その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

平安時代のフィギュア、これは必見:「空也上人と六波羅蜜寺展」@東京国立博物館

2022-04-30 07:32:44 | 美術展(2012.8~)



日本史の教科書には必ず載っている空也上人立像が六波羅蜜寺からやって来た。実物を拝したことがないので、これは行かねばということで東京国立博物館へ。

展示物が限られているためか、特別展で使うことの多い平成館ではなく本館1階の特別室を使った展示となっている。

初めてのご対面の空也上人。当たり前だが教科書通り。ただ教科書ではわからない、そのリアルさに息をのむ。1mほどの背丈に縮小されているものの、前かがみに念仏を唱える上人様は、今にも足を前に一歩踏み出すんではないかと感じるほどである。全身から念仏を広めよんとする本人の使命感が吹き出している。なんというオーラ。そして「南無阿弥陀仏」の一音一音が口から出る阿弥陀仏になっているが、まさに呟くような念仏の音が聞こえてくる。純粋で神聖なお姿を前に数分間立ち尽くしてしまった。

空也上人立像以外にも六波羅蜜寺のお宝が展示されているが、私には会場に入ったところに立つ地蔵菩薩立像(重要文化財)にも大いに魅かれた。目を閉じたまま何かを思うように直立するお姿は、なんとも穏やかで人の心を落ち着かせてくれる。見ているだけで心の安寧が訪れる。左手に、髪の毛の束を持っていらっしゃるのだが、これはどういう意味合いなのだろう。

これら以外にも薬師如来坐像、四天王立像、伝平清盛増なども見ごたえあり、重要文化財のオンパレードだ。全部で16点ほどの展示物だが、逆にこのぐらいの方が焦らず、ゆっくり、じっくりと鑑賞できる。本館11室にも六波羅蜜寺の弘法大師像(重要文化財)などの彫刻が展示されているのでお見逃しなく。

5月8日までなので、まだの方はゴールデンウイーク中に是非。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

東響、リオネル・ブランギエ、ストラヴィンスキー:「火の鳥」(1919年版)ほか

2022-04-25 07:30:33 | 演奏会・オペラ・バレエ・演劇(2012.8~)

東響のオペラシティシリーズのシーズン開幕コンサート。指揮者はリオネル・ブランギエ。私は初めて聴く方です。

非常に充実したプログラムと演奏でした。4曲それぞれが趣を異なっていますが、私にはわからない関連、繋がりを感じるプログラム。冒頭のサロネンのヘリックスは初めて。「螺旋」を意味する標題そのもので、ぐるぐると周を重ねながら上昇していくような不思議な感覚の音楽です。ボレロを思い起させるように、徐々に音量があがりクライマックスを迎えます。何度か味わってみたい曲です。

2曲目はラヴェルのピアノ協奏曲。白地のスーツで登場した独奏のリーズ・ドゥ・ラ・サールさん。そのピアノは冒頭からキラキラ輝き、躍動的一杯な音色。そして、第2楽章の美しいこと。フルートやイングリッシュホルンとのやりとりにうっとりです。第3楽章も飛び跳ねる生き生きとしたピアノ演奏に魅せられました。

アンコールはシューベルトから。「世界平和を祈って・・・」との紹介がありました(と聞こえた)。

後半、ラヴェル〈高雅で感傷的なワルツ〉は優しさと変化に富む音楽が聴いていて気持ちが踊ります。そして、最後のストラヴィンスキー〈火の鳥〉(1919年版)はダイナミックな絵物語。ホルン、ファゴット、オーボエらの管陣の活躍も光りました。

指揮のブランギエさん、28歳でチューリヒ・トーンハレ管の音楽監督兼首席指揮者に就任しただけあって、素晴らしい統率ぶりでした。大きなジェスチャーでの指揮は格好良く、明確なディレクションに見えます。東響のメンバーがくらいついて行く感じがよくわかりました。是非、今後もいろんなオーケストラで聴いてみたい指揮者です。

終演後、大きく、温かい拍手が続きました。残念だったのは、素晴らしいパフォーマンスのシーズンオープニングコンサートであったにも関わらず、聴衆の入りが半分程度であったこと。もったいないなあ~。東響のオペラシティシリーズ、おすすめですよ。

 

東京オペラシティシリーズ 第126回
東京オペラシティコンサートホール
2022年04月23日(土)14:00 開演

指揮:リオネル・ブランギエ
ピアノ:リーズ・ドゥ・ラ・サール

サロネン:ヘリックス
ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調
ラヴェル:高雅で感傷的なワルツ
ストラヴィンスキー:「火の鳥」(1919年版)

 

Tokyo Opera City Series No.126
Sat. 23rd Apr 2022,14:00
Tokyo Opera City Concert Hall

Conductor = Lionel Bringuier
Piano = Lise de la Salle

Esa-Pekka Salonen : Helix
Ravel : Piano Concerto in G major
Ravel : Valses nobles et sentimentales
Stravinsky : Firebird Suite 1919ver.


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

演劇〈アンチポデス〉 (作 アニー・ベイカー、訳 小田島創志、演出 小川絵梨子) @新国立劇場小劇場

2022-04-24 07:30:13 | 演奏会・オペラ・バレエ・演劇(2012.8~)

演劇についてはど素人ながら、小川絵梨子監督が率いる新国立劇場演劇部門はいろんな企画にチャレンジしていて、応援したくなる。今回は、シリーズ「声 議論, 正論, 極論, 批判, 対話...の物語」と称し、「ネットやSNSなど、他者との新しいコミュニケーション方法が増えた中で改めて、他者とどうように関わっていくのか」を3作品を通じて考えるというもの(小川監督)。今回はその先頭バッターである。

新しい物語を創造するために集まった8名のメンバーの企画会議の描写を通じて、人間にとっての物語の意味合いを考えさせる物語。

「会議」で発せられる様々な問いや会話を通じて、自分自身の「物語」を振り返ると共に、自分にとって、人間にとっての「物語」の意味合いを考えさせられた。思い起こされたのは、よりマクロ的な視点でこのテーマを考えた『サピエンス全史』などの著作におけるハラリ氏のメッセージ。

「人間(サピエンス)がこの地球の支配的な力を得るようになったのは、協力する力と「物語」「虚構」を信じる力である」、「AI、データ処理などの情報技術(IT)とバイオテクノロジーの両輪が人類の未来を大きく変えてしまうであろう」とハラリ氏は言う。本劇もミクロ視点とマクロ視点の違いこそあれど、テーマ的につながる。物語の力がテクノロジーにとってどう変わるのか?それは、人間や地球をどこに導くのか。そんなことをぼんやり考えながら観ていた。普段、私として時間を最もかけている音楽・美術鑑賞とは、演劇鑑賞は明らかに使う脳の領域が違うとも感じた。

役者さんの優れた熱演、考えられた演出で完成度高い演劇だったと思う。台本が翻訳ものなので、Sexについての発言など文化的背景から来る多少の違和感は止むを得ないだろう。シリーズ2作目も大いに期待したい。

 

シリーズ「声 議論, 正論, 極論, 批判, 対話...の物語」Vol.1
アンチポデス
The Antipodes
日本初演

2022年4月22日

Staff&Cast

【作】アニー・ベイカー
【翻訳】小田島創志
【演出】小川絵梨子
【美術】小倉奈穂
【照明】松本大介
【音響】加藤 温
【衣裳】髙木阿友子
【ヘアメイク】高村マドカ
【演出助手】渡邊千穂
【舞台監督】福本伸生

キャスト

白井 晃、高田聖子、斉藤直樹、伊達 暁、亀田佳明、チョウ ヨンホ、草彅智文、八頭司悠友、加藤梨里香

 

Drama
The Antipodes

CREATIVE TEAM
Written by: Annie BAKER
Translated by: ODASHIMA Soshi
Directed by: OGAWA Eriko

CAST
SHIRAI Akira, TAKADA Shoko, SAITO Naoki, DATE Satoru, KAMEDA Yoshiaki, CHO Yonho, KUSANAGI Tomofumi, YATOJI Yusuke, KATO Ririka


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

N響  4月C定期、クリストフ・エッシェンバッハ、マーラー 交響曲第5番

2022-04-22 07:30:52 | 演奏会・オペラ・バレエ・演劇(2012.8~)

エッシェンバッハさんの第2弾はマーラー交響曲 第5番の一本勝負。

ステージに漲う楽員さんの気合が、最初から最後まで緊張感一杯に持続した素晴らしい演奏でした。生で何回も聴いた曲ではありませんが、心打たれました。

菊本さんのトランペット・ソロや今井さんのホルンが芸劇のホールの隅々までに響き、反響する。きっと吹いている人も気持ちいいでしょうが、聴く方も爽快です。弦の厚みと切れが両立したアンサンブルも圧巻。3階席からもぐっと引き込まれます。

第4楽章のアダージェットはハープの響きも含めて実に美しい至高の音楽。いつまでも聴き続けたかった。そして最終楽章のフィナーレに向けた盛り上がりも圧巻。70分以上をかけてこの曲を聴き終わると、「マーラー聴いた~」という充実感が半端ない。

聴衆からは当然の大拍手。長野に行かねばならないので、呼び出し2回で失礼させていただきました。エッシェンバッハさん、是非また来日ください。

 

第1955回 定期公演 池袋Cプログラム

2022年4月16日(土)開演 2:00pm(休憩なし)
東京芸術劇場 コンサートホール

指揮:クリストフ・エッシェンバッハ

マーラー/交響曲 第5番 嬰ハ短調

No. 1955 Subscription (Ikebukuro Program C)
Saturday, April 16, 2022 2:00p.m.
Tokyo Metropolitan Theatre

Christoph Eschenbach, conductor

Mahler / Symphony No. 5 C-sharp Minor

 

 

 

 

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

長野マラソン前後あれこれ

2022-04-20 07:30:11 | 旅行 日本

長野マラソンの前後の様子の記録です。

【抗原検査】
長野マラソン大会前日の選手受付。今回は全ランナーに抗原検査がゼッケン貰うために必須です。検温の後、キットをもらい各自で検査。私は抗原検査初体験。「陽性判明して東京へ強制送還されたら・・・」とドキドキでしたが、無事「陰性」でした。

お店のブースで7割引きで売っていたウインドブレーカーを購入。

 

【ひとり前夜祭】
受付の後、長野市内の居酒屋でひとり前夜祭。あんまり東京では見かけない、赤魚やサバの焼き串、串揚げ。美味しかった。お酒は信州の地酒、水尾(飯山市)の特別純米、志賀泉(中野市)の純米吟醸。旨、旨。

その後、カーボローディング(?)で蕎麦を駅前の戸隠そば店で。こちらも、ええわ~。

 

【西光寺 見仏】
レース後、ホテルに戻って汗を流した後、駅に向かう道すがらに見つけたお寺。落ち着いた境内に疲れた体が癒されます。本堂にはご本尊の苅萱親子地蔵尊が祀られています。本堂内からでも暗くて細かいところは良く分かりませんでしたが(2体のうち苅萱上人作は長野市重要文化財指定)、趣ある本堂です。

面白かったのは長野マラソン便乗参りとでも言うのでしょうか、韋駄天さまもいらっしゃいました。前日にお祈りしておけば、もう少しタイムが早くなったかな?


〈リアル韋駄天像は撮影禁止なので、ポスターだけ〉

レース後で食欲も無く、駅内にある立ち食いそば屋さんで遅い昼食。このナカジマ会館ソバ、私が小学生のころ、親父が家族でスキーに連れて行ってくれた度に家族で立ち寄っていた思い出のそば屋さん。とっても美味しいです。

丁度、善光寺が7年に1度の御開帳の期間中でしたがとても行く残エネルギーなし。期間中の長野再訪を誓って、長野を後にしました。

(おわり)


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第24回長野マラソン完走記

2022-04-18 08:25:22 | ロードレース参戦 (in 欧州、日本)

コロナで2年連続中止となった長野マラソン。今年、3年ぶりの開催です。私自身も2年半ぶりのフルマラソン。模様を記録しておきます。

過去2回走っているが、いずれも宿を長野市内に取れず上田に前泊。今年は運よく市内のビジネスホテルを確保。そのおかげで起床も30分以上ゆっくりできて、5:00に起床。ホテルの窓から雲一つない空が見え、気分が高まる。

6:52長野発の列車に乗って会場へ。会場着が7:20。青空と朝日が眩しい、これ以上は望めないであろう絶好の天気。「これは暑くなるかなあ~。ランニングタイツ脱ぐべきか」、最後の最後まで迷う(結局、履き続けた)。トイレを済ませて10分前にスタートエリアに並ぶ。高まる緊張感が何とも言えず心地よい。

8時20分、スタート。目標は7レース連続記録更新中のサブ4。高橋尚子さんがスタート台で、「思いっきり、楽しんでください~」とテンション上がる掛け声をかけてくれる。

 

【スタート~15k】
前半戦はすこぶる好調。多少のアップダウンでペースは上下するもののキロ5分20~30秒を目指すペースをしっかり維持。善光寺の参道も、御開帳で盛り上がる地元や観光客の方で一杯。いつものような声を出しての声援は控えめだが、こんな応援の前で走るのは3年ぶりだから、有難くて涙が出てくる。

10k地点で53分58秒。暑くなりそうなので、脱水症状だけは気を付けなければと、各給水所ではスポーツドリンクと水を交互に、少しづつ取るように心がけた。

【15k~25K】
中盤戦。順調と言えば、順調だが、疲れがたまってきているのがわかる。15k過ぎの給食所でパウンドケーキのようなものを採ったのだが、封を開ける際に指が滑って、落としてしまう。がっかり。代わりに、塩飴を舐める。

大部暑くなってきた。ハーフ地点を過ぎる。1時間54分16秒で、よしよし。ハーフを過ぎてからの長い緩やかな上りがきついが、桃のピンクの花が美しく、癒される。

しかしいつも思うが、私レベルのランナーにはフルマラソンって、30Kまでに前座として膨大な時間とエネルギー使わせて、とにかく30キロ過ぎからが本番という、本当に意地の悪いスポーツだ。

【25k~ゴール】

25k過ぎていよいよゴールに向けてのカウントダウンだが、どんどんラップタイムが落ちてくる。いつのまにか、目標としている5:30ペースが維持できなくなってきた。想定より早いラップ落ちで、「これはまずい」とちょっと気持ちが乱れる。気温とともに体温も上がってくる。給水所の度に水の紙コップを取り頭からかけたり、顔にぶっかける。塩水になって口の中にしみてくる。30k地点が2時間44分台で通過、5キロラップが28分30秒。

30kすぎて、いよいよきつい。脚が棒のようになってきて、上体も保てず、フォームが崩れているのが自分でも良く分かる。内臓に無理がかかっている感覚も出てくる。お腹が減ってきた感覚もあるのだが、給食でもらったチョコも喉通らない。35k地点で3時間13分台、5キロラップが29分21秒。

35k手前で岩野橋を渡り、千曲川の最後の長い川べり。ここ区間、山と川と花が組み合わさった景色が本当に素晴らしいのだが、ここからの5kはいつも本当に辛い。やはり今回もだ。弱い風なのだが、逆風を感じるのも恨めしい。キロ6分以上にペースダウンし、サブ4無理っぽい。「やっぱり2年半のブランクは大きいか。練習は十分だったはずなのに~。4時間オーバーでも良いから、とにかく歩かず走りきる」と言い訳やら、早い反省やらが頭によぎる。

途中で4時間のペースランナーと一緒に走っている集団に抜かれる。「この集団についていければまだサブ4可能かな」と、一生懸命ついて行こうと頑張るもの、追いつけない。これは精神的ダメージ大きかった。40k地点で3時間45分台、5キロラップ32分。

40k手前で、川から離れて、スタジアムに向かう道路にコースが移る。半分やけくそで、初めて、走りを停め、歩きながら体のバランスを再調整してみる。すると不思議なことに、棒のようになった体が、少し動くようになった。まだ4時間まで13分ほど残っている。「キロ6分ペースに戻れれば、ぎりぎりサブ4行けるかも」と、かすかな希望の灯りが灯る。足が攣らないことを祈るのみ。

スタジアムに入る。ふかふかの人工芝なので走りやすい。「もしかしたらいける?」と思った途端、ゴール100m前で足(ふくらはぎと腿の後ろ部分)がつる。「ここで来るか~」と自分の体ながら恨めしい。10年以上前に走ったアムステルダムマラソンと同じ症状だ。ただ、立ち止まって脚をほぐしている時間はない。走るというよりも、ピョンピョン跳ねながらなんとかゴールした。

手元の時計は3時間59分1桁秒。目標達成の嬉しさというよりも、思考能力が止まったまま呆然として完走エリアを進んだ。

まあ、結果オーライと言えばオーライなのだが、振り返ると、ランニング練習も大切だが、体幹鍛えることが大事なんかなあと思う。それにしても、最近、こういう自己の限界に挑むみたいな経験してないなあ~。私レベルのランナーだと、フルマラソンの「魅力」ってやっぱりこの挑戦感、達成感なのだろうなあと、再認識した次第。

この大会、3年ぶりの開催だが、いつもながらのしっかりした運営、ボランティアさんの熱心なサポート、地元の厚い応援、雪の残る山々・咲き乱れる菜の花、桃の花と言った信州の春と、条件が揃った素晴らしい大会だ。来年こそは35キロからの5キロをしっかり走り抜けるよう、再出走を誓って、長野を後にした。

2022年4月17日

 

(いくつかの振り返りの追記)
〇今回、長野市内に宿を取れたが、アクセスの便利さが上田とは桁違い。当日の朝の余裕が全然違う。加えて、今回泊まったホテルはレース後の大浴場も提供いただき、大助かりだった。粘って長野の宿を探すべきだと実感。

〇水分摂取を多数回×少量を心掛けたのは良かった気がする。トイレに行かずに済んだのでロスタイムが0。これでトイレに行っていたら、サブ4は難しかった。

〇25kまではほぼ5分25秒平均で完ぺきだった。これは練習通り。

◇スポーツドリンクやゼリーの摂りすぎは気持ち悪くなるので、今回は最小化。それは良かったと思うが、後半の痙攣やスタミナ対策をどうするのがベストなのかはいまだわからず。

△想定してなかった会場でのスタート前のトイレで、相当時間を食って準備運動不足でスタート。

△25キロで失速し始めたのは誤算。練習でも30kは2回走ったから、失速は30キロ過ぎてからを想定していたので、早いペースダウンは精神的にも堪えた。暑さと言っても、この程度の暑さでダウンは早すぎ。原因不明。

△35キロで既に相当疲れていたので、橋を渡ってからの最後の5kの川沿いの道はどうしたらいいのか今だ対策無し。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

朝のブラ歩き 広島平和記念公園~広島城

2022-04-16 07:11:47 | 日記 (2012.8~)

年度初めの出張シリーズ。今週は広島でした。広島は2018年のゴールデンウイークに家族で訪れて以来。

いつもの通り、朝の時間を縫ってホテル近辺をブラ歩き。

広島と言えば、原爆ドーム。核兵器の利用が現実のものとなりうる危機が高まっている今現在、歴史遺構以上の重みを感じます。

平和記念公園側からの見る原爆ドームは広島の風景の一つとして定番だと思うのですが、現場に立つと、人類にとってのこの風景が持つ意味の大きさを実感します。

平和記念公園内の様々な記念碑を眺めながら、春真っ只中の散策を楽しみました。

原爆ドームが臨める慰霊碑のつくりはよくできてるなあ~と感心。

朝の静けさの中、慰霊碑に向かうと自然と厳粛な気持ちになります。世界の平和を祈願。

川沿いに、今度は広島城に向かって歩きました。途中で、こども科学博物館よこに機関車が。

毛利輝元築城の広島城。朝日を受けて美しい。

約1時間弱のブラ歩きでしたが、5月中旬並みの暖かさということで、気持ちよい汗をかけました。

2022年4月13日 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

N響4月A定期、エッシェンバッハ、ベートーヴェン交響曲第7番 @東京芸術劇場

2022-04-14 08:43:48 | 演奏会・オペラ・バレエ・演劇(2012.8~)

春うららの日曜日の午後、ひと月ぶりの定期演奏会です。座席は9割がた埋まっており、活気漂う会場にワクワク感一杯で席に着きました。

ただ、前半は自分がダメダメでした。早朝からのマスターズ松山選手の観戦や朝ランニングで、開演2分と持たずダウン。冒頭の「謝肉祭」のようなお祭り音楽も夢心地の中で視聴となってしまいました。モーツァルトのフルート協奏曲に至っては、好きな曲でありながら、体を揺り動かして演奏するソロ奏者を見ながら揺り籠で揺られているような感覚になり、気絶。まともだったのは、アンコールでのトトロの音楽ぐらい。残念かつ奏者に申し訳ない気持ちで、情けなし。

気を取り直して迎えた後半のベートーヴェン港曲第7番では、覚醒し、集中して聴くことができました。第1楽章、ゆったりしたスピードで入ったのは意外でしたが、各楽章の間を置かずアタッカによる演奏は尻上がりに熱を帯びた熱演。聴き慣れた曲であるはずなのですが、がっちりと堅固な基礎に壮大な建築物が建てられていくのを見ているような新しい感覚でした。重層的に響くアンサンブルに痺れます。ぼーっとした体に喝を入れる元気が貰えた演奏でした。

先日の〈ローエングリン〉を振ったヤノフスキさんと同様、エッシェンバッハさんも80越えの方ですが、本当にお元気ですね。私の席は指揮ぶりが斜め前方から見えるのですが、必ずしもわかりやすい感じはしないけど、エネルギッシュな指揮に楽員さんがくらいついて行く前のめりの姿勢が手に取るようにわかります。終演後は大きな喝さいを浴びて、楽員さんが引いた後も拍手は続き、一般参賀となりました。

来週のマーラーも楽しみです。次回はしっかり体調整えて行きます。

 

第1954回 定期公演 池袋Aプログラム
2022年4月10日(日)開場 1:00pm 開演 2:00pm
東京芸術劇場 コンサートホール

ドヴォルザーク/序曲「謝肉祭」作品92
モーツァルト/フルート協奏曲 第1番 ト長調 K. 313
ベートーヴェン/交響曲 第7番 イ長調 作品92

指揮クリストフ・エッシェンバッハ
フルート:スタティス・カラパノス

久石 譲/となりのトトロから「風のとおり道」、ドビュッシー/パンの笛(シランクス)(フルート/スタティス・カラパノス)

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

春爛漫の野川を走る 

2022-04-10 09:04:01 | 日記 (2012.8~)

いよいよ春本番。

三鷹・調布・小金井にまたがる野川沿いのエリアは、野川公園・武蔵野公園など武蔵野の面影が色濃く残ります。特にこの時期の早朝ジョギングは空気も澄んで、研ぎ澄まされていて、いつまでも走り続けられるんではないかととの錯覚を誘うほどです。

走りながら撮ったスナップをアップします。


〈野川公園〉


〈朝日が眩しい〉


〈武蔵野公園〉


〈紫色はなかなか綺麗に撮れないですね〉


〈武蔵野公園を抜けた前原地区は枝垂桜が川沿いに咲き誇ってます〉


〈三鷹 大沢エリア 菜の花の黄色が眩しいぐらい〉


〈菜の花色に合わせた黄色のウインドブレーカーで川沿いの植物の手入れをして頂いている地域の方〉

2022年4月10日 6:30~7:30頃


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

朝のぶら歩き 春の大阪中之島近辺

2022-04-08 07:31:52 | 日記 (2012.8~)

年度初めの出張で大阪へ。朝方の1時間弱を使って、宿を取った中之島エリア周辺を散歩。土地勘が無い中、適当なブラ歩きです。

朝日に照らされながら、ゆったりと流れる堂島川べりを歩きます。いよいよ本格的な春を感じる空気が気持ちいい。


〈堂島川〉

歩いていると奇妙な猫のオブジェを発見。近日オープンする大阪中之島美術館でした。9日から「開館記念特別展 モディリアーニ ─愛と創作に捧げた35年─」が開催予定です。行きたいなあ~。美術館の裏には大阪市立博物館。ミュージアムエリアになっているですね。


〈シップス・キャット 作ヤノベケンジ〉

橋を渡って堂島側に渡すと、碑を発見。維新期に大阪を中心に活躍した実業家五代友厚ゆかりの石碑でした。五代友厚が設立した染料の藍の製造工場朝陽館の跡地とのことです。



江戸時代には、この辺りの川沿いに各藩の蔵屋敷が置かれたとか。当時と川の様子が同じかどうかはわかりませんが、この川を下ればすぐに大阪湾であることを考えれば、米を初め日本全国から産物が集まってきたというのも納得です。当時の活気ある人々や川べりの姿が目に浮かびます。

更に歩くと、福沢諭吉の生誕の地の石碑に遭遇。中津藩士であることや大阪の適塾で学んでいたことは知っていましたが、大阪生まれとは知らなかった。中津藩の藩邸がここにあったのですね。

再び中之島に戻り、反対側の土佐堀川へ。特に特徴のない川ですが、川を通してこのエリアを眺めると、再開発が進むこのエリアが新旧入り混じった姿が伺われ興味深いです。


〈土佐堀川〉

小1時間のちょっとした散歩でしたが、こういう色んな偶然の発見や学びがあるのはリアルな移動(旅)があってこそですね。何でもオンラインでできるだろうというのが今の風潮ですが、リアルの意外性こそ日々の楽しみだよなあ、と改めて感じた時間でした。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

圧巻!! 東京春祭ワーグナー・シリーズ vol.13 《ローエングリン》(演奏会形式/字幕付)

2022-04-03 07:38:54 | 演奏会・オペラ・バレエ・演劇(2012.8~)

コロナで2年連続中止となった東京・春・音楽祭の目玉公演の一つワーグナー・シリーズ。3年ぶりの開催に開演前から胸躍ります。薄曇り空ではありましたが丁度、上野の桜も満開。

そして、期待通りの震えの止まらない公演でした。まずは、よくこのコロナ禍でこれだけのメンバーを揃えたものだと驚くほどの外国人ソロ歌手陣です。スーパースターが居るわけではないようですが、いずれの歌い手さんも外国人らしい非常に線が太く芯のある歌声で、痺れます。

題名役のエルザ役のヴォルフシュタイナーは、見た目は白鳥の騎士には遠く、音程も不安定なところもありましたが、柔らかいテノールはローエングリンにぴったり。そして相手役のオオストラムは、美しいが精神的に未熟なエルザの役柄そのものでした。伸びやかなソプラノにも魅せられます。

悪役夫婦も良かった。とりわけ、急な代役となったオルトルーのトキウリは悪者オーラが凄くて、見ていて怖いぐらい。彼女が歌うと舞台全体に悪の緊張感が張り詰めます。第2幕のエルザの大聖堂への入場後のエルザとのやりとりには悪寒が走るほどです。

ソロ歌手陣に引けを取らず、東京オペラシンガーズも美しい合唱。時期柄人数を抑えているのかと思いましたが、このチーム、一人一人の声が感じ取れるパワフルな個人芸を持ちながら、合唱全体のハーモニーも素晴らしい。

そして、圧巻はヤノフスキとN響。普段の柔らかく優しい音色とは異なる筋肉質で鋭角な演奏がキレキレ。団員さんの前のめりの集中度が伝わってくるので、時折、金管におかしなところありましたが、全く気にならないです。各幕での終盤の畳みかける演奏は鬼気に迫るものがありました。演奏会形式ならではの、オーケストラがかなり前面に出た迫力のパフォーマンスに脱帽です。

歌手、合唱、オーケストラを一体にまとめ上げたヤノフスキ、まさに一流の匠の技でした。80歳を超えるご高齢ですが、露ほど年齢を感じさせませんね。座って観ているだけでこんなに疲れるのに、これを立ってリードするって、私には想像のつかないエネルギーです。

夫々が夫々の強烈な個性を発揮して、それがぶつかるのを鑑賞できる快感。まさに固唾を飲んで観ているので、途中、唾液が気孔に入って咳き込んでしまい、隣の方にご迷惑をおかけしてしまいました。それぐらい1年で何度も経験できない強烈な印象の公演でした。ブラボーこそ叫べないものの、聴衆の気持ちがそのまま表れた大きく、長い拍手が寄せられました。団員解散後も長く拍手は続き、ずいぶん経ってからヤノフスキさん再登場。

余韻に浸りつつ夜の上野公演をぶらつき、上気した体を醒まして、帰路につきました。


〈一般参賀〉

〈夜の上野〉

東京春祭ワーグナー・シリーズ vol.13
《ローエングリン》(演奏会形式/字幕付)
東京春祭 ワーグナー・シリーズ

日時・会場:2022年4月2日 [土] 15:00開演(14:00開場)
東京文化会館 大ホール

出演
指揮:マレク・ヤノフスキ

ローエングリン(テノール):ヴィンセント・ヴォルフシュタイナー
エルザ(ソプラノ):ヨハンニ・フォン・オオストラム
テルラムント(バス・バリトン):エギルス・シリンス
オルトルート(メゾ・ソプラノ):アンナ・マリア・キウリ
ハインリヒ王(バス):タレク・ナズミ
王の伝令(バリトン):リヴュー・ホレンダー
ブラバントの貴族:大槻孝志、髙梨英次郎、後藤春馬、狩野賢一
小姓:斉藤園子、藤井玲南、郷家暁子、小林紗季子

管弦楽:NHK交響楽団
合唱:東京オペラシンガーズ
合唱指揮:エベルハルト・フリードリヒ、西口彰浩
音楽コーチ:トーマス・ラウスマン

曲目
ワーグナー:歌劇《ローエングリン》(全3幕)
[ 上演時間:約4時間20分(休憩2回含む)]

 

Tokyo-HARUSAI Wagner Series vol.13
"Lohengrin"(Concert Style/With Subtitles)

Date / Place
April 2 [Sat.], 2022 at 15:00(Door Open at 14:00)
Tokyo Bunka Kaikan Main Hall

Cast
Conductor:Marek Janowski
Lohengrin(Tenor):Vincent Wolfsteiner
Elsa von Brabant(Soprano):Johanni Van Oostrum*
Friedrich von Telramund(Bass-Baritone):Egils Silins
Ortrud(Mezzo Soprano):Anna Maria Chiuri*
König Heinrich der Vogler(Bass):Tareq Nazmi
Der Heerrufer des Königs(Baritone) :Liviu Holender
Vier brabantische Edle:Takashi Otsuki, Eijiro Takanashi, Kazuma Goto, Ken-ichi Kanou
Vier Edelknaben:Sonoko Saito, Rena Fujii, Akiko Gohke, Sakiko Kobayashi

Orchestra:NHK Symphony Orchestra, Tokyo
Chorus:Tokyo Opera Singers
Chorus Master:Eberhard Friedrich, Akihiro Nishiguchi
Musical Preparation:Thomas Lausmann

Program
Wagner:”Lohengrin”


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ドレスデン国立古典絵画館所蔵 フェルメールと17世紀オランダ絵画展 @東京都美術館

2022-04-02 07:34:28 | 美術展(2012.8~)

「ドレスデン国立古典絵画館所蔵 フェルメールと17世紀オランダ絵画展」を見に上野の東京都美術館を訪れた。上野の美術館は随分久方ぶりである。

 何者かに塗りつぶされていたキューピットの画中画が修復によって現れ、オリジナルの姿に戻ったフェルメールの《窓辺で手紙を読む女》が目玉である。所蔵館外では初展示とのことだ。2011年3月にドレスデンを訪問した時に鑑賞しているはずだがあまり記憶に残ってない。柔らかく、温かみある絵は気が休まり、描かれた女性についても色んな想像が膨らむ。ただ私自身は、画集などで修復前の絵になじみがあるせいか、修復前の方がスッキリしていいような気もした。修復過程の展示もあり、その細やかな職人芸に感嘆する。

企画展全体としては、フェルメールの1点豪華主義の印象だ。オランダ絵画は風俗画、風景画、静物画等の展示があるが小粒。レンブラントやステーンもあるが数も少ない。オランダ風俗画好みの私としては、少々、期待はずれというのが正直なところだった。

2022年3月3日訪問


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする