その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

日本最大のビア・ガーデン 驚愕の大通り公園ビール祭り!(2019年夏・北海道旅行(6))

2019-08-30 07:30:00 | 旅行 日本

きっと有名な札幌、夏の風物詩に違いないのだろうけど、私は全然予備知識なし。行ってたまげました。

日比谷公園でのオクトーバーフェストとか東京で開催されるビール祭りは何度か訪れたけど、これほど大規模で楽しいビール祭りは初めてです。大通公園の1キロほどが巨大ビヤガーデンと化していて、国産ビール会社4社とドイツビール、そして世界のビールが各ブロックを占有し、各社ごとのエリアデザインなどしのぎを削って盛り上げています。


<サッポロのテント>


<キリンのビアサーバー 凄い!>


<アサヒはドライのイメージで銀色にテントを統一>


<サントリーはプレモル・ブランドを前面に打ち出してます>

海外ビールのエリアも気になるところですが、やっぱり札幌に来たからにはSAPPOROでしょうということで、私はSAPPOROのテントに陣取り酔っ払い三昧の楽しい時間を過ごしました。若者のビール離れとか言われますが、ここに居る限り全くそんなことは感じず、大きなビアサーバーを囲んで、わいわい楽しそう。生バンド等のアトラクションはありませんが、この場でビールを飲むこと自体が最高の悦びという雰囲気に満ち溢れてました。ビール好きの私には至福の時間でした。


<野球場にみたいにお姉さんが注文を取ってくれるのですが、この人は注文を取って代金受け取る係。ビールは違うお兄さんが持って来てくれます>

このイベント1957年に始まったとのこと。7月下旬から8月中旬まで約1か月間開催しているのですが、1カ月近くも毎日このお祭り騒ぎが続いているのかと思うとそれも凄い。数年前、冬に札幌出張した時には、すすきのとかも以前と比べて随分寂しくなったなあと感じたのですが、今回の2日間のビール祭りを見る限りは北海道経済、絶好調に見えました。

夏の札幌ではMUST GOなイベントです。

2019年8月11日


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ウイスキー愛飲家の聖地 ニッカウヰスキー余市蒸留所を訪れる(2019年夏 北海道旅行(5))

2019-08-28 07:30:00 | 旅行 日本

4日目には、今回の北海道旅行の目的の一つ、余市のニッカウヰスキー蒸留所を訪ねました。札幌から小樽で乗り換えて計1時間余りで着きますが、小樽~余市間は列車が極端に少なくなり1時間に1本あるか無いかですから、接続よく選ばないと1時間半以上かかってしまうので注意です。一方でこの区間は海沿いを走るところがあったり、農村地域を走る単線で、とっても昔懐かしい列車体験ができます。


<先頭車両から>

蒸留所は余市駅前。事前申し込んでおいたガイドツアーで1時間ほど敷地内の設備をご案内頂きました(ツアーに参加せずとも、自由に見学できるようになっていて、その場合も無料テイスティングを体験できます)。緑あふれる敷地と点在する赤色の屋根を抱えた戦前の建物のマッチングはまるでスコットランドの蒸留所を訪ねているようです。今でも使われているという石炭で火をたてるポットスチル(蒸留釜)の施設など、生きた産業遺構と言っても良いでしょう。


<イギリスの城門のような入口>


<石炭を使うポットスチル(蒸留釜)> 


〈この辺りは創業当時のままだそうです>

製造過程だけでなく、ニッカウヰスキーの過去のポスター等も展示があり、ロッド・スチュアートやオーソンウエルズなどの懐かしいCMヒーローたちと再会。私は見ていませんでしたが、数年前のNHK朝の連続テレビドラマ「まっさん」関連か、創業者の竹鶴政孝と夫人リタ関連の展示も多くありました。

 

〈こんな雰囲気を出したいものだ> 

積丹の山々を眺めながらの、3種類のテイスティングも旨い!これだけでは物足りない人は、有料ですが、バーも敷地内に設置されています。


<3種類のウイスキーの試飲> 


<試飲コーナーは角がおすすめ>


<有料のバー。ここでしか飲めないウイスキーもあります>


<観光客でとっても賑わってます>

時間の関係で余市の街歩きはできませんでしたが、宇宙飛行士毛利さんの出身地として宇宙博物館やニシン漁で栄えた市場の名残など見どころがあるようです。

札幌から足を延ばす価値が十分にあり、お勧めです。


<帰りの列車>

2019年8月11日


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素晴らしい北大キャンパス! (2019年夏・北海道旅行(4))

2019-08-25 07:30:00 | 旅行 日本

 4日目にしてようやく曇り時々晴れの天気に。3日間、ドライブとか美術館とかで運動らしい運動をしてないので、心身にストレスが溜まっていたのですが、やっと朝のランニングに。目的地は北海道大学キャンパス。札幌には仕事で5,6回訪れてますが、プライベート目的での訪問は初めてなので北大も初めてです。


<北大正門>

 木々と芝生の緑あふれる広大な敷地の中に歴史的建物が広い配置され、夏休みで学生の姿こそないもののアカデミックな雰囲気が漂うキャンパスに大感動。先月、完全整備されたディズニーランドのようなスタンフォード大学キャンパスをランニングしましたが、雰囲気の魅力はスタンフォードに決して劣らないですね。


<クラーク博士の胸像>


<キャンパス内でキャンプしているサイクリストたち>


<札幌農学校がオリジンだけにキャンパス牧場もあります>

 有名なポプラ並木や牧場なども見学。気温も20度前後で走るのには最適の天候で、まだ6時台の時間帯ですが、キャンパスにはランナーたちが思い思いに走っています。


<ポプラ並木 (その1)>


<ポプラ並木(その2)>

 翌日もお昼時に散歩で訪れましたが、観光客や市民で溢れたキャンパスは朝とは別世界で、まるでスーラの『グランド・ジャット島の日曜日の午後』 を観ているかのようでした。高校生の時に、訪れていたら、間違いなく受験していたでしょうね。


〈キャンパスに小川が流れる大学って日本にはそうはないでしょうね>


<大学生協でアイスクリーム>

2019年8月11、12日

 


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雨の富良野・美瑛の過ごし方は???(2019年夏・北海道旅行(3))

2019-08-22 07:30:00 | 旅行 日本

 旅行2日目午後・3日目は、富良野・美瑛で、のろっこ号なる観光列車に乗って富良野~美瑛の風景を楽しんだり、電動自転車借りて美瑛の丘を縦横無尽に制覇するつもりだったのですが、一向にやまない雨のため断念。雨の中、富良野・美瑛でどう過ごそうか、グーグル先生に聞いたり、自分なりに考えた挙句の末はこんな感じでした。

0)雨の中の朝ランニング(おススメできず)
 まだ北海道に来て走れてないので、多少の雨ならと思い、小雨が降る中、富良野を早朝ランニング。富良野と言えばファーム富田。朝7時前の誰もいないファーム富田を独り占めするのはそれなりに快感ですが、途中雨がひどくなってずぶ濡れ。気温も14℃ぐらいなので寒い、寒い。


<自分以外、ホントに誰もいない>


<雨でレンズも曇ってきた>

1)後藤純男美術館(おススメ)
 後藤純男画伯自身がアトリエを立てた富良野の地に1997年に開館した美術館です。後藤画伯の絵はどこかで見た記憶はありますが、まとめて鑑賞するのは初めて。繊細に日本の伝統的な美を引き出す画は、私が若い時なら退屈だったかもしれませんが、だんだんこうした絵の良さも分かるようになってきました。成長したのか、単に精神的に老けたのか???


<リゾートのなんちゃって美術館ではありません。本格的な日本画個人美術館です>


<「行く春大和」2002年>

2)ホテル・温泉でまったり(おススメ)
富良野で滞在したホテル(富良野SPA &Resortラテール)は、従業員の方も対応が丁寧かつすこぶる快適な宿で、3日目午前中は温泉に浸かったり、部屋で読書などしながら過ごしました。天候のため半分ほどしか見えませんが、十勝岳に面し広々とした部屋の窓からの風景も素晴らしいです。ゆっくりリラックスできてよかった。ちなみに、ここの温泉は、日帰り温泉施設も兼ねているので、宿泊者以外でも利用できます。宿泊者以外も利用できるので、芋洗い温泉だったり、騒がしいのではないかと恐れていたところもあったのですが、全然そんなことはありませんでした。(もちろん、車でちょっと行けば白金温泉とか十勝岳温泉とかさらに本格的な温泉もあります)


<部屋から十勝岳を望む>

3)雨を気にせず、美瑛をドライブ
 やはり折角美瑛まで来たのだからということで、定番スポットをドライブ。時折、雨もお休みになり、曇り空ではあるものの、いかにも美瑛という風景を多少なりとも楽しむことができました。


<美瑛 三愛の丘>



風景写真家・前田真三氏の写真ギャラリー>


〈名前はないが印象的な木〉


<防風林?>


<美馬牛小学校>


<青い池:ここだけ沢山の観光客がいました>

4)旭川に行く
 結局、3日目は富良野・美瑛は半日で切り上げ、旭川に向かいました。ご当地旭川ラーメンを食し、地元の旭川市立博物館でアイヌ民族の歴史などをお勉強。北海道から樺太に渡ったアイヌ民族が13-14世紀にはモンゴル(元)と戦っていたなんて初めて知り新鮮でした。


<お昼時はとっくに過ぎているのに30分待ち>


<らーめんや天金の旭川ラーメンは、待った甲斐あってとっても美味でした>

 
<古代アイヌ民族の暮らし @旭川市立博物館>


<旭川の縄文後期の土器>

夕方の特急「カムイ」(名前が格好いい!)で札幌に向かいました。「自然」を楽しむはずの旅行前半戦は、雨で不完全燃焼に終わりましたが、そのおかげで想定外の発見・出会いもありました。やはり旅は楽しいものです。


〈特急カムイは旭川~札幌を1時間25分で結びます>

2019年8月9‐10日


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羊牧場に泊まる! @新得町(2019年夏・北海道旅行(2))

2019-08-20 07:30:00 | 旅行 日本

初日の宿は新得町の羊牧場、ヨークシャ・ファーム。北海道ならではの牧場体験や星空を堪能したいとの思いでした。が、それも生憎の雨で断念。それでも雨が小降りになったところを縫って、宿泊所裏にある羊牧場を散策しました(宿で長靴を貸してくれます)。

羊を目の前にするのは随分久しぶりです。羊たちののんびりと草を食べる姿を眺めていると、なんか我々のせわしない日々が馬鹿らしくなってきます。何枚か写真撮ったけど、羊の写真って全部同じなんですよね。


<平和だね~>

 


<牧羊犬 ボーダーコリー。怖いけど賢そう>

宿は家族経営で部屋数もそう多くないので、アットホームな雰囲気が素敵です。夕食のメインは自牧場の羊。ラム(1歳未満)とマトン(2歳以上)の間のホゲットという羊です。羊肉というと匂いとかが気になる人もいるようですが、臭みなど全くなく柔らかいお肉は実に美味でした。


<柔らかくて美味しいです>

翌朝は普段なら朝ランニングなのですが、ざーざー降りの雨で断念。朝食後に牧場や近くのフットパス(footpath)を少し歩きました。サホロ川沿いに旧狩勝線の廃線跡が残っていたり、(きっと)蕎麦畑に白い花が咲き乱れるなど、雨ながらも楽しめました。(旧狩勝線後を歩いて、トンネルや石造アーチ橋等の近代化遺構を巡るウオークツアーとかもあるようですが、さすがにこの雨では無理。)

 


<雨でサホロ川も泥水に>


旧狩勝線の廃線跡です>


<蕎麦の花?のはず>

時間ギリギリまで宿に滞在し、次の目的地の富良野へ。ここはまた是非来てみたいです。


〈部屋からボーダーコリーが羊を追い込んで別の草地に移動させるところも見えました>

 
<ダイニングルームからも羊>

 この宿、ファミリー、パートナー、友達同士にもお勧めできます。

 2019年8月8-9日


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お菓子だけじゃない 六花亭凄い!:中札内美術村(2019年夏・北海道旅行 (1))

2019-08-18 09:51:31 | 旅行 日本

今年の夏は3年ぶりに北海道を訪問しました。旅行テーマを「十勝・富良野の自然」「札幌のカラバッジョ展」「余市のウイスキー蒸留所」と自然・美術・酒に設定し、帯広Inの札幌Outで4泊の旅程です。あいにく、3年前と同様、前半から中盤は殆ど雨という残念な天候でしたが、雨なりに中身の濃い旅となりました。

最初の2日間は、十勝の自然を満喫すべく庭園や公園でゆっくりするつもりだったのですが、初日は帯広空港で車を借りたところで既に雨。そのため予定を一部変更したのですが、逆に想定外に素晴らしいところに出合えました。北海道土産で有名なバタークッキーのメーカー六花亭が運営する中札内美術村です。

ここには森の中に7つの建物が散在していて、レストラン棟を除いて6つの建物が夫々のテーマを持ったミニ美術館になっています。建物自体が洋館だったり、古民家だったり、昔のお蔵だったりとても個性的です。そして、いくつかの建物からは外の森の緑が入る設計になっていて、自然の中で色んな絵画が楽しめます。私は6つのうち、「ギャラリー柏林」、「小泉淳作美術館」、「真野正美小館」、「真野正美作品館」4つのギャラリーを訪問。


<林の中にこんな蔵のギャラリーが>


<これもギャラリーです>

どれも良かったのですが、特に、日本画家小泉淳作画伯の作品を集めた小泉淳作美術館は圧巻でした。絵を見るまで気が付かなかったのですが、この方、京都の建仁寺天井画「双龍図」を描いた方でした。15年ほど前に建仁寺を訪れた際に、その天井画の迫力に足が竦んだのですが、その小下絵が展示されていて、私的には狂喜。世の評価を得るのに時間がかかったようですが、若き日はピカソのようなキュビズム風の絵を描き、その後も大きく画風が変わっていきます。細部まで魂の籠った絵は、中に吸い込まれるような力を持っています。


<小泉淳作美術館前。写真に雨が写るほどの雨>


<入口を入るとこんな感じ。我々以外の訪問者は0。絵を管理監督している人もいません!>


建仁寺天井画「双龍図」小下絵。本物の迫力には到底及びませんが、そのすごさは感じ取れます>


奈良・東大寺に奉納された蓮の襖絵レプリカ


〈新雪の鳥海山〉

この他も、「真野正美小館」同「作品館」では、北海道の人々の生活や街・村を描いた作品が楽しめ、また「ギャラリー柏」では中札内村が企画する「北の大地ビエンナーレ受賞作家展」が開催され、現代画家たちの様々な絵を鑑賞できます。


真野正美氏の作品:暖かいほのぼのとした絵です


「北の大地ビエンナーレ受賞作家展」@ギャラリー柏>

加えて、更に特筆ものは美術村庭園。いわゆるイングリッシュガーデンなのですが、整備が行き届き、夏の草花が咲き乱れるイングリッシュガーデンは、自分が日本にいることを完全に忘れ、イングランドのマナーハウスの庭園にでもいるような錯覚に陥ります。雨であったのは残念ですが、雨でもいつまでも居たいと思わせてくれるような美しい庭です。美術に興味が無くともこの庭園だけでも訪れる価値は十分。


<なかなかガーデンの全体的な写真は難しいのですが、雰囲気だけでも>


<ラベンダー>

凄いのは、これらの美術・庭園鑑賞は全て無料!日本に美術館多しと言えども、これほど落ち着いて、ゆっくり自分のペースで、緑あふれる林の中という鑑賞環境は数少ないかと思います。これを運営している六花亭。土産菓子屋さん程度の認識しかもっていなかった自分の不明を大いに恥じました。

中札内美術村を出た後は、近くにある「六花の森」にも立ち寄りました。ここも六花亭が運営するギャラリー付きのガーデンですが、こちらはギャラリーよりも森の方に重点が置かれています(ここは有料)。ここでもギャラリーに立ち寄りつつ、傘をさして森の中を散策。散策後は、イギリスのミュージアムCaféのようなCaféでコーヒーとお菓子を頂き、ゆっくりとした時間を楽しみました。


<靄が立ち込める池と林>


<園内を川が流れます>


<六花亭の包装紙の柄がそのまま作品>


<Cafe>

生憎の雨を吹き飛ばしてくれる初日でした。

 

付録≫

帯広空港から最初に立ち寄った幸福駅跡。


201988


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行けて良かった! ダ・ヴィンチ音楽祭 in 川口 vol.1 オペラ「オルフェオ物語」

2019-08-16 07:40:28 | 演奏会・オペラ・バレエ・演劇(2012.8~)

 一度聴きたいと思っていたモンテヴェルディのオペラ「オルフェオ」、そのチケットを購入したつもりだった。公演前日になってHPをチェックしたら、モンテヴェルディの文字がどこにもない。代わりに、レオナルド・ダ・ヴィンチがプロデュースという良く分からない表記。濱田芳通さんなる音楽家・指揮者も、アントネッロという楽団も失礼ながら全くの初耳。これは、我ながら大チョンボやらかしたなあと思いつつも、せっかく購入したチケットでもあり、埼玉県川口市まで出かけました。

到着すると、まずは川口市の総合文化会館の音楽ホールがあまりにも立派なのでびっくり。収容は500+αほどでしょうか。中規模ながらも木の壁で囲まれ、ステージ奥には立派なパイプオルガンも設置されています。

そして、公演は冒頭から終わりまで目が離せない素晴らしいものでした。まず企画がユニークです。楽譜が残ってないのと、もともと当時、音楽は即興的に演奏されていたという事情なので、「オペラ」の完全な復元は困難なわけです。なので、音楽監督の濱田氏は「ポリティアーノの台本をベースにしたものに従って、ダ・ヴィンチの生きた時代と重なるレパートリーに、替え歌としてテキストを当てはめながら構成」(プログラム「演奏ノート」)します。正直、素人の私にはその作業の困難さや信頼性の判断は全くできませんが、想像するに相当大変な努力であることは容易に分かるし、そうした試み自体がチャレンジングで素晴らしいと思います。

演奏は、古楽器を使っているのですが、奏でられる音楽は不思議なほど全く古さを感じず瑞々しいです。これらがルネッサンス期の音楽とは信じられない活力ある新鮮な音楽に聴こえました。一方で、アントネッロによる古楽器から発せられる音は何とも平和で心休まる響き。音楽に浸るという感覚とはこういうことなのだろうと感じました。

歌手陣の歌唱も素晴らしかったです。大きくも小さすぎもしないホールが、自然な歌唱を引き出しているのか、どの歌手の歌もホールの隅々にまだ染みとおる美しい声を聴かせてくれました。個人的に特に感銘を受けたのは、前半の半ばで歌われた妖精ドリアスたちの重唱。清らかで、透明感あふれる歌声は天上のもののようでした。

舞台は、管弦楽の皆さんと歌手が混在する中で、中央に小さな岩山が置かれて、その開閉で現世と冥界が区別されます。ステージ奥のパイプオルガンをバックにした照明の使い方も効果的で、演奏と歌と物語を魅せるのに徹した良い演出だと感じました。

終演後の拍手も実に大きく、暖かいもので、聴衆みなの感想、思いが込められたものでした。

この演奏会は、お盆の時期を4日間通して、ダ・ヴィンチの生誕500年を記念しての様々な公演が用意されている一部です。もっときちっと調べていれば、他の演奏会や講演も聞きに来たのに、私の情報収集の甘さを後悔と渋々でかけた自分に反省。というよりも、勘違いで偶然購入したにも関わらず、素晴らしい演奏会に出合えた自分の幸運に感謝でした。

ダ・ヴィンチ音楽祭 in 川口 vol.1 オペラ「オルフェオ物語」
本邦初演原語上演(字幕付)
2019/8/14(水)18:30 (開場:17:45
川口総合文化センター・リリア
プロデュース レオナルド・ダ・ヴィンチ&アントネッロ
台本:アンジェロ・ボリツィアーノ
指揮:濱田芳通 
演出:中村敬一 
管弦楽:アントネッロ

オルフェオ:坂下忠弘
アリステオ:上杉清仁 
ティルシ:中嶋克彦
ブルート:彌勒忠史 
エウリディーチェ:阿部雅子
プロゼルビナ:中山美紀 
スラブ系羊飼い:赤地カレン
ニンファ:乙顔有希 
バッカスの巫女:細岡ゆき

〈休憩中〉

<開演前のホール近くから撮った夕空>

コメント (2)
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過去と現在を結ぶユニークな企画:特別展〈三国志〉 @東京国立博物館

2019-08-13 10:03:12 | 美術展(2012.8~)


関羽像 明時代・15~16世紀 新郷市博物館蔵

東京国立博物館で開催中の「三国志展」に行ってきた。

「リアル三国志」というサブタイトルが示す通り、物語としての「三国志」を、三国時代のリアルな歴史文物で追いかけるという企画である。展示には横山光輝の漫画「三国志」の切り取りやNHK人形劇の「三国志」の人形展示、(私には良く分からないが)ゲームの三国志?からのキャラクター引用もあったりして、現代日本人にとっての三国志と歴史としての三国時代を結ぶ、とても工夫が感じられる特別展だ。

私にとっての「三国志」は中学生時代に読み込んだ吉川英治の『三国志』。物語を夢中で追いかけると同時に、英雄たちの栄枯盛衰、人間の器、天命といったものについて考えさせられた。私の愛読書の筆頭で、何度も読み返し、大物から小物に至るまで様々な人間の考えや行動が織りなすドラマを通じて、人間観や人としての徳や知恵を自然と学び影響を受けた。最近はなかなか再読することはないが、昔の記憶を追いながら、興味深く一つ一つの展示を追った。

展示物には中国の一級文物指定を受けているものも多く、物語とよりも中国古代史に興味がある人にも十分な期待に応える内容になっている個人的に特に興味を引いたのは、日本で出土する三角縁神獣鏡との類似性がある方格規矩鳥文鏡。日本の古代史における中国との関連は興味深い。

 
後漢~三国時代(魏)・2~3世紀
1955年、遼寧省遼陽市三道壕1号壁画墓出土
遼寧省博物館蔵


また、歴史文物もさることながら、NHK人形劇三国志の人形が展示してあったのも、同番組を毎週欠かさず視聴していた私にはとっても懐かしかった。

   

会場は老若男女が幅広く訪れていて、普段の東博の特別展とは違った雰囲気が漂っていた。写真も撮り放題というのもファン心をくすぐる。

三国志ファンはMust See。


《構成》
プロローグ 伝説のなかの三国志
第一章 曹操・劉備・孫権―英傑たちのルーツ
第二章 漢王朝の光と影
第三章 魏・蜀・呉―三国の鼎立
第四章 三国歴訪
第五章 曹操高陵と三国大墓
エピローグ 三国の終焉―天下は誰の手に



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映画 『マスカレード・ホテル』 (監督:鈴木雅之、2018年)

2019-08-09 07:30:00 | 映画

東野圭吾の推理小説の映画化。連続殺人事件の第4の現場になる可能性が高いと想定される高級ホテルでの、ホテルウーマン(長澤まさみ)と潜入捜査を行う刑事(キムタク)との交流・葛藤が描かれる。出張帰りの機内で視聴。

人間関係のスクランブル交差点ともいえるホテル現場の表と裏、事件の謎解き、キムタクと長澤まさみを軸とした俳優陣がうまく噛み合って、面白いエンターテイメント作品だった。読んだことはないが、原作がしっかりしていることもあるのだろう。物語の軸が確固としていて、犯人捜しも考えさせる(まあ途中でほぼ自明となるが)。

キムタクと長澤の主演陣は美男美女過ぎてちょっと現実離れしすぎている感はあるが、小日向文世、生瀬勝久、松たか子らの脇役陣らがしっかりしているので浮いた感じもせず、物語に集中できる。

ホテルを舞台にした映画やテレビドラマは、三谷幸喜の「THE・有頂天ホテル」や漫画の実写化ドラマ「ホテル」で、その舞台裏を覗けたが、客の人間模様と究極のサービス業としてのホテルマンとお客のせめぎあいが、非常にリアルで勉強にもなる。気が利かない私には絶対できない仕事だなあ~


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映画 『翔んで埼玉』 (監督:武内英樹、2019年)

2019-08-07 07:30:00 | 映画

埼玉県をネタにした自虐的コメディ映画。私は読んだことないが、漫画を映画化したものらしい。出張帰りの機内で視聴した。埼玉には、社会人なって最初の3年間を、住み、勤めたので、それなりに愛着があるし、営業・マーケティング活動に従事したので、当地の社会・経済についてもそこそこ経験し、勉強したつもりだ。今回、新聞で興行的にも結構集客好調という記事を読んだことがあるので、機内の情報誌にこのタイトルを見たときはラッキーと思った

が、観てみての感想は、正直言って私のストライクゾーンからは大きく外れた映画だった。埼玉の東京・神奈川に対するコンプレックスと(一方的な)千葉に対するライバル心は十分に経験したので、まさに埼玉「あるある」でそれなりに笑えると言えば笑える。また、全国住みにくい県ワースト一位だったことが長くあったり、貧乳率全国一位(こんな指標があるというのは驚きだった)というのは初めて知ったことで「へえ〜」ということもあった。

ただ、状況設定やストーリー展開は漫画には合いそうだが、実写で見せるには、リアリティと現実離れの混在が中途半端だ。また、笑いも自虐的であるだけなので、笑いに深みや広がりがあるわけではない。まあ、ガリガリ君やファミリーマートが埼玉発というのも、飲み屋でのおやじ連中のお国自慢をわざわざ映画にしているだけという気もする。埼玉には縁があった私でさえこの程度の感想なのだが、埼玉の人が喜んで視ているというのはなんか良く分からないし、ましてや埼玉に縁がない人で面白いと思える人が一体どれだけいるのだろう。

まあ、純粋エンタメ映画にくそ真面目な感想をつらつら書くのも無粋だろうからこの程度にしよう。緊張感ある商談帰りで、機内で何も考えたくない時の時間つぶしに良かったとポジティブに終わろう。


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スタンフォード大学キャンパス 再び朝ラン

2019-08-03 07:30:00 | 日記 (2012.8~)

 出張3日目の朝、再びキャンパスランへ。残念ながら前日の抜けるような青空は拝めず、曇り空の中のジョギングとなりました。それでも、何かいつも新しい発見があります。

こちらはメモリアル・チャーチの前にあるロダンの彫刻。もう何回も見ているのですが、来るとやっぱり写真が撮りたくなります。

〈ロダンの彫刻「カレーの市民」〉

今回の新発見は、キャンパス奥にあるフラタニティ・ハウスの庭先でうさぎを発見。ピーター・ラビット並みに耳がでかい。

気配を察せられ、逃げられてしまいました。でも、思いのほか大きなウサギでちょっと怖いぐらいでした。

丁度、夏休み期間中であること、まだ朝8時前という時間帯であることもあり、キャンパスには殆ど学生の姿は見えません。それでも、夏休みの語学留学生っぽい生徒さんが授業に向かう姿が見られました。

<こんなキャンパスで学んでみたい~>

 

キャンパス内にあるスターバックスは7:30にはすでに営業してました。学生さんが教科書?読みながらコーヒー飲んでます。

 

 

(付録)スタンフォード大学とは関係ありませんが、ランチのハンバーガー。アメリカンでしょ~

2019年 7月26日 @Palo Alto


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