その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

映画 「ブラス!」 (監督マーク・ハーマン/1996)

2016-03-27 08:30:00 | 映画


 炭鉱閉鎖に追い込まれるイングランドの小さな町。そこの炭坑夫達が所属する伝統あるブラスバンドのメンバーたちが、ロイヤルアルバートホールで行われる全英ブラスバンド大会を目指す過程での、彼らの生活や社会が描かれます。イギリス映画らしい淡々として抑制された映像により、リアリティ溢れる(実話がベースになっている)作品になっています。

 炭坑を描いた作品としては「ビリーエリオット(リトル・ダンサー)」が私のベストですが、本作も産業構造の転換期の中で時代の波に翻弄されざる得ない炭坑夫達の人生の一幕を切り取った秀逸な映画です。「リトルダンサー」のようなコメディタッチの部分は無く、よりシリアスです。実話ベースなのに、クライマックスはできすぎぐらい感動的です。

 私は知らなかったのですが、ブラスバンド文化というのはイギリスの草の根に根付いたものだったのですね。「ウィリアム・テル序曲」や「威風堂々」など、音楽映画としても楽しめます。

スタッフ
監督 マーク・ハーマン
脚本 マーク・ハーマン
製作 スティーヴ・アボット
撮影 アンディ・コリンズ
美術 ドン・テイラー
音楽 トレヴァー・ジョーンズ
編集 マイケル・エリス
衣装デザイン エイミー・ロバーツ
演奏 グライムソープ・コリアリー・バンド
字幕 細川直子

キャスト
Danny ピート・ポスルスウェイト
Andy ユアン・マクレガー
Gloria タラ・フィッツジェラルド
Harry ジム・カーター
Greasley ケネス・コリー
Simmo ピーター・ガン
Ida メアリー・ハーレイ
Sandra メラニー・ヒル
Jim フィリップ・ジャクソン
Vera スー・ジョンソン
Ernie ピーター・マーティン
Mackenzie スティーヴ・ムーア
Rita リル・ラフリー
Phil スティーヴ・トムプキンソン

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生島 淳 『ラグビー日本代表ヘッドコーチ エディー・ジョーンズとの対話』 文藝春秋 2015

2016-03-22 08:00:00 | 


 タイトルが長すぎてブログのタイトル枠に収まらなかった。フルのタイトルは 『ラグビー日本代表ヘッドコーチ エディー・ジョーンズとの対話 コーチングとは「信じること」』である。昨年のラグビーのワールドカップ開催中に、日本チームの活躍に触発されて図書館で予約したところ、半年以上経ってやっと回ってきた。

 ワールドカップでの日本チームの歴史的な大活躍はまだ記憶に新しいが、本書はそのヘッドコーチであるエディさんへのインタビューをもとに書かれた本である。日本人論であり、コーチング論であり、世界レベルでの現代ラグビー論であり、一冊で3粒は間違いなくおいしい。

 舌鋒鋭く、物事の本質を突いたエディさんの指摘はうなずかされるところが多い。理論だけでなく、しっかり結果を残してきた人なので、説得力も桁違い。ラグビーの面白さ、奥深さにも触れることができるおすすめ本だ。半年も待たずに、さっさと本屋で買っておけば良かったと思った。お勧めです。


《目次》
1 コーチングはアートである
2 コーチングの流儀1 アイデアをいかに生かすか
3 コーチングの流儀2 数字を使いこなす
4 勝つための組織作り
5 革命の起こし方―日本の課題を整理する
6 教育の価値を考える
7 コーチング最前線
8 ラグビーの世界地図―南半球編
9 ラグビーの世界地図―北半球編


(備忘のためのメモ)
・規律と楽しやさ、規律と柔軟性は決して矛盾しません。・・・本来、『生活の中で正しいことをする』のが規律なのです。(pp20-21)
・スポーツとはあくまでもリクリエーションの一部。・・・本来、リクリエーションとは、何かをもう一度創造するという意味の言葉です。日本では、『レクレーション』と発音されて娯楽的な意味合いを帯びているようですが、それとは違う種類のものです。スポーツは本来の意味でのレクリエーションの一部であり、人間の人生においてエレルギーや活力を与えてくれる活動です。(p29)
・怒るのは選手たちにまだパワーが残されているときでなければなりません。(p43)
・パスとキックの比率。世界の常識は4回パスしたら、1回はキック。日本は11対1が最適。(p53)
・今後のラグビーでスタンダードになっていく数値は、「スタンディング」の時間だという。・・・「・・・ひとりが寝ていれば、どこかにスペースが生まれてしまうからです。」(p60)
・日本では『この仕事をしっかりやりましょう』と、全体像を提示することなく、一部のパーツを任されることが多いのではないでしょうか。・・・パーツできれいに仕事をこなせば、ほめられるので、『次』のことを考える習慣がないんです。・・・『ナイスタックル』と・・・かけられると満足して、ハッピーになってしまう。(p61)
・有望な選手であれば、国内の枠で考えるのではなく、将来を見越してポジションを決めるべき。国際レベルに照らし合わせてみるべき。(p72)
・日本ではもっとクリエイティビティに焦点をあてるべき。もったいない。クリエイティビティがあるからこそ、日本人のアスリートも世界に出て活躍できている。(p93)
・ジュニアの時にはディフェンスよりもアタックのスキルを教えることが大切。・・・ディフェンスはシニアのレベルでも3つか4つの約束事で対応が可能であり、それに加えてメンタリティが重要になる。・・・アタックは、「ディシジョンメイキング」、決断する要素が入り、選択肢の数が膨大になるので、小さいころからの積み重ねが重要。(p116)
・「ワン・フォア・オール、オール・フォア・ワン」という言葉をラグビー界で使うのは日本人だけでしょう。ワン・フォア・オールが強調されていて、才能豊かな選手に合わせて周りが動く「オール・フォア・ワン」が軽視されていないか?(p128)
・日本チームにはなかなかリーダーシップが育たたない。・・・『責任』が生まれない集団にはリーダーシップが育たない。日本人は、相手を追い詰めるような議論も好まれませんから、責任の所在も曖昧で、リーダーが育ちにくい環境にあると思います。(p134)
・リーダーの要素。・自分が所属しているチームで絶対に勝ちたいと思っていること、・懸命に練習すること、・他の選手にポジティブな影響力を及ぼし、責任を持たせられること(p134)
・ほとんどの日本の選手たちは、自分がリーダーになりたいと思ってはいない。・・・日本の選手たちは、自分が責任をもってやりますと言いたがらない。役割を分担するのを好みます。・・・ラインアウトのサインを決める時も、最終的に一人でなく、2,3人で決めましょうという形に持っていく。そんな人任せの判断しかできないようでは絶対に勝てません。グラウンドはディスカッションする場ではないですし、そんな時間もないですからね。瞬時に判断するリーダーが必要なんです。(pp137-138)
・これからのラグビーはアメリカン・フットボールのにより近い形になっていく気がします。・・・選手個々の判断力は重要ですが、役割の分担がよりハッキリしてくるのではないでしょうか。・・・現代のラグビーでは個々の選手の身体能力が目覚ましく向上して、ますます速く、強く進化しています。そうなるとスペースが少なくなって、『ディシジョン・メーカー』が決定的な仕事をするようになるのは必然の流れなのです。そして、それを支えるフォワードはこれまで以上に仕事人として自分の役割に徹しなくてはいけなくなる。(p202)

 

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新国立劇場バレエ団/ DANCE to the Future 2016

2016-03-20 08:00:00 | 演奏会・オペラ・バレエ・演劇(2012.8~)
 久しぶりに新国立バレエ団の公演に足を運びました。第一部と第二部はダンサー達が振付を行った作品群のパフォーマンス、第三部が現代バレエの「暗やみから解き放たれて」という三部構成です。

 ダンサーさんたち自身が振付を行うというのは面白い企画ですね。ド素人の私には振付についてコメントする知識も見識もありませんが、いろんな振付が楽しめました。米沢唯さん振付の「Giselle」は、米沢唯さん自身が踊りました。オリジナル「Giselle」は見たことないのですが、コミカルな動きでとってもユニークでした。福田圭吾さんの「beyond the limits of ...」もダンサーさんたちのシャープな動きが楽しめて、個人的に好み。

 第3部の「暗やみから解き放たれて」は一昨年に観ています。提灯のぼんぼりのようなオブジェクトと光を活用したシンプルですが幻想的な舞台と踊りで好きな作品です。今回も小野絢子さんらバレエ団の主要メンバー揃い踏みのパフォーマンスを楽しめました。

 会場は半分強ぐらいの入りでしたが、中劇場はダンサーさんたちがとても近く、息吹きまでが伝わるような臨場感が気に入ってます。芸術監督が変わってから、プログラムが古典中心となっている新国立劇場バレエ団ですが、是非、このような現代ものやユニークな企画で新しい領域を切り開いてほしいです。


《「暗やみから解き放たれて」 新国立劇場HPから》

2016年3月13日(日)14:00 中劇場

プログラム・スタッフ・キャスト

第一部・第二部

NBJ Choreographic Group 作品

【アドヴァイザー】平山素子

「Immortals」
【振付】橋一輝
【音楽】ヴィヴァルディ/M.リヒター
【出演】盆子原美奈、中島駿野、林田翔平、奥田祥智、佐野和輝、八木 進、吉岡慈夢

「Fun to Dance~日常から飛び出すダンサー達~」
【振付】小口邦明
【音楽】M.グレコ
【出演】小口邦明、若生 愛、宇賀大将、小野寺 雄、フルフォード佳林、益田裕子

「Disconnect」
【振付】宝満直也
【音楽】M.リヒター
【出演】五月女 遥、宝満直也

「如月」
【振付】原田有希
【音楽】D.ヒース
【出演】五月女 遥、玉井るい、柴田知世、原田有希、盆子原美奈、益田裕子、山田歌子

「Giselle」
【振付】米沢 唯
【音楽】A.アダン
【出演】米沢 唯

「カンパネラ」
【振付】貝川鐵夫
【音楽】F.リスト
【出演】宇賀大将(12日)/貝川鐵夫(13日)

「beyond the limits of ...」
【振付】福田圭吾
【音楽】トミー フォー セブン
【出演】奥村康祐、寺田亜沙子、奥田花純、堀口 純、木下嘉人、玉井るい、林田翔平、原 健太

第三部
暗やみから解き放たれて
【振付】ジェシカ・ラング
【音楽】O.アルナルズ/N.フラーム/J.クレイマー/J.メトカーフ
【装置】ジェシカ・ラング(モロ制作会社ステファニー・フォーサイス、トッド・マックアレンのデザインによる裝置使用)
【照明】ニコール・ピアース
【衣裳】山田いずみ
【出演】小野絢子、福岡雄大、八幡顕光、米沢 唯、
奥村康祐、貝川鐵夫、福田圭吾、奥田花純、
五月女 遥、細田千晶、丸尾孝子、川口 藍、
広瀬 碧、宝満直也、若生 愛、朝枝尚子、
小野寺 雄、原田有希

[NBJ Choreographic Group's works]

Choreography  Dancers of the National Ballet of Japan

[Escaping the Weight of Darkness]
Choreography  Jessica LANG


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山崎 元 『信じていいのか銀行員 マネー運用本当の常識』 (講談社現代新書 2015)

2016-03-18 18:00:00 | 


 「アベノミックスは失敗だったのか?」の論争が、最近盛り上がってますが、世界最悪クラスの財政赤字、マイナス金利まで進んだ金融緩和、一向に進んでいるように見えない構造改革、とめられない高齢化社会などの状況が示しているのは、日本はどうみてもこのままではいかんだろうということです。弱き小市民の自己防衛として、何ができるのか。少しでもヒントになればと、立ち寄った本屋でたまたま本書を見つけ、読んでみました。

 お金については、何かをしなくてはいけないということは理解しつつも、ついつい後回し。結果として何もしていない私には手ごろな教則本でした。「銀行員に頼らず自分で考えろ」というのがメインメッセージです。銀行員にマネーの相談はしたことはないですが、書かれている内容に違和感はありません。

 具体的なアクションは、第4章に10のヒントで記されていますので、読んでのお楽しみということで。



《目次》
第1章 銀行との正しい付き合い方
普通預金は「案外悪くない」/銀行は銀行員の顔を見ないで使おう/銀行員が高給取りであることを忘れるな/数年後の銀行預金には疑問がある/銀行で買っていい運用商品はひとつだけ/銀行が売る投信はクズばかり/銀行にNISA口座を持つな/就職先として銀行はお勧めしない

第2章 銀行員には不都合なお金の真実
目的別の資金運用を疑え!/バランスファンドは初心者向きでない/ドルコスト平均法は不利/毎月分配型ファンドは完全無視が正解だ/ラップはクソだ!/金融マンに人生相談してはいけない/99%の投資信託がダメな理由

第3章 銀行員が教えてくれないお金の正しい知識
長期投資でリスクは減らない/高金利通貨がハイリターンとは限らない/損切りの目標設定は不必要/テクニカル分析は相手にするな/アナリストを信じるな

第4章 個人はお金をどう運用したらいいのか
「普通の人」のための運用法/リスク資産の投資額は「360」で決定/内外の株式ファンド買う比率/DCとNISAどうやるべきか/金利上昇リスクにどう備えるか/まず手数料を評価せよ/リスクとの付き合い方/機会費用の考え方/他人を信じないことの重要性

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オペラ「サロメ」/リヒャルト・シュトラウス @新国立劇場

2016-03-15 08:00:00 | 演奏会・オペラ・バレエ・演劇(2012.8~)


 もう多くの方が絶賛されているので、機を逸した感はありますが、本当に素晴らしい舞台でした。「サロメ」は演奏会方式も含め何度も聴いていますが、今まででベストと言っても過言でないでしょう。ドキドキ、バクバク、前のめりの1時間40分でした。

 サロメ役のニールント。2012年にロイヤルオペラで「ルサルカ」の題名役で聴いて以来です。キンキン響きすぎない、安定した美声のソプラノが良いですね。演技も迫真でした。純粋な乙女のサロメと妖気的サロメの両面が演じられてました。年齢的にはベテランの域に達していると思いますが、美形の方なので、気高い王女様のイメージとも合ってます。ベールの踊りも、体張って、最後は下着姿までご披露となりました(ただ、逆にあそこまでやらないほうが、イメージが広がって、演出的には良いのではないかと思いましたが)。

 男性陣もヘロデ役のフランツ、ヨハナーン役のグリムスレイが素晴らしい。特に、グリムスレイの声は、芯が通って預言者に相応しい威厳を感じる声でした。代役だったヘロディアス役のハンナ・シュヴァルツ、ナラボート役の望月哲也、ヘロディアスの小姓役の加納悦子、いずれも充実したパフォーマンス。これだけ充実した歌手陣はめったに聞けないものでしょう。

 そして、ダン・エッティンガー指揮の東京交響楽団の演奏も凄まじかった。12月にデュトア、N響で聴いたばかりですが、演奏のスケール感、陰影で、今回の東響に軍配が上がります。オーケストラのとてつもない集中力がエネルギーとなって伝わってきました。緊張感あふれる音楽の中に、時折流れる美しいメロディもあり、ここまでサロメの音楽に没頭できたのも記憶にありません。

 一昨年(マイリンスキー劇場管弦楽団)、昨年(N響)と2年連続で演奏会方式のサロメを聴いて、好みでない舞台装置で聴くぐらいなら演奏会方式のほうがよっぽどいいと思ったのですが、今回はやはり舞台には舞台しかない良さを再認識させられました。舞台中央に大きな井戸風の地下牢を置き、奥に大きな多角形テントを張って、薄暗い照明は中東的なエキゾチックな雰囲気を漂わせます。このプロダクション自体は2008年に同じものを見ていますが、オーソドックスながらも、状況設定を無理なく理解できて、時代の雰囲気を感じることができ好みです。必要以上に主張することなく、音楽、歌、演技をしっかり支えてました。

 まさにオペラの醍醐味とも言うべき、歌、管弦楽、演出が三位一体となった素晴らしい舞台。観衆からもブラボーの嵐。欧州でも、これだけの「サロメ」はそう見ることはできないでしょう。



2015/2016シーズン
オペラ「サロメ」/リヒャルト・シュトラウス
Salome/Richard Strauss
全1幕〈ドイツ語上演/字幕付〉
オペラパレス

2016年3月12日

スタッフ
【指揮】ダン・エッティンガー
【演出】アウグスト・エファーディング
【美術・衣裳】ヨルク・ツィンマーマン
【振付】石井清子
【再演演出】三浦安浩
【舞台監督】大澤 裕

キャスト
【サロメ】カミッラ・ニールント
【ヘロデ】クリスティアン・フランツ
【ヘロディアス】ハンナ・シュヴァルツ
【ヨハナーン】グリア・グリムスレイ
【ナラボート】望月哲也
【ヘロディアスの小姓】加納悦子
【5人のユダヤ人1】中嶋克彦
【5人のユダヤ人2】糸賀修平
【5人のユダヤ人3】児玉和弘
【5人のユダヤ人4】青地英幸
【5人のユダヤ人5】畠山 茂
【2人のナザレ人1】北川辰彦
【2人のナザレ人2】秋谷直之
【2人の兵士1】大塚博章
【2人の兵士2】伊藤貴之
【カッパドキア人】大沼 徹
【奴隷】松浦 麗

【管弦楽】東京交響楽団
【芸術監督】飯守泰次郎

2015/2016 Season

Music by Richard STRAUSS
Opera in 1 act
Sung in German with Japanese supertitles
Opera Palace

Staff
Conductor Dan ETTINGER
Production August EVERDING
Scenery and Costume Design Jörg ZIMMERMANN
Chreographer ISHII Kiyoko
Revival Director MIURA Yasuhiro
Stage Manager OSAWA Hiroshi

Cast
Salome Camilla NYLUND
Herodes Christian FRANZ
Herodias Hanna SCHWARZ
Johanaan Greer GRIMSLEY
Naraboth MOCHIZUKI Tetsuya
Ein Page der Herodias KANOH Etsuko
5 Juden 1 NAKASHIMA Katsuhiko
5 Juden 2 ITOGA Shuhei
5 Juden 3 KODAMA Kazuhiro
5 Juden 4 AOCHI Hideyuki
5 Juden 5 HATAKEYAMA Shigeru
2 Nazarener 1 KITAGAWA Tatsuhiko
2 Nazarener 2 AKITANI Naoyuki
2 Soldaten 1 OTSUKA Hiroaki
2 Soldaten 2 ITO Takayuki
Ein Cappadocier ONUMA Toru
Ein Sklave MATSUURA Rei

Orchestra Tokyo Symphony Orchestra
Artistic Director IIMORI Taijiro

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ロッシェル・カップ 『反省しないアメリカ人をあつかう方法34』 アルク社 2015年

2016-03-12 20:29:08 | 


 タイトルに引かれて手に取りました。私自身は、アメリカ人と仕事をする機会は多くないですが、アメリカ人ならずとも、私が駐在時に一緒に仕事をしたイギリス人など欧米人一般にも十分に通用する内容になっています。

 簡単にではありますが、34のポイントが紹介されています。私の経験に照らしてみても、どれもうなずけるアドバイスで、私が赴任する時にこの本があれば、外国人との仕事を一緒にするときの注意点、ノウハウについて半年ぐらいは時間をセーブできたのにと思いました。

 例えば、
★ 「締め切り」を守らないアメリカ人
 →「締め切り」という概念は日米で異なる
  (Deadlineには、「固く守られるべき」ものと「あまり固く守らなくてもよい」ものがある)
 →①相手の立場を考えて締め切りを設定する
  ②相手の上司を通じて頼む
  ③締め切りを確認する

★ すぐにI can do it.というアメリカ人
 →できるということはアメリカ人の美徳
 →具体的な質問で能力を引き出し、早め早めのサポートを

★ 残業しないアメリカ人
 →アメリカ人も罪悪感に駆られている
 →アメリカ人に残業してもらうために
  ①的確な指示を与える
  ②残業を早めに告知する
  ③「持ち帰り残業」を許可する
  ④普段から良好な関係を築いておく

 理解することとできることは別ですが、知らないよりは知っていたほうが断然いいです。ただ、この手の本を読むときに注意しなくてはいけないのは、「アメリカ人は・・・」、「イギリス人は・・・」という一般化、ステレオタイプ化です。すべての日本人の反応が同じでないように、アメリカ人、イギリス人も人それぞれ。安易な一般化による決めつけは気を付けたいです。

 また、この本の良いところは、外国人にとっての日本人の困ります行動にも触れられていることです。

 ・会議での日本人のビヘイビアー
 ・日本語を話したがる日本人
 ・実現できない目標を立てたがる日本人←これはまさにその通り!
 ・返事をよこさない日本人 などなど

 とても具体的ですので、外国人と仕事上の接点がある人にはお勧め間違いなしです。


《目次》

1 アメリカ人には気をつけろ!
(文句の多いアメリカ人、反省しないアメリカ人、ほめられたいアメリカ人 ほか)

2 こんな日本人と日本企業もコマリマス…
(会議が苦手な日本人、日本語を話したがる日本人、すぐ異動してしまう日本人 ほか)

3 アメリカ人上司の下で働くのも楽ではない!
(部下の悩みに気づかないアメリカ人上司、自己アピールを期待するアメリカ人上司、メールに返事をしないアメリカ人上司 ほか)
コメント (5)
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都響/「作曲家の肖像」シリーズVol.106〈日本〉(最終回)

2016-03-09 08:00:00 | 演奏会・オペラ・バレエ・演劇(2012.8~)


 鴻巣パンジーマラソンを走った後は、着替えて池袋へ直行です。都響の「作曲家の肖像」シリーズ最終回を飾るのは日本の作曲家たちの作品。普段は、なかなか聴けないプログラムです。貴重な機会だと思うのですが、会場はいつもよりも空席が目立っていたのは残念でした。

 一曲目の武満徹の「冬」は札幌冬季五輪記念IOC委嘱作品だそうですが、北海道の冷たく厳しい寒さをそのまま表したような作品。あまり万人受けするタイプの音楽ではなく、私もいまいち消化不良気味。

 逆に二曲目の柴田南雄の《遊楽(ゆうがく)》は、祭囃子などを素材とした楽しく陽気な曲です。途中、ヴァイオリン奏者たちが立ちあがって、祭りの練り歩きのように舞台を歩みながら演奏します。これはこれで楽しめたのですが、お祭りのイメージを表しているなら、もう少し楽しそうに演奏してもらっても良いんでは。結構、みなさん真面目な顔で演奏していて、お祭り気分という雰囲気には見えなかったのは残念。

 休憩後は、池辺晋一郎の第9交響曲。福島の詩人長田弘の詩をベースにした9楽章・50分にも及ぶ作品です。プログラムによると、作曲した池辺氏が、東日本大震災以後、自然と人間の関係について考えるようになり創られた音楽とのこと。幸田さんのソプラノと宮本さんのバリトンが会場に美しく響きました。意外だったのは、日本語でも歌詞って意外と聞き取りにくいんですね。詩の意味合いや言葉の美しさを鑑賞するまでには至りませんでした。都響のサウンドは透明感があって美しく、心洗われます。

 3曲とも全く初めて聴く曲だったので、自分自身いま一つ勝手がわからなかったという点はありましたが、シリーズの最終回を日本の作曲家で締めるという企画は素晴らしいです。残念ながら、来シーズンはスケジュールの関係で、会員継続はなりませんが、1回券でフォローしていきたいと思います。




日時:2016年3月5日(土)14:00開演
場所:東京芸術劇場コンサートホール

指揮/大野和士
ソプラノ/幸田浩子 *
バリトン/宮本益光 *

武満 徹:冬(1971)
柴田南雄:遊楽 no.54(1977)
池辺晋一郎:交響曲第9番*(2013) ソプラノ、バリトンとオーケストラのために

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鴻巣パンジーマラソン (ハーフの部) ~雰囲気の良い中規模大会~

2016-03-06 08:00:00 | ロードレース参戦 (in 欧州、日本)
 昨年11月のさいたま国際マラソン以来のレースです。12月にお尻の筋肉を痛めそれが脚にも波及したのが、いまだもって完治せず、思うように練習ができていないので、「走りきれるだろうか?」と不安を抱えての参加となりました。目標はタイムは2の次で、とにかくしっかり完走。

 鴻巣パンジーマラソンは初めてです。珍しい土曜日開催の大会です。天気予報では最高気温17度、4月下旬の気候ということでしたが、曇りで体感的には10度ちょっとという感じでした。高崎線の鴻巣駅から15分ちょっと歩いた、市の陸上競技場がスタート地点です。会場に到着すると、既に親子マラソンなどのファミリーイベントが始まっていて、地元の運動会的な暖かい雰囲気が流れてました。着替えも隣接の体育館で暖かい中できるので快適です。


《スタート!》

 スタートするとトラックを半周廻って、ロードに出ます。同じ埼玉でも、さいたま国際マラソンはアップダウンがそれなりにありましたが、この鴻巣エリアはまさに関東平野ど真ん中とでも言うことなのか、まっ平。走りやすいこと、この上ないです。体調が万全なら物足りないかもしれませんが、今の私にはぴったりでした。


《さあ、ロードへ》

 最初の1キロはランナー渋滞もあって6分、それ以降はキロ5分40秒前後で走りました。普通の状態なら5分20秒が目安なので、やはりお尻の影響があるようです。だんだん体が温まって来て、10キロ前ぐらいから、思い切って少しスピードを意識して上げて負荷をかけてみました。途中、11~14キロぐらいの距離表示が間違っていた気がするので正確なところはわかりませんが、キロ5分~5分20秒で走れました。




《写真ではわかりにくいですが、田園の中をランナーが走っています》

 5キロ毎のウォーター・ステーションもスムーズだったし、沿道の応援も嬉しかったです。結局、1時間53分台でゴールできました。心配された尻と脚はやはり後半は痛みと痺れが発出し、辛いものがありましたが、走れなくなるほどではありません。ただ、1月後に控えたフルマラソンに向けてはまだ不安が残るところです。


《暖かい声援をくれた地元の中学生》


《ゴール前の最後のトラック》

 ゴール後は、アクエリアス1本と鴻巣市メインキャラクターひなちゃんがプリントされたスポーツタオルが頂けます。記録証がゴール後すぐに貰えるのもうれしいです。月刊誌「ランナーズ」の全国100選に入るだけの大会でした。

 余談ですが、帰路に鴻巣駅の隣接の駅ビルに入ったらびっくり。何十段にも及ぶすごいお雛様のピラミッド。一見の価値ありです。





2016年3月4日(土) 出走
コメント (2)
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映画 「リトル・ミス・サンシャイン」 (監督ジョナサン・デイトン、ヴァレリー・ファリス 2006年)

2016-03-03 20:00:00 | 映画


 「美少女コンテストのクィーンを夢見る少女とその個性的な家族が、黄色いワゴン車に乗ってコンテスト会場を目指す姿を描く。(中略)機能不全に陥った一家族が、旅を通して再生していくハートウォーミングな展開が見どころ。」(Yahoo映画から「シネマトゥデイ」の引用)

 2007年の第79回アカデミー賞で脚本賞と助演男優賞を獲得している。ダメダメ家族が団結していくプロセスが、ロードムービーとして軽やかに描かれていて、笑いあり、少しの涙ありで、ほのぼした気分に浸れる。

 アカデミー賞を取ったのは、おじいちゃん役のアラン・アーキンだが、娘オリーブ役のアビゲイル・ブレスリンが、この映画を支えている(助演女優賞にノミネートはされていた)。後半の山場、美少女コンテストのダンスシーンには腹を抱えて笑わった。

 映画評論家の解説によるとアメリカ的価値観に対するアンチテーゼとの見方もできるようだが、難しいことは考えず、肩肘張らずに楽しみたい。良質のアメリカ映画である。
 

スタッフ
監督ジョナサン・デイトン バレリー・ファリス
製作マーク・タートル、トーブデビッド・T・フレンドリー、ピーター・サラフ

キャスト
グレッグ・キニアリ:チャード・フーバー
トニ・コレット:シェリル・フーバー
スティーブ・カレル: フランク
アラン・アーキン: グランパ
ポール・ダノド: ウェーン・フーバー
アビゲイル・ブレスリン: オリーブ・フーバー
ブライアン・クランストン

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