その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

ロンドン ゴルフ打ちっぱなし

2010-02-28 08:25:12 | ロンドン日記 (日常)
 こちらに来て、初めて打ちっぱなしの練習場に行きました。日本人向けに日本人のコーチの人がグループレッスンをしてくれるところがあるので、それに参加したのです。

 打ちっぱなしの練習場は日本と変わりません。日本よりは一人が占めるエリアが多少広いぐらいです。ただ、さすがイギリス。イギリス人は皆ビールを飲みながら、練習してました。(手前の人も、奥の人もベンチにビールが置いてあるでしょ)


 レッスンでは、グリップや構えを教わりました。今まで、自己流でやってきているので、結構いろいろご指摘を頂きました。「いきなり、そんなに沢山のこと教えていただいてもとても出来ないんですけど・・・」とつぶやきながら、2時間たっぷり汗を流しました。

 日本でもここ数年、打ちっぱなしは殆ど行っていなかったのですが、結構、ボールを引っ張ったくというのは、コースとは違ったストレス発散になることがわかりました。うまく打てると、すかーッとします。
コメント (3)
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西田 宗千佳 『クラウド・コンピューティング ウェブ2.0の先にくるもの』 朝日新書

2010-02-27 07:54:08 | 
 クラウド・コンピューティングについて、もう少し知りたいと思い読みました。専門家でない人にとっても分かりやすい本です。

 ユーザー視点と企業視点の2つを切り分けて書いてあるのが、分かりやすさの秘密です。前半は、「サービス化」、「ボーダレス化」、「オンライン化」という3つの切り口から、ITを巡る現状を解説してくれます。事例を合わせて紹介してくれているので、具体的なインパクトが良く分かります。歴史的な流れも意識されているので、単なる新サービス情報紹介に留まっていないのが良いと思います。

 しかし、この手の本の寿命はどのくらいなのでしょうか?イギリスでは本屋をのぞいても、この手のトレンドを追って解説してくれる本というのは、あまりない気がします。

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Midori with LSO  メンデルスゾーン ヴァイオリン協奏曲

2010-02-26 06:11:22 | コンサート (in 欧州)
 ※冒頭の写真はLSOのHPから借用

 五嶋みどりさんを聴きにバービカンホールに行きました。今日は、LSOとの共演でメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲です。あまりの定番の選曲に驚いていたのですが、何回か聞いている曲でもあるので、どんな演奏をするのかとても楽しみにして出かけました。今日は日本人の演奏家でかつCanonがスポンサーなこともあってか、普段にもまして日本人、それも奥様連れのビジネスマンの方が目立ちました。

 舞台に登場したみどりさんは、とっても細身で小柄です。ただとても堂々としていて、落ち着いて見えます。

 みどりさんのメンデルスゾーンは、普段自分がCDで聴いていた曲と随分違って聴こえました。なかなか具体的にどう違うのかを描写できないのがじれったいのですが、とても繊細で優しい音楽を奏でていました。昨年、初めてみどりさんのショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲で耳にしたときは、その情熱的で力強い演奏に驚かされましたが、この日は、むしろじいーっと耳を澄まして、一音符たりとも聴き逃さないように聴く、そんな音楽でした。今日は奮発して一等席を購入していたものの、これって2階の奥の席では聴こえないのではないか?そんなことさえ、頭に浮かんだぐらいのデリケートな音楽に聴こえたのです。表に出る情熱よりも、内面的な内に秘めた強い気持ち、意思を感じるような演奏でした。「へえー、こんな演奏の仕方もあるんだ。全然違った音楽に聴こえるもんだなあ」と、感動というよりは、驚いたというのが正直なところです。たぶん、もっと耳の肥えた人が聴けば、違いが良くわかるのでしょうが、私はそのレベルには達していないのが残念です。


 休憩後は、ベルリオーズの幻想交響曲。名曲コンサートみたいなプログラムですが、この演奏も素晴らしかったです。第1、第2楽章は弦の良さ、第3楽章以降は管の素晴らしさが耳に残りました。今日のコンサートマスターは客演のローマン・シモヴィック(Roman Simovic)さん。ガンガンに鳴らしていましたね。第3楽章以降はコーラングレのソロを筆頭に木管、金管が大活躍。第3楽章の美しいメロディ、第4楽章「断頭台への行進」の大爆発、第5楽章の「魔女の夜宴の夢」の金管の圧倒的フィナーレ、LSOの持ち味がふんだんに発揮された演奏でした。

 それにしても、デイヴィスさんは、まるで80歳とは思えない精力的な指揮ぶりです。ロンドンでは、2008年12月のROH「ヘンゼルとグレーテル」、昨年12月の「オテロ」に続いて、3回目ですが、毎回、演奏後の満足感が高い演奏を引き出してくれます。指揮ぶりは決して格好のよい振り方とも思えませんが、その指揮棒から生み出される音楽は、深遠なものです。こちらに来て聴いている指揮者の中では、もしかしたら一番好きかもしれません。


 ※実はみどりさんの前にはWebのプログラムには載っていなかった曲が一つ演奏されました。Matthew KingのTotentangoという曲です。指揮も違う人で、Pavel Kotlaという人でした。現代風のリズム感豊かな舞曲でした。

Berlioz Symphonie fantastique

24 Feb 2010 7:30 PM
Barbican Hall

MENDELSSOHN: Violin Concerto
BERLIOZ: Symphonie fantastique

Sir Colin Davis conductor
Midori violin
London Symphony Orchestra

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カーディフ ローカル線でケーフェリー城へ行く

2010-02-25 07:51:25 | 旅行 イギリス
 日曜日はもともとカーディフ発のウエールズ南部を巡る1日マイクロバスツアーにでも参加しようかと思っていたのですが、前日に電話したら、既に定員一杯とのことでした。そこで、案内所で貰ったパンフレットを頼りに、カーディフからローカル線に乗って30分ちょっと行ったところにあるケーフェリー城を訪れました。写真は乗ったローカル線。


 2時間に一本しかないローカル線です。カーディフから海と反対の内陸部に向かって、小山と小山の間を縫うように走ります。車両には4,5名の人しか乗っておらず、ローカルの雰囲気満載です。30分程でケーフェリーの駅へ。周りには何もない無人駅を想像していたら、意外と周囲にはお店がそこそこある駅でした。駅から来た方向に向かって取った写真です。


 駅から歩くこと10分足らず。周りをお堀に囲まれた美しいケーフェリー城が見えてきました。丁度、天気も良くなってきたので、空の青と、草の緑がとても美しいです。鳥の鳴き声の聞える、のどかな日曜日の午後です。




 ケーフェリー城は1200年代に建てられた城で、ウエールズの城の中では最大規模のものです。




 古城がこれほど神秘的なものとは初めて感じました。これまでのロンドン塔、ウインザー城、エジンバラ城などは、城自体の立派さに加えて、その建物の中に展示してある、絵や武具、工芸品などの美術品が見どころ満載なのですが、この古城にはそうした展示物はありません。ただ、城が残っている(大規模な修復が1930年代にされているようですが)だけで、その素朴さがたまりません。

 ところどころ未修復のままになっている城の残骸が想像力をかきたてます。これほど、「兵どもの夢のあと」という言葉がぴったりくる場所はないのではないでしょうか?今にでも、鉄の鎧を身にまとった兵士たちが飛び出してくるような錯覚にさえ襲われます。




 クロムエルの攻撃を受けて傾いたままになっているとのことですが・・・


 城の周りを散歩する幼い子供を連れた家族連れ、釣りを楽しむ人、城めぐりが好きなのか若いカップルなどなど、寂しくならない程度にぽつぽついる人達も風景の一部に取り込まれて、とっても長閑な雰囲気を演出していました。


 できることなら、ゆっくりしていたいのですが、帰りのバスを逃すと更に2時間待たなくては行けないので、後ろ髪をひかれる思いで、城をあとにしました。

 ちょと、これから古城めぐりに凝ってみようかな。

 2010年2月21日



(付録)カーディフに戻って遅い昼食。ミレニアム・スタジアム前にあったパブにて。さすがに2日連続のフィッシュ&チップスはつらかったので、ラムステーキを。ビールをつけて何と6.2ポンド。エラク安い!中にはウエールズやイングランドのラグビー選手の写真がいっぱい。






 ミレニアム・スタジアム横にあったスタジアム・ショップ。ここもラグビー一色です。

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カーディフ湾 周回ジョギング

2010-02-24 08:37:18 | 旅行 イギリス
 日曜日の朝、カーディフ市内を走ろうと思い外を見たら、結構な雨。「せっかく、ジャージとランニング・シューズ持参で来たのに・・・」と残念がっていたのですが、朝飯を食べ終わってしばらくすると、陽が差してきました。この一瞬のチャンスを逃すまいと、早速、着替えてスタート。

 コースは昨日インフォーメーションセンターでもらった地図を見て決めた、カーディフ湾周回コースです。カーディフ湾は海を岬が突き出す形で取り囲まれている構造で、地図を見る限り一周できるようになっています。

 まず、市内中心部から昨夜出かけたミレニアムセンターがある湾岸エリアへ。カーディフ湾にぶつかると、湾に沿って、走ります。




 丁度、半周した形で、湾の反対側まで走りました。奥に、ミレニアムセンターが見えます。


 更に進むと、外海と内海を分けるロックが。これから外湾に漕ぎ出すヨットが集まってきていました。そのため、橋が上がっていて、足止め。堤防沿いには釣り人もいます。






 結局15分ほど足止めを食いましたが、再開。丁度、湾を見渡す丘の上からは、薄い虹が見えました。


 途中、少し道に迷いましたが、足止めを食った時間を除いて丁度70分のジョッグ。観光も兼ねて、楽しい走りができました。

 2001年2月21日

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Abbey Road Studio

2010-02-23 08:39:38 | ロンドン日記 (日常)
 ところで、先週から英国メディアで騒ぎになっているEMIがAbbey Road Studioを売りに出すという話題。ビートルズを初め、英国の名だたるミュージシャンたちが利用したスタジオを無くしてはならないと各紙が大騒ぎ。土曜日のタイムス紙の社説には「National Trust管理下において、博物館にすべし」とまで載っていた。

 日本でもこのニュース、結構、取り上げていたるしい。私も、写真撮りに行ったし、ビートルズのWalkingTourにも参加したしで、気になっていた。

 今朝のファイナンシャル・タイムス紙には続報が・・・。信頼すべき筋の情報として、「ことの反響の大きさを鑑み、EMIは売却案を白紙に戻した」とのこと。ちょっと、安心・・・・。

 ※冒頭の写真は有名なビートルズのアルバム"Abbey Road"のジャケット写真。丁度、AbbeyRoad入り口の横断歩道での写真で、写真向かって左側に彼らがアルバムを録音したAbbey Road Studioがある。丁度、白い車の前。

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WNO "The Abduction from the Seraglio"

2010-02-23 06:54:25 | オペラ、バレエ (in 欧州)
 夜はミレニアム・センターへWelish national Operaを見に行きました。演目は、モーツアルトの『後宮からの逃走』です。

 会場のミレニアムセンターは2004年オープンですので、今年6年目。ウエールズが世界に誇る最新の設備の近代的劇場です。外観のデザインも個性に溢れてますし、劇場内もとても美しく、かつ音響も素晴らしいです。




 公演はタイトルは英語ですが、舞台は原語(ドイツ語)によるものでした。歌手陣に横綱、大関クラスは居ないけども、見ごたえのある舞台でした。先週のフィナンシャルタイムズ紙やタイムズ紙の批評では、2つ星(5点中)でボロクソに書かれていたので、恐る恐る出かけたのですが、決してそんなメタクソに言われるような舞台ではなかったです。

 特に女性の2人(Lisette Oropesa、Claire Ormshaw)の歌唱はなかなかでした。男はWynne Evansを除いては、少しパワー不足だなあとは思いましたが、そんなに気にならない程度です。むしろ、Robin Tritschlerの誠実な役作りやPetros Magoulasのコミカルな演技はとっても良かったと思います。


 舞台をオリエント急行の中の設定にする演出。初めてみるオペラなので、比較ができないので何と言えませんが、自分としては十分楽しめました。

 相変わらず、モーツアルトの音楽は素晴らしいです。独唱のアリアがふんだんにあり、重唱も多く散りばめてあり、美しい。オーケストラも特に目立ったところはありませんでしたが、美しい音楽を作り上げていました。


 今回びっくりしたのは、その値段設定。今日はせっかくの旅行先でのオペラ鑑賞といくことで、最高の席を購入。ただ、それが何と36ポンド!!!!ロイヤルオペラハウスで同等の席(殆ど座ったことはないですが・・・)と比べたら、電車賃とホテル代を足しててもWNOを聴いたほうが安いぐらいです!一体、オペラの値段って、どうやって決まるんだろうか。

 良い意味で期待を裏切られ、満足な気持ち一杯でホールを後にしました。

Mozart "The Abduction from the Seraglio"
20 Feburary 2010, 19:15
Wales Millennium Centre

Conductor Rinaldo Alessandrini
Director James Robinson
Set and Costume Designer Allen Moyer
Costume Designer Anna R. Oliver
Lighting Designer Paul Palazzo

Robin Tritschler (Belmonte)
Petros Magoulas (Osmin)
Lisette Oropesa (Constanze)
Wynne Evans (Pedrillo)
Claire Ormshaw (Blonde)
Simon Thorpe (Pasha Selim)

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カーディフ 初日の写真

2010-02-22 06:41:56 | 旅行 イギリス
 夕方、ロンドンに戻ってきました。今回は、素朴なウエールズのおかげで、とってものんびりできた旅で良かったです。気分転換になりました。ロンドンに帰っての印象は、「ロンドンって何でこんなに人が多いんだ!」。こんな自分は東京に戻れるのだろうか?

 とりあえず、昨日撮った写真をいくつかご紹介します。

 ロンドン(パディントン)~カーディフの車窓から。一枚目はイングランドの田園風景、二枚目はバースの街並みです。
 

 カーディフ到着。2ヶ国語表記です。
 

 上がウエールズ語、下が英語。


 同僚に紹介してもらったパブ。カーディフ城のすぐ前にあります。
 



 Brainsはカーディフの地ビール。美味しいエールです。フィッシュ&チップスもグーでした。
  

 カーディフ城。
 



 時計塔です。装飾がとても美しい。
 

 広間。


 続いて、カーディフ国立美術館へ。


 ミレイの"Jephthah"


 小雨が降ったり、とても変化の激しい天気でしたが、のんびりの一日でした。

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ウエールズ カーディフ

2010-02-21 08:40:22 | 旅行 イギリス
初めてウエールズの地に足を踏み入れた。ウエールズの首都カーディフまでは、ロンドンから電車で2時間20分程だから、あまり遠くに来た感じはしない。列車は快適、途中イングランドの田園風景の中や、バースを通って、いつの間にかついてしまった感じ。駅に着くと、英語とウエールズ語が併記されていあるので、少し異国情緒があるが、基本的にはやはりイギリスはイギリス。

ホテルに荷物を置いて、早速昼飯。イギリスの旅行は食い物が代わり映えしないのが、最大の難点。今回も、ウエールズ出身の同僚に「週末にカーディフに行くから、おいしいウエールズ料理を教えてくれ」と聞いたら、「ウエールズはフィッシュ&チップスがうまいぞ」という返事が返ってきた。「ありがとう」といいつつ、心の中では(そんなこと聞いているんじゃないんだけどな~)。そうは言っても、せっかく薦めてくれたので、ご推薦のパブに出かけて、フィッシュ&チップスを食す。確かに、衣がカリカリで美味しかった。

空腹にビールを飲んだので多少酔いが回りながらもカーディフのランドマークであるカーディフ城を訪れる。敷地の大きさはロンドン塔より一回り小さいぐらいで、なお敷地内も至って簡素。のんびりとした古城の雰囲気が漂っている。

その後、カーディフ国立博物館へ行き、2階の絵画部門を少し鑑賞。16世紀以降のイタリア、オランダ、イギリス、フランスの絵画が、量はそれ程ではないにしても、バランスよく展示されていた。イギリスに来て好きになったラファエロ前派の絵も何枚かあったので、うれしかった。

カーディフの街自体は、それほど際立った特徴があるわけではないように感じられた。ショッピングモールやデパートがあり、たくさんの人で賑わってはいたものの、入っているお店自体はロンドンにある店が多いので、あまり感動はない。街を歩いてい思ったのは、ロンドンに多い中東人やインド系の人があまり居ない。ウエールズはケルト人の国というものの、私にはケルト人もアングロサクソンも見ただけでは区別がつかないから、要は白人比率がやたら高い街という印象。もう一つは、ラグビーのポスターが結構目立った。今、6カ国対抗ラグビー戦の最中からかもしれないが、サッカーよりも明らかにラグビーのポスターのほうが多いように見受けられる。

ホテルに戻って、夜の出撃に備え、昼寝。

(明日、ロンドンに戻ったら、写真をつけます)


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欧州人のワーク・カルチャー もろもろ

2010-02-20 07:36:51 | ロンドン日記 (日常)
 今の会社のカルチャーなのか、欧州人のカルチャーなのかわかりませんが、欧州で欧州人と働くと、当然、日本とは違った現象が見られます。

 その一つ、「ボスについてのコメント」。

 日本人サラリーマンにとって、呑み屋やタバコ部屋で自分達の上司について同僚と語りあう(尊敬の念であったり、愚痴であったりいろいろですが・・・)のは、誰でも経験があることだと思うのですが、こちらのサラリーマン(ビジネスマン?)は、ボスについての会話(特に、愚痴)というのはあまり聞かれません。そして、それは、役職が上がれば上がるほど、その傾向は強くなるような気がします。

 パブで飲んでいるときでも、食事の機会だったりしても、滅多に聞けません。本音はいろいろ言いたいことがあるだろうと思って、たまに「貴方のボスMr.XXXどうよ?」と水を向けても、返ってくるのは、いつも、あたりさわりの無い回答だけで、ちっとも会話が進みません。

 こっちが日本人だから警戒されているのかなあと思ったりするのですが、どうもそうでも無さそうです。ある人によると、「終身雇用が原則の日本企業と違い、こちらでは上司が自分の生殺与奪の権力(雇用)を握っている。気軽な上司についてのコメントが本人の耳に入って、嫌われでもしたら、生活にかかわるから、こっちの人は上司については決してコメントしない。」とのことです。

 本音と建前を使い分け、くだけた場所では本音トーク・・・というのが日本人のスタイルだと思うのですが、欧州人は、建前は建前で貫きとおすということなのでしょうか。無意識に「本音」にこだわる私(日本人)は、本音の共有でお互いの距離を縮めるという意識があるような気がするのですが、自分を無防備にさらけ出す脇の甘さの表れか、「本音」をわかり合いたいという精神的な幼さの表れなのか、西洋人の態度を見ていると、かえって自分のことが気になります。

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シェクスピア 『十二夜』

2010-02-19 07:51:18 | 
 先日、出かけた「十二夜」の予習として読みました。小田島雄志さんの訳です。物語の展開の面白さ、リズム感の良さは抜群です。


 ただ、今回の私的な未体験ゾーンは、その後、原書を図書館で借りて読んだこと。小田島さんの日本語訳の面白さに感心していて、これは原書では何んと書いてあるのだろうと関心を持ったのがきっかけです。 (正直、今回読んだのが、どこまで当時のオリジナルなのか、それとも英語の現代語訳なのかはわかりません。ただ、見たことのない、単語も沢山あったので、きっと当時のものかと推定)


 そしたら、超~びっくりの発見が二つ。

 まず、最初。全然、原文にはない、台詞が入っているではありませんか!!!!!

例えば、
第1幕第3場冒頭
小田島訳:
マライヤ 「それより、ねえ、サー・トービー、毎晩もっと早くお帰りにならなけれは。あなたの姪のお嬢様も、あんまり遅いんでご機嫌が悪いわよ」
トービー 「こっちはキリスト紀元以来のいい機嫌なんだ、いい加減にしろといいたいな」

原書:
Maria "By my troth, Sir Toby, you must come in earlier o’nights: your cousin, my lady, takes great exceptions to your ill hours.”
Sir Toby “Why, let her except before excepted”

 どこに「こっちはキリスト紀元以来のいい機嫌なんだ」という文があるのだろうか?でも、この訳はとってもおもしろいです。

 こういうことが、いろんなところに散見されます。これは、訳なのだろうか?とまで思ってしまうところもあります。

 ただ、双方とも、言葉の持つリズム、言葉遊びの面白さ(英語のほうはどこまで分かっているか不明ですが・・・)は、共通です。英文学を少しでもかじったことのある人には常識なのかもしれませんが、きっと小田島さんの訳は、原文には無い台詞を作ってまでも、この脚本の持つリズムや面白さを大切にしたのだと思います。

 今回の2つ目の発見は、日本語訳は話は良く分かるし、面白いですのが、やっぱり原語の持つリズムというのは、独特のものがあるということ。

 正直、今回は流し読みです。見たこともない単語もあるし、単語は全部わかっても意味の分からん台詞もたくさんあるしで、とても胸張って、原書を読みましたといえる代物ではありません。ただ、そんな読み方でも、語感やリズム感というのは感じられるものという、面白さでした。やっぱりイタリアオペラは英語ではなくて、イタリア語で聞かないと駄目というのと同じかもしれません。きっと、翻訳というのは、もちろんそれにより、大いに我々は恩恵に預かっているにしても、一定の制約が課せられているのだということを、実感しました。

例えば、第1幕第一場の冒頭
DUKE “If music be the food of love, play on,
Give me excess of it; that, surfeiting,
The appetite may sicken, and so die.
That strain again – it had a dying fall.
……..”

侯爵 「音楽が恋の糧であるなら、つづけてくれ
食傷するまで聞けば、さすがの恋も飽きがきて、
その食欲も病みおとろえ、やがては消えるかもしれぬ。
・・・」

素晴らしい和訳だと思います。でも、やっぱり原文とは、ちょっと違う。
そんな違いを少し感じ取れたのが、驚きとともにちょっと嬉しかったです。

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LPO  ユロフスキ指揮/プロコフィエフ『ロメオとジュリエット』より抜粋 他

2010-02-18 08:48:34 | コンサート (in 欧州)

 寝不足で集中力を欠く。1曲目は約半分、3曲目もかなりウトウト。聴いたことにはならないぐらい。

 完全に聴いたのは2曲目のピアノ協奏曲第1番だけ。頭髪無しの、太ったおやじさんのピアニストで、どんな音楽を弾くのかとおもったら、繊細なタッチの素晴らしいピアノだった。ただプロコのピアノ曲は初めてで、私には難しく、理解不能。双眼鏡でToradzeのピアノテクニックに集中。16分程度の短い曲だった。

 最後の『ロメオとジュリエット』は演奏は良かった。60分は長く集中力続かず仕舞。席も12ポンド席でステージからかなり遠かったので、音楽に没入できず、残念。すべて私が悪い。

Royal Festival Hall

London Philharmonic Orchestra
Resident at Southbank Centre
Wednesday 17 February 2010

Peter Ilyich Tchaikovsky: Fantasy Overture, Romeo & Juliet (vers. standard, 1880)
Sergey Prokofiev: Piano Concerto No.1
Interval
Sergey Prokofiev: Romeo and Juliet, Op.64 - excerpts

Vladimir Jurowski conductor
Alexander Toradze piano



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小池良次 『クラウド』 (インプレスR&D)

2010-02-18 08:05:54 | 
 日本からの出張者の方に置き土産で頂き、読みました。

 タイトルは「クラウド」になってますが、コンピューティングに限らず、通信、ソフトウエアまで幅広くICT (Imformation Communication Technology)に目配りをして、現状と将来について解説してくれている本です。

 長年米国に滞在し、現地のIT事情についてレポートを発信してきた筆者ならではの、情報量、分析の切り口だと思います。ジャーナリスチックな文章も、現地の事情がビビッドに伝わってきます。

 今はやりの「クラウド」についての理解が深まりますが、それよりも、やはり今のトレンドは、グーグルが引っ張っているということが良くわかります。

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London レストラン Fish Works

2010-02-17 08:50:01 | レストラン・パブ (in 欧州)
 初めて出かけたシーフード・レストラン。

 アピタイザーで食べた牡蠣がとっても美味しかった。北海道、松島、広島に比べたら落ちるかもしれませんが・・・。雰囲気もなかなかです。

 メインは鱸(SeaBass)のバーベキュー。これも、美味しかったです。

 値段もそこそこ(例えば、牡蠣の半ダースが9ポンド)で、コストパフォーマンスがとっても良いレストランでした。それにしても、牡蠣と白ワインって、なんでこんなに美味しいんだろう。

 場所はピカデリーサーカスから歩いて2分です。

 ※お店のHPはこちらです。
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RSC "Twelfth Night"

2010-02-16 07:00:35 | ミュージカル、演劇 (in 欧州)
 週末に、ロイヤル・シェークスピア・カンパニーの『十二夜』をDukeOf York劇場へ見に行きました。

 シェクスピア劇は昨夏の『から騒ぎ』以来でしたが、今回はかなり結構、事前に準備。日本語訳を読んで、英語版も図書館で脚本を借りて流し読みしました。更に、当日はその英語版を持参して、字幕代わりに、見ながら鑑賞。そのお陰で筋はついていくことができました。

 ただ、とても台詞を聞いて、イギリス人と一緒に笑うまでには至りません。オペラやミュージカルは多少、細かいセリフまでは分からなくても、音楽が楽しめますが、演劇は音楽は殆どないので、台詞が分からないと、楽しみが半減してしまうのが難点です。

 舞台はとても良かったです。俳優はヴィオラ役のNANCY CARROLL、トービー役のRICHARD MCCABE、マルヴァーリオ役のRICHARD WILSONが存在感抜群で、光っていました。演出もお香を使って聴衆の嗅覚にも訴えるなど、南国イリリアの雰囲気を良く出していたと思います。言葉の意味は半分しか分からなくても、十分楽しめました。(以下の3つの写真はHPより)
  

 DukeOfYork劇場は、今までの訪れた劇場の中では一番こぢんまりとしていました。舞台が直ぐ届きそうなところにあるので、アットホームで、俳優と観衆の一体感が感じられる劇場です。

 シェイクスピア劇を「本なしで舞台だけに集中して、笑えるようになりたい」。そんな壮大なWishがあります。





 2010年2月13日 Duke of York劇場にて

Cast list

IAN ABEYSEKERA - Officer
SAM ALEXANDER - Sebastian
NANCY CARROLL - Viola
LAURENCE DOBIESZ - Valentine
JAMES FLEET - Sir Andrew Aguecheek
ALAN FRANCIS - Sea Captain
ALEXANDRA GILBREATH - Olivia
TONY JAYAWARDENA - Fabian
RICHARD MCCABE - Sir Toby Belch
SIMEON MOORE - Antonio
PAMELA NOMVETE - Maria
DEMI OYEDIRAN - Lady
PRASANNA PUWANARAJAH - Priest
JO STONE-FEWINGS - Orsino
ASHLEY TAYLOR-RHYS - Curio
MAYA WASOWICZ - Lady
RICHARD WILSON - Malvolio
MILTOS YEROLEMOU - Feste


Creative team
DIRECTOR Gregory Doran
DESIGNER Robert Jones
LIGHTING Tim Mitchell
MUSIC Paul Englishby
SOUND Martin Slavin
コメント (2)
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