その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

映画「銀の匙 Sliver Spoon」(監督:吉田恵輔、2014)

2022-08-31 07:30:12 | 映画

夏の北海道旅行での帯広畜産大学訪問時に、ここのキャンパスが主たるロケ地であったということを知り、旅行後にAmazonで視聴。

原作は人気漫画とのこと。北海道の畜産高校を舞台にした高校生の成長物語である。まさに数週間前に訪れた畜大がロケ舞台で、懐かしく親近感を覚える。牧畜業で働く人々、経済動物として飼育され食される動物たち、産業としての牧畜、北海道の自然と歴史、若者の成長と友情・愛などが織り込まれた良質の映画であった。

夏の旅行で観戦したばんえい競馬も物語の大事な素材になっている。レース観戦では馬に対する厳しさに目をそむけたくなるようなところもあったが、この映画を見ると、より北海道牧畜業に根付いた文化としての側面が理解できる。観戦前にこの映画を見ていれば、レースの見方も多少違っていたかもしれない。

Yahoo映画のコメントを見ると、漫画にのめりこんだ人には映画の出来には不満もあるようだが、映画を入口として作品に触れた私には違和感はなかった。中島健人、広瀬アリスらの若手の主演陣の演技も好感持てるし、中村獅童、上島竜兵らの実力派脇役陣がしっかり脇を固めている。ちょっと黒木華のキャラが浮いてた感はあったけど。

今度は原作の漫画の方を読んでみたい。

 

(スタッフ・キャスト)

監督:吉田恵輔
原作:荒川弘
脚本:吉田恵輔,高田亮
音楽:羽毛田丈史

中島健人:八軒勇吾
広瀬アリス:御影アキ
市川知宏:駒場一郎
黒木華:南九条あやめ
矢本悠馬:常盤恵次
安田カナ:稲田多摩子
岸井ゆきの:吉野まゆみ

ほか

コメント (2)
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最後の訪問は網走監獄。想像以上に素晴らしい歴史博物館: 2022夏 北海道旅行(最終回)

2022-08-29 07:30:39 | 旅行 日本

早朝の小清水原生花園見学からホテルに戻り、朝食取ってチェックアウト。北海道最終の訪問地は網走監獄。吉村昭氏の『破獄』を読んで、昭和の脱獄王と言われた白鳥由栄が脱獄した網走監獄に強い興味を引かれたたためです。


<監獄入り口>

正直、ありがちな観光客目当てのエンタメ施設ではないかと怪しんでいたのですが、硬派な歴史施設で2時間余り、楽しみ、学びながら見学しました。北海道という冬場の過酷な環境、犯罪者の収容所でありながら政治思想犯を主たる収容者としたことなど、初めて知りました。重要文化財にも指定されている建物なども移設され、期待を遥かに上回る立派な歴史博物館でした。

特に印象的だったのは、北海道開拓とセットであった網走監獄の歴史を追える監獄歴史館、放射状に五つの舎房が伸びる五翼放射状房(重要文化財)、塀の外に出て作業する際に寝泊まりする「休泊所」(アウシュビッツ収容所を思い起させた)など。白鳥由栄の脱獄記録や当時の新聞記事も展示されていて、超人的な脱獄の模様が『破獄』の記述から立体化されて実感することができました。


<舎房入口>


<入口入ったところにある見張り台。ここから五方向に舎房が伸びている>


<舎房>


<休泊所。動く監獄と言われていたそう>


<教誨堂(重要文化財)>

監獄歴史館では、現代の受刑の仕組みや刑務所の受刑者の生活の紹介もあり、しっかり歴史と今がつながっています。 受刑生活の今と昔のギャップに驚きます。 人権配慮は喜ばしいことですが、出所後、刑務所生活を求めて再犯に走る出所者のニュースも理解でき、ちょっと複雑。

監獄であった場所ではありますが、公園と言っても良い程、広々と長閑でのんびりした空間ですので、ピクニック気分で訪れるのもありだと思います。

十二分に楽しんだ後は、いよいよ東京に向け女満別空港へ。 途中、立派なひまわり畑があり、空港で最後の食事でスープカレーを頂き、帰京便に搭乗。 3年ぶりの6日にも及ぶ夏の旅行。 久しぶりに、遊んだ感満載の夏休みとなりました。 細かい計画は立てずに臨んだ今年の夏旅行。 気ままに、ゆっくりでとっても有難い時間でした。 やっぱり旅行はいいなあ。 また、気軽に海外に行ける日が来て欲しいです。


<女満別空港に隣接する所にヒマワリ園あり>


<「さようなら、北海道!」>


<東京へ>

2022年8月11日


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天気も回復し、小清水原生花園、最高!:2022夏 北海道旅行(7)

2022-08-28 07:30:59 | 旅行 日本

5日目午後は、川湯温泉から最終訪問先の網走迄70kほどのドライブです。これまで、ずーっと曇りか雨だった天気がようやく回復に向かってきました。小清水町中心部を経由して、オホーツク海沿いの国道244号に出ます。そして、網走市街地の手前20kほどのところで、小清水原生花園に立ち寄りました。

小清水原生花園は北海道の中でも私が大好きなスポットの一つです。オホーツク海の向こうに知床の山々が見渡せ、原生花園・釧網本線を挟んでオホーツク海と濤沸湖が相対する雄大な風景は、心身が開放され思いっきり手足を伸ばしたくなります。


<オホーツク海を挟んで知床の山々>


<濤沸湖側>

湖側にはバードウォッチング用の(以前訪れた際は無かった?)木道が整備されていて、草原の中を少し進めるようになっていました。放牧されている馬の群れが、水を飲みにのそのそとやって来ます。長閑でのんびりとした空間で、時間の経つのも忘れてしまいます。


<濤沸湖側の草原>

そして、翌朝には、今度は釧網本線に乗って、再度、原生花園を訪れました。多少の鉄分を含む私は、この海沿いを走る釧網本線が大好き。今回の夏旅企画にあたっては、(いずれ廃線になるかもしれない)鉄道で巡る北海道旅も考えたのですが、機動性を優先し断念しました。

ホテルの朝食締め切り時間までに戻れるように、網走駅641分発の始発列車に乗りこみます。海沿いを真っ直ぐに伸びる単線の気持ちよさ。しかも旅行中、初の太陽が顔を出しています。朝の眩しい光の中で進む列車の爽快さは、何物にも代え難いですね。


<網走駅初発>


<まっすぐな線路が続きます>

朝の原生花園は前日の午後の時間帯とはまた違った新鮮な光と色で満ち溢れていました。野花もより輝いて見えます。今まで出番が全くなかったサングラスをかけ、双眼鏡も使って遠景も楽しみます。双眼鏡では、湖で水浴びをするエゾシカたちの群れも捉えることができて感動的でした。


<網走駅方面。右が海、左が湖>


<スマフォ写真ではわかりませんが、湖岸近くではエゾシカ達が水浴びをしていました>

小一時間過ごして大満足。網走駅行きの列車に乗って網走に戻りました。

(余談)網走では市街にある料理屋、ふか井で網走名物のキンキを頂きました。香ばしく焼き上げたキンキは頭から尻尾まで骨も含めて食べきり。美味かった~。


〈ピンボケ写真ですが、味はボケてません>

2022年8月10-11日


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観光客少なく、ゆっくりできるが寂しくもあり・・・屈斜路湖・川湯温泉:2022夏 北海道旅行(6)

2022-08-25 07:30:13 | 旅行 日本

釧路の次は、北に120キロほど行った屈斜路湖です。天気が良ければ、釧路川の最上流でのカヌーや星空見学ができればという思いでした。宿泊は、今回の旅程の中で唯一の大型リゾートホテル(個人的に小さな宿好みなので大型ホテルは極力避けてます)。国内外からの団体ツアー客が居なかったこともあり、夕・朝のブッフェスタイルの食事も混み合うことなく落ち着いて取れたのは嬉しかった。ホテル内の温泉大浴場にも静かに、ゆっくりと浸かって、まったりとした時間を過ごすことが出来ました。


<ホテルのガーデン。グランピングもできるようになってます>


<高い天井が売りの大型ダイニングホール。バブルの香りが微かに漂います。夕方18:30ぐらいでもこの程度の混み具合>

ただ、残念ながら、天気は雨が降ったりやんだりで、できればいいなのアウトドア企画は全てNG。いつまでたっても太陽が出てこない天気には残念ですが、テレビの天気予報では首都圏は猛暑。まあ、暑さを避けられるだけで良しとしましょう。ジョギング、散歩、ベッドでごろごろで、チェックアウトぎりぎりまでホテルでゆっくりさせてもらいました。


<朝のジョギングから。蕎麦の花が満開です>


<屈斜路湖畔にある和琴の湯という公衆露天温泉なのだが(湯気が立っているの分かります?結構熱いです)、公園の中にある池そのものでここで裸になって入浴する人が本当にいるんだろうか?一応、脇に更衣室らしき敷居のある東屋のようなものもあります>

チェックアウト後は、屈斜路湖畔で砂浜を掘るとお湯が沸き出る砂湯や近くの温泉街の川湯温泉を訪れ、足湯を楽しみました。おー、いかにも観光。「源泉100%かけ流し宣言」をしているという川湯温泉には期待していたのですが、これもコロナ影響でしょうか、まるで街はゴーストタウンのようで、昼時だというのに人をほとんど見かけません。人混み嫌いの私でも「ちょっとこれは寂しすぎるだろう~」と滞在もそこそこに、最終目的地の網走に向かいました。身勝手な私は、観光地は「適度に」観光客が居る方が楽しいんです。


<砂湯の足湯場>


<屈斜路湖の砂浜の砂を掘ると温かいお湯がじわじわでてきます。自分専用の足湯を作る子供たち>


<川湯温泉の足湯。24時間開放されている足湯場。硫黄の匂いが香り、温泉っぽさ満点です。お湯の吹き出し口はとっても熱い>

202289-10


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フルマラソン並みの消耗:第40回火祭りロードレース @富士吉田市

2022-08-23 07:30:45 | ロードレース参戦 (in 欧州、日本)

秋のフルマラソンに向けた練習レースとして、富士吉田市の火祭りロードレース(ハーフの部)に4年ぶりに出走しました。コロナで大会自体もここ数年中止が続き、今回は3年ぶりの開催だそうです。


<会場の富士北麓公園陸上競技場前のモニュメント>

天気予報では曇時々小雨のはずでしたが、雲は多いものの時折、太陽が覗く天気となりました。標高1000m地点となるスタート付近は、地上とは異なる澄んだ空気が味わえます。


<多少湿っぽいですが、清々しい空気です>

サザンの音楽がBGMで流れ、大会のお祭り気分を盛り上げます。大会ならではのハイなスタートの前の雰囲気は、決して練習では味わえません。

このコース本当にタフで、前半に8km地点ぐらいまでで高度300mを上って、折り返して350m分下り、そして終盤に50m上るという、平地部分が殆どない変態コースです。私は今回で5回目の参加ですが、過去4回はいずれも、前半の上りで力尽きて走り切れず、歩いてしまいました。今回は、とにかくタイムよりも走りぬくことが目標です。


<スタート!>

スタートし、まあいつも通りですが、最初から結構きつい上り坂が続きます。途中からは舗装されてない登山道も走ります。幸い、殆どが林の陰で太陽は木漏れ日しか届きませんが、ハーハー。とにかく無理をせず、心拍数を整えながら、気持ちが折れるので前方は決して見上げずに淡々と脚を動かしました。それでも初めて、何とか最高地点まで歩かず走りきりました。まず、心の中でやった!と叫びます。


<ひたすら上り>


<途中、唯一の展望が開けるところ>


<最初の折り返し点:この後は下りが中心>

そして、そこから下りが6キロちょっと。ずーっと下りなので、足を前に出して進むこと自体は難しくありませんが、いかに脚への負担を抑えられるかがポイント。極力、小股で走ります。要所要所に国士舘大学の救援部隊が控えてくれているので安心です。女子の救護部員が皆チャーミングで、おじさんランナーは元気もらえます。


<国士舘大学の救護隊のお兄さん・お姉さんが要所要所で待機してくれています>

15k地点程から、このコース唯一の平地と言えるところを2.5kほど走り、最後の2k弱の長い上り坂を迎えます。ここが正念場と気合を入れて、頑張って上りきりました。19k過ぎて、本コースで初の歩き無し完走が見えてきました!


<最後の長い上り坂>

と思ったのが、油断を招いたのでしょうか。ラスト2キロというところで、足が痙攣を始めました。それも両脚です。脚が自分の脚でないように、ぴくぴくと勝手に収縮し、痺れる傷みが襲います。走るどころか歩くことすらままならない。最初は両脚の脛の横部分だったのですが、そのうちに脹脛までも釣り始めました。無念ですが、本当にどうしようもないのです。多少動けるようになったところで、トボトボと歩き始め、何とか残り2キロを殆ど歩いてのゴールとなりました。これは本当に悔しい。

唯一の救いは、これでもタイムは2時間9分後半。過去の記録では2時間1桁分はありませんでしたから、自分としてのコースベスト記録。しかし、最後の2キロは大きな宿題を貰った気分です。19kまでは完璧と言って良い程だったのですが、ラスト2キロのために何をどう走ったら良いのか?思考はグルグル回りましたが、来年のリベンジを誓って、会場を後にしました。

2022年8月21日


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釧路湿原は蚊対策につきる: 2022夏 北海道旅行(5)

2022-08-22 07:30:10 | 旅行 日本

畜大訪問の後、釧路へ移動。小雨と靄の中の運転となり、退屈で眠くてたまりませんでしたが、無事、夕刻に市内に到着。市内のビジネスホテルにチェックインしました。


<6年前は無かったスポット>

 
<わびしい釧路川の散歩道>

6年ぶりの釧路は飲み屋街の店も閉店が目立ち、コロナによる観光客減で地元経済が相当傷んでいるのではと推察されます。それでもホテルのフロントのお兄さんに紹介された居酒屋で地酒と刺身、家庭料理的な品々を頂き、満足満足。


〈居酒屋ちゃりんこ きどらない雰囲気と料理が良し〉

翌日は雨交じりの強風のお天気で、湿原散策は断念し午前中はホテルで休養。急に仕事に呼び出しを貰ったため、早めの昼食で釧路ラーメンを食した後(さっぱりして美味しかった)、ネットで見つけた市内のワーケーション用共用オフィスに出向き、オンライン会議に参加しました。リモートワークが浸透したのは良いけど、どこでも追いかけられるのはちょっとねえ~。


〈釧路丹頂市場(勝手丼で有名な和商市場の向かい)のらーめん工房魚一(うおっち)の魚醤ラーメン>

仕事と天気が落ち着いたところで、釧路湿原の展望台経由で、次の目的地、屈斜路湖へ向かいました。釧路湿原の展望台はいくつかありますが、今回は訪れたのは目的地途中にある湿原東側にある細岡展望台。湿原の広大さに息を飲むように圧倒されます。

一方で、なかなか落ち着いて観光できなかったのは、つねにまとわりつく蚊(?)の集団。虫よけスプレー等の事前準備が甘く、集団で襲って来ますから、ゆっくり展望を楽しむどころではありません。結局、私は足首と頭を数か所刺され、足首は大きく膨れ上がってしまいました。帰京後皮膚科に行って、塗り薬や飲み薬を10種類近くを貰い、まだ治療中。夏の時期に湿原訪れる人はとにかく蚊対策を忘れずに万全を期すことをお勧めいたします。


〈乗りたかったがスケジュール上乗れなかった湿原に沿って走るノロッコ号>


(補足)
釧路でショックだったのは、6年前に訪れた釧路の名物炉端焼きの聖地ともいえる「炉ばた」が閉店していたこと。ただこれは、コロナ要因ではなくて、1週間前に隣家の貰い火で火事騒動に巻き込まれ、当分はお店開けないようだ。一日も早い再開を祈りたい。


〈6年前に炉ばたに行った時の店内写真>


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羊牧場(Yorkshire Farm)に泊まって、羊飼い体験をする: 2022夏 北海道旅行(4)

2022-08-20 07:30:17 | 旅行 日本

今回の北海道旅行のきっかけは、6年前に宿泊した羊牧場Yorkshire Farm(ヨークシャー ファーム)を再訪したいという思いでした。十勝平野の縁にある羊牧場のゆったり流れる時間、イギリスの田舎のB&Bそのものと言った感じの建物とスタッフの人が生むアットホームな雰囲気、そして牧場を見ながらの食堂での美味しい羊料理と、日本に居ながらイギリスにトリップしたような空気に魅かれ、是非、また訪れたかったのです。なので、今回は2連泊でゆっくりと過ごしました。

牧場そのものはびっくりするほど広大と言うほどではありませんが、100頭ちょっとの羊が放牧されています。草の生え具合、食い荒らし具合により、柵で囲われた牧草地から牧草地へ毎日移動します。羊をぼーっと眺めているだけで、普段の喧騒や時間を忘れさせてくれるのが、本当にうれしい。

〈羊たちがまったり〉

宿は10部屋あるかないか。部屋も決して大きいものではありませんが、清潔で必要最低限のものは揃っています。まさに、イギリスで良く泊まったB&Bって感じなんですね。建物の周りには小さなハーブ園や野菜畑、ベリー園なんかもあります。無農薬のベリーは宿泊者は取り放題、食べ放題。熟したブルーベリーをもいで、口にすると、甘酸っぱさが口いっぱいに広がります。


〈ベリー食べ放題です〉

宿で提供される食事は、牧場で飼育された羊の料理です。食堂も窓から牧場が見え、イギリス民謡が流れる落ち着いた雰囲気の中で食するステーキ(1泊目)、香草焼き(2泊目)はなんとも美味。窓から見える羊を食べてるのかと思うとなかなかシュールではありますが、そこは身勝手な人間。そういうものだとして、割り切りました。朝食もシンプルですが、近隣のパン屋さん〈ゴリラのしっぽ〉から配送されるパンが美味しいです。

〈牧場の羊を見ながら食事〉

そして、今回の初体験は宿泊者向けのオプションプログラムの羊飼い体験プログラム。朝食後、Farmの羊飼いのお兄さん、牧羊犬(ボーダーコリー)のノッティと一緒に、羊のお産や飼育の話を聞きながら、羊を牧草地の移動をさせたり、母羊から乳を貰えない子羊にミルクを上げたりします。もう10歳になるという牧羊犬ノッティは引退近しですが、一生懸命、羊を追い込みます。子羊たちは追い立てられて移動しますが、ベテラン雌羊はなどは追い立てられるというよりは、しょうがねえなあ協力してやるよ~といった態度。人間と犬と羊の不思議な関係が面白い。1時間程度の体験ですが、子供の家族連れは興奮してますし、おじさんにも十分楽しい企画でお勧めです。


〈牧羊犬のノッティさん(もうすぐ10歳)。一見、怖いけど、〉

 


〈ノッティ「おらおら、進め~」〉


〈凄い吸引力なんです〉

次回はいつ来れるだろうか?今度は夏以外の季節に訪れてみたいです。

 

2022年8月6~8日


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帯広畜産大学を訪れる: 2022夏 北海道旅行(3)

2022-08-17 07:30:17 | 旅行 日本

土地の大学キャンパス巡りが大好きです。帯広と言えば帯広畜産大学ということで、3日目にキャンパスツアーに出かけました。

夏休み中の閉鎖を危惧しましたが、キャンパスには研究室通い風の学生の姿もそれなりにいるし、運動部の練習で来ている学生もいました。高校生っぽい若者が親とキャンパスマップをもってキャンバスツアーをしているグループもあり、学期中とは異なるのでしょうが、大学らしさあるキャンパスでした。女子学生が多いなあという印象です。総合大学ではないので校舎は多くはありませんが、畜産大学らしくキャンパスには牧場や芝生が綺麗に敷き詰められた運動場がいくつもあって、緑あふれる素晴らしい環境でした。

 

まずは生協に立ち寄りました。大学により品ぞろえが全く違う書籍部を観るのが楽しみなのですが、さすが畜大(略称が畜大とのこと)。私には全く縁がない本ばかりが並んでいて、見ているだけでワクワクします。生物や畜産関連の書籍が中心で、「牛の結び方」なんて本まであります。ロープでどうやって牛を結ぶかが説明している本ですが、確かに牛をロープで結わえるって、独自のノウハウが必要なのですね。生協の大学グッズとかも目を通し、畜大アイスクリームを購入。しつこくなく、さっぱりとした牛乳アイスが何とも美味。

 

キャンパス内は至る所に白樺並木があって、散策にもってこいです。漫画『銀と匙』の実写版映画のロケに使われたとのことで、ロケ地巡りの案内地図も掲示されていました。馬術部の馬場前も美しい白樺が立ち並び、馬場は野川公園近くにある東大馬術部の馬場と比較し、優に3倍はあるように見えます。

 

更にキャンパス内には、なぜか日本酒の醸造所がありました。上川大雪酒造㈱ 碧雲蔵といって、大学の研究とタッグを組んでいるようです。中に入ると見学室もあり、醸造工程が分かるようになっています。お土産で、1本、純米酒を購入しました。

 

再び生協に戻って、昼食目的で食堂へ。畜大飼育の豚による豚丼とかあればと狂喜なのですが、残念ながらメニューは地域色はゼロ。それでもせっかくなので、まったり駄弁っている学生さん達に並んで、ラーメンを食しました。

大学は未来へのエネルギーを貰え、自分自身が若返ります。いわゆる観光地ではないですが、畜大訪問、私はお勧めです。

2022年8月8日


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十勝で人間の業について考える 十勝千年の森&ばんえい競馬:2022北海道旅行(2)

2022-08-16 07:30:45 | 旅行 日本

2日目は、10時過ぎまで宿でダラダラしてから十勝地方の見どころを2箇所訪れました。

【十勝千年年の森】

数多い十勝地方のガーデンの中で、宿をとった新得町の隣町清水町にある十勝千年の森を訪問。広大な土地に、アースガーデン、フォレストガーデン、メドウガーデン、ファームガーデン、HGSデザイナーガーデンの5つが整備されています。「未来へ遺す、未来に引き継ぐ」をコンセプトに自然との共生を謳う素晴らしい庭・森の環境です。

ぶらぶらと散策するもよし、お弁当持ってピクニックも良し、東京近辺ではあり得ないオープンでフレッシュな環境に心身ともに解放されます。厚い雲がかかった日で見通しが悪かったのが残念でした。天気がよければ、日高山脈と一体化した丘がもっと美しく輝いていたことでしょう。

広大な敷地をセグウエイを使って回るガイドツアーがあり、興味をそそられましたが、この日は全て予約で一杯。セグウエイツアーを目的にする人は、事前の予約をしたほうが良さそうです。

【清水町 そば処三品】

新得町や清水町ではソバ畑をいたるところでみかけます。丁度、白い花が畑一面に咲き誇っている時期ですので新そばには時期尚早ですが、真っ白な蕎麦畑を観て、蕎麦を食べたくならない人はいません。清水町の案内パンフを観て入った蕎麦屋さんの蕎麦は絶品でした。


<新得町 蕎麦ロード風景>

絶妙の茹で具合で、仄かに香る蕎麦、濃すぎず薄すぎずのかつおだしの利いたつけ汁、そして写真には無いのですが、柔らかいゴボウの天ぷらが絶品。お店に入った瞬間、ゴボウを揚げる匂いが香るというお店に相応しい、美味のゴボウでした。

北海道の蕎麦がこんなに美味しいとは、これまで露知らず、大感動の蕎麦体験でした。


<市販のガイドにブックには載ってないと思いますが、是非行くべしです>

 

【ばんえい競馬 とかち】

蕎麦で大満足の後は、帯広まで足を延ばして、北海道開拓の名残を残すばんえい競馬を観戦。何百キロというそりを引いた馬が2つの小山の障害を越えて200Mの直線コースを走り抜けるレース。この日はイベントデーらしく入場は無料で、多くの人で賑わっていました。地元の人が殆どのように見えましたが、若いカップル、友達同士、家族連れ、競馬好きおじさんなどなど、バラエティに富んでいます。


<帯広競馬場入口>

府中競馬場で見るサラブレッドとはまったく種類が違う、強く逞しい馬は迫力満点。馬券オッズやレース前のファンファーレなどは通常の競馬と同じですが、レースは随分違ってます。スタート後、1つ目の小山を上り下りしたまでは通常のレースなのですが、最大障害となる2つめの小山を上る前で一休み。馬が山を駆け上る気合と体力を整えるために必要な間とのことですが、出走馬が全部揃って仕切り直しのようで、これはタイムレースではないか???それまでの早い・遅いは何だったのか・・・と驚きでした。

最大のクライマックスは、この第2障害の小山を上る際の馬と騎手の凄まじい必死さ。騎手が掛ける気合やムチが馬に襲い掛かり、馬も必死の形相で駆け上りますが、上り切れない馬もいます。あまりのハードワークと鞭打つ激しい音に、府中の中央競馬しか観てない私は、馬が可哀そうでとても正視できないくらい。


<最大の第2障害。写真だと迫力伝わらず残念>

う~ん、よそ者の感傷をあざ笑うような厳しい当地の人間の娯楽。Wikiによると「ばんえい競馬の起源は木材を運び出していた馬の力比べとされており、北海道開拓期より各地で余興や催事として行われていた」とのことですから、北海道の歴史と文化の一部と言えるでしょう。中途半端なコメントはちょっとできないものを感じつつも、ちょっと素直には楽しめない自分は1レースで会場を後にしました。

未来を見つめ自然と人間の共生をテーマとする十勝千年の森。北海道の厳しい自然を家畜の力を借りて切り開いて来た人間の歴史と文化と言えるばんえい競馬。ともに大切である中で、今を生きる自分たち人間の難しさをちょっと感じた1日でありました。

2022年8月7日


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心身の洗濯に。六花亭アートビレッジ 中札内美術村: 2022夏 北海道旅行(1)

2022-08-13 14:50:23 | 旅行 日本

コロナで2年間夏の長期旅行は封印してきました。今年は第7波の渦中であるものの、万全の感染対策の上、5泊6日の北海道旅行を決行しました。過去訪れたところを中心に、帯広・新得→釧路→屈斜路湖→網走のルートで道央・東を廻るコースです。東京の暑さを逃れ、ゆっくりとした時間を過ごすのが第一で、宿泊地こそ決めているものの、「どこへ行く」、「何をする」という予定は一切立てずに出発。6日間で太陽が顔出したのは最終日前日午後と最終日だけという生憎の天候でしたが、過去の北海道旅行のような台風や豪雨には遭遇せず、小雨程度で済んだのはむしろ幸運でした。


<厚い雲が残念>

【六花亭アートヴィレッジ 中札内美術村】
午後1時過ぎに帯広・十勝空港に到着。予約したレンタカーをピックアップし、まずは空港近くの中札内美術村を訪れました。森の中にテーマ・画家ごとの美術館が配置され、美しく手入れされたガーデンがあるこの美術村は、心身が解放されるお気に入りのスポットです。


〈草地に配置されたオブジェ〉


<森の中に美術館が佇んでいる感じ>

以前は六花亭アートヴィレッジという冠はついてなかった気がしますが、6年ぶりに訪れたの美術村は相変わらず静寂の中、自然と芸術が一体となった環境が素晴らしいです。

北の大地美術館では、自画像公募展「二十歳の輪郭(りんかく)」の応募作品が展示されていました。描き手の過去・現在・未来が表れる自画像は、夫々の思いとエネルギーが溢れ出ていて、見るものにも強く訴えます。



続いて、安西水丸作品館と小泉淳作美術館に足を運びます。日本画家・小泉淳作(1924-2012)の作品は、年齢を負って変化する作風や中札内村の廃校で制作にあたったという建仁寺(京都)の天井画双龍図の下図が興味深く、見ごたえがあります。


〈阿吽になっている双龍図の下図・・・こちらは没バージョン>

イギリス風?庭園も綺麗に手入れされてます。この美術村、経営大丈夫かと心配になるほど、人気が少なくゆったり、落ち着いています。今回も2時間弱の滞在ですが、美術館、庭園、合わせて10名ほどしか、見かけなかったような。こんな庭園を独り占めするって、この贅沢感、なかなか味わえません。


注意点は、この美術村開館は15:00まで(庭は閉鎖されませんが)。私も油断していて、結局、半分未満の3館の美術館しか鑑賞できませんでした。好きな人なら数時間、あっという間に過ぎてしまいますので、訪れる方は、要注意です。

【六花亭本店】
近くには、こちらと同様に森を散策しながら美術が鑑賞できる「六花の森」もありますが、今回は時間の関係で断念。こうした素晴らしい美術村を運営している六花亭に敬意を表して、帯広駅近くにある六花亭本店を訪問しました。併設の喫茶室は16時閉店(15:30LO)でしたが、お店で購入した生菓子やケーキをスタンドのテーブルで食することができます。しかも、コーヒーが(紙コップですが)無料サービス。これも嬉しい~。



幸先の良い、旅のスタートとなりました。

2022年8月6日


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新橋 サラリーマンランチ @烏森百薬(その2)

2022-08-09 10:17:37 | 日記 (2012.8~)

6月に烏森神社を訪れた際に偶然、参道沿いに発見し、その落ち着いた佇まいやしっかりした料理が気に入り、それ以来、時々ランチスポットとして活用している。

ここのランチは、オリジナルのメニューのほかに、料理長(?)が別のお店のレシピをマスターし、そのお店名前付きで提供する料理があり、夫々美味しい。

これはきっとオリジナルなのかな。生アジフライ定食。アジのデカさに肝を抜かれます。ジューシーで熱々の身が、仕事の雑事をすべて忘れさせてくれます。

こちらは、カウンターのお姉さんから「今日がメニューデビュー日なんで、是非、召し上がってください~」というお勧めで食したニラレバ炒め(レバニラだっけな?)。私にはちょっと味付けは濃いめでしたが、味が染み込んだレバにニラがしっかり絡んで美味でした。ご飯お代わりしちゃいました(無料)。

7月から会社が変わり、新橋に通うこととなったので、これからちょくちょくお邪魔させていただくことになりそう。

(カウンター席から)

 


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フェスタサマーミューザ 都響/アラン・ギルバート: ラフマニノフ〈交響的舞曲〉他

2022-08-05 20:53:19 | 演奏会・オペラ・バレエ・演劇(2012.8~)

サマー・ミューザ、今シーズン2回目。アラン・ギルバート、都響コンビで、魅力的で充実のプログラムを堪能した。

前半、プロコの交響曲第一番、古典交響曲で始まった。この曲何度か実演に接しているけど、ハイドンの曲のようで、似て非なる曲。「おっと」と思う仕掛けが散りばめられていて、楽しい。

次いで、アルルの女。「随分久しぶり」と思ったら、2014年8月に同じ都響とミンコフスキ指揮の演奏会で、第1、第2を通しで聴いていた。今回は抜粋版。大好きな第2組曲のメヌエットが無かったのは残念だったが、都響のスケール大きく、芳醇な音色を楽しんだ。

後半はラフマニノフの交響的舞曲。こちらも久しぶりだ。管・打楽器陣の個人技、弦の美しいアンサンブルが素晴らしい。サックスの住谷美帆さん、フルートの(何故かN響の)神田さんのソロがとりわけ際立っていた。アランのメリハリ効いた捌きは、バランスも良く、聴いていて本当に気持ち良かった。

ちょっと残念だったのは、聴衆の入りが7割弱位で空席がけっこうあったこと。この日の「危険な暑さ」のせいか、コロナ感染拡大の予防なのかはわからないけど、こんな素晴らしいホールで、最高のコンビの演奏が聴けるのに空席があるのは勿体ないなあ~。

先週、今週と初めてサマーミューザを体験したが、素晴らしい夏の音楽の祭典で感服した。来年はもっと頑張って遠征しようっと。

2022年8月2日(火) 19:00開演
ミューザ川崎シンフォニーホール

指揮:アラン・ギルバート(東京都交響楽団 首席客演指揮者)

プロコフィエフ:交響曲第1番「古典交響曲」
ビゼー:アルルの女 から
 パストラール(第2組曲)
 メヌエット(第1組曲)
 カリヨン(第1組曲)
 アダージェット(第1組曲)
 ファランドール(第2組曲)
ラフマニノフ:交響的舞曲

Tuesday 2 August 2022 Start at 19:00
MUZA Kawasaki Symphony Hall

Alan Gilbert (Tokyo Metropolitan Symphony Orchestra Principal Guest Conductor), Conductor

Prokofiev: Symphony No. 1 in D major, Op. 25, "Classical"
Bizet: L'arlesienne Suite
 - Pastorale (No. 2)
 - Menuet (No. 1)
 - Carillon (No. 1)
 - Adagietto (No. 1)
 - Farandole (No. 2)
Rachmaninov: Symphonic Dances, Op. 45


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フェスタ サマーミューザ KAWASAKI 2022:指揮 井上道義 読響/ ブルックナー交響曲第9番ほか

2022-08-01 07:29:33 | 演奏会・オペラ・バレエ・演劇(2012.8~)

夏の音楽祭としてはピカ一のサマーミューザ。地理的にちょっと遠いので、私は未踏の音楽祭だったのですが、井上道義さん指揮の読響によるブルックナーなら行かないわけはなしということで、川崎まで遠征。

前半はハイドンの交響曲第45番「告別」。冒頭から読響の奏でる典雅な響きにうっとり。そして、ハイドンが楽団員に夏休みを取らせるアピールを雇い主にしたというこの曲ならではの演出にもほっこり。第4楽章では楽団員が一人ひとりと徐々にステージから退場しますが、ステージ後ろのスクリーンには団員さんのオフのプライベート写真が投影されました。アットホームな雰囲気がホール一杯に広がり、暖かい雰囲気一杯で前半を終えました。

後半のブルックナー交響曲9番。生で聴くのは久し振りな曲でしたが、こういう音楽は生に限りますね。読響は管、弦ともに充実でホール一杯にブルックナーワールドが広がりました。弦はコンミスの日下さんの元、惚れ惚れするアンサンブル。管陣もホルンを初めとして、前回の「パルジファル」でのずっこけも上書きする活躍。ミッキーの特別な想いや気魄が、背中を通じて3階席まで伝わってきました。重厚な曲を、ホールの外の暑さをはるかにしのぐ熱い演奏に触れることで、心中が涼しくなっていく感覚は何とも不思議。

何度もステージに呼び戻されるミッキー。最後はソロ・コール。遠征し甲斐のあった素晴らしい演奏会でした。

 


〈演奏会前に、1年以上ぶりにビッグマック。美味かった~〉

読売日本交響楽団
告別と絶筆。一期一会のシンフォニー

2022年7月29日(金) 19:00開演
ミューザ川崎シンフォニーホール

指揮:井上道義

ハイドン:交響曲第45番「告別」
ブルックナー:交響曲第9番(ノヴァーク版)

Festa Summer MUZA KAWASAKI 2022
Yomiuri Nippon Symphony Orchestra

Friday 29 July 2022 Start at 19:00
MUZA Kawasaki Symphony Hall

Michiyoshi Inoue, Conductor

Haydn: Symphony No. 45 in f-sharp minor, Hob.I:45, "Farewell"
Bruckner: Symphony No. 9 in d minor, WAB109


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