その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

米国東海岸旅行(結):最終日最後は、MSGでカレッジバスケットボールを観る

2023-11-24 07:30:25 | 旅行 イギリス外

帰国便は深夜発。マンハッタンは21時過ぎに出ればよいので、それまでをどう過ごすか。月曜日は夜のエンタメもお休み多く、エンパイアステートビルにでも昇ってマンハッタンの夜景でも見ようかとも思ったのですが、偶然、それ以上に魅かれるイベントを発見。なんとマディソンスクエアガーデン(MSG)でカレッジバスケットボールのプレシーズンゲームが行われるのです。しかもカードが、地元のニューヨークのSt.Jones’大対Michigan大。ミシガン大は私の母校のライバル校なので、アウエイでニューヨークまで遠征してくるなら、応援してあげなくては。

閉館時間の17時までメトロポリタン美術館で過ごしたのち、バスでマディソンスクウェアガーデンに突撃しました。試合開始は18時半。前回、MSGには学生時(1987年)にプロレスを見に来ました。3階席からでレスラーは芥子粒のようにしか見えませんでしたが、当時日本でも活躍中だったハルク・ホーガンが出ていて超興奮したのを今でも鮮明に覚えています。

BOXOfficeで当日券を購入し、ウキウキ気分で会場入り。カレッジバスケットボールの雰囲気は全然変わってませんね。とにかく地元チームのサポーターたちのハイな状態がヤバいです。この人たち、酒飲みに来ているのか、バスケっと見に来てるのか、全然わかりませんから。


(赤が地元St.Jones’大のスクールカラー(愛称はRed SRed Storm)
(ビール缶片手に歓談中)


(私も負けじと1缶。750ccぐらいある缶でした)

最近でこそ、日本でもBリーグで派手なゲーム演出は一般的になってきましたが、やはり本場アメリカ。カレッジと言えども、その華やかさは独特です。チアリーダーが応援を盛り上げ、ブラスバンドも音ならしまくります。試合前の国歌斉唱もアメリカですね。応援は9割がたがホームの応援で、3ポイントシュートが入った時の盛り上がりは耳をふさぎたくなるほど。ミシガンのサポーターも思いのほかいましたが多勢に無勢。ニューヨークに来て、一番アメリカを感じたかも。


(選手入場時だったけな?)

試合は地力に勝るミシガンが徐々に差を広げ、後半10分ごろ(カレッジは20分のハーフ制)には15点以上の差がついて勝負あった感じ。最後まで居たかったですが、空港までの移動でトラブルあると嫌なので、余裕をもって10分ほど残して、20時頃に会場を出ました。

ホテルにスーツケースを取りに戻りがてら、そう言えばまだ行って無かった、タイムズスクエアに立ち寄り。何があるわけではありませんが、やっぱりニューヨークのヘソ。電光掲示板のネオンが眩しい。昔は、SONY、SANYO、TOSHIBA・・・日本メーカーのネオンが輝いていた覚えがありますが、ネオンの量はさらに増えた感がありましたが、そこに浮かび上がる企業名は時代の流れを感じるものでした。


(タイムズスクエア前)

ということで、9時過ぎにホテルからUberでJFK国際空港へ。空港では、時代のせいか、ターミナル事情か、時間のせいかわかりませんが、免税店ら土産物屋も寂しいもので、買物意欲も湧かず。バスケットに夢中で、夕食も取ってませんでしたので、アメリカ最後の食を、ここでもハンバーガーとビールを注文し、この1週間弱の旅をしんみり振り返りました。


(ハンバーガーも食べ納め)

前半の個人イベント、後半のいわゆる観光、双方をフルフルで楽しみました。プライベートな米国旅行は20数年ぶりということもあってか、今のアメリカに触れ、新たな発見・経験・気づきというよりは、昔に触れる思い出旅行的になってしまったのはちょっと反省点ではあります。

円安、インフレもあってそれなりの出費ではあったものの、それでもPricelessな旅となりました。果たして、次回の米国東海岸の旅はあるのか?あるとしたらいつなのか?ナイーブですが、段々と今までは考えもしなかったようなことを考え始める年齢になってきた自分に戸惑います。また、日本で暮らし自然に内向き傾向を強めている自分にも気づきました。まだまだ人生、チャレンジとストレッチだ、との気持ちは、外に出ると強くなりますね。様々な思いを思いやげに帰国便に乗り込みました。

(終わり)


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

米国東海岸旅行(8):最終日はニューヨーク公共図書館とメトロポリタン美術館

2023-11-23 07:54:07 | 旅行 イギリス外

駆け足ニューヨーク滞在もいよいよ最終日、この日の深夜便で帰国です。最終日のメインは午後のメトロポリタン美術館訪問の予定です。

午前中は、荷物をまとめ、深夜のJFK国際空港までの足確認のため、ホテル最寄りのグランドセントラルターミナルへ下見。iPhone Mapのルート検索だと、ここからローカル列車+Air Train利用が安くて、早そうでした。ただ、グランドセントラルターミナルに着いてみると、駅の規模はでかすぎだし、構造も複雑すぎ。一応、駅ガイドの人に確認にし、理解はしたものの、夜分に重いスーツケース持ち歩いて、もしアクシデントがあったら臨機応変な対応は相当難しそう。ここはコストは張るが安全策で、Uber使うしかないかなと列車利用は断念することとしました。


(グランドセントラルターミナルのメインホール)

駅を出て、ダウンタウンのSohoやグリニッジヴィレッジ界隈でも行ってみようかと思いバスに乗ってみたのですが、窓からニューヨーク・パブリック・ライブラリーの立派な建物が見えて、これはちょっと見てみたいと衝動的に下車。入ったことないし、ニューヨークの図書館ってどんな感じなのか、興味津々です。

【New York Public Library】


(ニューヨーク公共図書館)

館内見学は無料。パブリックというのは「公立」と言うことではなくて、NPO運営による「公共」という意味だそうです(Wiki)。ニューヨーク在住在勤者は利用も無料です。

20世紀初頭に竣工した建物の内に入ると、その壮厳さにのまれます。人類の文化財産としての書籍の重みを「場」が自然と伝えるような感じです。リファレンス室、閲覧室、廊下にかかる書物の歴史を語るような絵・・・、映画にでも出てきそう。ここで1日読書すれば、さぞかし頭にしっかりインプットされる気がします。


(3階の豪華なホール)


(閲覧室)


(閲覧室)

加えて、楽しかったのはここのお土産屋さん。図書館のマスコットのライオン(最初はライオンキングかと思った)をデザインしたグッズや、図書館やニューヨーク関連の品々が並んでいます。どれも、デザインやキャッチフレーズがユニークで面白い。家族や親しい人へのお土産として、ちょっと知的な香りが漂うものが買えます。普段、お土産の買い物は最小限の時間しか使わない私も、かなり時間を費やしました。ここ、土産購入場所としてもおすすめです。

結局、想定外に2時間ほど滞在してしまったため、昼食はファーストフード(日本でも食べれますが、私の好きなウエンディーズで)で済ませ、午後からは念願のメトロポリタン美術館へ。こちらは、初めてNYを訪れた時以来だから、30年以上ぶりです。

 

【Metropolitan Musuem】

入場券購入に10分ほど並びましたので、急ぎの人は事前購入のほうがいいかもしれません。入館料が30ドルというのはぶったまげましたが(大英博物館やナショナルギャラリーが無料なのは、ホント、イギリス凄い、太っ腹)、その展示の幅と深みに、改めて感激。大英博物館とナショナルギャラリーを足して2で割ったようなスケール、ヴァラエティです。

ショックだったのは一番楽しみにしていた1250-1800年西洋美術のエリアが完全封鎖されていたこと。フェルメール・ラリーにスタンプ押せると思っていたのが梯子を外され、茫然としてしまいました。それでも気を取り直し、近代西洋美術、中世美術、エジプト文化のエリアを回っていきました。

フィラデルフィア美術館でも思いましたが、年齢相当分の知識や経験を積んでいる部分、凄いコレクションの一つ一つにいちいち足が止まってしまうので、いくら時間があっても足りません。そして、鑑賞にも膨大なエネルギーがいるので、どんどん疲労が蓄積。途中、カフェテリアで休憩したら、バナナ一本が1.8ドル・・・

近代絵画では、私の好きなミレイ、クリムト、ロバート・リーマン・ウイングでイタリア・ルネサンスではボッティチェリ「受胎告知」、北方ルネッサンスやドイツルネッサンスのクラナッハがあったのは嬉しかった。さらにエジプトコーナーは大英博物館以上ではと思わせるほどの充実度。世界の覇権国としての意地を感じます。


(J.Eミレイ The Escape of a Heretic, 1559)


(クリムト Mäda Primavesi)


(ボッティチェリ、The Annunciation)

結局、閉館時間の5時まで、たっぷり美術館を満喫。退館した時には、周囲はすっかり薄暗くなっていました。



2023年11月13日


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

米国東海岸旅行(7):ニューヨーク・フィル×ニコライ・ズナイダーでベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲を聴く

2023-11-22 07:29:00 | 旅行 イギリス外

セントラルパークを走って、ビール飲んでハンバーガーを食した後は、昨夜に続きリンカーンセンターへ。予約済みのニューヨークフィルのコンサートへ突撃しました。

昔はエイブリー・フィッシャー・ホールという名だったと思うのですが、今はディヴィッド・ゲフィン・ホール、ウー・ツァイ・シアター(Wu Tsai Theater)と名を変えて、全面新装されたようです。随分、ダウンサイズした印象がありましたが、その分ステージが近く、奏者が身近に感じられます。


(ディヴィッド・ゲフィン・ホール)


(次期音楽監督のグスターボ・ドゥダメル)

今回の目玉は、私にとってはロンドン、東京、ザルツブルグで聴いたニコライ・ズナイダー君ソロのベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲。指揮はN響でも何度か聴いているステファン・ドゥネーヴさん。

冒頭のCarlos SimonのFate Now Conquersという小品はとっても刺激的な曲でした。1815年のベートーヴェンの日記の一節にインスパイアされたという曲は、緊張感に溢れて、畳み込むような音楽。全く初めてで、意表を突かれました。1曲目から会場も大きく沸き、作曲者カルロス・サイモンさんも登壇されました。

続く、本命のベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲。相変わらず、ズナイダーさんのヴァイオリンの音色は美しいです。透明で済んでいて濁りが無い。それでいて優しく、豊かで滋味がある。この日も、シミ一つないヴァイオリン協奏曲を聴かせてくれました。

ドゥネーヴさんとNYPの演奏は、ズナイダーさんにしっかり寄り添い、目立たず、かと言って伴奏に徹するわけでもない。絶妙なバランス感で、ソロ・ヴァイオリンを盛り立てていました。

会場は、演奏が終わるや否やスタンディングオベーションの大拍手。隣席の常連と思しきご婦人も「彼はパーフェクトね!」と超ご満悦の様子でした。拍手に応えて、アンコールはバッハの無伴奏ヴァイオリンソナタの中の一曲。こちらも味わい深いものでした。

後半は、サン=サーンスの交響曲第3番 (オルガン付き)。確か、実演体験はデュトア/N響で一度きりです。

が・・・、前半戦が終わった安堵感と午前中のランとお昼のビールによる疲れが一気に押し寄せ、せっかくの後半は意識朦朧の中での鑑賞。ドゥネーヴさんの見事なオケ捌きと海外オーケストラならでは重層的で重厚な音色は実感できましたが、それ以上は感覚麻痺で自分に残念な結果となりました。

会場は、終演後大拍手。隣のご婦人も「彼(ドゥネーヴさん)のことは良く知らなかったけど、良いじゃない~。あなた知っていた?」と喜んでいました。録に聴けてない私でしたが、「ええ、日本にもたまに来てくれるんですよ」と答えておきました。こんな、会話が自然と発生するのもなんか海外っぽいですね。

SUN, 12 NOV 2023
2:00 PM

Carlos Simon, Fate Now Conquers
Beethoven, Violin Concerto
Saint-Saëns, Symphony No. 3, Organ

Artists
Stéphane Denève, Conductor
Nikolaj Szeps-Znaider, Violin
Kent Tritle, Organ


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

米国東海岸旅行(6):旅ラン_念願のセントラルパーク・ジョギング

2023-11-21 07:25:57 | 旅行 イギリス外

私にとって、このニューヨーク訪問でのMust Doイベント、セントラルパークでのジョギングを決行する時がやってきました。数々の米国映画やTVドラマのロケ地としてセントラルパークは登場し、そこをランニングする人々を見てきました。特に、秋の紅葉シーンの美しさは格別で、是非、そんな中を私も走ってみたいと思っていたのですが、ついにその日が。かなりハイな状態で、日曜日の朝、ホテルを飛び出します。

バスに乗って、公園到着。真っ青な青空の中、太陽がゆっくりと上がり始める最高の天気とタイミング。気温は5℃で、空気は冷たいですが、ジョギングには丁度いい感じです。走り出す前に少し歩くと、最盛期はやや過ぎた感じですが、紅葉が期待通り美しい。ニューヨークの喧騒が一瞬で消えて無くなくなり、違う場所に来たような静けさです。少し行くと、園内に既にスケートリンクが営業を開始していて、まだ9時前だというのに子供たちがスケートに夢中で歓声を上げているのが聞こえてきました。


(まだ太陽は低く、公園は殆ど影)


(朝日に照らされる紅葉が見事です)


(ビルとスケート場の組み合わせが、なんかニューヨーク)

この日のために日本からランニングウオッチGarminも持参。「さあ、走るぞ~」と、Garminのスタートボタンを押し、走り始めます。紅葉に染まった木々の下でのランニングは、ロンドン駐在時のハイドパークでのランニングを思い出されます。

公園内にはランニング・サイクリング用の周回コースが整備されていて、一周10キロという丁度良い距離です。適度なアップダウンもあってアクセント豊か。私のように一人で走る人、パートナーと一緒に走る人、犬を連れて走る人、友達とグループで走る人、様々なランナーが居ます。ランナーとすれ違うことはほとんどないので、皇居ランのように左回りが基本のようですね。


(段々と公園の光が増してきます)


(まだランナーはまばら)


(観光馬車も営業開始。馬車と競い合うランナーグループ)


(セントラルパークの北側を占める貯水池)


(ワンちゃんと一緒に走る。私も一緒に5kほどお供しました)

皇居ランのように凄い飛ばして走る人は少なく、ゆっくりマイペースで走って人が多い感じがします。旅先でのランでは、体力さえあればいつまでも走っていたいと思えるようなコースに出会うことがたまにありますが、セントラルパークは間違いなくその一つです。旅行者ならでははしゃいだ気持ちでのジョギングは、夢の中で走っているような感覚でした。


(一周後ゴール近く。一瞬、井の頭公園とも言えなくもない)


(Garminのランの軌跡)

 

うっすら汗を搔いた頃、1周10キロを55分で完走。実に気持ちのよい汗です。

ラン後にはコースでは通らない公園の内側の散歩道をウオーキングしました。10時過ぎると、訪れる人がどんどん増えてきましたし、露店や似顔絵屋さんが次々とオープン。公園はまた違った表情となってきます。印象派の絵に出てきそうな、休日の公園でした。


(モールと呼ばれるセントラルパークのメインストリート)



(絵画商も開店)


(小さな子供も楽しそう)


(W.シェイクスピアの像)


(われらが楽聖ベートーヴェン)


(アメリカに星条旗は欠かせません)



結局、11時頃まで、日曜朝のセントラルパークを満喫しました。

 

(付録)

ランニング後の腹ペコの状態でのランチ。これは凄かった。

 

2023年11月12日(日)


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

米国東海岸旅行(5):メトロポリタン歌劇場で「X: The Life and Times of Malcolm X」を観る

2023-11-20 07:35:45 | 旅行 イギリス外

今回のニューヨーク滞在の目玉の一つが、メトロポリタンオペラ歌劇場(Met Opera)でのオペラ鑑賞。この時期、「仮面舞踏会」「ラボエーム」も上演されているようでしたが、スケジュールの都合で現代アメリカ生まれのオペラ「X: The Life and Times of Malcolm X (X:マルコムXの人生と時代)」(作曲:アンソニー・デイヴィス)を観劇しました。演目的に日本で上演されることはないでしょうから、アメリカならではのオペラ体験で、これはこれで楽しみでした。

約30年ぶりのMet Opera、相変わらず豪華絢爛です。ただ、もっと大きな箱の記憶があったのですが、肌感覚的にはロイヤルオペラやウィーン国立歌劇場の方が大きいのではないかなという印象でした。演目が黒人の人権・自立運動のリーダーであったマルコムXの物語で、黒人系の出演者が殆どのためか、着飾った黒人系の聴衆が多い印象で、これも劇場の華やかさを増しているようでした。

物語はマルコムXの子供時代から暗殺されるまでの一生を追いかけます。音楽にはJazzやアフリカの民族音楽っぽい音楽が織り込まれるなど多彩。舞台装置はマルコムXの人生ステージごとにセットも変わり、その変化も楽しめます。ストーリー展開も早く、マルコムXの人生を追いかける洗練されたミュージカルのようでした。

(↓以下3枚の写真はメトロポリタンオペラホームページより)





終演後は多くの観衆がスタンディングオベーションの大拍手。ブラボーはもちろんのこと、口笛も飛び交い、反応も派手。アメリカっぽいというか、NYっぽいというか、日本には無い雰囲気ですね。



劇場を出たのは23時40分。地下鉄使って帰りましたが、初めてNYに足を踏み入れた80年代後半の深夜のNY地下鉄とは全然違って安全です。

2023年11月11日

 

Saturday
Nov 11 at 8:00 PM

Music by Anthony Davis, libretto by Thulani Davis, story by Christopher Davis
A co-production of the Metropolitan Opera, Detroit Opera, Lyric Opera of Chicago, Opera Omaha, and Seattle Opera

SUNG IN ENGLISH
3 HRS 20 MINS

Premiere: New York City Opera, 1986

CAST

CONDUCTOR: Kazem Abdullah:
LOUISE/BETTY: Leah Hawkins
ELLA: Raehann Bryce-Davis
ELIJAH/ STREET: Victor Ryan Robertson
MALCOLM: Will Liverman
REGINALD: Michael Sumuel

PRODUCTION

PRODUCTION: Robert O’Hara
SET DESIGNER: Clint Ramos
COSTUME DESIGNER: Dede Ayite
LIGHTING DESIGNER: Alex Jainchill
PROJECTION DESIGNER: Yee Eun Nam
WIG DESIGNER: Mia Neal
CHOREOGRAPHER: Rickey Tripp
STORY: Christopher Davis


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

米国東海岸旅行(4):ここは行くべき! フリック・コレクションは仮設会場で開館中 @ニューヨーク

2023-11-19 07:25:41 | 旅行 イギリス外

ちょうど正午頃に、デラウエア州ニューアークから旅後半の滞在先であるニューヨーク到着。ニューヨークも約30年ぶりです。

ペンシルバニア駅からホテルまで、タクシーに乗ったのですが町じゅうが工事中や交通規制でひどい渋滞。駅から2キロ程度の距離にも拘わらず、30分近くかかり、料金はなんと37ドル。こんなんなら頑張ってスーツケース引いて歩けばよかったと少々後悔。

それにしても、行きかう人々の歩く速さ、車のクラクションなどの絶え間ない音、高く立ちそびえるビル群に接し、「おー、ニューヨーク」と気持ちが引き締まります。

 

【フリック・コレクション】

この日の訪問先は、フリック・コレクション。フリック・コレクションは、マンハッタンのアッパーイーストサイドにある実業家のヘンリー・クレイ・フリックの豪邸に、彼の個人コレクションを展示した美術館です。現在はその邸宅がリノベーション中で、美術館自体も閉鎖中と聞いていたのですが、近くの別の会場で(945 Madison Avenue at 75th St.)展示をしていることを知りました(2024年3月3日まで)


(仮展示場は外観は普通のビル)

フェルメールの作品を3点も保有しているとは聞いていたのですが、中に入ってそのコレクションの質と量に圧倒されました。ルネッサンス期から20世紀初頭に至るまでの西洋絵画を中心とした傑作が惜しみなく展示されています。


(これより中は撮影一切禁止です)

個人的に嬉しかったのは、ティツィアーノやベリーニと言ったイタリア・ルネッサンス、ベラスケスやゴヤなどのスペイン系、ヴァン・ダイク、レンブラント、フェルメールといったフランドル、オランダ系の絵画が素晴らしく充実していたこと。しかも、展示される小部屋は主に時代・国区分や画家ごとに仕切られて、少数の質の高い作品が実に見やすく展示されています。(フィラデルフィア美術館のような大美術館のように、展示数に圧倒され、目移りして集中できないということがありません。)

Giovanni Bellini (ca. 1424/35–1516), St. Francis in the Desert, ca. 1475–80
Oil on panel, Panel: 49 1/16 x 55 7/8 in. (124.6 x 142 cm), Image: 48 7/8 × 55 5/16 in. (124.1 × 140.5 cm)

特別展として、”Barkley L. Hendricks: Portraits at the Frick”という企画で、米国の黒人系画家であるバークレー・ヘンドリックス(1945-2017)の肖像画の作品展が開催されていました。鮮やかな色彩を使って、デザイン性が強い肖像画は非常に印象的で、中世・近代絵画とはまた違った魅力を放っていました。ただ、この特別展のため、本来あるべきイギリス絵画コーナーが相当縮小されていたのは残念でした。


Barkley L. Hendricks (American, 1945–2017), Lawdy Mama, 1969. Oil and gold leaf on canvas, 53 3/4 x 36 1/4 in. (136.5 x 92.1 cm).

週末ということもあってか、館内にはそれなりの訪問客がいました。話し声が耳に入ってきますが、専門的なコメントをしている方が多く、普段から絵を見慣れている方が多い印象です。そのためか、館内の雰囲気もすこぶる落ち着いた大人の雰囲気が漂っています。

軽い気持ちで、夜のオペラ迄の繋ぎぐらいの心持で出かけましたが、期待を遥かに上回る美術館でした。本来の会場である大邸宅での鑑賞(2024年後半開館予定)はお預けとなりましたが、その宿題返しも含めて、次回のニューヨーク訪問時にも必ず訪れたいと思います。

2023年11月11日


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

米国東海岸旅行(3):美しい大学町 デラウエア州ニューアーク

2023-11-18 07:27:37 | 旅行 イギリス外

旅行前半は、プライベートなイベントで、デラウエア州ニューアークに滞在しました。デラウエア州と聞いてもご存じな方は少ないと思いますが、アメリカ合衆国憲法を最初に批准した州で、車のナンバープレートには「First State」と誇らしげに書かれています。特筆すべきは、何故か買い物に付加価値税(消費税)がかからない。なので、近隣のペンシルベニア州やメリーランド州からわざわざ買い物に来る人も多いとか。

ニューアークはその中でも、アメリカによくある大学町で、州立のデラウエア大学を中心に形成されています。緑の芝生に煉瓦つくりの校舎が立ち並ぶ風景はいかにもアメリカの大学キャンパス。この時期は、紅葉の色がキャンパスにマッチして、町全体が紅葉に包まれているかのようでした。最初の2日間は、曇り・雨模様だったのは残念でしたが、湿った落ち葉とキャンパスもしっとりと落ち着いた良さがあります。


(最初の2日は曇り、雨だったのは残念)



(朝のキャンパス内の通り)

(校舎に侵入して、中から1枚)


(完全ピンボケですが、アメリカのキャンパスには必ずいるリス)

2日目夕刻からようやく雨が上がりました。瑞々しい空気の中の町は一段と美しさを増します。



(滞在2日目の夕刻からようやく雲が切れ始めました)


(夕暮れ時のキャンパスが美しい)


(街のメインストリート)


(もうクリスマスの装飾が始まっています)

丁度、退役軍人記念日を跨いでいたので、キャンパスや街のメインストリートには、記念の飾りがしてありました。TVでも戦争で国に命をささげた軍人さんたちの追悼イベントが報道されていて、至る所で「健全な」リスペクトの精神を感じます。戦争そのものへの屈折した記憶から軍隊・軍人に対する複雑な思いが残る日本との違いを感じます。


(キャンパスのメインの庭ではセレモニーが行われるようです)


(戦争犠牲者を悼んで星条旗の小旗が刺されていました)



(電柱に吊るされているのは町出身の戦争犠牲者たち。写真を撮っていたら、「貴方の知り合いなの?」と聞かれました)

 

初日の夜はキャンパス隣接のパブの一室が会合の会食会場だったのですが、週末近くとあってホールの方は若者で一杯。凄い騒ぎになってました。


(若さが羨ましい・・・)

 

3日目にしてようやく朝から青天。Amtrakに載って後半戦のニューヨークに向かいます。


(昔の駅舎?)


(長距離列車は1日2本のみ)

2022年11月9~11日

 

(つづく)


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

米国東海岸旅行(2): やっぱり凄い、フィラデルフィア美術館!

2023-11-17 07:45:44 | 旅行 イギリス外

駅から30分弱歩いて、フィラデルフィア美術館の前庭到着。相変わらず、圧倒的な威圧感です。


(美術館前ロータリーから)

 

【ロッキー像】

もしかしたらフィラデルフィア美術館はこっちのほうが有名かも。ここは、不屈のアメリカ映画のシリーズ「ロッキー」のロケ地であり聖地です。ロッキー(シルベスター・スターローン)がトレーニング、ランニングしていた場所がここなのです。美術館に横には映画を記念してロッキー像が立っています(像はスターローンとは似ても似つかぬ風貌です。また、あやふやな記憶では、私の滞在当時はここでは無くて、フィリーズのスタジアムの前にあった覚えがありますが・・・)


(ロッキーランというランニングイベントが開催されていた様子)

周囲は、ロッキー像との記念撮影や映画のシーンにあった美術館の階段を上って吠えるロッキーをそのまま自己再現するロッキーフリークたちで盛り上がっていました。楽しいよね、こういうの。





(吠えるロッキー)

 

【美術館】

35年ぶりの再訪。建物の外観、内部ともに当時と全く変わらずに堂々と厳かに佇んでいます。しかし、私の鑑賞体験は当時とは桁違いに衝撃的なものでした。

とにかくコレクションが膨大。中世から現代に至るまでの西洋美術、現代アメリカ美術からアジア美術までが広い建物中に一杯に展示が去れています。とても半日、1日では廻り切れないボリューム、かつ質も高い作品がゴロゴロ転がっている。30年を経て、下手に知識と鑑賞経験だけは積み重ねた私はもう目移りするばかりで、集中できない。貧乏根性丸出しで「勿体ない、勿体ない」と呟いていました。

それでも、好きなルネッサンス系、17世紀オランダ絵画、イギリスのホガースやコンスタブルの絵はじっくり見ました。建物中央の吹き抜けのホールの壁には、ベルギーのタペストリーも連なって吊ってあります。日本ではなかなかお目にかかれない量です。


ボッティチェリ<若者の肖像画>1465-1470


ボス?

ホンモノ議論が進行中のフェルメール<ギターを弾く女>(完成度高いホンモノ確実はロンドンのケンウッドハウス蔵)


1958-65 Jan Steen

 


1822-1824 ジョン・コンスタブル 

館内のいくつかの部屋は、所有者だった西洋人の部屋を模した作りになっているのも、落ち着いた鑑賞環境を提供してくれて良いです。個人名を付したギャラリーと名のつく部屋が多いのも、こうした絵を買い漁った富豪たちの富の力を見せつけられているようでアメリカチック。




そして、なにより空いています。こんな名画に囲まれているのに、だれかと一緒に見ることは全くなく、完全独占鑑賞。なんとも贅沢な空間と時間でした。

それでも、スケジュールの都合で滞在時間3時間半、廻ったのは半分程度で涙の退館となりました。

フィラデルフィア美術館。絵画好きの人はニューヨーク、ワシントンDCから無理してでも訪れてほしいところです。


(正面はフィラデルフィアのへそとも言える市庁舎)

2023年11月9日

(つづく)


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

米国東海岸旅行(1): 30th. Station駅からスクーキル川沿いを歩く @フィラデルフィア

2023-11-15 18:21:19 | 旅行 イギリス外

私的なとっても大切な用事があり、休暇を取って米国東海岸を訪れました。用事そのものはフィラデルフィア近郊の町での2日に渡る会合への参加だったのですが、家族・職場の理解を貰い、NY滞在を加えて現地5日間の一人旅となりました。イベントそのものの大切さはもちろんのこと、コロナ禍以降初めての海外ですし、プライベートでの米国訪問は約20年ぶりということで、興奮の旅となりました。

記録もかねて、観光で訪れたところを順次ご紹介したいと思います。

まずはフィラデルフィア。この町を訪れるのは約30年ぶり。独立宣言を採択し、ワシントンDCの前は首都でもあった歴史的都市であり、伝統を感じる名所が多くあります。今回は、半日の限られた時間であったので、訪問先はフィラデルフィア美術館に絞りました。

【30th St. Station】

滞在先からフィラデルフィアのダウンタウンへはローカル列車で1時間弱。30th St. Stationがフィラデルフィアの中心駅で、長距離列車Amtrakも停まる主要駅です。ニューヨーク、ワシントンDCからも2時間以内で来ることができます。

30年以上前に来ているはずですが、改めて駅の大きさにびっくり。おー、アメリカと口に出てしまいます。ギリシャ神殿のような作りとスケールに圧倒されます。駅舎内には立派な彫刻や駅の歴史をたどった展示などがあり、駅を見て廻るだけでも楽しい観光になります。


(駅舎外観)


(駅舎内のホール)


(1941-1945(第2次世界対戦中)の間に倒れたペンシルベニア鉄道社員の記念碑)


("Sprit of Tranportation" 彫刻家Karl Bitterにより1895年制作)


(プラットフォームに降りて、AMTRAKの車両を撮らせてもらいました)

【リバーサイドウオーク】
30th St. Stationから美術館までは2㎞ほど。いろんなルートが取れますが、私は最短距離で行けるスクーキル川沿いの歩道を歩きました。

ピークは過ぎていましたが、紅葉が目に染みる美しさです。曇り空なのは残念でしたが、ジョギングや散歩をする人たちで行きかい、落ち着いた時間が流れています。ペンシルベニア大学のスエットシャツを着て走っている人たちも数名見かけましたが、学生さんでしょうか。


(対岸にさっきの駅舎)


(紅葉が見事)

ニューヨーク、ワシントンDCを観光される方でフィラデルフィアまで脚を延ばす人は少ないかとは思いますが、両都市とはまた違った雰囲気が感じ取れるので、日帰りでも行ってみる価値はあるかと思います。

(つづく)

2023年11月9日


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

見仏記 @シンガポール

2019-11-04 09:00:00 | 旅行 イギリス外

 先月、シンガポールへ出張の機会があった。以前仕事で1度訪れたことがあるが、現地総滞在時間20時間未満の駆け足出張だったので、実質初めてである。今回は3日間の滞在だったが、毎度のことで日中は会議室に缶詰、夜はビジネスディナーで自由時間はほぼゼロ。街中をぶらつくことは殆ど不可能だ。

 そんな中で一日だけ、早朝ジョギングの時間を捻りだして、ホテルから3キロちょっと離れた中華街まで見仏目的で走った。

シンガポールの夜明け東京に比べるとずいぶん遅い。6:30頃にようやく明るくなってくる。iphoneのMap経路案内を頼りに走り始める。

最初に向かったのはシンガポール最古の中国寺院というシアン・ホッケン寺院。船乗りを守る天后が祀られていることだが、残念ながら開門は7:30からということで門は固く閉ざされたままだった。涙・・・。 


〈シアン・ホッケン寺院の前〉

 次なる目的地は、仏陀の歯が祭ってあるという新嘉坡佛牙寺龍華院。が、そこを目指す途中に仙祖宮なる小さなお寺に遭遇。ネットのブログ情報によると、マレー系の中国神≪大伯公≫を祀ったお寺とのこと。18世紀に福建省に実在した学者さんらしく、豊作・大漁・治病・家内安全・土地守護・商売繁盛など何でも来いの万能神らしい。


〈まだゲートは閉ざされたまま〉


<こちらの祠は開門済み>

 目的していた新嘉坡佛牙寺龍華院は4階建ての建物のかなり大きい寺院である。ここは7:00開門なので中に入れた。ただ、仏陀の歯は4階に安置されているとのことで、4階は9:00開場ということでここでも涙・・・。本堂の方は開いたばかりだが、もう何人も信者さんたちがお祈りをしていた。本堂には薬師如来と脇侍として日光・月光の両菩薩が。金ぴかの現代風の仏像だがとっても人間っぽい、色気ある姿に見とれてしまう。無理して走って来た甲斐があった!!!

 

 


<完璧な薬師如来と両脇侍のトリオ>

後ろ髪引かれる思いで寺を離れると、100メートルも行かないところにヒンドゥー教寺院があった(スリ・マリアマン寺院)。吸い込まれるようにここにも立ち寄る。入った瞬間、ここはまるでインド。お香の匂いが立ち込め、多くのインド系の信者さんたちが行き来している。多国籍国家シンガポールを垣間見た印象だった。

 

 想定外の寄り道に時間を食ったので、ホテルに急ぎ戻り始める。すると、また途中に、中国系とみられる小さなお寺があり、信者さんが出入りしていた。気になったので、ここにも立ち寄ってみると、金ぴかの達磨像(?)があった。更に奥には仏様が。前庭では、信者さんたちにお粥が賄われていた。食べてけばお誘いを受けた(きっと)が、時間も無いので、失礼した。


<いかにもご利益ありそうな達磨大師?>


<佛光普照> 

大急ぎでホテルに戻り、1時間弱の朝の見仏ジョギングは終了とした。まさに駆け足観光だったが、シンガポールの多様性と人の暮らしのごくごく一面を垣間見ることができ、とっても楽しめた。シンガポールは食事もおいしいし、一度プライベートでゆっくり来てみたいと思っている。

2019年10月16日


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

週末台北弾丸旅行(2018年10月)

2018-12-31 09:49:10 | 旅行 イギリス外
 今年も1年お世話になりました。気が付いてみたら、ブログ開設からこの12月で丸10年が経ちました。イギリスでの単身赴任者が日本の家族あてに近況を知らせるのを主目的で始めた本ブログですが、帰国後もだらだらと続いており、私にとっても一つのライフログとなりつつあります。そんな本ブログにお付き合いいただきありがとうございます。

 さて、年が変わる前に、今年の個人的に大きなイベントの一つであった台湾への週末弾丸旅行のスナップだけアップしておきます。夏休みに家族と旅行に行けなかったので、10月の連休を使って、2泊3日で台北を訪れました。台北は4回目なので、マイペースでぶらぶらしながら、米国留学時代の同級生家族と再会したり、安くておいしい料理を食して過ごしました。

 いくつか、台北のレトロ建築を撮影。


《台湾大学付属医院旧館。竣工1924年:今も病院として使われてます》


《濟南基督長老教会:中山南路に面してます。1916年竣工。日本統治時代に日本基督教団台北幸町教会として建てられたものとのことです》


《中華民国総統府。1919年設置。建国記念日近くだったため建物の前にステージが架設》


《横から見ると・・・》


《国立台湾博物館。1908年建築》


《西門紅楼 1908年竣工 西門町の中心の複合商業施設として使われてます》


《台北市立図書館 北投分館:こちらは2006年竣工なのでレトロではありませんが、「CNNが選ぶ世界で最も美しい図書館」にランクインしたとのこと》


《周囲が工事中で防御シートがかぶせてあったのは残念》

 続いて、台北の夜の風景。


《台北の夜と言えば士林市場。相変わらず凄い人出です》


《台北101の近く》


《若者で賑わってました》

 最後にB級グルメ。夜の写真は友人家族と一緒だったので写真はパスして、自分で選んで食べたものは・・・。


《何を料理しているのか?》


《魚の姿煮が最高!》


《こちらは電気屋街で通りがかった餃子店》


《世朴な茹で餃子が旨いし、安い》

 過去の台北訪問はいずれも8月で倒れそうな暑さだったのですが、10月は暑くなく、寒くなく絶好の観光シーズンでした。


 皆様、良いお年をお迎えください。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2011 クリスマス イスタンブール旅行 (その4)

2013-01-01 09:11:28 | 旅行 イギリス外
2011年12月26日 午前

 この日も天気最高。まずは、エジプシャンバザールへ。スパイスバザールとも言われているらしい。朝早すぎてまだ人出は少ないが、多種多様なスパイスが売っており、とってもカラフルだし、匂いも刺激的。







 続いて、路面電車を乗り継いでテオドシウスの城壁へ。ローマフリークの端くれとしては、イスタンブールに来たら訪ずれなくてはいけないところ。イスタンブルールを守ったローマ人の城壁である。



 かなり急だが一応上れるようになっていた。勇気を出して、登る。


 壁の上からはイスタンブールの絶景が臨めた。



《壁が続いてるのもわかる》


≪南側。逆光だけど海やイスラム寺院が見えます≫

 上ったは良いが下りてくるのは、本当に怖くて大変だった。足がすくむ。まだ年寄りの域には達してないが、年寄りの冷や水とはこのことだろう。

 続いて、テオドシウスの城壁の近くにあるカーリエ博物館へ。5世紀に修道院として建てられたのだが、その後オスマン朝時代にイスラム寺院に転用された。ここが素晴らしいのは、13~14世紀に描かれたモザイク画。イスラム時代に漆喰で塗りつぶされていたものを、20世紀になって考古学者たちによって発見されたとのこと。これが、本当に素晴らしい。ビザンティン美術に関心がある人は必見だと思う。博物館と言う名にはなっているが、修道院の遺跡だから、静かで、落ち着いた雰囲気は、何とも清められた気持ちになる。市街の喧騒に少し疲れ始めたところだったので、なおさらだった。



 

 





 「地球の歩き方」には所要時間30分と記載してあるが、1時間は優に楽しむことが出来る。ここは、本当におススメ。

 再び、路面電車を乗り継いで市街へ。

(つづく)


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2011クリスマス イスタンブール旅行(その3)

2012-12-27 23:48:54 | 旅行 イギリス外
ホテルに戻って少し休憩後、午後の部へ出撃。


(奥の西日を受けたところが新市街)

今度は金角湾を渡って、新市街へ。歴史的観光地が中心の旧市街と比べ、新市街には今のインタンブルールが溢れていた。とにかく凄い人。クリスマスだが流石になんちゃってイスラムと言われつつも、流石にクリスマスソングが街中に流れると言うようなことは無かった。それでも、通りにはイルミネーションが・・・


(タクスィム広場)


(イスタンブルールでもハイセンスなイスティクラール通り)


街は新興国ならではの街の活気に満ち溢れている。もう日本にこの津波のように押し寄せる人や街全体から滲み出る活力は物凄い。私の会社はまだイスタンブールにオフィスは無いが、絶対にここに打って出るべきと確信した。街をぶらついていると、日本並みに美味しそうなお店をみかける。店頭でおばさんがこねている餃子の皮のようなものが気になり、そのレストランに入る。餃子のような包みもののレストランへ入る。ボレキというトルコ風パイらしい。うまかった。















日本にもありそうな露店たち。こうして見るとイスタンブールはどうみてもアジアだ。久しぶりにアジア風の熱気に当てられ大興奮。









 ホテルへの帰り道、多くの人がモスクに入って行くのを見かけ、混じって入ってみる。夕のお祈りの時間らしい。イスラム教特有の大音響の読経がスピーカーから流れてきて、皆、一心に祈りを捧げている。しかし、そこには男性しかいない。あれ、女性もいたはずだがと思って見回したら、何と出入り口近くにまるで牢屋のように木の格子で完全に仕切られた一角があり、そこに多数の女性陣たちが、押し込められて祈りをささげている。大きなモスクの本堂中央に男性陣が思い思いに自由にスペースを使い祈っているのに対して、余りにも対照的にまるで罪人のような扱われている女性陣を目の当たりにし、強烈なカルチャーショックに見舞われた。こんな差別があっていいのか?この女性たちは、自分たちをこんな風に扱う宗教に向かい、何を祈っているのか?理屈としてはイスラムの男尊女卑を知っていたものの、自分の理解を超えた光景を見て、ただただ頭の中が混乱してしまった。これは理解できない・・・。小一時間で祈りの時間は終り、皆、思い思いにモスクを出るのに混じって退出する。たいていのことには驚かないぐらいまで歳を重ねたと思っていた自分には、久しぶりの強烈な異文化体験だった。

(つづく)

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2011クリスマス イスタンブール旅行(その2)

2012-12-25 07:56:09 | 旅行 イギリス外
 2011年12月25日

 イスタンブールの12月は天気が悪いと聞いていたのだが、翌日は冬の東京のような快晴。さっさと朝食を済ませて、旧市街の名所巡りに出発。

【ブルーモスク(スルタン・アフメット・ジャミイ) 】


 トルコを代表するイスラーム寺院。そのスケールの大きさに驚く。中に入ると、美しいタイル、絨毯にまとわれた内装が壮厳さを引き立てる。


≪壁や天井のタイルが神秘的な美しさ≫




≪美しい絨毯≫


≪イスラム教の聖典らしい≫

【アヤ ソフィア (アヤソフィア美術館)】


 スルタン・アフメット・ジャミイの向かいにそびえるのがアヤ ソフィア。もともとはコンスタンティヌス1世により建築が始まり、コンスタンティヌス2世の時代に完成し、その後ギリシャ正教の大本山として君臨。1453年のコンスタンティノーブル陥落により、イスラム寺院となった、まさにイスタンブルールの歴史を背負った建物。外観も壮大だか、中も巨大。東京ドームにいるような感じだ。内部にイスラムの円板とビザンツのモザイク画が併存しているのが、その歴史を偲ばせる。


≪巨大ドーム≫




≪イスラムの円板≫


≪ビザンツ調の壁画≫


【トプカプ宮殿】


 続いて、アヤ ソフィアの奥にあるトリカブ宮殿へ。「オスマン朝の支配者の居城として400年もの間、政治や文化の中心であった(「地球の歩き方 イスタンブールとトルコの大地」)」

 皇帝の門をくぐり城壁の中に入ると、庭園、調理場、宝石など皇室由来の品々を集めた宝物館などがある。宝物殿の財宝、衣装は圧巻。興味深かったのはハレム(ハーレム)。宦官の部屋、妻たちの部屋、召使の部屋など、淫靡な雰囲気を感じるのは自分だけだろうか?


≪ハレム入り口≫


≪ハレム内の通路。左側には女たちの部屋がある≫



 宮殿の奥には、金角湾やマルマラ海を臨み、新市街やアジア側を見渡せる絶景の地が。最高の天気に恵まれ、ここで遅めの昼食。







(つづく)

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2011クリスマス イスタンブール旅行(その1)

2012-12-24 00:04:55 | 旅行 イギリス外
(昨年の丁度今頃、クリスマスの休暇を利用してイスタンブルールを訪れました。1年遅れですが、その際の記録です)

 2011年12月24日

 8:50発のBA便でヒースロー・ターミナル5からイスタンブールへ。15:40にアタデュルク空港へ到着。地下鉄+路面電車で市街へ向かう。日没が16:40なので、もう廻りは薄暗い。人で一杯の路面電車の車内、車窓から見える薄暗い中にネオンが光る街なみなどの雰囲気は、それまでに訪れた欧州の街とは明らかに異なり、アジア的な雰囲気が満載。エキサイティングな旅の予感が一杯。結構寒くて、気温は間違いなく一ケタ台。ロンドンと変わらない。


<路面電車車内。夕方のせいか日本の通勤電車並みの混みよう>

 トルコはなんちゃってイスラムと言われるように、イスラムの戒律は緩いようだが、それでも車内の人の8割以上が男性だったり、服装も皆さん地味目で、イスラム国に来た実感を覚える。ホテルにチェックインして、空腹を埋めるためにホテル近くの大衆食堂へ。定番料理の豆のスープが美味しい。しかも安い。


<スープとピラフ。薄味で日本人好み>

 食事中、夕方のお祈りの時間なのか、町中に響き渡るような大音響のコーランの読経が、街のどこかに設置されているらしいスピーカーから流れてくる。なんちゃってイスラムでも、イスラムはイスラムなんだなあ~。欧州の街で聞こえる音と言えば教会の鐘だが、鐘の音が天国への響きとすれば、コーランの節は私には地上の人々の色んな思いが詰まった「念」の呻きに聞こえる。強烈な、非日常、異文化を感じた瞬間だった。 

 さあ、腹ごしらえもできたので、暗くなった街をさあ散策と、勇み歩き始めたところ5分も経たないうちに途上国の洗礼を受けた。

 ちょっと人通りの少なくなった道を歩いていたところ、5メートル強ぐらい前を歩いていたおじさんが靴磨きのブラシを落としたのが目に入った。おじさんは落としたことを気がついていそうにない。靴置きとか、靴墨、ワックスなどが入った道具箱が見えたので、既に何人も見かけた通りの靴磨き屋さんであることは簡単に分かった。商売道具のブラシを失くしたらさぞかし困るだろうと思って、ブラシを拾って、おじさんを追って、声をかけ、「落としましたよ」とブラシを渡してあげた。見たところ40歳ぐらいの靴磨きおじさんだったが、大いに感謝され、「これが失くしたら大変なことになった。本当にありがとう。お礼に貴方の靴を磨かせてくれ」と言ってきた(ように聞えた)。別に、靴を磨いてもらうほど汚れていないので、私は「それには及ばないよ。(No, thank you.)」と返事をしたのだが、その一言が終わらないうちの「あっ」という間に、男は有無を言わせず私の靴を磨き始めた。まあ、「Free」と言っていたから良いかと思って、磨かれるままにしていたら、「家には子供が3人いて皆お腹をすかせている。XXXという田舎から出てきたが、イスタンブールで生活するのは大変だ・・・」とかの苦労話を始める。「これは、怪しいなあ」と思ったが後の祭り。確かに靴はピカピカになったが、終わるや否や「10リラ(500円ぐらい)」と右手を出してきた。流石に「はい、ありがとう」というわけには行かないので、「こっちは頼んでない。勝手にお前が始めたんだろ」「だいたいフリーって言ったじゃないか」と大抗議。最初は「こんなに靴は綺麗になった」などと言っていた男も、段段と表情が険悪で凶暴なものに変わってきて、危ない雰囲気になってきた。私が立ち去ろうとしても、服を掴んで離さない。時たま車は通るが、人通りは殆どないし、周囲は暗く、土地勘のない場所でのやり取りはかなり緊張を伴った。結局、お人好しのお大尽日本人は100リラ払って金で解決と言う情けない結果となった。忘れかけていた途上国人の狡さとたくましさ。学生時代にアジア諸国のバックパック旅行で散々な目にあってきたので、十分手口は知っているつもりだったが、さすがに当時から時間も経ち、自分の感度が弱くなっていることを実感。舐めてると酷い目に遭うぞという、入国から3時間後の洗礼だった。

 傷心のまま、初日の行動予定であったトルコ名物ハマム(蒸し風呂)に行く。風呂に入るところまでの雰囲気は、脱衣所が個人別である点を除いては日本の温泉と似ていて、道後温泉に来たかと思ったぐらい。風呂内は蒸し風呂なので、巨大スチームサウナに入った感じ。東京の銭湯の大浴場より一回り大きいぐらいの広さの浴室の中央に、大きな暖かい大理石(岩盤浴の岩盤のイメージ)がある。そこに寝そべって、汗が段々とにじんでくるのを楽しむ。赤摺りを頼んだので、しばらくすると三助のおじさんが呼びに来た。相撲取りのような体格。石鹸を体中に乱暴に塗ったくられて、石綿タオルのようなものでゴシゴシやられる。すごい力なので痛い。サービスという感じではなくて、もうまさにイモ洗いの芋にでもなった気分。体が泡で埋まるかと思うぐらい、泡におおわれたところで、お湯を頭からぶっかけられる。所要時間は5分ぐらいだったろうか?あっという間に終わってしまった。ko優しく丁寧に全身を洗い流してくれるようなサービスを期待したもんだから、随分予想と違って、正直、満足度は低し。終わったら「チップ、よろしく」と微笑みかけてきた。こういうところだけは、調子いいんだよなあ。


<チェンべルリタッシュ・ハマムという観光客向けハマムとしては大手。1584年建造のたてものだそうです>

 
<広間>


<脱衣所>

 外に出ると温まった体に夜風が冷たく当たる。夜にライトアップされたモスクが美しい。でも、初日のイメージはブーである。
 


 ※チェンべルリタッシュ・ハマムのHPはこちら→

(つづく)

 

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする