その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

3年ぶりのイギリス訪問 (7) 《コッツウォルズ フランプトン・マンセル》

2015-08-30 09:09:33 | 旅行 イギリス
 コッツウォルズのガイドブックは沢山出版されていますが、フランプトン・マンセルについて紹介された本はいまだ見たことありません。コッツウォルズの宿泊施設を探していて、ホテル予約サイトで偶然見つけたパブ併設のInn(旅館)が良さそうだったので、訪ねてたところの村がフランプトン・マンセルです。

 場所は、コッツウォルズの首都ともいえるサイレンスターとストラウドの間を結ぶ主要道路であるA419沿いにあり、60世帯、200人ほどの小さな小さな村。フロム川(River Frome)により形成されたフロム峡谷(Frome valley)の南側にあります。なので、コッツウォルズにある平原やなだらかな丘の地形とは異なり、かなり急な谷あいにある村です。


《泊まったパブ件旅館 クラウン・イン》


《さっそく、ビールをちびちび飲みながらまったりと》

 坂ばかりの村の散策はちょっとしんどいところもありますが、コッツォルズの他の村とは異なる趣が楽しめます。


《セント・ルーク教会 1843年建立です》


《村の子供たちの移動手段は馬?》

 谷あいを降りていくと、谷底にフロム川が流れ、並行して鉄道が走っています。川沿いはFootpathになっています。


《てくてくと・・・》


《けっこうワイルド系のFootpath》


《川に沿って走る鉄道》


《なんとFootpathは線路を踏切もなしに渡れと 「止まって、見て、聞いて」からね》


《鉄道の煉瓦の高架橋 なかなか趣があります》


《中央奥に見える村が峡谷を挟んで北側の村》

 1633年築のサイダー・ハウスだった建物を利用したパブ(ザ クラウン・イン)も落ち着いた雰囲気でくつろげます。地元のオーガニック・エールでのんびりと。夕食もそこで典型的パブ料理を。


《エールいろいろ》


《名物?のロースト・ビーフ》

 写真は撮らなかったのですが、宿泊はこのパブの裏側に別棟になっています。イギリスの宿としてはとっても広々としていて、リラックスできます。1泊ではもったいなさすぎるぐらい。


《滞在中、この朝だけだったイングリッシュ・ブレックファースト》

 ロンドンとは真逆の静寂の時間を過ごすことができました。

(つづく)
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3年ぶりのイギリス訪問 (6) 《オックスフォード & コッツウォルズ》

2015-08-29 08:24:49 | 旅行 イギリス
 せっかくの機会なので、車を借りて1泊2日でロンドンを脱出しました。向かったのはオックスフォードとコッツウォルズ。

 ロンドンから車で1時間ちょっと走らせてオックスフォードへ。目的地はアシュモリアン博物館です。事前に情報を得ていた特別展「偉大なる英国絵画展(Great British Drawings)」がお目当てです。ゲインズバラ、ターナー、ロゼッティ、ミレイ、ハントからホックニーとイギリス美術を一望する企画で、しかも多くが一般公開初ものというふれこみです。

 が、残念ながらわざわざ特別展料9ポンドを払って鑑賞するほどの展示ではありませんでした。デッサンや小型の水彩画など、比較的軽めの作品が多く、私にはあまり興味をそそられず。30分程度で特別展会場は退出しました。


《これが大学博物館だからね~》

 それでもアシュモリアンの一般展示の絵画は、ルネッサンスからラファエロ前派やピサロのコレクションなどなど、目が眩む展示が一杯ですから、そちらのほうを楽しみました。ロンドンの混みこみ美術館を離れ、ゆったりマイペース。いつもながら、これが大学の美術館なんて信じられないです。歴史と伝統の重みを感じざる得ません。

 オックスフォード市内も少しぶらぶら。ただ、ここもロンドン同様、ツアー観光客、語学学校の生徒達と思しきグループ、一般観光客らで一杯。8月で大学生が夏休みで不在なことも手伝ってか、キャンパスと言うよりは完全に観光地と化してました。それでも、天気の良い中、中世から続くカレッジを覗きながら街をブラ歩きするのは何とも気持ちよいものです。


《ピンボケですが街の雰囲気だけ》


《ボドリアン図書館。14世紀からの図書館です》



 この後、この日の宿泊のサイレンスターから西に10kほど行ったコッツォルズ中部にあるフランプトン・マンセルという村に向かいます。途中、コッツォルズの中でも有名なBurford(バーフォード)、Bibury(バイブリ―)の村を通りましたが、こちらも観光客で一杯で、駐車場所さえ探すのに一苦労と言う感じだったので、バイブリーでセントメアリー教会に立ち寄った以外は素通りして宿に向かいました。


《バイブリーのセントメアリ教会》


《いかにもコッツォルズっぽいお庭》

 コッツォルズは車を走らせているだけでストレスが抜けますね。コッツォルズ名物の羊はそう多く見かけませんでしたが、ゆるやかな段丘のある、視界いっぱいに広がる牧草地や草地を突っ切ってのドライブは、イギリスならではの田舎の魅力をたっぷり味わえます。ドライブ風景を写真を撮らなかったのが残念。

(つづく)

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3年ぶりのイギリス訪問 (5) 《ウィリアム・ホガース巡り》

2015-08-26 07:25:52 | 旅行 イギリス
 今回のロンドン訪問では高橋裕子さんの『イギリス美術史』(岩波新書)で紹介されていたウィリアム・ホガースの油彩を見ることも「やりたいこと」の一つでした。有名な版画「ジン横丁」「ビール通り」は大英博物館所蔵(ただこの2枚はどこかで観た記憶はあるのですが、大英博物館で見た覚えはありません)ですが、まずはこれまで足を運んだことが無かったサー・ジョン・ソーン博物館がターゲット。


《ジン横丁 これは大英博物館》

 同博物館は大英博物館の近くにある邸宅博物館です(ホルボーン駅から徒歩7分ぐらい)。「イギリスの建築家ジョン・ソーンの旧邸宅を用いた美術館、博物館であり、ソーンの個人的な趣味により収集された美術品コレクションを展示」(Wikiより引用)しています。さほど広いとは言えない邸宅に美術品や工芸品が所狭しと展示(というより設置)してあります。写真不可だったので、イメージはHPをご覧ください。


《うっかりすると通り過ぎてしまうサー・ジョン・ソーン博物館》

 ここには、ホガースの有名な風刺画の連作「放蕩息子一代記」(タイトルの和訳は色々あるようです)と「選挙」があります。どちらも1階の奥まった部屋にあります。人が5,6名も入れば触れ合う10畳程度の大きさです。「放蕩息子一代記」の8枚は部屋に入って左手にある開き扉の内側に隠されているので注意してください。扉が閉まっている場合は、部屋管理のおじさんが居ますので、開いてもらうようにお願いしましょう。私が部屋に入った時は、たまたま先客のために扉が開いていました。「選挙」は、その開き扉の外側と反対側の壁に掛けてあります。一枚一枚、パーツパーツの意味などを類推しながら当時の様子を想像するのは楽しい時間です。


《放蕩息子一代記の一枚》


《選挙の一枚》

(サー・ジョン・ソーン博物館には、これ以外にも大英博物館にありそうな古代の石の棺桶とか、個人の趣味とは言えここまでやるのかという品々がいろいろあります。入館無料ですから、覗くだけでも価値ありです)

 ホガースの絵はナショナル・ギャラリーにもあります。これまで有名な「グラハム家の子供たち」は見ていましたが、六連作の「当世結婚事情」はあまりじっくり見てなかったので、混みこみのギャラリーの中、この連作だけはじっくり鑑賞しました。絵そのものよりも、このユーモアセンスが良いですね。現代の漫画や新聞・雑誌にある風刺イラストと通じるものがある上に、当時の風俗が伺い知れて興味深いです。

 
《当世結婚事情の一枚》


 これ以上書くと、ホガースを勉強されたブログ仲間の守屋さんに笑われそうなので、この辺にしておきます。
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3年ぶりのイギリス訪問(4) 《ミュージカル ”ビリー・エリオット” ”レ・ミゼラブル”》

2015-08-23 22:12:02 | ミュージカル、演劇 (in 欧州)
 ロンドンの夜と言えば、ウエスト・エンドのミュージカルやお芝居。ミュージカルは、3年前には無かった「ベッカムに恋して」「チャーリーとチョコレート工場」「レット・イット・ビー」などの作品が追加されており、どれを見に行くかが難しいのですが、やっぱり大好きな「ビリー・エリオット」と「レ・ミゼラブル」は外せません。

【ビリー・エリオット】


 ビリー・エリオットはチケットの当日券安売りショップTKTSで60ポンドの席を47ポンドで購入。注目のビリー役は、、NatSweeny君と言う、今年7月からレギュラー入りしたばかりの少年でした。ベースとなる分野は体操のようで、バレエシーンではまだこなれた踊りとは言えない硬さが感じられました。が、アクロバット系のシーンでは見事な身のこなしです。デビューしたてなので、小柄で舞台映えという意味ではまだもう一歩かな。文字通り、これからの成長が楽しみなビリー君です。

 他の主なキャストは概ね変更ありませんが、お婆ちゃん役が変わっていました。スタート以来勤めてきたAnn Emeryさんは昨年の舞台実写版の映画”Billy Elliot Live"には出演されてましたが、1930年生まれの80歳台半ばですからご勇退されたようです。新しい方も違和感なく演じていましたが、お婆ちゃんと言えばAnn Emeryさんだったので、ちょっと、寂しい感じ。

   
《ポスターいろいろ》


【レ・ミゼラブル】


 こちらは売切れに備えて、日本でネット予約して行きました。TKTSでは取り扱っていなかったので正解だったようです。早くから予約したおかげで前から10列目ぐらい。劇場内はビリー・エリオットに比べると、ずっと大人の雰囲気です。



 キャストは私が見た3年前からは殆ど変ってました。いずれも非常にレベルの高い歌唱と演技で、本作品は4回目の観劇でしたが、これまでで一番の感動。特に、ジャン・ヴァルジャン役は、ジャベール役に比して、不満が残った時が多かったのですが、今回のPeter Lockyerさんは今まででベスト。あと、フォンティーヌ役がアジア系(フィリッピン)の役者さんだったので少々びっくり。映画版のアン・ハサウェイの演技があまりにも印象的で残像が強く、見た目の違和感が拭えませんでしたが、伸びのある歌声は素晴らしかったです。

 多少、演出も変わったような気がしましたが、重厚で感動的な舞台は25年以上のロングランが続いているのも頷けます。

 
 他にも行きたい舞台はいろいろあったのですが、今回のミュージカルは結局この2本で我慢。円安のせいで、以前より随分高額になった気がしますが、劇場の雰囲気と公演レベルは間違いなくロンドンならではです。

 
(レ・ミゼラブルのキャスト)
Jean Valjean Peter Lockyer
Javert Jeremy Secomb
Fantine Rachelle Ann Go
Thénardier Phil Daniels
Madame Thénardier Katy Secombe
Eponine Carrie Hope Fletcher
Cosette Zoë Doano
Enjolras Bradley Jaden
Marius Rob Houchen.


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3年ぶりのイギリス訪問(3) 《素晴らしいロンドン公園ジョギング》

2015-08-22 10:07:40 | 旅行 イギリス
今回のイギリス訪問は幸運にも天気に恵まれました。気温も暑すぎず寒すぎずで、寒さに備えてスーツケースに詰め込んだセーターやハイネックのシャッツは全くの無用の長物と相成りました。

その気候の良さにも誘われて、ロンドンに来たからにはやっぱり恒例の公園ジョギング。宿泊もハイドパーク近くであったので、毎朝、ケンジントン・ガーデンズ→ハイドパーク→グリーンパーク→セント・ジェームスパークという4公園の縦走を楽しみました。素晴らしい、朝の公園風景をご紹介したいと思います。

8月7日 6:10~7:10
《ケンジントン・ガーデンズ入口にあるイタリア庭園 雲がだんだん途切れて、朝日が木々の頭を照らし始めます》

《ケンジントン宮殿も朝日を浴びて黄金色に輝きはじめます》

《神秘的美しさに息を飲みます》

 《ハイドパークの池 やっぱりいました 泳いでいる人(写真中央と奥)》

 《7時近くになると、ジョギング、サイクリング、通勤者など公園にも人が増えてきます @ハイドパーク》

8月9日 6:40~7:40
 《在住時はここが季節の定点観測地点でした。木々の葉に
は既に秋の気配が感じられます》

《ハイドパークの鴨》

《セント・ジェームスパーク出入り口からバッキンガム宮殿を臨む》


 ロンドン観光される方は、ジョギングシューズを忘れずに!
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3年ぶりのイギリス訪問(2) 《大混みロンドン!》

2015-08-20 07:15:34 | 旅行 イギリス
街を歩いていて思ったのは、「ロンドンの夏って、こんなに観光客が多かった?」。人ごみの東京を離れて、ロンドンでまったりしようという思惑は大きく裏切られる混雑ぶり。有名観光スポットの混み具合は経験が無いほどで、国会議事堂があるウエストミンスター界隈やロンドンのへそともいえるトラファルガー広場廻りは、人ごみに酔ってしまう程です。

《この写真では観光客はさほど映ってませんが、この反対側は人で一杯でした》

 ナショナル・ギャラリー、ナショナル・ポートレートギャラリーの再訪を楽しみにしていたのですが、東京の人気特別展ばりの会場は絵を鑑賞する雰囲気とかけ離れ、30分もたず退散しました。当地でお会いしたロンドン在住のブログ仲間さんによると、「ロンドンオリンピックの翌年こそ一旦落ちたものの、その後観光客は増え続けている」とか。この時期に、落ち着きを求めてロンドンを訪れるのはやめた方がよさそうです。

《ナショナルギャラリー この辺りはまだ空いている方でした》

 あと、落ち着きの無さを感じたのは、街のいたるところで建設関連の工事が行われていたこともあるかと思います。3年前には見たことも無いビルが建っているし、建物の建て替え、改築もあちこちで行われ、クレーン車や足場を組んだ建物がやたら目立ちます。なんかアジアの国にでもいるような建設工事ブームのようにも見え、ロンドンの不動産市況が好調を続けているのも分かる気がしました。ただ、私のイメージに残っていた、「活気はあるが落ちついた都会ロンドン」とはちょっと違っていたのは残念です。

《タワーブリッジ近くのテムズ川南岸から 頭でっかちの高層ビルは初めて見ました。その左側の空間にクレーン車のクレーンが何本も見えます》

 そんな時は、迷わずパブの生ぬるいエールで、ゆっくりするのが一番です。最近は東京でも随分、イギリス式やアイリッシュ系のパブのお店も増えて、イギリスのエールも飲めるようになってきましたが、どうも東京で飲むエールは冷え過ぎ。真昼間からパブで、ロンドンの気候ならではの、生ぬるいエールをちびちび飲んで、「これだよ、これ」と自己満足に浸っていました。



(つづく)

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3年ぶりのイギリス訪問 (1) 《いきなり、これかよー》

2015-08-18 00:40:12 | 旅行 イギリス
夏休みを使って、3年ぶりにロンドンを訪ねました。その一部始終をご紹介。

ヒースロー空港からロンドン市内に向かう列車の車窓から景色を眺めていると、帰ってきた感覚と旅行に来た感覚がミックスされて、なにか妙に落ち着かない気分でした。パディントン駅から自宅ではなくホテルに向かうというのも、不思議に感じられる現実です。

ロンドン市内に着いて、早々にロンドン名物に出くわします。そう、在住時に散々迷惑を被った地下鉄ストライキ。今回は、地下鉄の運転手さん達が9月から始まる週末24時間運行に関する処遇を巡っての抗議運動のようでしたが、いきなり48時間のストライキ(の2日目)にかち合いました。折角、飛行機が予定より早く到着し、陽が高い17:00過ぎに宿にチェックインできたのに、一番の移動手段を封じられ、何とも腹立たしい。ストにより、道路もバスやタクシーで大渋滞で身動きが取れません。結局その日は宿の周辺をぶらぶらするにとどまりました。何か、最初からこのロンドン滞在は嫌な予感・・・。

《この風景、妙に懐かしい→こちら



そして、スト明けの翌朝も忘れていたものを思い出せてくれるものがいろいろ。地下鉄駅で朝から切符を求める長い行列(キュー)。ロンドン居住者であれば慣れっこで気にならないキューも、時間を有効に使いたい旅行者にはイライラの素にしかなりません。駅係員の対応のそっけなさやチケット販売機の分からなさにもムカッ。う~ん、いつの間にか、日本標準に慣れてしまっている自分を笑ってしまう余裕さえ無くしてました。

まあ、そんな思い通りにいかないことはあっても、最高温度35度の東京から、最低気温13~15度、最高気温23~24度のロンドンは天国です。日中でこそ半袖で大丈夫ですが、朝晩は長袖でないと肌寒いぐらい。夕焼けの空も広く、綺麗ですし、やっぱりロンドンはいい。

《ロンドンの夕暮れ》

(つづく)
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「うらめしや~、冥途のみやげ」展 @東京藝術大学美術館

2015-08-15 09:16:39 | 美術展(2012.8~)


 涼を求めて美術館へ。いつもながら東京藝大美術館の企画は面白い。今回は、幽霊画を中心に、日本美術における「うらみ」の表現をたどるというもの。

 圓朝の幽霊画コレクション、江戸から明治の錦絵に表された「うらみ」の系譜、「うらみ」が美に変わる幽霊美人画など、普段、全く意識していない分野なので、どれも新鮮で興味深い。そういえば、小中学生ぐらいまでは「怪談」とか結構好んで読んだりしていたけど、すっかりそんな世界から遠ざかっていることに気が付いた。薄暗い会場の中で幽霊画に囲まれるというのもなかなかできない体験だ。

 会場のエアコンの涼しさに加えて、霊感とかには全く縁がない私でも、心理的な涼しさも合わせて楽しめる。暑いうちの訪問をお勧めします。

 

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ミヒャエル・ザンデルリンク指揮/ ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団

2015-08-12 07:38:40 | 演奏会・オペラ・バレエ・演劇(2012.8~)
 もう一月前になりますが、友人からチケットを譲り受けて、ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団の来日公演を聴きに行きました。簡単に感想を。


《今日は東京文化会館。3階左側席》

 ドイツオケによるオール・ベートーヴェン・プログラムということで期待値が高すぎたのか、残念ながら高い満足度とは言えない演奏会でした。ドレスデン・フィルの音は、重心低めの芯がしっかりした音という印象でしたが、精緻で繊細なアンサンブルとは言い難いかな。

 前半の交響曲第6番「田園」は特にこれと言った特徴のない演奏でした。ミヒャエル・ザンデルリンクさんの指揮は初めてで、若々しい指揮ぶりは好感が持てますが、何を聞かせたいのかはもう一つはっきりしません。

 後半の交響曲第5番は、所々に聴き慣れないアクセントが入ってましたが、とりわけそこに魅かれるというわけではありませんでした。第3楽章以降は演奏も熱を帯び、重厚な音が響きましたが、演奏としては特筆すべきものはなく、それ以上のものは感じられません。最近は在京オケも腕あげてますから、中途半端な演奏は「外オケ」という期待分だけ、失望感が大きくなってしまいます。せっかく譲ってもらったチケットでしたが、首を傾げて会場を後にすることとなりました。


《アンコール》



ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団
7月8日 19:00

会場
東京文化会館(大ホール)

アーティスト
指揮:ミヒャエル・ザンデルリンク

曲目
<ベートーヴェン・プログラム>
歌劇「フィデリオ」序曲
交響曲第6番「田園」
交響曲第5番「運命」

Dresdner Philharmonie
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東京都交響楽団 「作曲家の肖像」シリーズVol.104〈イギリス〉/ エドワード・ガートナー指揮

2015-08-08 06:02:05 | 演奏会・オペラ・バレエ・演劇(2012.8~)


 ガードナーさんはロンドン滞在時に、イングリッシュ・ナショナル・オペラの音楽監督としてオペラを指揮したのを4作品程聴きました。彼が振ると、ENOのオケがイキイキと張りのある音楽を聴かせてくれたのがとても印象的です。特に、テリー・ギリアムが演出した「ファウストの傲罰」は私のオペラ鑑賞歴でも3本指に入る名演・怪演・奇演。忘れることはないと思います。

 そのガードナーさんが都響を振る。しかも本場イギリスプログラムということで、とっても楽しみにして、灼熱地獄の都心、池袋の東京芸術劇場へ行きました。プログラムや夏休み中ということもあってか、お子様連れの家族も多く、会場は満員。いつもより賑やかな雰囲気に感じです。

前半のブリテン、青少年のための管弦楽入門は、昨年ニューヨーク・フィルの来日公演で聴いて以来です。そのときは、サントリーホールの一階中央の特等席だったので、この日の芸劇3階席とは公平な比較ができないのですが、ニューヨークフィルの押しつぶされそうな音圧と繊細さを兼ね備えた横綱演奏とまでは言えないにしろ、都響の演奏もそれに近いとも言える優れたものでした。ちょっと、私自身の立ち上がりが遅かったので、じっくりと味わえたという感じではなかったのですが、個々のパーツの演奏と全体での合奏の迫力の双方のバランスが良かった。

 後半の「惑星」は圧巻でした。特に、「火星」の地響きがたつような迫力と厚みのある演奏には、曲の冒頭からいきなり頭を思いっきり殴られたような衝撃。ここ2月ほどで2回海外オケの公演にいきましたが、都響のほうがどう聴いても美しく豊かな音を創っています。「火星」の後も、硬軟、柔豪のメリハリが効いた演奏はすばらしいもので、広い芸劇コンサートホールを宇宙色に染め上げていました。

 久しぶりのガードナーさん。相変わらず、大きなアクションで、煽りまくります。ロンドンでは有名人ですが、日本ではどうなんでしょう?単に音が大きいだけでなく、劇場指揮者らしい劇性が加わったダイナミックな音楽には、大いに引付けられます。どのくらいの頻度で来日しているのかは知りませんが、定期的に都響や在京オケを振ってもらいたいものです。

 暑さで寝不足の日が続いているのですが、涼しいコンサートホールで、目いっぱいストレスを抜いて、池袋を後にすることができました。



日時:2015年8月2日(日)14:00開演
場所:東京芸術劇場コンサートホール

出演者
指揮/エドワード・ガードナー
女声合唱/東京混声合唱団
.
曲目
ブリテン:青少年のための管弦楽入門(パーセルの主題による変奏曲とフーガ) op.34
ホルスト:組曲《惑星》 op.32


"Portrait of Composers" Series Vol.104
Date: Sun. 2. August 2015, 14:00 (13:20)
Hall: Tokyo Metropolitan Theatreseat

Artists

Edward GARDNER, Conductor
Tokyo Philharmonic Chorus, Chorus

Program

Britten: Young Person's Guide to the Orchestra, op.34
Holst: The Planets, op.32

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コッツウォルズ アッパー・スローター ローズ・オブ・ザ・マナー (Lords of the Manor)  2011年夏

2015-08-04 23:59:59 | 旅行 イギリス
 今回のコッツウォルズ訪問は、マナーハウスへの宿泊が主目的でした。予約サイトの情報を参考にして、アッパー・スローターのローズ・オブ・ザ・マナーというマナーハウスを選んだのですが、これが大正解。素晴らしいホテルでした。

もともとは、17世紀の教区牧師の邸宅だったという建物は、大邸宅というほどではありませんが、落ち着いたたたずまいのお屋敷です。


《正面》

屋敷の裏側にある庭園も手入れが行き届いていて、心が休まります。ロンドンとは別世界。








《こんな庭を前にして、アフタヌーン・ティでリラックス》

このホテルの売りの一つは併設されたレストラン。ミシェランの星ももらっているレストランで、ハイレベルなコース料理を楽しみました。頼んだメイン料理によって、それぞれの料理に合うワインリストを渡してもらえるので、ワイン選びもさほど難しくありません。


《こんな雰囲気です》

 部屋やロビーの写真を撮り忘れたのですが、落ち着いた内装でソファでくつろぎながら本を読むのに最適です。ここは自信をもってお勧めできます。


《全景です》

 2011年8月訪問

 ※Lords of the Manorのホームページはこちら→
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コッツウォルズ アッパー&ロウアースローター (Upper Slaughter and Lower Slaughter)

2015-08-01 07:00:58 | 旅行 イギリス
 ケンブリッジから車で2時間半、約160キロ走って、コッツウォルズへ。コッツウォルズは3回目の訪問ですが、この時訪れたのはアッパー・スローターというコッツウォルズエリア中部のボートン・オン・ザ・ウォーター郊外の村です。宿のことは別エントリーで紹介しますが、この村はこれまで訪問した観光地的なコッツウォルズとは全く異なった、素朴で落ち着いた村でした。

 宿で荷物を下ろし、夕方に周囲を散策。静かに流れる川、小さな教会、たまに行き交う村の人々など、ロンドンとは打って変わった時間の流れに癒されます。宿の人から聞いたのですが、この村は観光バスが停車できるような駐車場スペース無い上に、周囲の道も狭いので観光バスが通ることさえ無いとか。それが、この村の静けさの大きな一因であるようです。

《村をのんびりと流れるアイ川》

《村というからには必ずなくてはならない教会》

《この村の交通手段は馬のようです?この人だけなく、何人も馬に乗った村人らしき人を見かけました》

 果たしてこの村、人口は何人なのだろうか。きっと100名もいないのではないかという印象です。村というより、集落と言う言葉の方が合います。店も一軒も見かけませんでした。

《翌朝のジョギング途中で撮った村の全景》

 この村を通るFootpathを歩くと、隣村のロウアー・スローターを経て、有名な観光地ボートン・オン・ザ・ウオーターまで片道3.5kほどです。翌朝に、隣村のロウアー・スローターまでの往復3k程度の簡単なWalking(散歩)を楽しみました。

コッツウォルズらしい羊の群れの中を歩きます。ちょっと糞を踏まずに歩くのが難しいぐらいで、本当は周りの景色を楽しみながら歩きたいのですが、視線は足元に集中というWalkingになりました。

《こっちに向かわれるとちょっと怖い》

《ちょっとどいてください》

 ロウアー・スラウターはこじんまりした村ながら、アッパー・スラウターよりは大きい村でした。立派なマナーハウスも2軒あります。ただ、それでも、いわゆる観光バスツアーが立ち寄るようなところではないようで、ゆっくり、静かな雰囲気を楽しめます。

 《アイ川が隣村から続いています》

 《アイ川を利用した水車小屋》

 《ここにも村の教会が》

《こじんまりと静かに佇む家々が並びます》

 落ち着いたコッツウオルズを楽しみたい方には、アッパー&ロウアースローター以上の村は無いような気がします。

 2011年8月訪問


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