その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

日欧 仕事のやり方

2010-10-13 23:54:09 | ロンドン日記 (日常)
似たような製品、サービスを扱っているのに、日本と欧州の会社ではこうも仕事の進め方が違うのかと驚きます。

こちらの人たちは、自分の仕事がJob Descriptionという職務書でしっかりと決まっている。だから、そこに書いていない事は基本的にやらないし、職務書は明確に業務を分担してあるので、業務間のダブリはない。仕事が明確に決まっているという点では、アメリカンフットボールそのもので、ディフェンスの人がオフェンスの仕事をすることはない。メリットとしては、自分の責任と権限が明確。職務書さえ良く設計されていれば、漏れ、ダブリなく、組織全体としても最小限の人数で最大限の仕事ができるはず。デメリットとしては、他人の仕事のことは全然知らないし、知ろうとも思わない。なので、業務全体プロセスを考えて自分の仕事を最適化するということがなく、常に部分最適に陥る可能性がある。組織間の情報共有も進まない。休みで担当者が居なくなると、その仕事は一切止まる(これはウチの会社だけかな?)

逆に、日本の(私が勤める会社の)場合。自分の仕事はもちろんあるのだが、明確に定義された職務書があるわけではないので、自由度は高い(昔、上司から「仕事は自分で作るもんだ」といわれたが、西洋人には理解できまい)。サッカーのように、フォワードだって味方がピンチになればディフェンスにも廻る。メリットとしては、チームや会社全体を見ながら自分の業務の最適化を図ることができる。デメリットとしては、誰が責任者なのかわからなかったり、時としてダブリが多く、効率が悪い(その分、一人が怪我で欠場しても、時として10人で11人と戦える)。

なぜ、欧州でこれだけサッカーが盛んなのに、仕事になるとサッカーの動きが出来ないのか?また逆に、こちらに来て初めて、これまでの日本での仕事のやり方が、二重、三重セフティネットが張ってあって、それがいかに意思決定を遅らせたり、効率を落としているか(あるプロジェクトの会議でとある担当から課長、係長、担当の3名が出ていることもあった。夫々何やっているですかねえ〜)に気がついた。日本人の労働生産性はまだまだ低いと言われるが、それもそのはずだと納得する。

和洋折衷の仕事のやり方は無いものだろうか???
コメント (2)
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