その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

ロイヤル・バレエ 「オネーギン」

2010-10-11 22:53:04 | オペラ、バレエ (in 欧州)
 ロイヤル・バレエのシーズン開幕公演「オネーギン」を見に行きました。オペラ版は見たことがあったので、同じ作品がバレエではどう表現されるのか、見てみたかったのです。

 金曜日の夜、仕事からダッシュで駆けつけ、19時半開演直前飛び込みのギリギリセーフ。なので、一幕の前半はゼエゼエで集中力0。そして、やっと自分が落ち着いてきたと思ったときに、ハプニングが。

 ストール席前方右側の席から"Oh, oh, oh, my god!!!!"との女性のとんでもない悲鳴が、オペラ歌手並みの声量で劇場に響きました。その叫びは数回におよび、その悲鳴の主と思われる女性らしき人が途中退席。回りの人も立ち上がり、周囲は「一体何が起こったのか?」「上演中になんだ!!!」などなど、私のまわりも騒然となりました。暗闇のなかで、何が起こっているのかもよく解らない中、そして椅子に縛られ身動きできない中で騒ぎは、ちょっとした恐怖感を感じます。収まった心臓の鼓動が、再びドキドキ。もちろん舞台は騒ぎとは無関係に、何事も無いように進んでいきます。ただ、この騒ぎで、もともと集中力を欠いていた自分には、舞台は見ているものの、目には全く映っていないかのごとくの状態でした。

 (第一幕後終了後の様子(救急車が来て、一部立ち入り禁止になっていました)から、どうも急病人がでたようです。悲鳴の女性は、その急病人のかたのお連れの方だと思われました。無事ご健康を回復されたことを祈念しております。)

 第二幕からは、集中して見られました。タチヤーナ役のLaura Moreraはルックスは私のタチヤーナのイメージとはちょっと違いましたが、表現豊かかつ切れのある踊りでした。オネーギン役のFederico Bonelliは格好よすぎなかんじでしたが、見ていて気持ちのいい踊りでした。特に、第3幕は二人の躍りが圧巻でした。求め、求められ、でも思いを断ち切る。そんな感情の揺れが振り付けと素晴らしい躍りで表現されていたと思います。

 この2人のほかには、オリガ役のMelissa Hamiltonは踊りも優雅で良いですが、文句なしに可愛いし、レンスキー役のSergei Poluninも誠実な青年を好演技でした。

 音楽も美しく良かったですが、音楽はオペラのほうが好きかなあ。

 出だしは乗れなかった公演でしたが、最後はすっかり満足して、会場を後にしました。


※Laura MoreraとFederico Bonelli


※Melissa HamiltonとSergei Polunin


※指揮のBarry Wordsworth




Onegin
Friday, October 08 7:30 PM

Credits
Music: Pyotr Il'yich Tchaikovsky
Choreography: John Cranko
Designs: Jürgen Rose (after the original 1969 designs for Stuttgart Ballet)
Lighting design: Steen Bjarke
Staging Reid Anderson, Jane Bourne

Performers
Conductor: Barry Wordsworth
Tatiana: Laura Morera
Eugene Onegin: Federico Bonelli
Olga: Melissa Hamilton
Lensky: Sergei Polunin
Prince: Gremin Gary Avis

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