その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

ドヴォルザークのスターバト・マーテル byロンドン・フィル,ネーメ・ヤルヴィ

2010-10-09 22:55:22 | コンサート (in 欧州)
 ロンドンフィルのコンサートに行ってきました。今夜はドヴォルザークの宗教曲が2曲というちょっと珍しいプログラミング。なんでもドヴォルザークは敬虔なカトリック信者だったらしいです。私には2曲ともお初。

 一曲目はTe Deum(テ・デウム)。キリスト教カトリック教会の聖歌のことらしいです。テクストの冒頭の一文“Te deum laudamus”(われら神であるあなたを讃えん)からこの名称で呼ばれるとのことです(Wikiより)。私のクラシック宗教曲のイメージとはちょっと異なる程の賑やかで明るい曲でびっくりしました。ソプラノのJanice Watsonさん、バスのPeter Roseさんをはじめとして、コーラスの皆さんたちの歌声が素晴らしく、何かゴスペルを聴いているような明るい気になる曲でした。

 二曲目はStabat mater(スターバト・マーテル「悲しみの聖母」)。イエスが磔となった時のマリアの悲しみを歌う曲です。(Wiki解説はこちら→)。ドボルザーク最初の有名な宗教曲とのことです。歌詞は悲しいものですが、音楽は、冒頭の劇的な導入から、途中の非常に悲しげなソリストたちの独唱も入って、とてもドラマティックで美しい曲でした。1曲目同様、コーラスの美しさが素晴らしい。また、ソリストもソプラノ、バスの存在感が際立っていました。

 指揮者のネーメ・ヤルヴィさんは15年も前に米国でデトロイト交響楽団を聴いて以来です。指揮ぶりは堅実で派手なところはありませんが、LPOをしっかりとまとめてバランスの取れた良い音楽を聴かせてくれました。

 大感動というコンサートではありませんが、後味の良く、美しい音楽を聴いたという、確かな満足感が残る演奏会でした。

※ソリストたち。左からPeter Rose、Peter Auty、Dagmar Peckova、Janice Watson


※指揮のネーメ・ヤルヴィ(右端)


※大健闘のコーラス陣




London Philharmonic Orchestra
Resident at Southbank Centre
Saturday 9 October 2010

Royal Festival Hall

Antonin Dvořák: Te Deum
Interval
Antonin Dvořák: Stabat mater

Neeme Järvi conductor
Janice Watson soprano
Dagmar Peckova
Peter Auty tenor
Peter Rose bass
London Philharmonic Choir

コメント
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