土木技術者が撮った中南米の「光りと影」の写真 及び 他国風情

 約22年間の中南米赴任中に土木技術者の視点から撮った写真。開通前のパナマ運河に架かる第二アメリカ橋は圧巻 & 他国事情

ジェラシュ遺跡(No.1)

2009-12-08 16:28:50 | ヨルダン(ジェラシュ遺跡)
 アンマン市から北方に車で約1時間弱にあるジェラシュ遺跡はペトラ遺跡に次ぐヨルダンの見所(観光地)です。
 規模はPETRAの、数拾分の一の限られた広さ(2kmx1km)ですが、古代ローマ人がアラブに造ったローマ都市の中でも最も華麗、崇高で壮大な建造物です。A.D.60年代からローマ帝国の繁栄に伴いジェラシュは植民地化し、その後A.D.106年にトラヤヌス皇帝がヨルダン一帯を制圧しローマの属州の一つになりました。農・工業が栄え域内、域外交易を繁栄させジェラシュ及びヨルダンは以後200年間黄金時代を迎えました。A.D.392年にテオドシオス皇帝がキリスト教をローマ帝国の国教と定め、ジェラシュの神殿群も教会として転用されました。その後のビザンチン帝国の下、約300年間、繁栄をし続けてきましたが、7世紀初頭のA.D.614年にペルシャ軍が襲来し、636年にはイスラム軍に完全に制圧されました。その後8世紀に大地震が起こり、建物の多くは崩壊し、現在の遺跡になっております。現在も所々で修復作業が続けられております。
 先ずはジェラシュ遺跡の入口である「凱旋門」の写真です。古の城壁はここから約500m行った所の「南門」が地勢的に正面口にあたります。「凱旋門」はA.D.129年にハドリアヌス皇帝の巡行を記念して建てられたものです。3つのアーチを持ちその4本の円柱の下部には装飾彫りがされています。ここも足場を組んで壁や天井の修復作業がなされていました。



 天井と梁(はり)部のアーチ。アーチを受ける角柱の上部にも綺麗な装飾がなされております。



 上記アーチ部の長方形の石材の大写し。



 「凱旋門」の東側に映画「ベンハー」(ちょっと古すぎ・・)でお馴染みの戦車競馬の競技場があります。



 上記の「見張り台」と中央の柵。



 上記の大写し。望遠で撮っていますので長さが見えませんが、およそ片側で100m位ありますので200m/周です。



 南側からジェラシュ遺跡群の方向を見ています。多分にこの赤い丸太に周回のカウンター(何周したかを戦士が確認する何かが刺してあった)が立てられたと考えます。



 「凱旋門」側の周回標の前が貴賓席になっております。



 「貴賓席」横のアーチ門。上部に掲げられた旗は色とりどりですので、何かの意味があると思います。蛇足ですが日本の競馬の場合は頭に被った帽子の色で、また欧米の場合は胴体に巻いたゼッケンの色で何番の馬かが分かり投票をします。ローマ時代もこういう賭け事をしていたのでしょうか?また騎手が着ている服で馬のオーナーが分かります。ちなみにエリザベス女王の所有馬の騎手は黒い帽子、真紅のそでで胴は深い紫色で金色の飾りヒモのいでたちです。



 遺跡を見学して=約半日 帰る時間に「凱旋門」横の戦車競技場で何かをやっておりました。



 2回/日に古の「兵士」と「一人乗り二輪戦車」のパフォーマンスを入場料を更に徴収し、行っています。遺跡の入場料だけでもこの国の物価を考えれば高価なのに・・・何で・・。 やはり修復費用等の維持管理費に相当な費用が必要なのでしょう。



 戦車競技場を過ぎると表参道は石畳になります。ここまでの道は戦車の馬に配慮して砂の道路にしたと考えております。



 オリーブや杉の木等が路傍に植栽されて居ります。



 上記大写し。「南門」の向こうの丘にジェラシュの遺跡群が見えます。



 「南門」の手前で右に曲がり「ビジターズ・センター」があり、そこでパンフレットを勝手に選んだり遺跡の模型を見て、入場券の半券を徴収されます。南門から真っ直ぐの道は出口専用です。



 遺跡の正面入口の「南門」です。A.D.1世紀に他の3つの城門と一緒に築かれました。凱旋門が建てられた時に、その影響を受けてアーチの横の円柱下部にアカンサス(ハアザミ)の葉模様の飾りをつけています。



 やっと案内標識に出会いました。



 「南門」をくぐると楕円形の「フォーラム」もしくわ「フォロ」と呼ばれる公共広場に出ます。イオニア式の列柱に囲まれたこの広場です。列柱上部は横石が載せてあり(多分に後で載せたと考えますが・・)綺麗な姿勢をしております。広場は石灰岩のタイルで舗装されており、中心に向かって徐々に形の小さい石が使われています。


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