その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

突撃! ロイヤル・ウエディング @ハイドパーク

2011-04-29 17:00:22 | ロンドン日記(イベント、観光、スポーツ)
 今日は、ロイヤルウエディング。兎にも角にも、嵐の可能性もあるとされたお天気が、雨に降られず本当に良かったです。曇り空ながらも、要所要所では多少お日様も覗く天気。本結婚式を祝う万人の思いが天に通じたとしか思えない天気でした。

 朝8時に起きてTVをつけたら、もうバッキンガム宮殿前からの中継をやってました。もうかなりの人が集まってました。「出遅れたなあ~」と思いつつ、行くか、行くまいか迷った挙句、結局10時前に部屋を出発し、バッキンガム宮殿に向かいました。

(パレードのルート)


 グリーンパーク駅を出るともう人だかりで、バッキンガム宮殿近くのセントジェームスパークはおろか、グリーンパークですらもう閉鎖されて中に入れません。もう、これは大人しく帰るしかないかと思ったら、お巡りさんが「ハイドパークに行けば、スクリーンで観れるよ」と教えてくれました。

(グリーンパークの柵に上って、100m以上も先を通るであろうパレードを見よという人たち)


(ハイドパークコーナー。この先がバッキンガム宮殿ですが、立ち入り禁止。すごい人だかりになっているのが遠巻きに見えます)


(ハイドパークの広場に向かう人たち)


 着いたら、ここにも凄い沢山の人が居ました。ずーっと先に、特設ステージと大型スクリーン3台が設置してあります。生ではないですが、これは楽しいかもと思って、ここで見学することを決定。何とかスクリーンが見やすいところまで人をかき分け前進します。

 

 11:00前にはウイリアム王子、ケイトさんが其々式場であるウエストミンスター寺院に向かいます。もう、会場は旗を振って、歓声あげての大騒ぎ。



 ウエストミンスター寺院へ入場し、厳粛な式が始まります。さすがに、式の間は皆さん、お静か。
 

 式が終了すると、バッキンガム宮殿までのパレードです。
    

 このハイドパーク会場は広角カメラで撮影されて、お二人のウエディングアルバムに載るんだそうです。その記念撮影の瞬間。


 そしてバッキンガム宮殿のバルコニーからロイヤルファミリーが登場。2人のパブリック・キスもありましたが、一瞬だったので撮り漏れました。

 

 英国空軍の祝典飛行。


 とにかく凄いお祭り騒ぎ。でも、家で一人でテレビを観ているよりずっと楽しいし、沿道に陣とれていたとしても式典はみれなかったから、総合的にはこっちでよかったかもしれません。まだまだパーティーは続きます。



 あと、いくつか会場の様子や集まった人たちを何人か紹介。

(いろんなコスチュームの人がいます。まさに大Party)
   

(潜水艦の潜望鏡のように、高いところが見えるようということらしいですが、効果はいかほど・・・)


(さすがイギリス。露店の行列管理は完璧でした。私はイギリス夏の名物飲み物ピムスを頂きました)
 

 月並みですが、お二人が、末永くお幸せであることを、心より祈念いたします。
 
 
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突撃! ロイヤル・ウエディング前夜 @ウエストミンスター

2011-04-28 23:20:34 | ロンドン日記(イベント、観光、スポーツ)
 いよいよ、あと10時間を切ったロイヤル・ウエディング。どうせ明日は人だらけで近づけないだろうから、せめて前夜をということで、夜10時前後のウエストミンスターを直撃。

 ビッグベンの廻りはイギリス国旗で一杯。
 

 ライトアップしたウエストミンスター寺院はいつもながらとても美しいです。


 寺院の前は既に人がいっぱい。大晦日の明治神宮に行くみたい。


 道路を挟んで寺院の前にはメディアの特設ブースが作られていました。BBCのアナウンサーが生中継中です。
 

有名BBCレポーターに旗を振る沿道のロイヤル・ウオッチャーたち。


振っている旗


そして昨日から並んでいるらしい徹夜組。
 

ウエストミンスター寺院をバックにテントで寝るってどんな気分だろう???
 

なんか良く分からないけど、やたら皆ハイです。


ピンボケですが、こんなCabまで発見


帰り際に傍のパブでビールを一杯のんで帰りました。ここにもウイリアム王子とケイトさんが。


明日はパレードだけでも見に行きたいと思っているのだが、どこまで近寄れるだろうか???

 
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ロイヤルオペラハウス 『皇帝の花嫁 (The Tsar's Bride)』

2011-04-28 06:19:24 | オペラ、バレエ (in 欧州)
リムスキー・コルサコフのオペラ『皇帝の花嫁』を見に行きました。私は全く知りませんでしたが、ロシアの「カルメン」と言われるぐらい、ロシアでは人気があるオペラだそうです。

非常に骨太でレベルの高い公演でした。歌手と演奏が素晴らしいかったです。特に、二人のソプラノが良かった。主役のMarfa Sobakina役のマリーナ・ポプラフスカヤ (Marina Poplavskaya)は声量たっぷりで高音が美しいです。愛人役Lyubashaのエカテリーナ・グヴァノーヴァ(Ekaterina Gubanova)も安定した、聞かせるメゾ・ソプラノでした。

男性陣も父親役、婚約者役とも素晴らしかったです。父親Vasily Sobakin役のパータ・ブルチュラーゼ(Paata Burchuladze)は張りがあって響くバリトンです。婚約者Ivan Sergeyevich LïkovのDmitry Popovも若くて、驚くほど声量のあるテノールで、カーテンコールでも大きな拍手を浴びていました。

加えて、オーケストラも出色の出来でした。さすがエルダー。メリハリ、色彩がある演奏で、とっても良かった。同じオーケストラでも、まったり演奏だった前回のフィデリオとはえらく違いで、驚きました。

現代劇に仕立てた演出も、私にはしっくりきました。ただ、残念だったのは、今回の席が、ストールサークル席で、舞台は近いけど、字幕が見れず台詞は全く追えなかったことです。なので、相当、細かいところをたぶん理解していません。

しかしこのオペラが何故そんなにロシアで人気があるのかは良く分かりませんでした。救いようが無い暗い話なので、何度も見たくなるオペラでもないのです。今回のはかなりよかった。




The Tsar's Bride

Credits
Composer Nikolay Rimsky-Korsakov
Director Paul Curran
Designs Kevin Knight
Lighting design David Jacques

Performers
Conductor Mark Elder
Marfa Sobakina: Marina Poplavskaya
Grigory Gryaznoy: Johan Reuter
Lyubasha: Ekaterina Gubanova
Ivan Sergeyevich Lïkov: Dmitry Popov
Elisa Bomelius: Vasily Gorshkov
Vasily Sobakin: Paata Burchuladze
Dunyasha Saburova: Jurgita Adamonyte
Domna Saburova: Elizabeth Woollett
Malyuta-Skuratov: Alexander Vinogradov
Petrovna: Anne-Marie Owens

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ポーランド旅行(その3) アウシュビッツ訪問①

2011-04-27 23:36:29 | 旅行 イギリス外
 さて、いよいよ本旅行のハイライトであるアウシュビッツ強制収容所の訪問模様をご紹介します。2回に分けて、今回はアウシュビッツ強制収容所の様子、次回に自分が感じたことを書きたいと思います。

 抜けるような青空の朝でした。

【行き方】
クラクフから鉄道でもバスでも行けます。バスに乗ると1時間半前後でアウシュビッツの入口まで行ってくれるので、バスの方が便利のようです。8:25のバスに乗りました。列車でもオシフィエンチムの駅まで1時間半ぐらいらしいのですが、駅から1キロぐらい歩くらしいです。

【入場】
今回は、折角の機会なので「地球の歩き方」で紹介されていた、アウシュビッツの日本人ガイド中谷さんに事前にガイドをお願いしておきました。この日は、私と同じような日本人訪問者が総勢20名ちょっといらして、10:30集合です。一緒に中谷さんのガイドに従って、見学します。ガイド料(入場込み)40ズウォティ(約1200円)でした。

中谷さんのガイドについては後述しますが、アウシュビッツに行かれる方は、中谷さんのガイドを極力お願いすることをお奨めします。同じものを見ていても、時間軸の広がり、空間軸の広がりが全然違ってきます。

(アウシュビッツ入り口)


【ゲート】
有名な「労働は自由にする(働けば自由になる)」(この看板は2年弱前に盗難に合ったため、コピーだそうです)の門を通って、収容所内に入ります。70年前に収容された人たちは、どういう思いでこの門を潜ったのでしょうか?



【展示】
アウシュビッツには全欧州からユダヤ人、ジプシー、ロシア人捕虜、ポーランド人などなど殆どの欧州の国から強制収容されてきたのです。その数、なんと約130万人。そして、そのうち約110万が殺害されたのです。収容所の中には、当時の様子、収容者たちの遺留品、記録などが陳列してあります。





印象的だったのは、ガス室で亡くなった女性の髪の毛2トン近くの展示。見ていると、胸をつぶされるような気持ちになります。ドイツは、収容した人を労働力としてドイツ企業で活用させたり、この犠牲者の髪の毛もストッキングの繊維に使おうと試みるなど、収容所は完全に企業、国の経済システムの中に取り込んでいたとの事です。

収容者の管理には、収容者を任用して当たらせたこと(ユダヤ人の中の相互監視体制、競争関係を築くことで収容者の団結を防止)、個々の遺留品の厳格な仕分け、再利用などなど、この収容所が仕組みとして高度に完成していたことを伺わせます。

イースターの休暇中ということもあって、とっても混んでいるのでは?と思ったのですが、中谷さんによると「今日はイースター前日なのでとっても空いている。(イースターは家族で過ごす人が多いから)」とのことでした。アウシュビッツへの訪問者は近年、毎年増加しているそうです。ヨーロッパでもアウシュビッツを単なるドイツの負の遺産ということでなく、欧州の歴史として吸収しようとする動きが出てきたとの事です。アジアから訪問客では、韓国が圧倒的に多いとか。それだけ、まだ北朝鮮と交戦状態にある韓国は、戦時物への関心が高いのでしょうか?ちなみに、日本人の訪問数の推移は、ほぼ横ばいだそうです。

(収容所の建物)


(電流が流れていた脱出防止の有刺鉄線)


【ガス室】
これがあのガス室。


【ビルケナウ収容所】
第2アウシュビッツとも言われるビルケナウ収容所はアウシュビッツから2キロほど離れたところにあります。アウシュビッツが手狭になったため、更に広い土地に、ずっと大きい収容所を建てたとのことでした。シャトルバスで移動します。

列車でここまで運ばれ、まず生かされる人、そのままガス室行きになる人が選別されているパネル写真が残っています。

(収容者を運んだ列車が到着した線路)


(この貨物に詰め込まれていました)


当時は300棟以上のバラックが建っていたとのこと。「アンネの日記」のアンネ一家もここに収容され、アンネはここで亡くなっています。


収容所のベッド、トイレなど。当たり前ですが、狭くて、暗くて、湿っぽいところです。
 

【ガイド】
冒頭にご紹介しましたが、中谷さんのガイドは素晴らしいです。決して、感情に訴えることなく、デリケートでいろんな見方がある問題であるがゆえに、慎重に言葉を選びながら、アウシュビッツで起こった出来事を多面的な確度から解説してくれます。淡々とではあるけども、仕事に対する使命感を感じる説明で、歴史の見方、考え方の視座を与えてくれるガイドさんです。もう10数年、このお仕事を続けておられるとの事。これから、アウシュビッツを訪ねる方は是非、中谷さんのガイドを受けられることをお奨めいたします。

 この日、暖かい春の陽射しが照らす収容所は、ここで100万もの人が亡くなったとは信じられないようなのどかさが漂っていました。この天候にとっても救われたのですが、なかなか自分の中で消化するのは大変でした。自分の感想は、次回また。

(つづく)

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ポーランド旅行(その2) クラクフ街歩き

2011-04-26 09:39:16 | 旅行 イギリス外
 クラクフは歩いていてとても楽しいところです。今回は私の散歩風景をご紹介。

 鉄道駅から城壁をくぐって街に入り、中心部に向かって歩きます。

(城門と聖メアリ教会のある中心部へ真っすぐ延びる道)
 


 街の中心にかなり大きな広場があり、中央には織物会館という14世紀にたてられた建物が建っています。中は小さなおみやげ物屋が沢山。雰囲気は浅草の仲見世ですね。


 


 その織物会館の外にも、広場にはクリスマスマーケットで見かけるような屋台が沢山並んでいて、手芸品、食べ物などが売っています。とっても楽しい雰囲気。


(工芸品が売っています。左は、ポーランド名物の焼きチーズ)
 


 広場を出て、更に街を散策します。


(大量の絵画が城壁沿いに販売)         (緑の綺麗な散歩道。神父さんも多く見かけました)
 


 そして、夜はライトアップされるのでさらに美しくなります。


(城と夜店が賑やかなマーケット)
 

(教会と石畳を走る路面電車。いかにもヨーロッパ的な景色です。)
 


2011年4月23日
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パリ・オペラ座 訪問

2011-04-26 01:14:57 | オペラ、バレエ (in 欧州)

オペラハウスの代表選手とも言えるパリ・オペラ座。やっとのことで、バレエのチケットを入手した。

それにしてもでかい。きらびやか。これはすごい。さすがフランス。コテコテ度では間違いなくNO1だ。

席は12ユーロだけあってボックス席の一番奥の席で舞台はほとんど見えない。座れるだけいいのかねえ。しかしボックス席って不思議。オペラやバレエが観劇のためだけに作られたのではないことがよくわかる。正直怪しい空間だ。

みんな着飾ってる。バレエのせいか女性が多い。装飾はすごいなあ。でも立ってみればよく見えるし、結構いい。コストパフォーマンスはかなりいい。
オーケストラストールは以外と小さい。舞台がすぐ近くにある。シャンデリアがどかん。オペラ座の怪人そのものだ。

前半は現代バレエ。音楽は録音もので、宗教的なオルガン曲に始まり、スペイン風の舞台音楽になったり。ストーリーがあるのだろうが、抽象的な舞台でよくわからない。後半、全裸風(薄い肌色全身タイツなので裸ではない)の女性の躍りがあったが、筋肉と女性的な優雅さで美しい。

後半はもう少し動きが派手で、色彩も豊か。音楽も春の祭典風の切れのいいバレエ音楽。ちょっと風邪気味で鼻水が止まらず集中力には欠いたが楽しめた。日本人風の女性ダンサーがいたが、日本人かなあ。
ボックス席の奥だと会場の拍手とかの感じが伝わってこないが、手拍子風の大きな拍手のようだった。


Two ballets that help us to decipher the unique world of Swedish choreographer Mats Ek. An "in camera" drama with a tragic conclusion, The House of Bernarda is inspired by Federico García Lorca's play and combines traditional Spanish music with fragments of Bach, whilst the burlesque, sometimes endearing and off-beat situations of A sort of... are an invitation to journey and to dream.

The House of BernardaBallet in one act
After the play by Federico Garcia LorcaJohann Sebastian Bach Music
and traditional Spanish music

Mats Ek
Choreography
Marie-Louise Ekman
Sets and costumes
Jörgen Jansson Lighting

A sort of...Henryk Gorecki Music
Mats Ek Choreography
Maria Geber Sets and costumes

Ellen Ruge Lighting

The Étoiles, Principal Dancers and Corps de Ballet
Recorded music

Two major pieces, La maison de Bernarda and Une Sorte de..., as different in style as in the themes they broach, help us to decipher the unique world of Swedish choreographer Mats Ek. La maison de Bernarda is inspired by Spanish writer Federico García Lorca's play and exposes the oppressive force of religion and family in a ballet of expressive dance and at times, cruel imagery. Blending traditional Spanish music with fragments of Bach, Mats Ek has conceived an "in camera" drama with a tragic conclusion. Une Sorte de... is an invitation to journey and to dream. The performers expropriate objects from their usual function and find themselves in situations that at times are odd or comic, yet often endearing and off-beat; an abstract ballet nonetheless suggestive of the complexity of human and loving relationships.


20 APRIL 2011, 7:30 PM

La Maison de Bernarda
Bernarda José Martinez
La Servante Marie-Agnes Gillot
La Soeur Ainee Ludmila Pagliéro
Hunchback Clairemarie Osta
La Jeune Soeur Charlotte Ranson
1ère Jumelle Aurélia Bellet
2ème Jumelle Amélie Lamoureux
Un Homme Stéphane Bullion
Un Technicien Andrey Klemm

A Sort of...
1er Pas de deux Nolwenn Daniel, Nicolas Le Riche
2ème Pas de deux Miteki Kudo, Benjamin Pech
Grey coat Caroline Bance
Swimming pans Nicolas Paul



















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ポーランド旅行 クラクフ観光 (その1)

2011-04-25 17:40:07 | 旅行 イギリス外
 イースターの連休を使って、ポーランド旅行に出かけてきました。メインイベントは、ヨーロッパに来たからには一度は行かねばならないと思っていたアウシュビッツ収容所への見学です。これは、強烈な印象を残してくれましたが、まだ自分の中で整理できていないので、おいおい書きたいと思います。

 今日は、そのアウシュビッツ収容所に行くためのベース滞在地としたポーランド南部の町クラクフをご紹介します。アウシュビッツへの旅程を立てるまで、名前さえ知らなかったところですが、14世紀から16世紀までポーランドの都であり、現在は世界遺産の指定も受けている町でもあります。ポーランドの町としては珍しく、戦災被害を受けていないので、昔の面影をそのまま残していると言われています。

 天気が良かったおかげもありますが、期待をはるかに上回る素晴らしいところでした。教会、旧王宮などの観光名所も一級ですし、Cafeでビールやコーヒーを飲みながらまったりするのも良いですし、マーケットを冷やかしたり旧市街の石畳をそぞろ歩きするのも楽しいです。観光地ではありますが、落ち着いて、時間が半倍速で流れるようなゆっくりとした時間を味わえます。

(広場のCafeでまったり中)


 中でも、私が感動したのは、街のへそとも言える広場に隣接して立っている聖マリア教会。サイズはそれ程大きなものではありませんが、内部の装飾の美しいこと。今まで数多くの教会を訪れましたが、この内部の美しさは有数です。特に、祭壇にある、聖マリアを描く祭壇が素晴らしい。閉じた姿はその大きさに驚きますが、扉が開き、中からマリア様の彫り物が現れた時の感動はクリスチャンでない私でも宗教的な神聖さを感じます。息を呑む美しさでした。祭壇は毎日正午前に開かれるそうなので、訪問される方は是非その時間帯に行かれることをお奨めします。

(広場から見た教会前景)


(中はさほど広くないですが、装飾、美術品が素晴らしい)


(聖マリアの祭壇・・・閉じた状態)


(12時前になると尼さんが開陳します)


(素晴らしい木造彫刻です)




 また、街の南外れにあるヴァルヴァエル城も壮観です。歴代のポーランド王の居城ですが、ここの大聖堂、王宮の美しさも素晴らしい。王宮内にはたくさんの芸術品が展示されていますが、目を惹いたのは巨大なタペストリー。昨年、ラファエロが下絵を作ったローマにあるタペストリー展をロンドン ヴィクトリア&アルバート博物館で見たので、一層、興味がわきました。

(ヴァルヴァエル城外観)


(城内の広場と教会)


(旧王宮の中庭)


(王宮内の部屋の一例)


 教会を廻ってとても印象的だったのは、地元の信者さんがとっても多いこと。イースター前ということもあるのかもしれませんが、教会内は信者であふれ返っていました。若い人、家族づれも多いです。信者さんが並んで腰掛けていた長椅子に、私も疲れたので一休みさせてもらっていたら、しばらくして、その椅子は、懺悔の順番を待つための長椅子であることが判明。数十人が懺悔のために座って待っていたのでした。あと5人ほどで自分の順番になるところでした。あぶない、あぶない。

(信者さんがともすろうそくの火)


(つづく)
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小夏日和のロンドン

2011-04-25 17:00:59 | ロンドン日記 (日常)
 春真っ盛りのポーランドから帰ってきたと思ったら、ロンドンは夏だった。

 思わず、ハムステッドヒースへジョギング兼ウオーキング。

 なんとハムステッドヒースの入り口で移動遊園地が出来ていた。こんなの初めて。


 喧騒を抜けて、ケンウッドハウスの敷地内へ。もう若葉の緑もかなり色が濃くなってきました


 ケンウッドハウス前では皆、日向ぽっこ。


 映画に出てきてもおかしくないような絵になる風景


 きれいな花も咲いてました。


 2011年4月25日 16:00頃

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シェイクスビア 『ハムレット』 (訳:小田島雄志、白水Uブックス)

2011-04-24 20:06:56 | 

『ハムレット』は随分前に一度読んだが、近くグローブ座に観にいくので、再読してみた。結構、忘れてる。

この物語、最期には殆どの登場人物が死んでしまうという救いの無い悲劇だ。なんとも後味が悪い。ハムレットの優柔不断さも、途中で「いい加減にしろ」といいたくなるぐらいじれったい。

今回注目したのは、悲劇のヒロイン オーフィリア。ロンドンで一番といって良いほど好きな絵の一つがテートブリテンにあるミレイの『オーフィリア』。初めて見たときは、その神秘的な美しさに、立ちすくんでしまった。ご存知なかたも多いと思うが、この『ハムレット』のヒロインを描いたものである。



しかし、このヒロイン。本当にどうしようもなく気の毒な運命だ。相思相愛のハムレットとは思いを遂げることなく、狂人の振りをしたハムレットとの会話から愛の終わりを感じ、父親はその恋人に殺される。そのショックで、気がふれ、最期は川で溺れ死ぬ。こんな可哀想なヒロインを創るとは、シェイクスピアも残酷な作家だ。しかし、原作を読んで、改めてミレイの絵は、この悲劇のヒロインを見事に描いていると思った。

悲劇なら悲劇として「リア王」のように徹底して欲しいのだが、繰り返しになるが、どうも「ハムレット」は後味が悪い。芝居では、どうこのハムレットが演じられるのか?今から楽しみである。ただ、頼むから、オーフィリアのイメージだけは崩さないで欲しい。
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パリのラーメン屋さん

2011-04-23 17:17:22 | レストラン・パブ (in 欧州)
パリといえば、買い物とラーメン。ホントか嘘か知りませんが、駐在員の奥さんの間では、そう言われているらしいです。確かに、ロンドンでは日本食店は結構ある割には、「これは旨い!」というラーメン屋さんは多くないようです。少なくとも私は知りません(知っている方がいたら教えてください)。

ということで、パリに行ったからにはラーメンをと言うことで、ラーメン屋さんに行きました。確かにラーメン屋さんの数は多くて、オペラ座界隈にはラーメン通りか?と見間違うばかりに、ラーメン屋さんが集中している通りもあります。

その中の一つ、大勝軒。今はなき池袋の本家本元の大勝軒には行ったことはないのですが、以前、東京の中の界隈に住んでいたことがあったので、中野の大勝軒や野方の大勝軒には良くお世話になりました。この看板を見たら入らないわけには行かないということで、迷わず入店。



もしかして、つけ麺がありやしないかと思いましたが、生憎ありませんでした。なので、基本のしょうゆラーメンをいただきました。

結果は、残念ながら私的には全く駄目。これならわざわざパリに来て食べるほどのことではないレベルです。お店の入り口近くに大鍋で鶏とかでスープをぐつぐつ煮ているのが目に入った割には、スープは淡白で特徴なし。麺は(確か大勝軒は太麺のはずだったけど)細くて、何か近くのスーパーマーケットで買ってきたような、これも何の特徴なし。唯一、チャーシューはまずまずだったけど、所詮チャーシューは添えもんで主役ではありません。

ということで、名前に惹かれた自分があほでした。もう少し、奥様方にリサーチすべきでした。残念。
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ロイヤル・オペラ 『フィデリオ』 

2011-04-22 00:36:26 | オペラ、バレエ (in 欧州)
 久しぶりのオペラ。何か理由はよくわからないですが、仕事が忙しかったのと、地震の間接的影響もあったと思うのですが、どうもこの1か月音楽を能動的に聴こうという気が全く起こらず、取っていたチケットもリターンしたりで、何か自分でも変でした。ただ、ベートヴェンのフィデリオということで、最終日に力を振り絞って見に行きました。

 素直に行って良かったと思いました。質の高い公演だったと思います。歌手陣が皆さん、とっても良い出来でした。フィデリオ(レオーネ)のNina Stemme とマルツエリーネのElizabeth Wattsの女性陣がしっかり。男性陣も皆さん良かったです。あえて難を言うと、図抜けた歌手がいないので、全体的な印象としてはちょっとパンチ不足の感じがしました。ただ、クライマックスの歓喜のコーラスはベートヴェンならではで、清らかで迫力あるコーラスは感動的でした。

 オーケストラの演奏は、優しい大らかなベートヴェンに聞えました。指揮はKirill Petrnkoの代役でロイヤルオペラのHead Of MusicのDavid Syrus。数カ月前に、「魔笛」でもデイビスの代役で聴きました。その時も随分まったりした演奏をする人だなあと思ったのですが、今日もそうだったので、きっとこの人の個性なのでしょう。個人的にはもう少し棘のある、尖った演奏が好みです。

 演出については、ラストシーンについてつるびねったさんがコメントされていましたが、フィデリオは演奏会方式で聴いたことはあるものの、本格オペラ観劇は初めての私には、あまり気になりませんでした。舞台袖の席で、処刑シーンも見えなかったし。むしろ、全体としては、雰囲気をよく捕えた馴染み安いものだと思いました。

 真面目すぎて、面白みがないと言えばない、いかにもベートヴェンというオペラですが、たまにはこういうオペラで、人間の純粋でひたむきで勇気ある愛に触れるのも、気持ちのいいものです。

(フィデリオのNina Stemme)


(Nina Stemmeの向かって右隣りがEndrik Wottrichさん)


(指揮者のDavid Syrusを交えて)




Saturday 19:00 16 APRIL 2011

Beethoven: Fidelio

Nina Stemme (Leonore)
Jurt Rydl (Rocco)
Endrik Wottrich (Florestan)
Elizabeth Watts (Marzelline)
John Wegner (Don Pizarro),
Willard W. White (Don Fernando)

Jürgen Flimm (Original Director)
David Syrus (Conductor)

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チャリティ募って、ロンドンマラソンを走ろう!

2011-04-20 20:18:42 | ロンドン日記 (日常)
昨日、職場のイギリス人が企画・運営をしてくれたJAPAN TSUNAMI APEALのイベントを紹介しましたが、折角なので、英国ではかなり一般的な、チャリティによるマラソン大会やトライアスロン大会参加を紹介します。

渡英以来、イギリス人と話すたびに趣味の話になると、必ず私が持ち出すのは、ロンドンマラソン出場の夢です。でも、この話をすると十中八九返って来るのは、「そんなに走りたければ、チャリティをやればいいよ。僕の友達はみんなそうやって走っているよ。たとえ人に寄付を頼むのがいやでも、自分に払えるお金さえあれば絶対出られるよ。」というわけです。

実際に一般エントリーの出場枠とチャリティの出場枠がどのように割り振られているかはわかりませんが、一般の出場枠を得るのは殆ど不可能な印象です。そもそも抽選なのですが、その抽選の枠を得る枠の取りが早い者勝ちで、Webサイトが開いてから1日足らずで埋まってしまいます。そして、その抽選の当選確率は公式発表があるのかは知りませんが、少なくとも昨年の私の職場の知り合いのサンプリングだけでも9人応募して1人しか当っていませんので、相当の競争率です。

そこで、そのチャリティですが、ロンドンマラソンのHPを見ると、ユニセフとか貧困家庭の援助団体とか、障害児の援助団体などなど80を超えるチャリティ団体が公式登録されています。そのどこかの団体を選んで、登録して、その団体の活動のためにお金を集めるわけです。いったい幾ら集めればいいのか?HPによっては、最低1500ポンド(約20万円!!!)とか書いてあります。

チャリティに習慣がない日本から来た私には、「自分が走りたいために、人にお金を出してもらうなんて、ちょっと余りにも、調子が良すぎるだろう。かといって、一人で1500ポンドはあまりにも高すぎる」ということで、2の足を踏んでしまいます。

一方で、英人はこの手のイベントに慣れたものらしく、ロンドンマラソンのチャリティの依頼は私には来た事はありませんが、トライアスロンやヨットのレースに参加したい同僚からはたまにこんな社内同報メールをもらいます。

Dear All,

As some of you may know, I am taking part in XXXXXX Triathlons this year, all driven by my desire to raise some much needed money for my charitiy - Mercy (Japan Tsunami)
………………………………(中略)……………………………………………..
At this point, I would like to ask you for your support in my efforts to raise money and awareness. It would be great if you could make a donations to my charity and you can do so through my website, in the end your generosity will help many people in less fortunate situations and we can make a difference.

Kind Regards

すると、「まあ、こいつが言うならちょっとは寄付してやるか。社会貢献にもなるし」と思って、思わずWebサイトを通じて寄付をしてしまうのです。

つまりこの仕組みで、お金を出す人は社会貢献できますし、集める人は自己負担少なくレースに出れるし、寄付団体にはお金が集まり、結果として困っている人の多少なりとも助けになるというWin-Win-Win-Winの4連勝状態となるわけです。あるWeb記事によると、ロンドンマラソンは、1981年の創立当時から昨年までに集められた寄付金の総額は、4億5000万ポンド(日本円にしておよそ606億9744万0256円)になるそうです。

レース当日は、チャリティで出る人は皆、団体のユニホームシャツを着て走ります。そして、沿道にはそのチャリティ団体の応援団が、のぼりや旗を掲げて、自分たちのランナーを賑やかに応援するわけです。

日本の東京マラソンが今年から1口十万円でチャリティ枠を作ったところ、「お金で出場枠を買うなど何事か?」などの批判をあび、かつあまり人も集まらなかったという話を日本の友人から聞きました。きっと、その仕組みや意義が旨く理解されなかったのだと思います。

私的には、ロンドンマラソンがあまりチャリティ枠ばかりになるのは困るんですが、本当にこれは良くできたシステムだとほとほと感心します。来年の一般エントリーに外れたら、チャリティ出場にチャレンジしてみようかなあ~

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とある職場の風景 Japan Tsunami Appeal Charity Event

2011-04-19 22:30:38 | ロンドン日記 (日常)
人事や総務担当のイギリス人社員たちが、地震・津波の被害にあった日本のために、素晴らしい社内チャリティイベントを企画してくれました。

そのイベントは、終業後、職場近くのパブの大部屋を借り切って行なわれました。事前に10人用丸テーブル10卓が、各テーブル50ポンドで売りにでます。そして、テーブルを買った人は1席5ポンドで自分のテーブルの参加者を募ります。最初この企画を聞いた際は、200名強のこの職場で100名もの人が集まるのかなあ?と少し、半信半疑でしたが、当日行ってみたら、見事に一杯になっていたのには驚きました。

パーティーの内容は、冒頭に地震・津波被害の報告、本会の目的などの説明があったあとは、各自、パブのカウンターで購入したビールを飲みながら、テーブル対抗のクイズ大会、Rafflesと呼ばれるくじなどをやって、大いに盛り上がります。

チャリティイベントなので、いろんなところにお金を集める工夫が施されています。くじは、日本の宝くじ同様に1枚1ポンドで番号のついた札を購入します。くじの賞品は、日頃お付き合いのあるパートナー会社などから募った景品が提供されます。スポーツクラブの3ヶ月無料利用券、某レストランのお食事券、プレイステーション、イングランド対スイスのサッカーの試合などなど、結構身近で欲しいものです。また、くじだけでなく提供された景品は一部、オークションにもかけられたりします。そして、集めたお金を、赤十字等に寄付するという仕組みです。

6月のサマーパーティ、冬のクリスマスパーティ以外、なかなかこれだけの規模の社員が一堂に会してワイワイ騒ぐ機会はあまりありません。なので、社内コミュニケーション促進としてのイベントとしても、良くできています。3時間みっちり、テーマは真面目ですが、大いに楽しみました。

今回の企画は、別に業務上の指示があったわけでも、日本人社員が働きかけたのでもありません。ナショナルスタッフによる、まさにボランティア企画でした。業務でもないのに、ここまでの大掛かりなイベントを企画・運営する彼らのチャリティマインドに心から頭が下がった次第です。

ありがとうございました!
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川北稔 『イギリス近代史講義』 (講談社現代新書)

2011-04-18 22:44:56 | 
筆者は、「世界システム論」で知られるウォーラーステインの著作を紹介・翻訳しているのでも有名な歴史学者。学生時代に「近代世界システム」という難しい本を「読まされた」(まさにそんな感じ)ので、筆者の名前は覚えていました。その筆者が、イギリス近代史について書いた本ということで手に取ってみました。

都市史、生活史、経済史、世界システム論などなど、いろんな切り口から、中世以後のイギリスの歴史(産業革命、大英帝国による植民地支配、イギリス衰退論争など)を振り返り、そして「大英帝国の興亡から現代日本を考える」(帯)という、意欲的な本です。碩学の学者ならではの幅広い見識が示され、知的好奇心を刺激してくれます。

いろんな視点が提供されるので、筆者の主張をまとめるのはとっても難しいのですが、一つの軸となるのは、

・成長の概念は17世紀ごろイギリスから生まれ、「人間は進歩しなければいけないし、前よりはよい生活になっていかなければいけない」(p86)という成長パラノイア(成長信仰)が近代世界システムの基本イデオロギーとなっている。

・イギリスでは17世紀から生活文化の都市化が始まり、その結果、モノの「買い手」がいるという産業革命(工業化)の前提条件が存在していたという一面が重要

・イギリス経済は、歴史的に、ジェントルマンの世界である金融業(シティ)と製造業が分離しているという2重構造に特徴がある。産業革命の資金はシティから提供されたものではなく、イギリスの工業化にはそもそもそれほど大きな資金は必要とされなかった(ただし、社会資本については、ジェントルマンがエリアの保護者として損得勘定抜きで資金提供)

・第2次大戦以後の、イギリス衰退論争は、(他国と比べて)低い成長率に起因しているが、むしろ政治的に担ぎ出されている一面もあり、学説・論争は尽きないが、「衰退不在説」に傾きつつある。

・衰退は成長と対になる考えなので、「問題なのは、成長パラノイアということであって、俗に衰退と言われているものはそれほど悲惨なことではない」(p250)

余りにも話題、切り口が豊富であるため、面白いのですが軸となる主張をしっかり理解するのは意外と大変です。成長神話こそが成長・衰退論の根本であるというのが、根っこの発想なのですが、この主張については感覚的には理解はするものの、納得は仕切れないものもあります(きっと筆者に言わせると、私自身が成長パラノイアに取りつかれているからに違いないからなのでしょうが・・・)。

しかし、社会における日々の事象を見る上で、視点や前提条件を歴史的に考えるということを教えてくれる本書は、学者ならではの教えを持っていると思いました。私自身、とても面白い思考のトレーニングにもなりました。
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ロンドンマラソン応援記

2011-04-17 21:20:21 | ロンドン日記(イベント、観光、スポーツ)
先週はパリで沢山の人に応援してもらい、背中を押してもらったので、今日は自分が背中を押す番と思い、春のロンドン風物詩であるロンドンマラソンに応援に行った。もともとは、同僚が走る筈だったのだけど、練習のしすぎで腰を痛め、今回は残念ながら棄権(出場権は来年に持ち越せるらしい)。

過去2回はもっとも絵になるし、往路と復路の両方が楽しめるタワーブリッジ付近に陣取ったが、今日はもっとゴール近くの地下鉄エンバンクメント駅の駅前、丁度40キロ地点に陣取った。10時半には到着したが既に通りは待つ人で一杯。なんとか、少しの隙間を詰めてもらって、前列に入れてもらった。



いつも通り、車椅子部門の人達が最初に通過。それから女子の招待選手、男子の招待選手が時間をおいて通過する。女子招待選手は赤羽選手がパンフにも載っていたので、近くに来た際に大声で「赤羽、頑張れ!」と声をかけてみた。それ以外の日本選手は知らなかったのだが、その後も藤永選手、野尻選手と上位で続いた。男子は日本選手はいたのかもしれないが、分からなかった。

(ガンバレ!赤羽)


こうした招待選手のランナーは見ていて、本当に姿が美しい。一瞬で通り過ぎるものの、見とれてしまう。すごく自然なのだ。走るということは人間の本能に根ざした活動なのだろうと思うのである。例えは適切ではないだろうし、失礼かもしれないが、競走馬がレースで走る美しさと共通するものがある。

(先頭で通過したアフリカの選手)


そして、いつも思うことだが、ロンドンマラソンの主役はやっぱり市民ランナーだ。タイム3時間過ぎぐらいから続々と市民ランナーが登場し、沿道は大いに盛り上がる。仮装をしながら3時間そこそこで40キロ地点を通過するツワモノも居る。時間が経過するにつれて、どんどん増えるランナーに比例して、応援も盛り上がる。自分も先週走ったばっかりなので、この地点がどんなに辛いかも痛いほど分かる。"Come on, Paul!”とか、ユニホームに書いてある名前を呼んで、応援した。それにしても、人がただただ一生懸命走っているのを観ているのが、何故こんなに心を躍らせ、感動させるのだろう。自分でも不思議だった。

(以下、40キロタイム。2時間37分!)


(2時間43分)


(2時間47分)


(3時間26分・・・それでも自分よりずっと早い!)


(3時間40分)




残念だったのは、あんまり日本人のランナーを見かけなかったこと。ブルーのタンクトップを着たかなり速い人が2人程居たほかは、徳島大学のユニホームを着た人、大きな寄せ書き入りの日の丸を体に巻きつけて走っている人、そのほか数人しか日本人と確定できる人はいなかった。その都度「ガンバレ、ニッポン」と大きく叫んだが、もっと沢山いると思ったので少し残念。

先週の情けない走りで、かなりへこんでいたのだが、また走りたくなって来た。





2011年4月17日

(参考)
 ※ 2009年の観戦記→
 ※ 2010年の観戦記→

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