その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

とっておきの南インド料理屋さん教えちゃいます! ダバインディア @東京駅八重洲口

2020-06-27 07:30:00 | 日記 (2012.8~)

最近、仕事忙しすぎで、ブログ書く時間も無いのですが、先週久しぶりに私が一番好きなインド料理屋さんに行ってきました。東京駅八重洲口から銀座方面に向かって徒歩7分程度のところにある、ダバインディアというお店です。

このお店、5年ほど前、仕事でお世話になったインド系アメリカ人のIT起業家・投資家(超がつく大金持ち!)が「俺が世界中で食べたインドレストランの中で3本指に入る」と言って、「お前は行ったことないのか?なんで東京に住んでいてアンビリーバル!」と連れて行ってくれたお店です。私もそれ以来、その味に魅せられ、年に数回訪れるようになりました。(その彼は、東京に出張に来た時には必ず訪れ、高額のチップを厨房まで持って行きます。)

南インド料理なので比較的さっぱりしたカレーが中心なのですが、スパイスの効き方が半端ないです。どんだけの種類のスパイス使ってんだと思うほど、口の中でスパイスの味が豊かに一杯に広がります。これをお米にまぶして食べる美味しさ。ナンも頼めば出してくれますが、絶対ご飯の方がお勧めです。


〈これはランチの一枚。写真がいけてないですが、真ん中にあるのはパパド(せんべいみたいなもの)、その下にライスが隠れてます〉

また、ドーサというインド版クレープのような料理も絶品なので、是非、お試しください。店のなかも清潔かつほどほどにエスニックな雰囲気が漂っていて、インドの中級レストランに行ったような雰囲気が味わえます。

ここ常に混んでいるので、夜は絶対予約した方が良いです。ランチもお手頃ですが、夜に4名ぐらいで色んな種類のカレーや料理を楽しむのが一番楽しめると思います。お昼は予約受付は無いです。この季節、美味しいカレーを食べたときの満足感は何物にも代え難いですよね。


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映画 「すべての政府は嘘をつく」(監督:フレッド・ピーボディ、2016)

2020-06-21 07:30:00 | 映画

アマゾンから視聴履歴に基づいて勧められるままに観たドキュメンタリー映画。

「世の中変わったよな」と心底思うのは、このタイトルを20年前に目にしたら「どんなスクープ映画なのだろう」と興味津々に引き込まれたかもしれないが、今接すると「そんなの当たり前でしょ。何をいまさら」と思ってしまうことだ。政治の劣化は、日本をはじめとして今や全世界現象だと思う。

本作品は、アメリカの独立系ジャーナリストであったI・F・ストーンの功績を回顧するとともに、現代の独立系メディアの動きを紹介するドキュメンタリー映画。いかにアメリカ政府や大資本メディアが嘘をつき、真実を語らないできたかの具体的事例として、ベトナム戦争の本格介入のきっかけとなったトンキン湾事件、ニクソン大統領の辞任の切り札となったウォーターゲート事件、イラク戦争、大統領選挙における候補者の言動、メキシコ人移民の大量死などが取り上げられる。

今の世の中、これらの映像を見て今更驚くことはない。アメリカの状況は殆ど日本にも当てはまるし、今回のコロナへの対応を見ても、事実と意見と推測と政策がごちゃまぜになって、本当に何が起こっているのかは絶妙に隠されている(もっともコロナの場合は、政府も事実をつかみ切れてないようなところもあったが)。

I・F・ストーンという独立系凄腕ジャーナリストがいたことや、国境を越えてやってくる多くのメキシコ人移民者が途中で息絶えてしまうというような事実を除いては、個人的にはあまり新しい情報は無かったが、米国現代史の振り返りに良い。我々、一般ピープルはどうしたら騙されずに済むのか、それが一番気になった。

 

監督:フレッド・ピーボディ
製作:ピーター・レイモント アンドリュー・マンガー スティーブ・オード
製作総指揮:ピーター・レイモント オリバー・ストーン ジェフ・コーエン スティーブ・オード

出演:
ノーム・チョムスキー
マイケル・ムーア
エイミー・グッドマン
カール・バーンスタイン


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田村潤 『キリンビール高知支店の奇跡 勝利の法則は現場で拾え!』 (講談社+α新書,2016)

2020-06-18 07:30:00 | 

コロナStay Home期間の積読解消読書の一冊。2016年の発売時にビジネス書のベストセラーにも上がっていたので、出張のお供に買ったのだが、昭和の体育会的営業スタイルの匂いについていけず、半分も行かないままに積読行きになってしまっていた。キリンビールの副社長まで務めた筆者が、高知支店長、四国、そして東海総括部長、更に本社営業本部長と営業畑を歩んで、アサヒビールに追い付け追い越せのビジ根(ビジネス根性)物語である。

 

ただ、落ち着いて読むと、昭和の体育会スタイルの営業という捉え方は違っていて、ビールというプロダクトでは差をつけにくい嗜好品営業における、必死のビジネスパーソンたちの工夫が描かれた本であることに気づく。どう営業社員を教育し、販売促進を行い、チームを導き、鼓舞するかという、リーダーシップ論であり、マーケティング論であり、企業文化論でもある。

 

営業のノウハウ本として系列的にまとめることもできると思うが(まさに第3章は「まとめ」として系統化したものである)、やはり実際のビビッドな生の体験、ストーリーの中で描かれる知見は、理論書で同じことが書かれていても迫力が違う。本の体裁から相当、細部は削ってあると思うので、こんなに「簡単に」うまくいくはずないだろうと思うところはあるが、本書の1ページ1ページの裏には書ききれない物語が存在していることや容易に想像できる。

 

「理念とビジョンに基づき、愚直に基本を繰り返す行動スタイル」「顧客視点に立った戦略と現場主義」と一般化して書いてしまうと何の面白みもないフレーズを、現実のセールスの現場でどこまで本気でやろうとするか。それをやり切れるか、できないかが、現実世界の分かれ目であり、それは理論書を何冊読んでも、できるようにはならないことに気づかされる。そして、日々のビビッドな面白さは、成功・失敗どちらにしても、必死で取り組む現場にあり、理論書や管理部門の中にはない。

 

(目次)

第一章 高知の闘いで「勝ち方」を学んだ
1995年 高知の夜は漆黒だった
1996年 負け続けの年
1997年 病人をゼロに
1998年 V字回復が始まった
2001年 ついにトップ奪回!
第二章 舞台が大きくなっても勝つための基本は変わらない
四国での闘い―違う市場でも基本を貫く
東海・中部での闘い―現場主義の徹底
全国での闘い、そして勝利
第三章 まとめ:勝つための「心の置き場」


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映画 「スターリンの葬送狂騒曲」(監督:アーマンド・イアヌッチ、2017)

2020-06-13 07:30:00 | 映画

何とも言い難い、苦い後味が残る映画である。原題はDeath of Stalin(邦題はなかなかうまく訳したと思う)。スターリン死の直前から、その死、そして死後の跡目争いが描かれる。コメディ・ジャンルに分類されていたのだが、ブラック・コメディもここまでくると背筋が寒くなる。

スターリンの粛清の描写が恐ろしい。スターリンの機嫌を損ねることを怯える人、メニューの料理を選ぶかのようにリストから指名される処刑者、問答無用で連れ去られるリストから選ばれた市民。コメディタッチに描かれているとは言え、こうした世界が70年前に存在していたと思うと恐ろしい。

側近たちの後継者争いの駆け引き、策謀も凄まじい。コミカルには描かれているが、現実には生死をかけたギリギリの権力闘争が展開されていたこと容易に想像できる。近づきたくもない世界だ。

好き嫌いは分かれる映画だし、気分が晴れたり、元気になる映画でもないが、見て損はない。細かい史実との相違は少なからずあるようだが、時代の雰囲気を知るには良いと思うし、独裁者の世界や非自由社会に戻ることがあってはならないというのが分かるだけでも良い。

 

監督:アーマンド・イアヌッチ
製作:ヤン・ゼヌー ローラン・ゼトゥンヌ
製作総指揮:ケビン・ローダー
原作:ファビアン・ニュリ
脚本:アーマンド・イアヌッチ デビッド・シュナイダー イアン・マーティン ピーター・フェローズ
撮影:ザック・ニコルソン
美術:クリスティーナ・カサリ

キャスト

フルシチョフ:スティーブ・ブシェーミ
ベリヤ:サイモン・ラッセル・ビール
マレンコフ:ジェフリー・タンバー
モロトフ:マイケル・ペイリン
ミコヤン:ポール・ホワイトハウス
ジューコフ:ジェイソン・アイザックス
スヴェトラーナ:アンドレア・ライズボロー
ワシーリール:パート・フレンド
アンドレーエフパ:ディ・コンシダイン
マリヤ:オルガ・キュリレンコ
スターリン:アドリアン・マクローリン
カガノービチダー:モット・クロウリー
ブルガーニン:ポール・チャヒディ

コメント (2)
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青木 美希 『地図から消される街 3.11後の「言ってはいけない真実」 』 (講談社現代新書、2018)

2020-06-09 07:30:00 | 

3.11以後、時間の経過と共に「復興」がキーワードとなる陰で、忘れ去られた存在になりつつある原発事故の被災者たちを追ったレポート。東電の「現地採用者」たちの現在、「除染」の実態、帰還政策の意図、がれき撤去を巡る官僚・規制委員会の言動、避難民へのいじめ、自主避難者への対応などが筆者の取材をもとに紹介される。

一つひとつのケースなので、これらがどの程度一般化されるのかはわからない。ただ、被災者一人ひとりにそれぞれに被害、避難、復興の物語があることを実感するし、それを最小公倍数としての被災者支援政策では救い切れないのも肌感覚として理解できる。取材模様も描写されているので、リアリティ高く迫力がある。原発、復興の複雑さ、難しさが滲み出ている一冊だ。

今の政権の言動を散々見聞きして来て、今更、政府の言うことをまともに受ける人がいるとも思えないが、改めて、いかに政治家や官僚が、自分たちの政策目標の達成のために情報の公開をコントロールし、都合の良いメッセージを流し続けているのかついては唖然とするばかりだ。結局、損をするのは騙される国民なのだ。

私がぼんやりしていたのだろうが、日本が原発を続ける大きな動機の一つが、核武装可能性を残しておくことによる国防上の優位性確保(石破さんは明言している)という見方があるのは初めて知った。確かに説得力ある仮説である。

筆者が所属する朝日新聞にありがちだが、比較的ワンサイドに寄った書きっぷりなので、慎重に読んだ方が良いと思うところはあるが、政策の裏の現実・現場を知るための貴重な一冊であり、一読を勧めたい。

 

目次

はじめに
第1章 「すまん」──原発事故のため見捨てた命
第2章 声を上げられない東電現地採用者
第3章 なぜ捨てるのか、除染の欺瞞
第4章 帰還政策は国防のため
第5章 官僚たちの告白
第6章 「避難者いじめ」の真相
第7章 捨てられた避難者たち
エピローグ──忘れないこと、見続けること


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映画 「しゃべれども しゃべれども」(監督:平山秀幸、2007)

2020-06-06 07:30:00 | 映画

ひょんなきっかけで話し方教室を開くことになった落語家の卵とその弟子たち(女子大生、小学生、元プロ野球選手)との交流を描いたドラマ。家人が原作を読んでとっても良かったという話を聞いて、映画を視聴。

落語家の日々を描いた映画としては、この数年では「の・ようなも のようなもの」を見たが、ゆるい、まったりとした雰囲気の物語進行や映像がとっても似ている。全く肩の凝らない、脱力系の映画で、刺激を避けてリラックスしたい1日にぴったりだ。

登場人物の夫々が落語を通じて自分をストレッチさせ成長していく様子が、押しつけがましくなく自然に描写されているのは好感が持てる。また、小学生の弟子役である森永悠希の関西弁と溌溂した演技は、淡々とした映像にアクセントを与えていた。

人によって好き嫌いは分かれるかもしれないが、ほっこりした気分に浸れるのは間違いない。

監督:平山秀幸
製作総指揮:豊島雅郎 藤島ジュリーK. 奥田誠治 田島一昌 渡辺純一
製作:渡辺敦 小川真司

今昔亭三つ葉(外山達也):国分太一
十河五月:香里奈
村林優:森永悠希
湯河原太一:松重豊
外山春子:八千草薫
今昔亭小三文:伊東四朗


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橋場 弦, 岸本 美緒, 小松 久男, 水島 司 (監修) 『英文 詳説世界史 WORLD HISTORY for High School』(山川出版社、2019)

2020-06-03 07:30:00 | 

コロナ感染予防のstay home期間を利用して世界史・日本史の通史を学び直してみました。その一環で、普通の時では絶対読まないであろう、山川の教科書「詳説 世界史B」の英語訳にチャレンジ。

世界史は日本語で知っているつもりになっていても、固有名詞が英語で分かってないと、実際、外国人との会話の中では全く使えません(もっとも、私が棲息するIT業界で、外国人とのビジネス会話で世界史がネタになることは、まず無いですが・・・)。まあ半分は、世界史を日本語と英語シームレスで語れれば格好いいなあと言う程度の動機です。

英語が実に分かりやすく書いてあるのに驚きました。これなら英語が得意な高校生なら楽勝で読めると思います。そして、(失礼ながら)思いのほか面白いのです。ご存じ通り、山川出版社の歴史教科書は定番中の定番ですが、私のうん十年前の記憶では読んで面白いと思ったことは一度も無かったはずです。それが、意外や意外、なるほどこういう因果関係だったのね・・・とかの発見がありました。きっと日本語だと流し読みしているようなところを英語なので丁寧に読むことに加えて、論理的に構成される英語という言語のためかもしれません。

それにしても中国史系の英語は、漢字で頭に入っていることもあり、英語では全くわかりませんね。義和団の乱は”The Boxer Rebellion”なんて初めて知りました。巻末には英和と和英の両方の索引があるので、用語集としても使うことができて便利です。

ちょっと字が小さいのが読み辛かったですが、一部の世界史愛好家の方にはお勧めできます。

コメント (2)
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