その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

とある食事の風景 オリンピックイヤー???

2012-02-29 23:06:25 | ロンドン日記 (日常)
不定期に開催される欧州各拠点から集まっての営業会議。今回はフランフルトでの開催です。

一日かけてのミーティングの後、揃ってチーム・ディナー。職場近くのドイツ居酒屋が会場でした。仕事の話が一巡した後は、いろいろ他愛のない話が始まるのですが、今回はオリンピックをテーマに話を振ってみました。

隣に座った地元ドイツの営業マネジャーとの会話。

「今年はオリンピックイヤーだけど、ドイツではどの競技が盛り上がるの?」

「う~ん。まだ、あんまり話に出ないね~。」

「でもドイツって、体操とか、強いイメージがあるけど?」

「それって、東西ドイツに分かれていたときのイメージじゃない?今年は何が強いのかな?乗馬にいい選手が居るって言うのは聞いたことがけど」

「乗馬・・・・・・。水泳とかも強くなかったけ?」

「そうだね。いつも何人かいい選手は居るよね。そういえば、ハンマー投げにメダルが期待できるって話を聞いたことがあるよ」

「そ、そ、そ、そうなんだ。メダルの数とかって、関心ないの。あの国には負けたくないとか。なんだかんでも、日本人は、韓国のメダルの数は気にしていると思う。ドイツにはそういう国ってない?イギリスとか、フランス?」

「う~ん、彼らはそんなにメダル取れないでしょ。あんまり意識しないよ。むしろ、中国とか。。。?」

「へえ~、そうなんだ(あまりにも話が弾まないので、かなりがっかり)」

「それより、今年はオリンピックイヤーじゃなくて、ユーロカップイヤー(サッカーのUEFA欧州選手権)だよね。」

「オリンピックより大事???」

「そりゃそうさ。やっぱり、スペインとオランダが優勝候補かな。でもドイツもその次ぐらいにはつけているよ。スペインは・・・・・・だし、オランダは、・・・が調子悪いって聞いている。XXXは・・・・」(一人で延々と話し続ける)


「・・・・」

たまたま一人のドイツ人サンプルなので、一般化はできないでしょうが(でも、その隣に居たドイツ人もしきりにうなずいていた)、今年はオリンピックイヤーというより、ユーロカップイヤーのようです。

コメント (4)
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おそるべし日本の工夫力

2012-02-28 22:06:11 | ロンドン日記 (日常)
 2日間の東京帰省中の日曜日、東京マラソンの開催日と重なっていて、テレビではいろいろマラソン関連の番組をいくつか目にしました。

 驚いたのは、色んなマラソン・グッズ。例えば、電子マネーエディ付きのリストバンド。ランニング中の水分・栄養補給に自動販売機やコンビニでキャッシュレスで買い物ができるように、リストバンドにエディのタグが縫い付けてあります。しかも、リストバンドに小さなポケットもついていて、小銭も何枚か入るようになっている。

 また、揺れにくいウエストポーチ。ランニング中に携帯するペットボトルを腰の後ろに、前方には栄養スナックなどを入れるポーチ。それだけなら珍しくないのですが、そのポーチは走行中も極力揺れを防ぐように、ベルト部分が身体に密着するような形状的、構造的な工夫が施してあります。さらに揺れないベスト型ランニングポーチも。これを着て走ろうとは思わないけど、これを開発したチームは尊敬。(こちら→)

 そして、解けないランニングシューズ用靴紐。ゴムで出来た靴紐で、結ぶ必要なし。結ばないから解けるわけが無いという、すごい靴紐です。(商品はこちら⇒)

 さらに、ランニング・シューズの色、デザインの豊富なこと。同じタイプのシューズでもイギリスのスポーツ用品店で見るスタンダードなものから、色とりどりの目がくらむようなカラフルな品揃えです。

 1,2時間テレビを眺めていただけで、これだけの多種多様なランニンググッズが紹介される日本の工夫力。携帯電話だとそれが、ガラパゴス化に繋がっているとか言われるが、この絶え間なきカイゼン魂は文句なしに感服します。こうした商品を開発するメーカーと、こういった一工夫商品を求め、喜ぶ消費者。間違いない、日本人の誇るべき国民性の一面だと思いました。


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Johnny English Reborn (ジョニー・イングリッシュ 気休めの報酬)

2012-02-27 09:14:23 | 映画
 プライベートな用事(東京マラソン出場ではありません)で、金曜と月曜に休みをもらい、日本に土日2泊という弾丸帰省中。今、成田空港のインターネットカフェにて帰国便待ちです。
 
 御紹介の映画は、往路の機内で観た映画です。

 ミスター・ビーンのローワン・アトキンソンがMI7のとんでもスパイ、ジョニー・イングリッシュを演じ、珍事を巻き起こす。007のパロディでもあり、理屈抜きで笑えます。隣席の人にはちょっと迷惑だったかも。

 機内で観るのにはぴったり、でも映画館で10ポンド以上払ってまでは絶対に見ない映画です。


Directed by Oliver Parker
Writing credits
Hamish McColl (screenplay)
William Davies (story)
Neal Purvis (characters) &
Robert Wade (characters)

Stars:Rowan Atkinson, Rosamund Pike and Dominic West
コメント (6)
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ニューヨーク フィルハーモニック/ アラン・ギルバート指揮 ロンドン公演

2012-02-25 21:39:18 | コンサート (in 欧州)
 ロンドンの多くのブロガーの方が既に紹介済ですが、先々週、ニューヨークフィルのロンドン公演が3公演ありました。私は、その土曜日の最終回を聞きに行きました。とても感じの良いコンサートで、帰りの足が軽くなるようなコンサートでした。

 このオケの音楽監督の座について間もない2年前にもロンドン公演がありましたが、私は体調不良で無念の当日キャンセル。今回がこのコンビの演奏を聞くのも観るのも初めてでしたが、この日のギルバートはとっても自信あふれる指揮ぶりで、楽員との息もとってもあっている印象です。日本人とのハーフであるギルバートは何年か前にN響を
振った際に聴いているし、NYフィルは大学生の時に初めて海外旅行に出て初めて外オケを聴いた記念すべきオケなので、このコンビが良い関係にあるようなのは、個人的にもとって嬉しいです(とかくNYフィルは指揮者にうるさい伝統があるとの話も聴きますし)。

 この日持った感想は、クリアで大きなアンサンブルが管弦のバランス良く、とても美しく響く演奏だなあというものでした。演奏されたマグヌス・リンドベルイ、バルトーク、プロコフィエフの曲はいずれも私にはあまりなじみがない曲なのですが、オーケストレーションの面白さとギルバートのスケールが大きく、明確な指揮ぶりで、とっても楽しませてもらいました。あえて言うと、プロコフィエフはちょっと全体に表面的な印象を受けました。ロンドンでは馴染みのゲルギエフとかユロフスキーが振るともって毒のある音楽になるのかなあなどと思ったのですが、これは、ロシア音楽はロシア人が振ると違う、という私の単なる思い込みのせいかもしれません。

 あと、この日は私にとっても初ランラン。ロンドンでは良く出演しているランランですが、何故かこれまで縁がありませんでした。初ランランの印象は、これは人気があるのも分かるわ~という高い納得感です。日本の若手アイドルのような颯爽とした優男で、演奏姿は私には嫌味に見えるほど、軽快で格好いい。そして、そこから発せられる音は、優しく、色彩豊かで、ただただ美しい。人気が出ないわけありませんね。アンコールのラ・カンパネッラなんぞは、これを聴いただけでも、今夜は十分と思わせてくれる程でした。

(大拍手に応えるラン・ラン)


 ラストのプロコフィエフの交響曲第5番の後には、アンコールでキャンディード序曲をやってくれました。もう、この曲をこのこのオケで聴けるなんて、何と言う幸せ。嬉しさ一杯です。

 生まれて初めて行った海外の街、ニューヨーク。今は無い、ワールドトレードセンタで他の観光客に撮ってもらった、8月の真っ青な広い空をバックに摩天楼を見下ろす自身の写真が、私の海外原体験。無性にニューヨークに行きたくなりました。

(ギルバート)



New York Philharmonic / Gilbert
Lang Lang performs Bartok Piano Concerto No 2
18 February 2012 / 19:30
Barbican Hall

Magnus Lindberg Feria
Bartok Piano Concerto No 2
Prokofiev Symphony No 5

New York Philharmonic
Alan Gilbert conductor
Lang Lang piano


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ロイヤルオペラハウス 『フィガロの結婚』

2012-02-23 00:09:00 | オペラ、バレエ (in 欧州)
フィガロの結婚はホント面白くて、美しいですね。今回の公演は、歌、演奏、演出の三拍子が揃った素晴らしいフィガロでした。

まずは、出演のどの歌手陣も文句なしに秀逸で、かつ歌手同士のケミストリーを感じる舞台でした。

フィガロ役のダルカンジェロのバリトンは安定しているうえに、ずっしりと響く歌声。メディアのレビューやブログ等でも絶賛されていましたが、納得です。

スザンナ役のクジャアクも安定した高音に潤いと優しさが加わった歌唱で素晴らしかったです。小柄で細身の体格に見えますが、どこからあんなパワフルな声が出るのだろうと不思議なぐらいです。加えて、表情豊かな溌剌とした演技が印象的です。 

ロジーナ役のウィリス・ソレンセンは外見は少し地味ですが、声はとても美しいです。高温がややきんきんしすぎている傾向はあるものの、大きな体格から発せられる圧倒的声量はパワフルで圧倒されます。

私が「フィガロ」を観るときは、ケルビーノ役がキーなのですが、今回のボニタティブスは見事に期待にこたえてくれました。外見は私のイメージとは異なりましたが、歌は上手だし、何より演技がイキイキとしていて舞台に活気を与えてくれます。

演出はその前の週に観た「ばらの騎士」を手掛けたDavid McVicar 。白を基調にしたプロダクションは雰囲気はとっても似ているのですが、今回の方が、舞台により変化があって、ベースのセットを使いまわした感じがした「ばらの騎士」よりもリッチな感じがします。

オーケストラは、パッパーノがハープシコードを弾きながら指揮をしました。オケも軽快で豊かな響きで、すっかりフィガロの世界にはまり込ませてしまいます。

私にとっては、今回が4回目となる「フィガロ」観劇でしたが、間違いなく今回がナンバーワンと言えます。

※最近、カメラが殆ど機能していません・・・


--------------------------
17 Feburary 19:00

Credits
Composer: Wolfgang Amadeus Mozart
Director: David McVicar
Revival Director: Leah Hausman
Designs: Tanya McCallin
Lighting design: Paule Constable
Movement Director: Leah Hausman

Performers
Conductor: Antonio Pappano
Figaro: Ildebrando D'Arcangelo
Susanna: Aleksandra Kurzak
Count Almaviva: Lucas Meachem
Countess Almaviva: Rachel Willis-S遵krensen
Cherubino: Anna Bonitatibus
Don Basilio: Bonaventura Bottone
Marcellina: Ann Murray
Bartolo: Carlo Lepore
Antonio: Jeremy White
Barbarina: Susana Gaspar§
Don Curzio: Harry Nicoll
Chorus: Royal Opera Chorus
Orchestra: Orchestra of the Royal Opera House


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吉見 俊哉 『ポスト戦後社会―シリーズ日本近現代史〈9〉』 (岩波新書)

2012-02-20 23:51:55 | 
現代史を書くというのは相当難しい作業だと思う。史料には困らないだろうが、読者の経験との整合性が問われるだろうし、膨大な史料をどう捌くかに筆者のセンスが現れるからだ。

筆者はポスト戦後社会の特徴そのものが、戦後社会からの段階的移行ではなく、歴史の自明性が失われ空洞化していくプロセスとして、「左翼運動」、「豊かさ」、「家族」、「地域開発」、「失われた10年」というテーマを取り上げ、多面的にこの時代を記述する。新書という誌面の都合から、各テーマについての掘り下げは、多少不満が残るところがあるものの、戦後からポスト戦後に至る多面的で重層的な変化はよく理解でき、全体としては筆者の狙いは成功していると思う。ユニークな現代史記述としてとても面白い。

この戦後社会からポスト戦後社会への移行というのは、まさに私自身がいきてきた時代そのものでもある。個々の出来事には、当時の自分の体験、記憶とセットになっている。自分が生きてきた時間や空間が、歴史という記述にかかると、こう料理されうるのかということを知るのも面白い経験だ。自分の立ち位置が客観的に位置付けられるからである。

一方で、日頃、如何に簡単で分かりやすい文章を書くかのを考える私のような会社人には学者さん特有の概念的な文章を読むのは、少々骨がおれるところもある。例えば、オウム真理教を記述したところなどは、こんな風に書いていある。

「オウム真理教の側の他者恐怖と日本社会の側の異質な他者への恐怖、オウム的なものに対する興奮状態での排斥は、極度にメディア化した社会のなかでの感情が情緒的に増幅されていった結果であった。」

う~ん、分かったような、分からないような・・・・。 筆者が自分の部下だったら思いっきり赤入れするんだけどなあ~。

こういった文体さえ苦にならなければ、とっても勉強になる一冊である。

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イングリッシュ・ナショナル・オペラ 「ばらの騎士」

2012-02-19 00:25:47 | オペラ、バレエ (in 欧州)
先週末、イングリッシュナショナルオペラ(ENO)に「ばらの騎士」を観に行きまた。有名なオペラですが、今までなかなか機会に恵まれず、私は今回が初めての観劇です。個人的に最近注目のENO音楽監督エドワード・ガードナーが指揮ということも加わって、かなり期待一杯で出かけました。

会場は満員御礼。老若男女が幅広く偏ることなく集まっていたのも、ロイヤルオペラに比べると聴衆が若い時が多いENOとしては珍しい感じがしました。 公演は、歌手とオーケストラがともに高いレヴェルの素晴らしい舞台でした。

歌手陣の中では、騎士オクタヴィアンを演じたSarah Connollyとオックス男爵のJohn Tomlinsonが群を抜いて素晴らしかったです。サラ・コノリー(女性が騎士を演じます)の高い上背と目鼻立ちのはっきりした顔立ちは騎士役にぴったりで、立ち振る舞いもこれ以上は無いのではないかと言うほど凛々しい。男の私が観ても惚れてしまいそう。この人の歌は今まで演奏会で何回か聴いていますが、いつ聴いても透き通るような美しいメゾ・ソプラノです。第2幕のゾフィとのデュエットには胸を打たれました。

また、本劇の影の主役とも言える俗物の権化オックス男爵役のJohn Tomlinsonは、存在感抜群でした。歌もさることながら、コミカルな役作りが絶妙で、この夜の盛り上がりは彼抜きでは考えられなかったと思います。

この他にも夫人役のAmanda Roocroft、ソフィ役のSophie Bevanも、持ち味をしっかり出していて、不満はありません。

そして、エドワード・ガードナーが振るオーケストラも素晴らしかった。ワルツの旋律では雅なウイーンの雰囲気にうっとりし、動きの激しい場面ではシュトラウスらしいスケールと躍動を感じるオーケストレーション。ガードナーの時はENOオケも気合いが入っている感じがします。

演出は、ROHでフィガロの結婚を手掛けているDavid McVicar。ENOでありがちな現代もの演出ではなく、比較的スタンダードなものです。フィガロの結婚と似たような舞台設定で、白を基調にして暖色系の間接照明で照らしだす貴族の居室はとても美しいです。ただ、2幕、3幕と場面は変わるのですが、舞台そのものは大きく変わることは無く、使い回ししているのは、ちょっとどうかと。

休憩入れて3時間45分の長いオペラですが、集中力をとぎらせることなく最後まで楽しむことが出来ました。


(最近、カメラが異常で、腕も悪けりゃ、カメラも悪いで、見に行くい写真ですが、祈念のため)

(ENOの本拠地ロンドン・コロセウム劇場)


(ジョン・トムリンソン)


(サラ・コノリー)


(エドワード・ガードナー)




Saturday 11th February 2012 17:30- 
Der Rosenkavalier
R. Strauss


Credits
A production of Scottish Opera

Revival supported by Dunard Fund and a syndicate of individual donors.
Original production supported by Lord and Lady Laidlaw, Peter Borender and Dunard Fund.

Conductor Edward Gardner
Director and Set Designer David McVicar
Associate Set Designer Michael Vale
Costume Designer Tanya McCallin
Lighting Designer Paule Constable
Movement Director Andrew George
Translator Alfred Kalisch

Cast includes
Marschallin Amanda Roocroft
Octavian Sarah Connolly
Baron Ochs John Tomlinson
Sophie Sophie Bevan
Herr Von Faninal Andrew Shore
Annina Madeleine Shaw
Valzacchi Adrian Thompson
Duenna Jennifer Rhys-Davies
Singer Gwyn Hughes Jones

コメント (2)
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寒さ中のブランブリ―を走る

2012-02-14 23:25:32 | ロードレース参戦 (in 欧州、日本)
 ロンドン・パディントン駅から西に向かって、列車で1時間ちょっとのところにあるBrambleyという村で行われた20マイルのレースに参加しました。週中に降った雪がまだ多少残る中、くもり空で、朝からとっても寒い日。風こそ無かったもののきっとスタートの10時半現在では氷点下になろうかという気温だと思います。

今回は、先月15マイルのレースに出たので、もう少し距離を伸ばそうと安易に考えたのですが、20マイルはそんな簡単なものではありませんでした。快調だったのは10マイルまで。10マイル過ぎごろから足の裏に出来た水マメが潰れてヒリヒリし、12マイルから脚のバネが効かなくなり、14マイルからは前腿部がつり始めて、与太走り。それでも、「今回は歩かずに走りきるぞ」となんとか執念で19マイルまで来たものの、最後はいよいよ腿が一時的に動かなくなり半マイルほど、歩いてしまいました(涙・・・)。

手元の時計で、前半の10マイルが1時間28分、後半の10マイルが1時間46分の計3時間12分なので、如何に失速したかが良く分かります。やっぱりマラソンはハーフを過ぎてからが勝負ですね。

事前のストレッチ不足、食物を殆ど持参しなかったので途中のエネルギー切れ、寒さによる体力消耗、ただの練習不足・・・反省材料は沢山ありますので、しっかり次につなげたいです。

コースはいわゆるイングランドの田舎道でこれといった特徴はありませんが、舗装された農道を走る、走りやすいコースです。小さなアップダウンが2,3か所ありますが、普通であれば気にならない程度の高低差です。練習コースとしてはとても良いと思いました。

(スタート前の風景。みんな寒そう)


(平原にはまだ雪が残ります)


(コース途中の小川。完全に凍ってました)


(平べったいイングランドの風景)


 2012年2月12日出走

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ロンドン・チャリティーツアーのご紹介

2012-02-13 22:45:54 | ロンドン日記 (日常)
 紹介が出遅れてしまっているのですが・・・

 ブログで御懇意にさせて頂いているMiki BartleyさんがメンバーになっているJRTGA英国公認日本語ガイド協会で、今年もロンドン・チャリティーツアーが行われるとのことです。(こちら→)

 私は、昨年、ナショナルギャラリーのチャリティツアーに参加したのですが、何度か見たことのある絵もガイドさんの説明を受けると、また違った観点から鑑賞でき、とても楽しくかつタメにもなりました。震災被害に遭われた方へのチャリティですが、今年も続けられるのは素晴らしいと思います。

 ご興味のあるかたは、JRTGAのウェブサイトに、プログラムが紹介されています。(こちら→)
コメント (2)
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白井さゆり 『ユーロ・リスク』 (日経プレミアシリーズ)

2012-02-12 18:41:13 | 
ユーロ危機については、毎日のように新聞・雑誌で報道されているので、当然、何となくはフォローしている。しかし、「ユーロ危機の背景や実像、そして将来の見込みについて教えて」と言われると、断片的なことしか知らない、分かっていない自分に直ぐ気づく。要するに、情報としては詰め込んでいるけども、自分の知識になっていないのである。

本書は、そんな私のためにあるような本だった。本書は、国際経済の専門家が書いた、極めて分かりやすいユーロ圏全体の特徴やリスクについての解説本である。

ユーロ圏に参加する諸国を「国家の債務返済能力(一般政府の債務残高の対GNP比)」と「(政府・民間を含む経済全体)純対外債務規模(経済全体の純対外資産残高の対GNP比)」をマトリックスにして、プロットする。そして、そのポジションから高リスク国(ギリシャ・アイルランド・ポルトガル・スペイン)、低リスク国(ドイツ・フランス・オーストリア・オランダ・フィンランド・ルクセンブルグ)、中リスク国(それ以外の国)に分類し、グループ毎にリスクや各国間あるいはグループ間の緊張関係について、解説してくれる。

分析の軸が明確なので理解しやすし、グループ化によって頭の整理ができ、その上で各国の特徴を個別に見ることができるので、極めて有益である。この本を読んでから、新聞・雑誌の記事が、立体的に読めるようになった。

あまりにも綺麗に整理されてあるだけに、重要であっても切り落とされている部分もあるのではないかと思うが、それは本書のフレームワークを頭に入れた上で、また他書を当たれば良いのだろう。

今のユーロ経済について興味・関心のあるかたには、お勧め。

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雪の残るリージェンツ・パークを走る

2012-02-11 15:03:53 | ロンドン日記 (日常)
 雪こそ止みましたが、ロンドンの寒さは続いています。今朝は手元の温度計で零下5℃。空気は痺れるような冷たさですが、風がないのでパリのような凍りつく寒さではありません。完全防寒して、リージェンツ・パークに向けて走りました。

 木曜日の夜に降った雪がまだ残っており、公園内は白い絨毯がひいてあるようでした。

(公園内の野原に残った雪)


(池も9割方凍ってます)




(プリムローズヒルからリージェントパークを臨む)


 冷たいけれども澄み通った空気を頬に受けながら走る。ランニングの醍醐味の一つです。

 2012年2月11日


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ロイヤルオペラハウス/ Cosi fan tutte (コジ・ファン・トゥッテ/ モーッアルト)

2012-02-09 21:42:34 | オペラ、バレエ (in 欧州)
 数週間前ですが、ロイヤルオペラに「コジ・ファン・トゥッテ」を見に行きました。

 いつ見てもこのオペラは楽しいですね。本当にしょうもない話ですが、間違いなく私の好きなオペラの5本指には入ります。「本質」(?)をついてますよね。

 ジョナサン・ミラーによる現代風の演出も私は大好きです。今回で、3回目になりますが、細部は微妙に少しつづ変わってます。今回は、両姉妹がアイフォーン(確か前回は普通の携帯電話)を使ったりしていて、さらに今風になってました。

 歌手陣は超有名歌手は居ませんが、まとまっていて良い印象でした。フィオルディリージ役のMalin Byström
は前回もこの役で出ていましたが、相変わらずソプラノが良く通る美しい声でした。今回うれしかったのは、妹ドラベッラ役のMichèle Losierも可愛らしい感じでグッド。デスピーナのRosemary Joshuaも好演です。男性陣のレヴェルもなかなか高く、特にCharles Castronovoのテノールは高音が良く伸びてました。今回の男女対決は引き分けと言ったところでしょうか。

 この日は指揮はデイヴィス翁。序曲の演奏は、妙にはつらつさに欠けるもので「大丈夫かいな」と心配になりましたが、幕が上がるとだんだんと勢いが加速度的に出てきて、美しい音楽を楽しむことができました。

 終演後、ドン・アルフォンソ役のトーマス・アレン氏のロイヤルオペラ出演40周年のお祝いがありました。ケーキが出され、ロイヤルオペラのスタッフやパッパーノ大将までが出てきて祝福します。私が見た3回、この役はずーっと、アレン氏。となりに座っていたお爺さんは、「アレンの声はもうくたびれている」と厳しいことを言ってましたが、 舞台での存在感は特別なものがあります。アットホームなとっても暖かな気分で、劇場を後にしました。

ROHのFacebookより借用



Così fan tutte
Friday, January 27
Credits
Composer
Wolfgang Amadeus Mozart


Original Director Jonathan Miller
Revival Director Harry Fehr
Set designs Jonathan Miller/Tim Blazdell/Andrew Jameson/Colin Maxwell/Catherine Smith/Anthony Waterman
Lighting design Jonathan Miller/John Charlton

Performers
Conductor Colin Davis
Ferrando Charles Castronovo
Guglielmo Nikolay Borchev
Don Alfonso Thomas Allen
Fiordiligi Malin Byström
Dorabella Michèle Losier
Despina Rosemary Joshua

Chorus
Royal Opera Chorus

Orchestra
Orchestra of the Royal Opera House


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パリは寒い・・・

2012-02-07 23:17:02 | ロンドン日記 (日常)
 出張でパリに来ました。とにかく寒い。なんと氷点下7度。

 職場近くで夕食を済まして、地下鉄に乗り込み、20分ちょっとして、下車すると・・・そこには白い世界がありました。

 地下鉄出口から地上に出ようとすると・・・


 寒さのせいでCafeも人はまばらです。(思いっきり出ぶれの携帯写真ですが、ご愛嬌で)


 ホテルが面した裏通り。


 粉雪が舞うパリは「ラ・ボエーム」の世界そのもので、極寒の中にいるにもかかわらず、「ラ・ボエーム」の場面が浮かんは、心暖まるのを感じるものでした。

 
コメント (4)
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SOHO THEATRE/ THE BEE

2012-02-05 23:02:36 | ミュージカル、演劇 (in 欧州)
守屋さんに紹介頂いた野田秀樹の芝居「THE BEE」を観に行きました。野田氏が英語で書き下ろし(元ネタは筒井康孝の小説とのこと)、2006年にロンドンで初演されたお芝居だそうです。今回はそのリバイバルで、ニューヨーク、ロンドン、日本とワールドツアーを組んでいます。

会場は、SOHOエリアの北辺にあるSOHOシアター。初めての訪問だが、高校の小視聴覚教室程度の大きさの100名程度収容の小劇場。舞台が手の届くようなところにあり、舞台と観客が一体となるようなシアターです。開演前には満員で、熱気むんむん。観衆は95%は非日本人で、日本人っぽい人は数人見かける程度でほとんどが西洋人でした。

簡単に筋を紹介すると、平凡なサラリーマンは、帰宅途中に脱獄した殺人犯に妻子が拉致され、人質にとられていることを知る。拉致犯の妻に夫の説得を依頼に行ったサラリーマンは、逆にその妻と子供を人質にとって立てこもる。そして、お互いの人質の妻子をターゲットにした残酷な報復の連鎖が始まっていく・・・・

報復の連鎖をテーマにした、笑うに笑えないブラックユーモア満載の風刺劇です。前半の急テンポと後半の一転したスローモーションのようなペース展開や各俳優の特徴的な身裁きが、見るものの集中を舞台から一瞬たりとも離さない、そんなお芝居でした。

野田さんを含めて4名しか出演していませんが、サラリーマン役のキャサリン・ハンターを除いては、一人が何役もこなします。キャサリンハンター(女優さんの男性役)はオリバー賞の受賞暦がある有名な俳優さんらしいですが、さすがと思わせる大きな存在感でした。平凡なサラリーマンから残酷な復讐鬼へ徐々に変化していくさまが素晴らしい。最後には、残虐行為でさえ、ルーティン化すると淡々と日常のなかに溶け込んでしまう様子は、背筋が寒くなるほどの演技でした。また、脱獄囚の妻役を演じる野田さんも、侵入者であったはずのサラリーマンを、いつの間にか夫のように受け入れてしまっている、その変化が興味深かったです。野田さんの英語が上手なのにも驚きました。

タイトルのBEEは文字通り蜂なのですが、何の隠喩だかは良く分かりませんでした。平凡なサラリーマンが蜂の飛ぶ音を聞いて、発作を起こすシーンが2回ほどあるのですが、この報復劇と蜂がどう結びつくのかはわかりません。攻撃する側とされる側の間で、復讐の連鎖が始まった時の左右対称性(やっていることはどちらも同じ)の隠喩のようでもあります。

復讐の連鎖なので当然ハッピーエンドでは終わりません。なので、行き場のないやりきれなさは残る複雑な演劇でありますが、完成度の高いお芝居だと思うので、興味のガル方は足を運ばれることをお奨めいたします。ロンドンでは2月11日までです。

From SOHO Theatre HP


The Bee
By Hideki Noda and Colin Teevan
Tue 24 Jan - Sat 11 Feb 2012
Soho Theatre

Cast
Ido Kathryn Hunter
Anchoku, Ogoro, Ogoro's Son, Reporter Glyn Pritchard
Dodoyama, King of Chefs, Reporter Clive Mendus
Ogoro’s Wife, Reporter Hideki Noda

Company
Director Hideki Noda (Director)
Designer Miriam Buether
Lighting Designer (Original) Rick Fisher
Lighting Designer (Tour) Christoph Wagner
Sound Designer Paul Arditti
Production Manager Nick Ferguson
Technical Stage Manager Nick Hill
Deputy Stage Manager Rebecca James
Assistant Stage Manager Kate Wilson
Sound Engineer Chris Reid
Costume Supervisor Chris Cahill
Props Supervisor Sarah Buik
Assistant to the Director Ragga Dahl Johansen
Artist Coordinator Susan Momoko Hingley Set Build Capital Scenery
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"Never Let Me Alone" (私を離さないで)

2012-02-02 22:33:21 | 映画
 昨年、何の事前準備なしに見てまったく理解できなかった映画。今回は原作(日本語訳)で読んだ(こちら→)上でのDVD鑑賞でしたので、よく分かりました。

 映画では、主人公の年齢が原作より3年ほど若返っているなどの微妙な違いはありますが、原作に忠実です。読んだのは翻訳なので、翻訳と原書の雰囲気の違いは分かりませんが、原作の無機質な、淡々とした雰囲気がうまく表わされています。派手な仕掛けはないですが、ストーリー、演技、美しい映像で魅せる映画です。

 あらすじの紹介はネタバレになるので避けますが、原作を読んでから見たほうが、一つ一つのシーンの意味合いがより分かりやすいかと思います。

 キャリー・マリガン(Carey Mulligan)とキーラ・ナイトレイ(Keira Knightley)の若手女優の存在感が光ります。キャリー・マリガンは決して美人ではないですが、柔かくソフトに人を包み込む癒し系の魅力がありますね。キーラ・ナイトレイは、マンガンの柔のイメージに対して、美人で剛(?)のイメージですが、マリガンと好対照な組み合わせは、個性のぶつかり合いによる相乗効果が生まれていたと思います。2人の女性の双方の恋人となる男性役のアンドリュー・ガーフィールド(Andrew Garfield)も好演でした。この3名の子供時代の子役たちが、とても可愛いい。

 友情、愛情、成長、生きがい、臓器移植、クローン・・・いろんなテーマを抱えるこの物語は、原作を読んでも、映画を見ても、その意図するところの理解は、人それぞれで異なり、一律的に語るのは難しいと思います。が、その分けの分からなさも含めて、多方面から楽しめる映画です。

Director: Mark Romanek
Writers: Kazuo Ishiguro (novel), Alex Garland (screenplay)
Stars:Keira Knightley, Carey Mulligan and Andrew Garfield

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