈がある。「リアリティ」の裏に「バーチャル」があり、友と現実でスタバで会って話すからこそ、恋の現実味が増すということだろう。バーチャルの恋も透けて見える気がする。
二首目。貝ボタンへの郷愁を感じさせる歌。海への郷愁も。
三首目。メールのやりとりは楽しいものの、なんにでも「そうですか」と返すのも芸がない。お元気ですか?というような、疑問符つきのメールというのも、なんとか答えなきゃならないというプレッシャーを感じる。ハガキが来て、あ、返事忘れたわ・・・というくらいの鷹揚さがよいかな。