その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

残念 ロンドンマラソン

2010-09-30 23:05:07 | ロンドン日記 (日常)
 部屋に帰ったらRace Director of London Marathon 2011 から手紙が・・・



Dear Runner

We regret that we have to advise you that your application to run in the 2011 Virgin London Marathon has been unsuccessful. Once again demand for places has far exceeded supply......

 もしかしたらと、多少の期待はあったので、残念・・・・。

 でも、チャリティじゃなくて、一般で当選するのは非常に厳しいと聞いていたので、まあしょうがないか。

 気分を切り替え、5月のロンドンがダメなら、4月のパリに申し込もう!!!
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ロンドン交響楽団 ゲルギエフ マーラー交響曲第5番ほか (London Symphony Orchestra / Valery Gergiev)

2010-09-29 22:48:54 | コンサート (in 欧州)
 日曜日の夜は、前夜に引き続きゲルギエフLSOコンビの連戦。この夜も素晴らしい演奏だったのだが、ハーフマラソン完走後のLSOコンサートはちょっとつらかった。

 1曲目。前日に引き続きシチェドリン作曲の「管弦楽のための協奏曲第1番」。「前夜のピアノ協奏曲のような曲だったら体にこたえるなあ~」と思っていたら、予想を覆す楽しい聴きやすい音楽だった。ジャズ風のリズムと民族音楽的な音楽がミックスされた楽曲でとっても楽しめた。LSOもこういうリズミカルな音楽は上手だなあと思う。

 2曲目のシュトラウスのデュエット・コンチェルティーノもとても耳になじみやすい音楽。長身の女性バスーン奏者のRachel Goughさんと小柄なクラリネットのAndrew Marrinerさんの共演は、見た目ちょっとコミカルな感じがして、失礼だが面白い。美しい音楽で、特にクラリネットの音色は変幻自在という感じで、おっとりさせられた。

 ただ、余りにも耳に優しい音楽だったので、日中の疲れが一気に噴き出し、後半は爆睡。ゴメンナサイ。

 休憩後は、マーラーの交響曲第5番。圧巻だった(と思う)。冒頭のトランペットの突き抜けるようなソロから始まり、金管陣の素晴らしい音色、弦の美しいアンサンブル、昨夜に引き続き素晴らしいと思った。しかし、残念だったのは自分自身で、午後のマラソンのせいでどうも集中力が足りない。マーラーを聞くには完全に気合い負けしていた。前夜の「展覧会の絵』は音を体で受け止めて聴くことが出来たが、この日は音が体を通り抜けてしまう。いい演奏だったと思うだけに勿体なかった。


(デュエット・コンチェルティーノのRachel GoughさんとAndrew Marrinerさん)


(マーラー終演後)


(この日も2階席前方で席はいいのだが・・・)




London Symphony Orchestra / Valery Gergiev
26 September 2010 / 19:30
Barbican Hall

Rodion Shchedrin Concerto for Orchestra No 1 ('Naughty Limericks')
Strauss Duett-concertino for Clariner and Bassoon
Mahler Symphony No 5

Valery Gergiev conductor
Andrew Marriner clarinet
Rachel Gough bassoon
London Symphony Orchestra
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秋まっただ中のウインザーを走る

2010-09-28 21:48:03 | ロードレース参戦 (in 欧州、日本)
 10月のフルマラソン出場に向け、最後の練習レースとして、ロンドン近郊のウインザーで行われたハーフマラソンの大会に出場した。

 スタート地点は、ウインザー城の裏手にある広大なグレートパークである。ウインザー城の観光パンフとかに、城に向かって真っすぐに伸びる公園道を見かける。ウインザー城見学は過去に2回行ったことがあるもののいったいどこにあるのか不思議だったのだが、今回初めてグレートパークからの風景であることが判明した。観光写真通り、本当に美しい道である。城に向かって真っすぐに延びる並木道とその左右を囲む緑地。それだけの風景に感動する。

(ウインザー城から約3キロにわたってまっすぐ伸びる"The Long Walk")


 そこに、出場ランナー約4000名が勢ぞろいした。こちらに来て出場したハーフマラソン大会としては最も大規模なものである。

(賑やかなスタート地点近辺)


(応援団も多い)


(いよいよスタート)


 ウインザー城の裏庭とも言うようなグレートパークを大きく周回するコースは、走りやすく素晴らしい。よくもまあ、こんなに広大で、かつ美しく整備された土地があるのだろうと、感動しながら走る。コースは小さな丘を走り抜けるようなルートで、なだらかなアップダウンが結構あるので、上りになると結構きつかった。それに風が強く、向かい風の中の上り坂は、かなりめげた。そのせいか、10マイル地点からふくらはぎが軽い痙攣ぎみ。なんとかゴールまで誤魔化して走り抜いた。記録は1時間51分台で、悪くはない。

(ウインザー城をバックに。天気が良ければ景色はもっといいはず)


(微妙な坂です)


(ここは平地。左手の緑地はものすごくきれいに芝が刈ってあった。どうもポロの競技場らしい)


(ゴールも間近)


(見知らぬサポーターでも声援はうれしい)


 ただ、練習レースとしては失格。フルマラソンの練習なら、もっと余裕を持って走り、余力を残して完走するぐらいのペースでないといけないのだが、最近、どうもタイムを気にしすぎている。ハーフを1時間51分で走れば、その反動が後半に来ることは自明なのだ。5月のエジンバラマラソンの前のハーフマラソンも、同じことをやって練習としては失敗だったのに、また同じ間違いを起こしている。計画も戦術もコントロールもあったものじゃない。どうも、良くない。
 
 来月のフルマラソンに向けては、不安材料は多い。靴がまだ不安。どうも足になじんでない。また、前半ペースを抑えて走れるか?そして、必ずどこかで起こるふくらはぎ系の痙攣や足の痛み。それらと上手く折り合えるか?そんなこんなを含めて42キロの自分との会話だ。残り3週間。しっかり調整したい。

(今回も完走メダルをゲット)


 2010年9月26日
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塩野七生 『ローマ人の物語 14 パクス・ロマーナ (上)』

2010-09-26 23:32:14 | 
 10巻ぐらいから、ようやく筆者の文体にも慣れ、「ローマ人の物語」の読むペースが段々できてきた。歴史書のような、物語のような、評論のような文章にどうもなじめなかったのだが、一旦慣れると、結構進む。

 本巻は、シーザーの遺志を継いだアウグストゥスの初期の政策を解説。読んでいてエキサイティングなものではないが、深謀深慮で、実績を次々と積み上げていく手腕は、日本でいえば、さしずめ徳川家康を思い起こさせる。
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ロンドン交響楽団 シーズンオープニングコンサート (London Symphony Orchestra / Valery Gergiev)

2010-09-25 12:55:55 | コンサート (in 欧州)
 いよいよロンドン交響楽団(LSO)も今日からシーズン開幕。オープニングコンサートというのは、「さあシーズンの始まり~始まり~。」といった、期待感にあふれた、暖かい雰囲気が流れている。今日は、その期待に見事に応えるめちゃくちゃ中身の濃いコンサートで、完全にKnock Outされた。

 頭から凄かった。曲はロシアの作曲家シチェドリンが編曲したビゼーのカルメン組曲。弦と打楽器だけの編成で、カルメンの主要なメロディを実に美しく、キレの良い演奏を聞かせてくれた。久しぶりのLSOだが、流石、上手いと唸らせてくれる。個人的には「カルメン」はもう少し情感のある演奏が好みだが、機能的で美しいアンサンブルに心を奪われた。通しで50分近い曲で、オペラの短縮番を見ているよう。ゲルギエフの呻きも凄く、初回からいきなり全力投球であることが、後ろ姿からも強く伝わってきた。

 続いて2曲目は、シチェドリンのピアノ協奏曲第5番。これもカルメン同様、凄い大熱演だった。正直音楽は良くわからなかった。エネルギー、それも怒りのエネルギーを爆発させたような曲。前から五列目に陣取ったので楽譜が見えるのだが、五線譜におたまじゃくしが引き詰められている真っ黒な楽譜を、独奏者のデニス・マツーエフ(Denis Matsuev)が、凄い勢いで、自分の動態視力では見えないようなスピードで、激しく鍵盤を叩く。ピアノは打楽器なのだ。ピアノが打鍵の強さで上下に揺れ、つっかえ棒が外れやしないかと余計な心配をしてしまうぐらい。曲は全く自分の理解の範疇を超えているものの、その激しさに体が反応し、心臓の鼓動が高まり、脈が早まり、血圧が上がるのがわかる。ドキドキするのだ。猛烈な勢いが最後まで衰えず、逆に加速してフィニッシュ。ブラボーの大きな拍手に包まれる。作曲者のシチェドリンも来ていて一緒に舞台に上がる。こんなパワフルな音楽を作曲したとは思えない細身のおじいさんだった。とっても満足している様子だった。

 20分の休憩時間は、高まった胸の鼓動を収めるにはとても足りなかったが、そのまま後半へ。最後は「展覧会の絵」である。横綱相撲とはこのような演奏を言うのだろう。トランペットのソロから始まり、フィナーレの「キエフの大門」まで、管楽器のソロ、弦楽器、管楽器のアンサンブル、打楽器の打ち込み、各々が言うことなし。参りました。ゲルギーは暗譜で振るところはあまり見かけない印象が強いが、この曲は暗譜。普段よりもノリノリのアクション、かつ時々の大きな呻きで、ゲルギエフ絵巻の主役を演じていた。

 会場からは凄い拍手。隣のフランス人はブラボーを連発していた。終わったのは、なんと10時15分。ちょっと、ヘビー級すぎて消化不良を起こしそうだが、シーズン開幕戦でひいきチームがライバルチームに圧勝したような、満腹感一杯のオープニングコンサートだった。

※ゲルギエフとマツーエフ


※作曲者のシチェドリン


※「展覧会の絵」が終わって


※今日は前列5列目。音がまともにぶつかってきて、体で音を受け止め、えらく疲れた。



London Symphony Orchestra / Valery Gergiev
2010/11 season opening concert
25 September 2010 / 19:30
Barbican Hall

Bizet arr Rodion Shchedrin Carmen Suite
Rodion Shchedrin Piano Concerto No 5
Mussorgsky orch Ravel Pictures at an Exhibition

Valery Gergiev conductor
Denis Matsuev piano
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怒り心頭 BA

2010-09-24 20:49:16 | ロンドン日記 (日常)
 今頃、BAの最終便に乗り込んでいるはずだった今夜。なぜか、今、フランクフルトの空港近くの寂れたビジネスホテルの一室。

 乗るはずのBA便が突然のキャンセル。理由は「機体が足りないため」(by空港係員)。そんなのありか?

 明日の朝一番の便のチケットとこのホテルのクーポンをもらったものの、そんなことで許されると思ってんのか?貴重な土曜日の朝のジョギングタイムをどうしてくれる!!!

 5月の連休のストライキで、休暇予定の変更を余儀なくされ、「もうBAには2度と乗らない」と誓ったものの、仕事との時間調整上どうしてもBAを使わざる得なくて、BAにしたら、やっぱりこのザマだ。

 BA不買運動を行うしかない・・・・
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フランクフルト出張

2010-09-23 23:15:12 | ロンドン日記 (日常)
 久しぶりの国外出張。とは言っても、今日も17時過ぎまで仕事してからの移動で、先ほどやっとチェックイン(大陸時間23:50)。明日は朝8時半から夕方までスケジュールが一杯で、明日の夜便でリターン。フランクフルトは確か5回目だけど、まだ一度も、街をふらついたことが無い。もうちょっと、余裕があってもいいと思うのだけど、自分で組んでいるスケジュールだから文句を言う人も居ない。

 そういえば、この間の法善寺さんのブログでは、フランクフルトの歌劇場がすばらしかったって書いてあったしねえ~。

 ただ、久しぶりに飛行機に乗って、この2時間弱の自分の時間ってとっても大事であることを再認識。普段、こうやって強制的にでも、一人でいろいろ物考えたり、本読んだりする時間って意外とないから。

 ホテルは思いの他いいけど、ここも7時間しか居ないと思うと、ちょっと残念。でも、明日のために早く寝ようっと~。

 なんか、Facebookへの投稿みたいな記事になりましたが、容赦願います。

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ユロフスキ指揮/ ロンドンフィルハーモニック/ マーラー交響曲第3番 

2010-09-22 23:17:12 | コンサート (in 欧州)
 心底感動した。こんな演奏会はそうはない。上手な演奏、美しい演奏はたくさんあるが、これほど気持ちが全面にぶつかる演奏会はそうは出会えない。

 座席が前列二列目だったこと、マーラーの交響曲であることもあるかもしれない。胸の高まりが収まらない。こんなコンサートに来れて本当に感謝したい演奏だった。

 緊張感一杯で、地鳴りがする第一楽章。素晴らしい弦のアンサンブルに涙のこぼれる第六楽章。第4、第5の声楽も素晴らしい。金管の活躍が素晴らしい。リスクを犯す演奏。時として、?というのがあるが、むしろそれが気持ち良い。ドンドン行ってくれという気持ちになる。リスクをとることが良い意味での緊張感につながることが良くわかる。

 一回きりの演奏会であるのが残念。

 対面にいた第二ヴァイオリン首席の女性が印象的。弾く表情が豊かで見とれてしまう。厳しい顔、泣きそうな顔、感受情のこもった演奏だった。








Wednesday 22 September 2010

Alexander von Zemlinsky: 6 Maeterlinck Songs, Op.13
Interval
Gustav Mahler: Symphony No.3

Vladimir Jurowski conductor
Petra Lang mezzo-soprano
Ladies of the London Philharmonic Choir
Trinity Boys Choir

Royal Festival Hall
London Philharmonic Orchestra

Resident at Southbank Centre
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ロイヤルオペラハウス 『ドン・パスクワーレ (Don Pasquale)』

2010-09-22 23:14:40 | オペラ、バレエ (in 欧州)
 先週末にドニゼッティのオペラ『ドン・パスクワーレ』を見に行った。(あらすじはこちら→)

 演出は、この前に見た『コジ・ファン・トゥッテ』と同じジョナサン・ミラー。今回の公演はこのプロダクションが一番気に入った。ドン・パスクワーレの屋敷を断面的に切り取り、「人形の家」風に見せる舞台は、主人公たちが織りなすドラマと並行して、女中たちの動きとかが同時進行し、複眼的な見方が出来てとっても面白かった。

 また、主要歌手陣の演技がうまく、この軽快なコメディを楽しい舞台に仕上げた。特にタイトルロールのPaolo Gavanelliは顔芸もふくめて名演。このほかにも、ノリーナ役のÍride Martínezも利発でてきぱきした女性を上手く演じていた。

 一方、歌の方は正直あんまりパッとしなかったという印象。特に、唯一の女性歌手であるソプラノのÍride Martínezが、声はとっても綺麗なのだけどパワー不足だったのが残念。物足りなさが残った。Don PasqualeのPaolo Gavanelliもちょっと苦しい感じ。唯一、甥役エルネストのBarry Banksのテノールが綺麗な声で、うっとりするものだった。

 オーケストラはとても綺麗に鳴らしていたが、逆にちょっと鳴らしすぎで、歌とのバランスが悪い気がした。

 音楽は美しいが、ストーリーは『コジ』のようなコメディならではのヒネリもなく、あまり面白いとは言えない。別に、何ら悪いわけではなく、面白いところは面白いのだが、いまひとつ私には満足感の低い公演だった。

NorinaのÍride Martínez
 

Don PasqualeのPaolo Gavanelli






Don Pasquale
Saturday, September 18 7:30 PM

Credits
Composer: Gaetano Donizetti
Director: Jonathan Miller
Designs: Isabella Bywater
Lighting design: Ivan Morandi

Performers
Conductor: Evelino Pidò
Ernesto: Barry Banks
Don Pasquale: Paolo Gavanelli
Doctor Malatesta: Jacques Imbrailo
Norina: Íride Martínez
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塩野七生 『ローマ人の物語 13 ユリウス・カエサル ルビコン以後 (下)』

2010-09-21 23:38:01 | 
 カエサル暗殺の背景、暗殺後のブルータスら反カエサル派とカエサル派のオクタヴィアヌス、アントニウスの権力闘争、そしてオクタヴィアヌスとアントニウスの後継者争いを描く。暗殺そのものも劇的なドラマではあるが、大事がなされたあとの人々の思考と行動が、人それぞれの器、適性を如実に示しており、面白い。日本流に言うと、織田信長が倒された本能寺の変の後の、信長跡目争いを思わせる。

 それにしても、18歳の若さでカエサルの後継者として指名を受け、いくつもの権力、武力闘争を勝ち抜いたオクタヴィアヌの思案の懐の深さは、カエサルとは全く違った意味での迫力を感じた。
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グローバルなビジネスパーソン?

2010-09-20 22:37:08 | ロンドン日記 (日常)
 今日はちょっと真面目な、ちょっと長いつぶやきを。(写真はイメージです)

 就職活動を行っていた学生時代。面接の時に必ず聞かれる「どんな仕事がしたいですか?」。その時、決まり文句で言っていたのが、「世界を股に駆けるグローバルビジネスマンとして、海外ビジネスを拡大したいです」(今なら、「それって何?」って感じで、いろいろ突っ込まれるのだろうが、バブル採用時は「元気があってよろしい。○」っと、これだけで良かったのはホント)。

 今、海外の現地法人で働き、全社員の5%に満たないの日本人駐在員の一員、それもマネジメントの端暮れとして働く機会を得た自分は、一見、当時の希望を実現しているようにも見える。しかし、赴任後1年半以上が経過した今でも、日々、理想と現実のGap、厳しさの前に立ちすくみ、もがく毎日だ。

 異文化理解や異文化間コミュニケーションスキル、海外市場や事業分野についての理解・見識、そしてビジネス共通言語としての財務・マーケティング・経営等のリテラシー。これらはグローバルな環境で仕事をしていくうえで欠かせない。その上で、駐在員としての価値は何のか?駐在員はグローバルなビジネスマンと言えるのか?と考えると、そう簡単では無い。

 駐在員の価値は、以下の3つは分かりやすい。①欧州の日系企業に日系としてのサービスを提供する、②日本での品質やオペレーションノウハウを現地で展開する、③海外の事業所と日本の橋渡し役をする。その一つ一つがとても大事で難易度も高い業務であるのだが、グローバルなビジネスマンというのは、果たしてこのことかと自問すると「?」がつく。いずれも、ある程度日本企業の優位性を前提に、そして会社組織に乗った上での個人のバリューだからだ。

 欧州人が国境をまたいで、そして会社をもまたいで、自分のProfession(専門性)を高めていくのを横目で見ると、どう見ても駐在員とグローバルビジネスパーソンと言うのは明らかに違いそうだ。自分のスキルやキャリアパス、そして今の日系企業の人材育成(といっても自分の親会社しか知らないが)を振り返ると、グローバルなビジネスパーソンへの道と言うのは、限りなく遠く、高いところにあるような気がする。

 これから(今既に)、日系企業が否が応でも世界の市場で競争しなくてはいけない環境にあり、日本人もその環境の中で自立した職業人とあるためには、何をどうすれば良いのか、悩ましい。

 う~ん、答えが見つからない。

 2010年9月20日
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ロイヤル・オペラ・ハウス  "Cosi fan tutte" (コジ・ファン・トゥッテ)

2010-09-19 10:43:42 | オペラ、バレエ (in 欧州)
 いよいよシーズンの幕開け。ロイヤルオペラハウスへ2か月ぶりの出陣です。ロイヤルオペラは今、日本へ引っ越し公演中なのですが、留守番部隊により公演は続けられます。この日は、モーツアルトの『コジ・ファン・トゥッテ』。今年2月の公演以来の再演です。(2月の感想はこちら→

 相変わらず、楽しい舞台でした。今回も女性歌手陣の活躍が目立ちました。フィオルディリージ役のMaria Bengtsson のソプラノは、通る声で声量もたっぷり。妹のドラべッラ役のJurgita Adamonyte の声も好きです。ひだを感じる、深みのある声でした。二人とも若美人度では、前回のSally Matthews、Nino Surguladzeにはちょっと及びませんでしたが、歌声では負けていませんでした。女中デスピーナ役のRebecca Evansもとっても良かったです。男性陣はPavol Breslikのテナーが良かった。

このオペラは本当に音楽と重唱を中心とした歌が素晴らしい。音楽だけでも十分に楽しめます。

 あえて、難を言うと、単なる印象なのですが、出演者の皆さんは、全体に演技がおとなしめのような印象がありました。またフィナーレの終わり方も妙にあっさりした感じで、「あれ、これで終わりだっけ?」という感じで終わってしまいました。せっかく歌や音楽が素晴らしいのに、前回に比べるとちょっと物足りな感があったのは、そんなところではなかったかと。そのせいか分かりませんが、カーテンコールも意外とあっさりおわっちゃったしね。

 金曜日のこの日はバルコニー右手の立ち席。£13.5。相変わらず、スタンディング席は、寝ないで集中して見れるのうれしいです。久しぶりのオペラでしたが、オペラはやっぱり楽しい。

※フィオルディリージ役のMaria Bengtsson


※左からThomas Allen, Rebecca Evans, Pavol Breslik,Maria Bengtsson,Stéphane Degout


※指揮のThomas Hengelbrock







Così fan tutte
Friday, September 17 19:30 PM

Credits
Composer: Wolfgang Amadeus Mozart
Director: Jonathan Miller
Set designs: Jonathan Miller
ROH Productions Departments
Lighting design: Jonathan Miller
John Charlton

Performers
Conductor: Thomas Hengelbrock
Ferrando: Pavol Breslik
Guglielmo: Stéphane Degout
Don Alfonso: Thomas Allen
Fiordiligi: Maria Bengtsson
Dorabella: Jurgita Adamonyte
Despina: Rebecca Evans
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週末ジョギング ハムステッド・ヒース

2010-09-18 23:33:16 | ロンドン日記 (日常)
 まあ、毎週末似たようなジョギング風景で芸がないのですが、今朝も先週末に引き続きとっても良い天気だったので、ご紹介。


 歩道には落ち葉が目立ってきました。


 朝の木漏れ陽の中を走るジョガ‐達


 日本でもランニングが流行っているそうですが、ロンドンでもランナーの数は右肩上がりだそうです。


 朝日と緑が綺麗なんですけど、なかなか上手く撮れないですね。


 ケンウッドハウス近くのHillからロンドン・シティを臨む


 ケンウッドハウスの白壁が美しい


 これも実物はもっと綺麗なのですが。紅葉しはじめの木です。


 2010年9月18日 9時頃
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ヴィクトリア&アルバート博物館 Raphael: Cartoons and Tapestries for the Sistine Chapel

2010-09-17 23:22:59 | ロンドン日記(イベント、観光、スポーツ)
 先週末にヴィクトリア&アルバート博物館へ、ラファエロの特別展を見に行ってきました。

 今回の企画はバチカン市国のシスティーナ礼拝堂にある、ラファエロのデザインによる10のうちの4つのタペストリーを展示するというものです。そして、イギリス王室が所有するその下絵(Cartoon)と合わせて比較展示するという、当の本人であるラファエロでさえみることが出来なかった展示ということです(タペストリー は1516年から1521年にかけて当時ヨーロッパのタペストリー制作の中心地であったブラッセルで制作とのこと)。





 どうもタペストリーというのは、欧州ではかなり芸術価値が高く評価されているようですが、日本人(私だけ?)にはあまり芸術作品としてなじみがないようです。(でも昨日、エリザベス女王がローマ法王を案内した部屋にも、畳何畳もあるような大きいタペストリーが飾ってありました)。ただ、確かに大きい上に、細かく精巧に織り込まれていて凄いなあとは思いますが、良く分からないとこともあります。むしろ、私には、同様に大きい聖書のシーンをとった下絵のほうが、興味深いものでした。

※タペストリー


※上のタペストリーの下絵(向きが逆とかちょっと違うところがあります)


※その他の下絵例





 見学は他の展示同様無料ですが、入場時間が指定されたチケットが必要になります。お出かけになるかたは、ネットで事前予約をしたほうが良いかもしれません。まだ開催間もないからかもしれませんが、土曜日の10時40分頃に到着して、割当られた時間は12:15でしたので。まあ、時間をつぶすには事欠かないので、時間がある方は良いですが、この展示だけを観たい方は、予約をお勧めします。

余談ですが、ヴィクトリア・アルバート博物館へ足を運ぶのは初めてでした。噂には聞いていましたが、その巨大さ、展示内容の広範囲さには圧倒されました。待ち時間に、ルネッサンス美術とブリティッシュ・ギャラリーを訪れましたが、その展示品のレベルの高さ、広範囲さに驚きっぱなしでした。今度は、テーマを絞って通常展示のほうもじっくり見てみたいと思います。

 ※V&Aラファエロ特別展のホームページ

Raphael: Cartoons and Tapestries for the Sistine Chapel
8 September – 17 October 2010



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ローマ法王500年ぶりの公式来英

2010-09-16 23:39:35 | ロンドン日記 (日常)
 今日のイギリスはローマ法王ベネディクト16世の訪英で持ち切り。なんてたって、16世紀にあのヘンリー8世がローマ教会を縁切りして、イギリス国教会を設立して以来のことらしいので、500年ぶりの歴史的出来事だそうです。

 今日はスコットランドのエジンバラで、女王のお屋敷をご訪問。いつもながら、著作権無視のBBCのニュース画像から雰囲気をお伝えします。

※エジンバラのメインストリート・プリンスィズ通りを通過。沿道にはお迎えの見物客が。


※エジンバラ上空


※ホリルードハウス宮殿へ入場


※エリザベス女王がお出迎え


※2人で記念撮影


※市内ではパレードです


 2010年9月16日

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