分類:観 鹿島町を見て歩こう(81) いわき市鹿島町全域 鹿島の替え歌が流行った頃 大津絵 (別名:追分絵とも呼ばれる) は、元禄(1688-1704)の頃に大津の追分 (おいわけ) 辺りで売り出され、仏像・民間信仰・伝説などを描いた絵で、素朴な味わいがあります。 それらの絵を売るために、題材に合わせて歌い込まれたのが大津絵ですが、文句も節も面白おかしいというので各地で、その土地の名物や名所を読み込んで替え歌が作られ、全国で流行しました。 これにより大津絵というと、簡素な筆づかいで描かれた絵よりも一般には 「唄」 の方で浸透していったようです。 《大津絵のうちの1枚=鬼の念仏図》
大津絵節に合わせて作られた鹿島の替え歌もあります。 明治の頃に、当地の地名や名所古跡を織り込んだ替え歌が作られました。 漢学者であり、鹿島小学校に46年間奉職したという吉田正義 (※人物像の詳細については当ブ ログの2017/10/1を参照) によるものです。 《替え歌の作者、吉田正義》
旋律(メロディー)は大津絵節に合わせて歌われ、歌詞は3番まであります。(註釈・鹿島地区の地名や名所旧跡名は、特に赤文字にしました)
(^^♪軍次山(くうじやま)から 熊が出て 矢田らに走る 走熊 名所七本松 後にして 久保見て通れば 金光寺 船も着かぬに 船戸という それより御代の 大仏様拝みつつ 御代坂越えれば 岡小名で 向こうに見ゆる 遍照院 大原へった 一杯飲んべえ 徳蔵院
(^^♪夕暮れに 小名浜を立ち退いて 水押し上(うわ)って あとにして 東の法華寺 拝みつつ 久保の里屋橋 通りぬけ 名所七本松 あとにして 走熊へと さしかかる 次は 下矢田 上矢田で 郷社鹿島神社に参拝し それより進めば 軍事山 越せば 上荒川と谷川瀬で 平町 日光町に着きますよ
(^^♪三沢の里へも 一度はおいで 名所古跡もありますよ 磐城七門一の向かいに 三沢の館あとあり その上に 八幡公の陣どりし跡に 八幡神社の祭あり それより西の作に 宗任貞任の石碑あり この作を 霊墓(おきはか)作という その上に 母の小屋掛けせし山を 小屋の山という その下に 母の祈願所 薬師堂 それより奥を 花見平という 昔 平の城主 安藤信正の 花見せし所とか 越して小名浜海上眼下に見え 眺望すこぶる絶佳なり それより西に下れば 小野谷村に 程近し