その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

横井章『創造と継承 日本ラグビー 世界で勝利するためのオリジナリティ』ベースボール・マガジン社、2022

2022-07-29 07:29:11 | 

サブタイトルにあるように、日本ラグビーが世界で勝利するためのオリジナリティを追求した一冊。筆者は、主に学生ラグビーの世界で長く指導の実績を積んできた方で、業界では名の通った方のようだ。

ラグビーはトップリーグ(現ジャパンラグビーリーグワン、来年度からさらに変更?)の試合を時々見に行っている。なので、ラグビーのプレイ・戦術論をより知りたいという思いと、スポーツ指導者による書籍はビジネスにも参考になることが多いので実益にもつながれば、という思いで手に取った。

いつもただ漫然とゲームを観戦している私には、本書のプレー論・戦術論は、どのくらい革新的なのか、的を得ているのかが、正直判断がつきかねた。一方で、指導論やチーム論は、仕事の考え方と通じるところ大で、ヒントになることも多い。

例えば、結果を残せないチームは「自分たちのできないことをやろうしていないか。自分たちが何者であるかを知り、何ができるかを踏まえたうえで、どう戦えば勝てるかを練り上げること。そのために必要な練習を絞り込み、限られた時間の中で集中的に取り組むことが、勝利のための絶対条件。すべてをやることはできない」と言い、「結果を残すチームは論理的に勝利への道筋をつけられるチーム」(pp15-17)とあるが、これなんて企業戦略論そのものだ。

マーケティング戦略にも通じる。「こういう状況に対応できるためのこの練習をしようという発想ではなく、「そういう状況を創らせないためにはどうすれば良いか?」を考えそのために練習する(P22)。既存市場で戦うことでなくて、市場の条件を自ら作るべきというマーケティング論に通じる。

選手と話をするときは「2人以上に向かって話をしてはダメ。必ず1対1で「君は」と話しかける。今の選手には押し付けではなく自分で判断させる。押し付けると自分の判断で「自分にはできません」と自己判断で拒絶される。「こういうやりかたもあるよ」と提案して、それをやればこんなにうまくプレイできることを説明し、理解させたうえで、選手に判断させる。そうすればきついトレーニングも自らやる。これは、職場の若手との対話に悩むおじんさ達への職場で使えるコーチング論だ。

ラグビー経験者ではないので、プレイ論や戦術論は実感が伴わないのだが、キックの効用、セットプレイに持ち込む大切さ(特に弱いチーム)、間合いにおける「接近」の大切さなどは、観戦の時に大いに参考になる。

次のフランスでのワールドカップがますます楽しみだ。

 

 


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内幸町 サラリーマンランチ @Blossom&Bouquet

2022-07-27 07:32:17 | 日記 (2012.8~)

今日は午前中の商談が思いのほか長引き、ランチタイムとなったのは午後1時半。丁度、内幸町(日比谷公園の南側)に居たので、最寄りのビジネスビルに(日比谷国際ビル)に侵入。偶然見つけたのが、サンドウイッチ専門店のBlossom&Bouquet。

最近はコンビニのサンドウイッチも随分おいしくなったけど、コンクリートジャングルを流離うサラリーマンにはコンビニのサンドは所詮スナック。私にとっての食事サンドウイッチの東の横綱は、最近随分ご無沙汰している大手町のリトル小岩井です。一方で、西の横綱はBlossom&Bouquet。洗練さという意味ではリトル小岩井に圧倒的に勝ります。

東京都内に幾つかお店出していますが、ここのサンドウイッチは十分食事サンドとして使えます。私的な断トツおススメは『佐賀有明鶏のチキンカツサンド』や『自慢のたまごサンド』。ただ、この日は来店時間が遅すぎた。既に売切れで、残ったサンドウイッチから『デリシャスサンド』と『なつかしコロッケサンド』を注文しました。

午後の打ち合わせに時間も無かったので、紙袋に入れてもらって、急ぎオフィスに戻り、自席でクイックランチ。それでも、デリシャスサンドは野菜と卵とツナが挟まれ、本当にデリシャスでした。コロッケさんとは、命名通り『なつかし』でしたね。


〈美味しそうに写ってないのが悲しい・・・〉

また、来店機会あったら、今度こそ『佐賀有明鶏のチキンカツサンド』と『自慢のたまごサンド』をゲットして、ご披露したいと思います。あと、リトル小岩井のサンドウイッチもですね。


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山中湖の鹿

2022-07-25 07:29:18 | 旅行 日本

7月の3連休に山中湖を訪問。毎度、毎度やることと言えば仕事の残務処理、ジョギング、湖畔サイクリング、読書、ビール飲みと変わらないのですが、家にいると雑事が次から次へ襲ってくるし、何より夏の山中湖は涼しくて天国。

この季節は家でも朝5時に目が醒めてしまうので、湖畔ジョギングは朝5:30から。体の動きは悪いですが、10℃台の涼しさの中でのジョグは格別です。

この日は、林と林の間の道を走っている時に、左手の林から大きな鹿がぱっと飛び出し、私の10メートルほど先を横切ってびっくり。右手の林に入ると立ち止まって、私の方を見つめてました。私が走り始める動きを観て、林の奥へ駆けていきましたが、鹿の走り姿は何とも華麗です。

翌朝もジョギング時に親子の鹿に遭遇しました。私に気づくと、小鹿が先に疾走して、その後を親鹿が追いかける。微笑ましいシーンでした(下の写真は駆ける親鹿だけが小さく写っています

宿の人によると、この辺りで鹿は全然珍しくないそうです。

 

あとは付録でジョギング風景のスナップを。


〈山中湖交流プラザきららの原っぱから〉


〈きららのボードウォーク(木道)を走る〉


〈ママの森の下のサイクリングロードを走る〉

 

2022.7.17-18


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水道橋 サラリーマンランチ @南インド料理シリバラジ

2022-07-23 07:36:53 | 日記 (2012.8~)

さすらいのサラーリーマンは、34℃の暑さの中、上着を片手に抱えながら都内を歩く。この日は水道橋・神保町エリアに出没。シャツ、ズボンの内側は汗でべとべと。

こんな日はやっぱり香辛料たっぷりの料理が食べたい。水道橋から神保町に延びる白山通り沿いにある南インド料理シリバラジを2年ぶりに訪れました。広めで清潔感ある店内に加えて、ここのランチはお手頃価格でかつ美味しい。私は、カレー3種類、野菜2種にナンと飲み物(ラッシー)のチェンナイミールス(990円)を注文。

南インド料理を歌うだけあってカレーもさっぱりした、サラサラ系のカレーで、香辛料もたっぷり。南インド料理なのでライスで食べるのが正統派とは理解はしつつも、好きなナンも美味。言葉にできない満足感。

冷えたビールで1杯と行きたいところでしたが、流石にお客様訪問を控えているので我慢我慢。この店、お勧めです。

コメント (2)
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ドビュッシー〈ペレアスとメリザンド〉/ 大野和士、東フィル @新国立オペラ

2022-07-20 07:30:01 | 演奏会・オペラ・バレエ・演劇(2012.8~)

7月9日(土)に6日(水)に続いて2回目の〈ペレアスとメリザンド〉を観劇。

今回は前回、もう一つピンとこなかった演出に着目して観劇した。メリザンドの夢の中という設定における二人のメリザンドや、メリザンドの成長と言った点は理解が進んだが、結論としては私の好みからは外れた演出だったということが認識できた。

夢の中という設定にも関わらず、表現はやたらリアルで、原作にあった幻想的な世界観が逆に損なわれているのが一番の違和感だろうか。性交シーンをことさらに強調するところも、興ざめだ。原作とは別の芝居として見ればいいのかもしれないが、原作に寄り添った素晴らしい音楽があるのに、演出の主張が強すぎると感じたのは私だけだろうか。

歌手陣と演奏は引き続き素晴らしかった。今回、改めて、題名役の2人を引き立てているのが、ゴロー役のナウリということが良く分かった。歌唱、演技ともに秀逸で、舞台に漂う緊張感が強烈だった。ペレアス役のリヒターの高く伸びるテノールにも聞き惚れる。イニョルド役の九嶋さんは、私はこの日が初だったが、透明感ある美しい声で場面を引き立てていたのが印象的。

大野さんの指揮の元、東フィルは相変わらず好調でドビュッシーの音楽を堪能した。聴けば聴くほどに、この音楽は美しい。

もう1回観たいぐらいだが、スケジュールとお金の都合でこれにておしまい。新国立オペラの今シーズンを締めくくるのに相応しいパフォーマンスだったと思う。

クロード・アシル・ドビュッシー
ペレアスとメリザンド<新制作>
Pelléas et Mélisande/Claude Achille Debussy
全5幕〈フランス語上演/日本語及び英語字幕付〉

公演日:2022年7月9日[土]
予定上演時間:約3時間25分(第1部105分 休憩30分 第2部70分)

 

スタッフ・キャスト

【指 揮】大野和士
【演 出】ケイティ・ミッチェル
【美 術】リジー・クラッチャン
【衣 裳】クロエ・ランフォード
【照 明】ジェイムズ・ファーンコム
【振 付】ジョセフ・アルフォード
【演出補】ジル・リコ
【舞台監督】髙橋尚史

スタッフ・キャスト

【指 揮】大野和士
【演 出】ケイティ・ミッチェル
【美 術】リジー・クラッチャン
【衣 裳】クロエ・ランフォード
【照 明】ジェイムズ・ファーンコム
【振 付】ジョセフ・アルフォード
【演出補】ジル・リコ
【舞台監督】髙橋尚史

キャスト

【ペレアス】ベルナール・リヒター
【メリザンド】カレン・ヴルシュ
【ゴロー】ロラン・ナウリ
【アルケル】妻屋秀和
【ジュヌヴィエーヴ】浜田理恵
【イニョルド】九嶋香奈枝
【医師】河野鉄平

【合唱指揮】冨平恭平
【合 唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団

共同制作:エクサンプロヴァンス音楽祭、ポーランド国立歌劇場

Co-production with the Festival d'Aix-en-Provence, Teatr Wielki - Polish National Opera

 

CREATIVE TEAM
Conductor: ONO Kazushi
Production: Katie MITCHELL
Set Design: Lizzie CLACHAN
Costume Design: Chloe LAMFORD
Lighting Design: James FARNCOMBE
Choreographer: Joseph ALFORD
Revival Director: Gilles RICO

CAST
Pelléas: Bernard RICHTER
Mélisande: Karen VOURC’H
Golaud: Laurent NAOURI
Arkel: TSUMAYA Hidekazu
Yniold: KUSHIMA Kanae
Un médecin: KONO Teppei
Geneviève: HAMADA Rie

Chorus: New National Theatre Chorus
Orchestra: Tokyo Philharmonic Orchestra


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東京二期会オペラ劇場 パルジファル〈新制作〉/ヴァィグレ、読響 @東京文化会館

2022-07-18 09:37:55 | 演奏会・オペラ・バレエ・演劇(2012.8~)

〈ペレアスとメリザンド〉(新国立劇場)と並んで、本年のオペラの大きな楽しみにしていた〈パルジファル〉。公演初日に出かけた。席は4階の左サイドだが、センターに近い席で舞台が良く見えた。ワーグナーオペラの中でも屈指の演目で、しかも上演機会も多くないので超満員かと思っていたら、入りは7割ちょっとぐらいだったのは意外。

4時間半近い大作であるが、長さを全く感じさせない優れた公演だった。特にオール日本人キャストによる歌手陣とヴァィグレ/読響の熱演が光った。歌手陣は特に抜きん出たと感じた歌手はいなかったが、夫々が集中力に満ちた安定した仕事っぷり。オール日本人でもここまでのパルジファルが演じられるんだなあと、素直に感心した。

読響/ヴァィグレは、金管に乱れがあったものの、劇性に富んだ迫力ある演奏で〈パルジファル〉の世界観を堪能できた。4階席にも音がダイレクトに飛び込んできたが、非常に良く鳴っていた。時折、鳥肌が立つような弦楽器の美しい響きが印象的だった。

宮本亞門さんによる演出は非常にユニーク。舞台設定を現代の博物館に設定したり、少年パルジファルと母親を黙役で登場させたり、謎のゴリラ(類人猿?)が現れたり、宇宙視点での地球を映像で投影させたりで、仕掛けに富む。夫々の仕掛けについて、演出家の狙いが何なのかを考えるのも楽しい。一方で、演出が能弁、饒舌過ぎないかとの思いが終始あった。神聖な楽劇であるパルジファルにここまでの仕掛けが果たして必要なのかの疑問は拭えない。忙しく、メッセージ性多い演出が、かえって歌手とオケの熱演に水を差している気までする。個人的好みからは距離あった。

演出に違和感はあったものの、名作を充実したパフォーマンスで鑑賞できた時の満足感はひとしおだ。音楽が脳内をリフレインするまま上野を後にした。

 

《二期会創立70周年記念公演》

フランス国立ラン歌劇場との共同制作公演
東京二期会オペラ劇場

パルジファル〈新制作〉
オペラ全3幕
日本語および英語字幕付き原語(ドイツ語)上演
台本・作曲:リヒャルト・ワーグナー
会場: 東京文化会館 大ホール
公演日:2022年7月13日(水) 17:00
1
スタッフ

指揮: セバスティアン・ヴァイグレ
演出: 宮本亞門
   
装置: ボリス・クドルチカ
衣裳: カスパー・グラーナー
照明: フェリース・ロス
映像: バルテック・マシス
   
合唱指揮: 三澤洋史
演出助手: 三浦安浩,澤田康子
   
舞台監督: 幸泉浩司
公演監督: 佐々木典子
公演監督補: 大野徹也

キャスト

配役 7月13日(水)15:00 
アムフォルタス :黒田 博
ティトゥレル:大塚博章
グルネマンツ:加藤宏隆
パルジファル:福井 敬
クリングゾル:門間信樹
クンドリ:田崎尚美
第1の聖杯の騎士 :西岡慎介
第2の聖杯の騎士 :杉浦隆大
4人の小姓 
 清野友香莉
 郷家暁子
 櫻井 淳
 伊藤 潤
花の乙女たち 
 清野友香莉
 梶田真未
 鈴木麻里子
 斉藤園子
 郷家暁子
 増田弥生
天上からの声 
 増田弥生
合唱: 二期会合唱団
管弦楽: 読売日本交響楽団


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〈大鳳凰図転生物語 小布施とHOKUSAI 神妙に達していた絵師〉@NTTインターコミュニケーション・センター(ICC)

2022-07-15 07:30:00 | 美術展(2012.8~)

《大鳳凰図転生物語》の企画展最終日に東京オペラシティにあるNTTインターコミュニケーション・センター(ICC)に駆け込み鑑賞。丁度、この3週間前の週末に善光寺御開帳の参拝と併せて小布施町に訪れ、北斎による岩松院天井画のオリジナルを観たばかりだったので、デジタル技術でどう「転生」するのか是が非でも観ておきたかった。

300億画素を使って天井画を高精細デジタル化するという、どのくらい凄いかわからないくらい野心的なプロジェクトである。そして、その調査プロセスの中で、一定の方向から光をあてると「鳳凰図」が光ることや、天井画は集団で制作することをや耐久性を考慮して原図からデザインを簡素化していること、などが発見されたことを知り驚きだった。


〈デジタル化された鳳凰図〉

圧巻は江戸時代の岩松院訪問を「体験」できる3Dライブシアター。バーチャル空間で、門前の桜並木をくぐり、人々が行き会う中、岩松院の本堂へ達する。そして鳳凰図を見上げる。場の空間の広がりが違うので感覚は多少異なるものの、天井画は3週間前に見たオリジナルそのものだ。そして、調査の中で発見された、桜祭りの時期に、本堂正面から沈む夕陽を受けて黄金色に輝く鳳凰図は、現地でも体験できないものだった。鳳凰の神々しさに立ちすくんだ。


〈この頭上に輝く鳳凰図〉

私のアンテナが低かったのだが、ICCでは既にいくつかの北斎や廣重の浮世絵のデジタル化などの展示を行っていたことを初めて知った。こうした文化財をデジタル技術で継承していくことは素晴らしいし、是非、今後も続く企画展は覗いてみることとしたい。

2022年7月3日訪問


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中学生からおじさん迄、万人にお勧め:ちきりん『自分の意見で生きていこう』(東洋経済新報社、2022)

2022-07-13 07:30:33 | 

「自分の意見を持つ」という現代社会を生きていくうえで必要な姿勢、考え方、スキルを説いた優れた自己啓発本。中学・高校生のうちから学んでほしい内容なので、練習編の練習課題をもう少し易しい内容にして中高生向け版を作ってもらうことを提案したい。(筆者にしてみれば、十分中高生でも読める内容と言うだろうが、学校関係者の家族によると「とてもこのレベルは無理」とのことであった)

本書は、多数の「反応」に囲まれるネット社会において、「正解のない問題(そして重要な問題は正解がないことが多い)」に自分の意見を持つことが如何に大切であるかを説き、どうすれば意見が持てるようになるかを解説する。

私自身、「反応」と「意見」の区別の仕方など、気づきが多い1冊だった。何気なく感じていたことが、言語化、論理化される気持ちよさもあった。以下、いくつか抜粋するが、神は抜粋より抜粋の前後のロジック・考え方にあるので、要注意。

 

(備忘メモ)

・「重要な問題」にはほぼ正解がない。なぜなら、「どんな人生が最も良い人生なのか」に正解がないから(pp33‐34)

・「反応」(他者の否定や質問)ばかりしていても、自分の意見は明確にならない。意見の表明者からみれば、議論の価値が無い人になってしまう。(p48)

・ネット時代は1億総反応時代。自分の頭を使って考えないと、単に反応するだけの人になってしまう。(pp63-64)

・リアル社会でやらないことはネット社会でもやらない(p111)

・リーダーシップの最初の1歩は自分の意見を持つこと。自分が所属するコミュニティの問題を自分事として捉えて、自分の意見を明確にし、他のメンバーに伝え、議論することこそ「仲間」として認められるための条件(pp184-185)

・正解のない問題についていくら勉強しても正解は見つからない。自分の意見を幅広い分野に持つ努力が大切。日本は「専門外の分野に意見を言うな!」という風潮が強いが、縦割り組織の発想。(pp190‐193)

・「知識が無いから意見が言えない」と考える日本企業と「正解が言えないのは知識が無いからだが、意見が言えないのは思考してないから」と考える外資企業(pp211-212)

・自分のオリジナルの人生を持つには自分の意見を持つことが大切 (p228)

・SNSは「意見表明の場」としては優れているが、「議論の場」としては上手く機能しない。議論はリアル社会の仲間としよう(pp245‐246)

 

【目次】
はじめに
第1章 「意見」とはなにか、なぜ必要なのか
専門家でも正解は出せない
 「正解のある問題」に意見はもてない
 正解は「調べる」もの
「間違った意見」も「正しい意見」も存在しない
 調べるべき問題と考えるべき問題
ネット上の不毛な議論
 カリスマの意見や業界の常識も正解ではない
 成功者は「正解」を知っていたのか?
 混在する「正解のある問題」と「正解のない問題」
重要な問題には「正解」がない
 人生に正解が存在しない理由

第2章 「反応」だけではダメな理由

ポジションがわかれば「意見」
 まずは「とりうる立ち位置」を確認する
 ポジションが明確なら「意見」
 区別には練習と振り返りが必要
1億総“反応”時代
 考えることが必要な「意見」
 SNSが総反応時代を加速
 多用される「かっこいい反応」
意見にしか価値はない
 インフルエンサーになるのも意見を言える人だけ
不安を克服しよう
 反論されることへの不安
 リスクをとりたくない気持ち
 それは本当に自分の意見?

第3章 SNS時代に「自分」を創る

SNS時代の新たな格差
 肥大化する承認欲求
 自分という人間を伝える発信
重要性を増す「ネット人格」
 学歴は「落とすための基準」だった
 面接時の発言より日頃の発信
 急速に進む人事分野でのAI活用
 ネット人格が履歴書にとってかわる
ありのままの自分を発信!
 お互いの利益となる「本当の姿」の開示
発信は自分のホームベースで
リアル社会と同じ行動を!
 懸賞やアンケートにも気をつけて
自分の表現方法を見つけよう
 発信は完成物でなくてもいい

第4章 生きづらさから脱却しよう

学校的価値観という呪縛
 「正しい人生」というプレッシャー
 学校的価値観のさまざまな弊害
人生に答え合わせは要らない
 自分の感想に自信がもてない人
 答え合わせに時間を浪費するのはやめよう!
 「強い他者」への依存リスク
意見こそ多様性の源
 意見の言えない子供はどう見える?
 全員が意見を言うのは、ギスギスした社会?
 「絶対」と言えるまで考え尽くそう!
承認欲求と意見
 自分はどんな人間?
 外形情報と内面情報
ファンは「キャラクター」につく
 「ちきりん」という人格
 内面情報だけで承認される人格
「意見の束」が人格を創る
 自我と他者からの認知の乖離
 最初に必要なのは自我の確立

第5章 リーダーシップの最初の一歩

本当の仲間と認められるために
 仲間に求められるのは「意見」
 求められるのは作業ではない
 日常生活における「リーダーシップ」
関係ないことこそ、考える価値がある
 突然求められる意見
 練習に最適な「関係のないこと」
 社会人として一人前と認められる条件
 縦割り発想の弊害
“反応しかできない人”からの脱皮
 反応だけの人の会議
 ポジションがわかれば意見
 「議論」には複数の意見が必要
 「賢そうに見える」ネガティブな反応
 「一概には言えない」「例外もある」といった言葉の空しさ
 常に「意見」を求められた職場
 必ず評価される「意見を言う人」

第6章 オリジナルの人生へ

18歳から始まった人生
 鍵は「自己決定」
 習わない「考えて答えを出す」方法
時代の変化と意見の価値
 1 オペレーションからイノベーションへ
 2 同質社会から多様なグローバル環境へ
 3 男性中心の年功社会からフラットな平等社会へ
 4 低成長な高齢化社会へ
 5 圧倒的に選択肢が多様な時代へ
 6 生き方プレッシャーが増大するSNS時代へ
 7 「意見」にこそ価値のあるAI時代へ
リアル社会の仲間と議論しよう!

練習編 「意見」をもてるようになる4つのステップ

ステップ1:レベルをチェックする
正しい情報の調べ方
 調べる項目を最初に列挙する
 調べる時間をあらかじめ決めておく
 必要な箇所のみ読む
 「調べる」ことに逃げない
 「正確だが無意味な情報」の存在を知る
ステップ2:ムリにでも意見を言い切る
ステップ3:自分で自分に突っ込む
中立信仰に陥るな!
ステップ4:言語化する

まとめ

おわりに

コメント (2)
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夏の暑い盛りに是非!: 虎ノ門 サラリーマン・ランチ @味覚

2022-07-10 07:30:37 | 日記 (2012.8~)

 多少、暑さの中休み感のあった一昨日は、虎ノ門界隈を徘徊。この辺りも超久しぶりで、ここ数年ご無沙汰の四川料理屋「味覚2号店」を訪問。のつもりだったら、あるはずのお店が、コインパーキングになっていて唖然。

 気を取り直し、近くにある1号店へ。2号店は中華ランチ定食があったのだが、1号店は2号店よりも手狭なうえに、ランチは石焼麻婆豆腐(とご飯)と麻婆豆腐刀削麺の2種類のみ。私は麻婆豆腐の辛さ普通をオーダー。

ここの麻婆豆腐はとにかく体験してみて、としか言いようがない。ラー油、麻辣醤などなどの味が絶妙に組み合わさって、一度食べたら忘れられない食体験になること間違いなし。

辛さは、薄辛、普通、中辛、檄辛を注文時に指定するが、「普通」でも普通の店の激辛に近い辛さ。お店の注意書きには「初心者の方には薄辛をお勧めします」と書いてある。5年ほど前に職場の仲間が「激辛」を頼んだら、石鍋から発する唐辛子/山椒の(?)湯気が店中に広がり、むせて、咳込みが止まらず、我々グループは全員が新鮮な空気を求めて店外に避難したほどである。

じゅうじゅうと音を発しながら配膳された石焼麻婆豆腐は、まるで地獄の煮えたぎった釜のようである。数年ぶりの痺れるような辛さがたまらない。ご飯は、アメリカの中華料理屋で食べるようなタイ米(インディカ米?)を水気少なく炊いたもので、ご飯だけで食べるというよりは、麻婆豆腐をかけて食べることを前提としているようである。ご飯はお代わり自由。

熱くて、辛いので、じっくり時間かけて食す。体中の汗腺が開いていく感覚。外の暑さも吹っ飛ぶわ~。

ご飯を刀削麺に変えたのが、麻婆豆腐刀削麺。こちらの方がお店としてはお勧め度は強いです。個人的にはご飯の方が好み。

暑い季節にぴったりのこの味。是非、お試しください。

2022年7月8日訪問


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新橋 サラリーマンランチ @最上川

2022-07-09 06:19:51 | 日記 (2012.8~)

山形のラーメンの店。山形ラーメンと言えば、以前、夏休みに山形、天童らを訪れた際に食べた冷やしラーメンが忘れられない。

鰹節出汁が利いて、氷がスープに浮かぶラーメンは、倒れるような暑さの山形に救われた一杯だった。

その冷やしラーメンを思い起こさせてくれる山形ラーメン屋さん。

冷し鶏中華 

2022年7月6日(残念ながら、2023年3月に閉店)


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新国立オペラ、指揮 大野和士/ドビュッシー〈ぺレアスとメリザンド〉

2022-07-08 07:30:29 | 演奏会・オペラ・バレエ・演劇(2012.8~)

新国立オペラ〈ペレアスとメリザンド〉を観劇。この演目、10年前の2012年3月にフィリップ・ヨルダン指揮、ロバート・ウイルソン演出、パリ国立オペラで観たことがある。音楽の美しさや演出の洗練さが衝撃的で、今でも鮮明に記憶に残っているオペラだ。そんなこともあって、私的には本公演は新国今シーズンの期待度No1公演である。

そして出色の出来だった。演奏と歌唱の素晴らしさに息を飲みっぱなしの3時間半だった。大野、東フィルの繊細で美しい演奏には心底感嘆した。また、歌手陣も題名役の2人はもちろん脇役陣も充実で隙無く、実にレベル高い。言葉と音楽が一体となったドビュッシーの作品を堪能できるオケと歌手陣だった。

中でも特筆は、メリザンド役のカレン・ヴルシュの肢体を晒しての体当たり演技。この方、2014年のN響、デュトアによる演奏会方式の〈ペアレスとメリザンド〉で聴いている。美しいソプラノに加えて、幻想的、魅惑的でエロチックな演技。正直、このオペラ18禁でないのが不思議ぐらい。恥ずかしながら4階席から、双眼鏡が手放せなかった。

演出は、メリザンドの夢の中の世界という設定だが、正直ピンとこなかった。現代読み替え演出なのだが、読み替えの意味合いも分かりづらい。ただ、舞台装置を縦軸で2段、横軸でも2面の4つに区分して、物語展開を示すのは時間や場面の設定に変化を生んでいて興味深いものだった。演出はもう一度観にくるので、もう一度しっかり観てみたい。

とりあえず、1回目の感想まで。

 

スタッフ・キャスト

【指 揮】大野和士
【演 出】ケイティ・ミッチェル
【美 術】リジー・クラッチャン
【衣 裳】クロエ・ランフォード
【照 明】ジェイムズ・ファーンコム
【振 付】ジョセフ・アルフォード
【演出補】ジル・リコ
【舞台監督】髙橋尚史

キャスト

【ペレアス】ベルナール・リヒター
【メリザンド】カレン・ヴルシュ
【ゴロー】ロラン・ナウリ
【アルケル】妻屋秀和
【ジュヌヴィエーヴ】浜田理恵
【イニョルド】前川依子
【医師】河野鉄平
【合唱指揮】冨平恭平
【合 唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団

 

共同制作:エクサンプロヴァンス音楽祭、ポーランド国立歌劇場
Co-production with the Festival d'Aix-en-Provence, Teatr Wielki - Polish National Opera

 

CREATIVE TEAM & CAST

CREATIVE TEAM
Conductor: ONO Kazushi
Production: Katie MITCHELL
Set Design: Lizzie CLACHAN
Costume Design: Chloe LAMFORD
Lighting Design: James FARNCOMBE
Choreographer: Joseph ALFORD
Revival Director: Gilles RICO

CAST

Pelléas: Bernard RICHTER
Mélisande: Karen VOURC’H
Golaud: Laurent NAOURI
Arkel: TSUMAYA Hidekazu
Yniold: MAEKAWA Yoriko
Un médecin: KONO Teppei
Geneviève: HAMADA Rie

Chorus: New National Theatre Chorus
Orchestra: Tokyo Philharmonic Orchestra


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大手町 サラリーマン・ランチ @玉乃光酒蔵 大手町ビル雄町店

2022-07-06 07:30:15 | 日記 (2012.8~)

今日もさすらいのサラリーマンは美味しいランチを目指してコンクリートジャンルを彷徨う。

訪問先が大手町だったので大手町ビルヂィングへ突撃。しばらく工事中だったはずなので、久しぶりの地下2階食堂街。大手町サラリーマンのランチの聖地ともいえる場所。

昔、大手町勤務時に通った玉乃光酒蔵へ。居酒屋さんのランチ営業のスタイル。昔はここの魚メニュー中心の定食をいろいろいただいた。前と変わらず、盛況でなにより。

頼んだのは、日替わり定食(鰆の照り焼き)、780円。定食での変わらない生卵と大盛りのご飯が嬉しい。薄めの醤油たれが鰆にぴったりで身もしっかりしたものだったけど、やや冷めかかっている感じが残念。ちょっとミスチョイスだったかな?

でもビジネスパーソンであふれ、活気ある玉乃光。好きです。また夜にも来たい。

2022年7月5日


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伊藤弘了 『仕事と人生に効く教養としての映画』 PHP研究所、2021

2022-07-04 07:30:53 | 

映画は好きだし見るけど、追うのはストーリーと俳優さんたちの演技ぐらいで、漫然とスクリーンを眺めていることが多い私のような人にはぴったりの映画鑑賞入門本。

大学での講義をベースにしているということだが、各章のテーマが明確で、わかりやすい。

私には、ショットの意味合い、映像のつくり方、映画が提起するテーマの深堀などの話題が特に興味を引いた。漠然と流して観ていた映像が、論理的に説明され、「なるほど、そーなのか~」と納得させられ、映画の見方の軸が増えた気にさせてくれる。

具体的な映画のシーンを例にとって解説してくれるのもありがたい。「東京物語」「海街ダイアリー」「裏窓」などは見たこともあるので親近感もあった。ただ、いずれも視聴後時間も経っているので、記憶も曖昧になっているところもあり、是非、見直してみたいと思う。

タイトルの枕についている「教養」とか「仕事と人生に効く」とかが余計だと思うのだが、ストレートに映画鑑賞入門では売れないのかな?

自信もってお勧めできます。

 

<目次>

プロローグ 「トイ・ストーリー」は難しい?
第1講 映画を見たらどんないいことがあるか―人生が劇的に変わる5大効用
第2講 映画史を知ればビジネスの基本がわかる―イノベーションと産業の歴史
第3講「日本の古典映画はなぜ世界で評価されるのか―黒澤・溝口のすごい仕事術
第4講 絵画のように映画を見る―人間の真実を描いた小津の『東京物語』
第5講「映画で考える「家族のあり方」―是枝裕和『海街diary』の視線劇
第6講 映画のトリックに騙されてみる―ヒッチコックから学ぶ「バイアス」にとらわれない方
第7講 映画の「噓」を知る―人の心を動かす映像戦略
最終講 あなたの感想が世界を変える―情報を整理し、表現する力
付録 必見!! 世界と日本の名作映画111選/映画鑑賞ノート


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Jリーグ FC東京 vs アビスタ福岡 @味スタ

2022-07-03 07:29:30 | 日記 (2012.8~)

久しぶりに味スタにFC東京の応援。陽が落ちて風が吹き、日中の灼熱の太陽を浴びに浴びた熱い空気が頬にあたる。ナイターではるが、この気温と湿度の中、サッカーをやる選手達は、プロといえども辛いだろうなあ。

試合は、後半立て続けに2点を挙げて逆転したところは大いに盛り上がった。特に、紺野の逆転のスーパーミドルシュートは素晴らしかった。あれを観れただけも来た甲斐があった。ただ、全般的には動きも良くなく、ミスも多い。試合自体はそれなりに動きがあって面白かったが、東京サポーターとしては、東京が福岡の攻めに受け身的に対応する場面が目立って、イライラ。結局、ペナルティゴールを決められ、同点引き分け。


〈長友選手〉

まあ、それでもやっぱりスポーツ観戦も生に限る。自チームが攻め上がるときのスタンドと一緒になった盛り上がり、ゴールの時の周囲の見ず知らずのサポーターたちとともに歓びをともにする高揚感、そしてミスが出た時のスタンド一杯にただようため息。これは現場じゃないと味わえないよなあ。

また、時間見つけて、行こうっと。

2022年7月2日

 

 


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