その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

神田 昌典『バカになるほど、本を読め!』(PHP、2015)

2022-11-30 07:37:03 | 

先日、参加した組織・人事分野のセミナーで、登壇者であった著者が社内での読書会の効用について語っていたのを聞いた。共通言語を持つことにより、社内のコミュニケーションの効率化・活性化に役立てるなど、参考になるポイントが幾つかあったので著作を手に取ってみた。

従来の知識を習得するだけの読書では無く、知識創造型の読書をするためのノウハウを解説した1冊。

知識創造型の読書のためのコツは3つ。1つが目的志向型の読書。2つ目が大勢の人とともに読むこと。そして、3つめが即、行動に結びつけること。(2つ目のコツが、セミナーでも触れられた読書会の企画・運営にあたる。)

目的志向型の読書は、目的を明確にしてその解答を求めれば、必ずしも本は全部読まなくてよい。目的意識が明確であれば、必要な情報が見分けやすいし、読後もリアルな行動に結びつきやすい。「読んでない本を堂々と語る」ことができるぐらいでちょうど良いという。

そのための技法のひとつとして「フォト・リーディング」という技法が簡単に紹介される。フォト・リーディングは写真を撮るように、1ページ1-2秒でページをめくって情報を取り出す技法で、以前から聞いたことはあるワードだったが実際にやってみたことは無かった。試しに本書をネタにちょっと試したところ、確かにある程度の情報は取れるものだと感じた。もちろん、この義方が使えるのは本の種類にもよるが、可能なところでは使ってみたい。

なんとなく読む、スローリーディングな私にどこまでできるかは、今後のお楽しみ。


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晩秋好日 @都立野川・武蔵野公園

2022-11-28 07:32:32 | 日記 (2012.8~)

今週から12月とは思えない小春日和の11月最終日曜日。久し振りに野川公園、武蔵野公園へジョギング。素晴らしい武蔵野の秋を満喫するには、野川・武蔵野公園がお勧めです。

<野川公園の大銀杏。黄色に染まった大木と木元の黄色の絨毯>


<大銀杏をアップで>


<低くなった陽に向かって、秋路を西武多摩川線が走る>


<野川沿いに上って、武蔵野公園に入ります>


<紅葉が最終ステージに>

 

<満開の桜を見るよう>

<ススキも美しい>

2022年11月27日 15時頃


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森沢明夫『大事なことほど小声でささやく』 (幻冬舎文庫、2015)

2022-11-26 09:03:38 | 

オカマバー・スナックひばりに集うスポーツクラブ仲間達の夫々の人生の一幕が、オムニバス形式で、マッチョなゴンママとの交流と併せて描かれる人情小説。ほんわか心が温まる。

人それぞれ、いろんな悩みを抱えて生きているのだよな~という、至極当たり前のことに気づかせてくれる。

ゴンママの人への優しさや思いやり、コミュニケーションの取り方なども、とても私には真似できない包容力、懐の深さで尊敬だ。とっても良い言葉が会話相手にかけられる。

数カ月前に図書館で予約したものがようやく廻って来て、どこで本書を知ったのか、何故予約したのか、全く覚えてなかったのだが、普段あまり読まないジャンルの小説が読めて良かった。(今知ったのだが、先月から本書を映画化されたものが公開されているようだ)


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今見る意義ある公演‗モデスト・ムソルグスキー 〈ボリス・ゴドゥノフ〉(指揮:大野和士,演出:マリウシュ・トレリンスキ) @新国立オペラ

2022-11-24 07:37:57 | 演奏会・オペラ・バレエ・演劇(2012.8~)

一度は見たいと願っていたムソルグスキーのオペラ〈ボリス・ゴドゥノフ〉をやっと見ることができた。

ロシアーウクライナ戦争の最中という難しい時期における、ロシアの政治そのものをテーマにもするロシア・オペラの大作の上演には、観劇前から大野・新国立劇場の並々ならなぬ決意を感じていたが、実際の公演は、まさに関係者の熱意が籠った上演であった。

ロシア皇帝のボリス・ゴドゥノフの心の葛藤を描いた本作は、想像以上に重厚、陰鬱だった。題名役のギド・イェンティンスは歌声も素晴らしいし、苦悩する主人公の表現が抜群だ。また 僧ピーメンのゴデルジ・ジャネリーゼが発する低音の迫力は劇場全体を暗黒な雰囲気に包み込むような迫力。日本人歌手陣も健闘で、グリゴリー役の工藤和真は後半やや疲れが出た印象があったが、その歌声は美しくドラマのキーパーソンの一人として重要な役割を果たした。

物語の陰の主役とも言われる<民衆>たちの合唱は、相変わらず新国合唱団が素晴らしいハーモニーを聞かせてくれた。

また、出色だったのはピットに入った都響の演奏。ダイナミックにうねる音楽を柔剛を巧みに演奏し、豪快かつデリケート、しかもシャープな演奏に感嘆した。こういう言い方が適切かどうかはあるが、表現の幅の広さにおいて、いつもの新国のピットとは違っていた。

物議を呼ぶのは演出だろう。現代に読み替えた舞台は、近未来世界のよう。舞台上に透視性のあるキューブを使ってその中で同一時間の異空間を進行させたりする手法は効果的だと思った。映像も駆使されていたが、私が座った4階席からはステージ正面奥のスクリーンは殆ど視界が切れて見えなかったので残念だった。現代読み替え演出そのものは、違和感はなく、むしろ当時と現代の連続性にも気づくことにもなり、良く出来ていると思った。一方で、グレゴリーを知的・肉体的な障がい者として描く演出は、正直見ていて良い気持ちがしない。

オペラで描かれる国家、権力者、民衆、愛、野望。現代世界で進行中の出来事が否が応でも呼応する。現代との連続性は驚くばかりだ。この時期にこのオペラを鑑賞する機会を持ったことは、自分史の中にしっかりと刻まれた気がした。

(2022年11月17日観劇)

2022/2023シーズン
新国立劇場 開場25周年記念公演
モデスト・ムソルグスキー
ボリス・ゴドゥノフ<新制作>
Boris Godunov / Modest Mussorgsky
プロローグ付き全4幕〈ロシア語上演/日本語及び英語字幕付〉

公演期間:2022年11月15日[火]~11月26日[土]
予定上演時間:約3時間25分(プロローグ・第1幕70分 休憩25分 第2・3幕40分 休憩25分 第4幕45分)

スタッフ

【指 揮】大野和士
【演 出】マリウシュ・トレリンスキ
【美 術】ボリス・クドルチカ
【衣 裳】ヴォイチェフ・ジエジッツ
【照 明】マルク・ハインツ
【映 像】バルテック・マシス
【ドラマトゥルク】マルチン・チェコ
【振 付】マチコ・プルサク
【ヘアメイクデザイン】ヴァルデマル・ポクロムスキ
【舞台監督】髙橋尚史

キャスト

【ボリス・ゴドゥノフ】ギド・イェンティンス
【フョードル】小泉詠子
【クセニア】九嶋香奈枝
【乳母】金子美香
【ヴァシリー・シュイスキー公】アーノルド・ベズイエン
【アンドレイ・シチェルカーロフ】秋谷直之
【ピーメン】ゴデルジ・ジャネリーゼ
【グリゴリー・オトレピエフ(偽ドミトリー)】工藤和真
【ヴァルラーム】河野鉄平
【ミサイール】青地英幸
【女主人】清水華澄
【聖愚者の声】清水徹太郎
【ニキーティチ/役人】駒田敏章
【ミチューハ】大塚博章
【侍従】濱松孝行

※本プロダクションでは、聖愚者は歌唱のみの出演となります。

【合唱指揮】冨平恭平
【合 唱】新国立劇場合唱団
【児童合唱】TOKYO FM 少年合唱団
【管弦楽】東京都交響楽団

共同制作:ポーランド国立歌劇場

Co-production with Polish National Opera
2022/2023 SEASON
25th Anniversary Production
The 77th National Arts Festival by Agency for Cultural Affairs presents

New Production

Music by Modest MUSSORGSKY
Opera in 4 Acts with a Prologue
Sung in Russian with English and Japanese surtitles

OPERA PALACE

15 Nov - 26 Nov, 2022 ( 5 Performances )

CREATIVE TEAM

Conductor: ONO Kazushi
Production: Mariusz TRELIŃSKI
Set Design: Boris KUDLIČKA
Costume Design: Wojciech DZIEDZIC
Lighting Design: Marc HEINZ
Video Design: Bartek MACIAS
Dramaturg: Marcin CECKO
Choreographer: Maćko PRUSAK
Hair and Make-up Design: Waldemar POKROMSKI

CAST

Boris Godunov: Guido JENTJENS
Fyodor (Feodor): KOIZUMI Eiko
Kseniya (Xenia): KUSHIMA Kanae
Kseniya’s nurse: KANEKO Mika
Prince Vasiliy Shuysky: Arnold BEZUYEN
Andrey Shchelkalov: AKITANI Naoyuki
Pimen: Goderdzi JANELIDZE
The Pretender under the name Grigory: KUDO Kazuma
Varlaam: KONO Teppei
Misail: AOCHI Hideyuki
The Innkeeper: SHIMIZU Kasumi
The Yuródivïy: SHIMIZU Tetsutaro
Nikitich, a police officer (Hauptmann): KOMADA Toshiaki
Mityukha: OTSUKA Hiroaki
The Boyar in attendance (Leibbojar): HAMAMATSU Takayuki

Chorus: New National Theatre Chorus
Orchestra: Tokyo Metropolitan Symphony Orchestra


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空前絶後!? 東京交響楽団特別演奏会 J.ノット指揮 R.シュトラウス:歌劇「サロメ」(演奏会形式)

2022-11-21 07:30:53 | 演奏会・オペラ・バレエ・演劇(2012.8~)

没入と興奮の100分だった。この演奏会は自分にとっても今年の最大級の目玉。年に一度購入するかどうかのサントリーホールのS席に陣取った。私にとっても勝負コンサートは事前の期待を遥かに上回る衝撃の公演だった。

ノットの指揮の下、歌手陣とオーケストラが融合して一つになって、官能的で猟奇的、それでいて美しい「サロメ」の世界が繰り広げられるのを固唾を飲んで見守った。途中で呼吸を忘れ、息が詰まって、咳き込んでしまった(隣席の方、ごめんなさい)。

外国人歌手陣は鉄壁、完璧だった。とりわけ、題名役のアスミク・グリゴリアン。過去に多数のサロメを拝見しているが、ここまで歌唱、演技、容姿がパーフェクトなサロメは初めてだ。美しいソプラノは芯があり、細身の体躯に似合わずホールを貫く強さがある。しかも、個々の演技も繊細で丁寧に作り上げられている。とりわけ少女から大人の女性に変化するサロメの表情・視線の変化が多彩で艶めかしい。12列目でありながら、オペラグラスで凝視してしまった。

ヘロデ役のミカエル・ヴェイニウスの豊かな演技力やヨカナーン役のトマス・トマソンの威厳ある姿と迫力ある低音は、演奏会方式であることを忘れるほど。舞台装置がないだけで、オペラそのものだった。

ナラボート役の岸浪愛学を初め、日本人歌手陣もしっかり脇固めていた。

東響も歌手陣に全く引けを取らない熱い演奏だった。各パートの全力投球がびしびしと伝わってくる。金管の咆哮による波動が体にぶつかり、体がブルブル震える。歌手の歌声を包み込む大波のような音の塊がステージから発せられる。妖艶な美しいメロディ、張り詰める緊張感、様々な気が殺気レベルに昇華していて、背中から冷や汗が流れた。

終演直後から絶大な歓声を伴った興奮のスタンディングオベーション。何度も何度もノット、歌手陣が呼び出された。私的にちょっと残念だったのは、歌手陣への拍手が大きすぎて、オーケストラ奏者への個別賞賛の機会が無かったこと。この公演は、この日の東響の演奏あってのことだ。

余韻に浸るというよりも呆然としたままホールを後にした。

 

東京交響楽団特別演奏会 R.シュトラウス:歌劇「サロメ」(演奏会形式)
Tokyo Symphony Orchestra Special Concert R.Strauss:Salome

サントリーホール

2022年11月20日(日)14:00 開演 

出演

指揮=ジョナサン・ノット
演出監修=サー・トーマス・アレン
サロメ=アスミク・グリゴリアン(ソプラノ)
ヘロディアス=ターニャ・アリアーネ・バウムガルトナー(メゾソプラノ)
ヘロデ=ミカエル・ヴェイニウス(テノール)
ヨカナーン=トマス・トマソン(バスバリトン)
ナラボート=岸浪 愛学
ヘロディアスの小姓=杉山 由紀
兵士1=大川 博
兵士2=狩野 賢一
ナザレ人1=大川 博
ナザレ人2=岸浪 愛学
カッパドキア人=髙田 智士
ユダヤ人1=升島 唯博
ユダヤ人2=吉田 連
ユダヤ人3=高柳 圭
ユダヤ人4=新津耕平
ユダヤ人5=松井 永太郎
奴隷=渡邊 仁美

曲目
R. シュトラウス作曲、歌劇《サロメ》
(演奏会形式・字幕付 全1幕・ドイツ語上演)

R.Strauss:"Salome"
(concert style in 1act, sung in German with Japanese subtitles)

Sun.20th November 2022,2:00p.m.

Suntory Hall

Jonathan Nott, Conductor (TSO Music Director)
Asmik Grigorian, Salome (Soprano)
Tanja Ariane Baumgartner, Herodias (Mezzo-soprano)
Michael Weinius, Herod (Tenor)
Tómas Tómasson, Jochanaan (Bass-Baritone)
Sir Thomas Allen, Direction
Aigaku Kishinami, Narraboth (Tenor)*
Yuki Sugiyama, The Page (Mezzo-soprano)
Hiroshi Okawa, First Soldier (Baritone)*
Ken-ichi Kanou, Second Soldier (Bass)
Hiroshi Okawa, First Nazarene (Baritone)
Aigaku Kishinami, Second Nazarene (Tenor)
Satoshi Takada, A Cappadocian (Baritone)
Tadahito Masujima, First Jew (Tenor)
Ren Yoshida, Second Jew (Tenor)
Kei Takayanagi, Third Jew (Tenor)
Kohei Niitsu, Fourth Jew (Tenor)*
Eitaro Matsui, Fifth Jew (Bass-Baritone)
Hitomi Watanabe, A Slave (Soprano)

Tokyo Symphony Orchestra


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荒木博行 『自分の頭で考える読書』 (日本実業出版社、2022)

2022-11-19 15:14:37 | 


「自分の頭で考える読書」とは何か?がテーマ。

「問い」を持って本を読むこと。どの本も持つ「問い」と「答え」探し、自らも読みながら「問い」を持ち、読み終わって「問い」を持つ。「問い」が、他人の頭ではなく、自分自身で考えることにつながり、読書が生きる力となる。「問い」を軸に、単なるテクニック論に終わらない、誰もが実行できる実践的読書論だと感じた。

著者自身のお勧め本を例にとりながら、実例が示されるのも嬉しい。私自身、読む前に自分なりの問題意識をもって読むようには心がけているつもりだが、著者の問いと答えを読み取るという視点は新鮮だった。

読書法についての書籍は時々手に取るが、本書は私の感覚にも合いつつ、新しい気づきを与えてくれた。いくつか、備忘に抜粋。

・コンテンツだけでなく「本を読むコンテクスト(文脈)」にも注目する(p66)
・本の選び方。本が提示する「問い」が自分にとって「新しい」か「既知」か?そしてその本の答えが「新しい答え」か「既知の答え」かで、4分類できる。(新たな問い×既知の答えは無いとして)3つのカテゴリーのバランスを取って読む。(p81)
・「つまり~」「例えば~」で、「問い」の往復を行う(p130)
・読書の時間が不足しているというのは、事実かもしれないが、それは時間の使い方の優先度の問題だ。優先順位の軸を変えればよい。(p170)
・「読書は役に立つか?」という問いに意味はない(p176)


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爆演! N響11月定期Aプロ/指揮:井上道義/ショスタコーヴィチ 交響曲第10番ほか

2022-11-14 08:51:16 | 演奏会・オペラ・バレエ・演劇(2012.8~)

鬼気迫る凄まじい演奏会だった。

前半の伊福部昭の「シンフォニア・タプカーラ」は、アイヌの立ち踊りに因んだ曲名とのこと(プログラム)。「春の祭典」を思い起こさせる土地と人の血・エネルギーを感じる音楽、リズム。体が動き 血が沸く躍動感が、聴くものをワクワクさせ、一緒に飛び跳ねたくなるような気になる。ミッキーも殆ど踊っているといったような指揮ぶりで、N響管弦打楽器陣の一糸乱れぬ合奏が音楽の迫力を倍増させる。最後はミッキーのかけ声のもと、楽員が跳び立ってフィニッシュ。会場は1曲目とは思えない歓喜と興奮に包まれた。

後半のショスタコーヴィチの交響曲第10番。静と動、強と弱が入れ代わり立ち代わり、表情が多彩に変化する音楽だ。実演に接すのが、殆ど初めてに近いので、事前にYoutubeで2回ほど聴いたが、全く別の曲のように聞こえた。ミッキーの指揮のもと、緊張感あふれる演奏で、メディアを通じてでは感じることが難しい、音楽が生命体のように生きていることが感じられた。指揮者、演奏家の意思が3階席までも伝わってくる。ファゴットやクラリネットを初め、管のソロも素晴らしいのだが、前半同様管弦打楽器が一体となった迫力がすべてに勝る。ミッキーは狭い指揮台の上で舞うように棒を振り、楽員を鼓舞する。次はどう変化するのか、ドキドキしながら見守っているうちにクライマックスに近づき、最高潮に達して終演となった。この日の入りは満員とはいかなかったが優に8割は埋まった会場から熱狂の拍手が寄せられた。

カーテンコールに応えるミッキーのパフォーマンスも会場を盛り上げる。舞台でバレエの振りのように1回転するなど、76歳とは思えない軽快な身のこなし。隣席の年輩の男性が隣の奥様に「俺と同い年なんだよなあ~」と羨まし気につぶやいていた。

先月のブロム翁祭りに勝るとも劣らない、実に貴重な音楽体験だった。

定期公演 2022-2023シリーズAプログラム
第1968回 定期公演 Aプログラム

2022年11月13日(日) 開演 2:00pm [ 開場 1:00pm ]
NHKホール

指揮:井上道義

伊福部 昭/シンフォニア・タプカーラ
ショスタコーヴィチ/交響曲 第10番 ホ短調 作品93

Subscription Concerts 2022-2023Program A
No. 1968 Subscription (Program A)
Sunday, November 13, 2022 2:00pm [ 1:00pm ]

NHK Hall
Conductor: Michiyoshi Inoue

Ifukube / Sinfonia Tapkaara
Shostakovich / Symphony No. 10 E Minor Op. 93


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千代田区立日比谷図書文化館特別展「学年誌100年と玉井力三 描かれた昭和の子ども」

2022-11-13 08:33:02 | 美術展(2012.8~)

週に2,3日の出社ではあるものの、職場が新橋になって皇居ランや日比谷公園がアクセス良く楽しめるようになって嬉しい。その日比谷公園内にある図書文化館で開催中の特別展「学年誌100年と玉井力三」を訪れた。ツイッターでフォローしている方のポストを読んで、とっても魅かれたためである。

昭和の学年誌の表紙画を手掛けた玉井力三の原画やその雑誌らが展示されている。

1970年代に小学生時代を送った私には、会場に足を踏みいれた途端に時計の針がぐーっと逆廻しになる間隔に襲われる。

明るく希望に満ちた男の子、女の子、宇宙飛行士、オリンピック、トランシーバー・・・、世相と世代を表すアイコン。一つの時代や世代のイメージを作り上げていたその影響力の強さを今更のように感じる。(もちろん良いことづくめではないが、)右肩上がりでの成長の時代のオーラが凄い。今、見るとジェンダー問題としてどうよ、というような描き方もあって微笑ましくもある。

観ていて、いわゆる街角の似顔絵画家さんたちにも、意識・無意識に相当の影響を与えてるんではないかとも思った。先日、地域のお祭りで、親戚の子の似顔絵を描いてもらったが、画風はまさにこの表紙画ののりだった。

個人的な思い出もフラッシュバックする。何故か私の両親は、どんなに私がせがんでも、年に1,2冊しか買ってくれず、定期的に購入することを許してくれなかったので、その分、友達の家に行っては貪るように読んだ記憶が蘇る。友人が持つ付録が羨ましくてしょうがなかった。


<小学1年生の私が読んだはずの号>

社会史・メディア史の一端としても、玉井力三という画家の作品の鑑賞としても、自分史の振り返りとしても楽しめる、小規模ではあるが夫々の満足が得られる特別展である。訪問者は、若い人もいたが、比較的私に近い世代にお見受けする人たちが多く、夫々の思い浸っているように見えたのも印象的。

11月15日(火)まで。日ないですが、行ける方はお勧めします。


<公園内の紅葉も最盛期です>


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プーシキン (著), 佐々木 彰 (翻訳)『ボリス・ゴドゥノフ』(岩波文庫、1957)

2022-11-09 08:23:19 | 

今月ムソルグスキーのオペラ〈ボリス・ゴドゥノフ〉を観に行くので、その予習として読んでみた。プーシキンの作品に触れるのは人生初。1598ー1605年のロシアのゴドゥノフ朝が描かれる歴史劇。

シェイクスピア史劇との類似性を感じる、個性ある登場人物、場の展開、科白に魅せられ一気に読んだ。

孤独で周囲の人間を信じられない皇帝ボリス、巧みに政治的に立ち回る側近シェイスキ、ミニ・マクベス夫人のようなマリーナ、野望の男グリゴーリ、そして気まぐれな民衆たち、人間が織りなすドラマ、人間像は今も昔も大きくは変わらない。

タイトルは皇帝となったボリス・ゴドゥノフであるが、必ずしも彼を中心に話が進むわけではないし、出番はボリスの政敵となった僭称者が一番多い。

この戯曲にどういう音楽が付いて、描かれるのか。オペラがますます楽しみになった。


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秋の山中湖 ~紅葉祭りライトアップ、湖畔一周サイクリング~

2022-11-07 07:30:43 | 旅行 日本

恒例の秋の山中湖へ。ここ数年、紅葉の最盛期を外すことが多かったのですが、今年はタイミングがジャストミートで、素晴らしい紅葉狩りを楽しめました。

【夕焼けの渚 紅葉祭り】
10月28日から11月13日まで、旭ヶ丘エリアの〈夕焼けの渚〉で、午後四時半から夜九時までライトアップがされます。黄色、赤色、紅色・・・色とりどりの葉がライトに照らされる光景には息を飲みます。色が散って、見た感動のままの写真を撮る腕が無いのが残念ですが、雰囲気だけ掲載いたします。

【湖畔一周サイクリング】
翌日は朝から太陽が覗く、素晴らしい青空。白い雲、青い空、紅葉の色のコントラストが素晴らしい。高原特有の冷たく澄んだ空気の中、自転車を漕ぎ、空気を切ると、週中の疲れやストレスが吹っ飛びます。


<木々から覗く青空が澄み切っています>

<ススキの向こうに富士山が見えるはずなのですが、上部が見えず残念>


<湖畔1周約13
キロ。サイクリング用に整備されているので安全です>

【忍野村のうどんやさんにて】
1周した後は、忍野村のうどん屋さんでお昼。


〈冷たい空気を切った後は、鍋焼きうどんがぴったり 旨い!>

2022年11月5~6日


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水戸4時間プチ観光 ~日本酒イベント・茨城歴史館・偕楽園・てんまさ~

2022-11-05 08:04:46 | 旅行 日本

水戸黄門漫遊マラソンの出走に合わせ、前日の昼下がりに水戸入りし、4時間ほどの水戸観光を楽しみました。


<特急ひたちで東京から1時間ちょっとで水戸に到着>


<途中の車窓から。秋真っただ中の常陸路です>

【茨城地酒飲み比べ】
改札を出るや、駅前のペデストリアンデッキで、ステージとテントが設置され、ご当地歌手やアイドル(?)の歌声が響く楽しい雰囲気。テントでは、茨城県の地酒を集めた飲み比べ会が開催されていました。どんなお酒があるのか検分したところ、旅行雑誌での紹介記事を読んだことある笠間市磯蔵酒造の「稲里 純米酒」を発見。明日のレースを前に「飲むべきか飲まざるべきか」、悩んだあげく1杯だけ頂きました。なめらかな口当たりに、ほんのりとお米の甘さが感じられる美味しいお酒でございました。


<水戸黄門と助さん・格さんの銅像の前に特設ステージ>


〈頂いた稲里純米 左から2本目〉

 

【茨城歴史館】
ホテルにチェックインし荷物を置いて、路線バスに乗って茨城歴史館へ。5年ぶりの再訪です。ちょうど開催中の秋の特別展「知の大冒険 -東洋文庫 名品の煌めき-」目当てです。

広く静かな敷地に、葉が黄色に変わりつつある銀杏の木が多く植えられていて、人気の少ない大学キャンパスのようで落ち着きます。丁度、傾き始めた秋の日差しが、葉を照らし、木全体が黄金色に輝いていました。見事な自然の演出に息をのみます。

 

 


<移設された昔の水海道中学校>

特別展は、東洋文庫の収集品から選りすぐった東洋の歴史的史料を展示したものです。個人的に印象的だったのは、中国・清の時代の科挙の最終試験である殿試の答案である「殿試策」。美しい楷書体が整然と記載された答案に見入ってしまいました。そのほかにも、清の儀礼マニュアルとも言える「檀廟祭祀節次」。浅田次郎氏の『蒼穹の昴』シリーズの紫禁城内が思い起されます。また、江戸時代の有名な医学者 大槻玄沢の「重訂解体新書」「蘭学階梯」、シーボルトの「日本植物誌」や「日本動物誌」ら、精緻な描かれた絵図が驚くほど丁寧です。


【偕楽園】
日も暮れ始めた4時半頃に、博物館を出て隣接する偕楽園に足を延ばしました。梅の時期でもなく、名物の徳川斉昭が建てた邸宅 好文亭も閉館してしまっていたので、特に見ものもないのですが、黄昏の庭園をぶらぶらと散歩。丘の上に立っていることもあり、明日湖畔を走る千波湖をぼんやり眺めつつ、一人の旅情に暫し浸りました。


<竹林>


【地元居酒屋 てんまさ】
水戸勤務経験のある職場の同僚のおススメで、夜は駅前の居酒屋「てんまさ」で軽く一杯。明日の英気を養います。お酒は精一杯自制して、茨城県笠間市の「郷の誉 純米吟醸」を一合だけ頂きました。お刺身との日本酒の組み合わせはたまりません。あんこうの唐揚げや焼き鳥なども食し、最後にマラソンに向けたカーボローディングとしておにぎり1人前(2個)。大満足です。

マラソン大会参加にあわせたプチ観光。とっても楽しいです。

2022年10月29日

コメント (2)
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NHK音楽祭2022 NHK交響楽団 指揮:パブロ・エラス・カサド マーラー 交響曲第5番ほか

2022-11-01 21:45:12 | 演奏会・オペラ・バレエ・演劇(2012.8~)

私にとっては、久方ぶりのNHK音楽祭。今年のオーケストラ公演はN響と都響のみで、外国オケの来日は無しでした。マーラーの5番の演目に魅かれ、N響の演奏会に脚を運びました。

前半のラヴェルは、楽章の間にトランペットの菊本さんが退場し、暫し時間を置いて、お戻りになったところで再開。公演後の菊本氏のツイートには、「クープランの墓の途中でスタンドに楽器を立てていたところ、スタンド先端のゴムが楽器の中に詰まってしまい一切音が出なくなってしまいました。曲の流れを断ち切ることになってしまい申し訳ありませんでした。」とのこと。こんなこともあるのですね。N響の演奏自体に特に影響することもなく、繊細かつ軽妙な演奏に満足。

後半はマーラー交響曲第5番。カサドさんの指揮はスケール大きく、密度濃い演奏でした。ホルン隊の活躍が光ってましたね。

前週までのブロム翁祭りの余韻に浸る間もなく、次から次へと演奏会で、プロと言えども奏者さん達も大変だなあ~と思いました。

余談ですが、お隣席のおじさん、風体は相当クラシック好きにお見受けしましたが、マーラー第5楽章途中まで爆睡。よっぽどお疲れなのねと同情する一方、上向いて寝てるので、鼾掻き始めないか気が気でなし。幸い静かにお休みで、終演後におもむろにスマフォでステージ写真撮って、お帰りになりました。かなり面白いビヘイビアでしたね。

<3階席は変わりませんが、センターブロックで定期演奏会とは違った角度です>

2022年10月31日
NHKホール

指揮:パブロ・エラス・カサド

曲目
ラヴェル「クープランの墓」
マーラー 交響曲第5番


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