いわき鹿島の極楽蜻蛉庵

いわき市鹿島町の歴史と情報。
それに周辺の話題。
時折、プライベートも少々。

十九夜講が今に残る

2019-08-29 09:53:53 | Weblog
                             分類:民

   ナンマイダンボを唱和して「安産」「延命」を祈願
 鹿島町走熊にある天徳院福正院蔵福寺で25日、走熊区の婦人たちが集まり十九夜講を行った。
 かつて、いわき地方では部落ごとに行われていたが、現在では稀に見られる民俗行事になってしまった。毎月19日の夜に輪番制で決まった家に女性たちが集まり、安産と子育て、そして延命などを祈願する。これを人々は親しみを込めて「十九夜さま」と呼んでいる。


          《ナンマイダンボと唱和しながら数珠を回していく》

 祭壇に観音様が子供を抱いた姿の掛軸をかけ、団子やお菓子、果物などを供え線香をあげると、全員が車座になって直径約1,8mに1,000個の数珠玉が通された綱を右回りにたぐり寄せ「ナンマイダンボ」「ナンマイダンボ」と念仏を唱えながら自分の手元に大きな数珠が回ってくると、深く頭を下げる数珠繰りが行われる。
 数珠の大玉に「南無阿弥陀仏」と書かれていることから「ナンマイダンボ」の唱和は、「ナムアミダブツ」が進化(簡略)されて唱えやすくなったというのが容易に窺い知れる。

         《2年に1度、クレヨンで彩色される如意輪観音像》

 本来、安産・子育てを願う事から如意輪観音を守り本尊とするので、如意輪観音像とか十九夜塔は、そのどちらか、あるいは両方が各地域(旧・部落)に存在する。
 走熊地区では、この貴重な伝統的行事を継承しているが、現実問題として集まる回数が少なくなったり、場所を寺に限定したりして、継続の難しさが対話の中で垣間見られた。

           
《数珠を背に受けて厄払い》 《大数珠玉に南無阿弥陀仏とある》 《数珠が1回まわる毎に置かれる5円銭》

▲小さな写真は、写真の上にマウスを当てクリックすると大きくなります
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久保の磨崖仏が崩壊

2019-08-26 05:05:24 | Weblog

                            分類:地    
    貴重な文化財を失くした 
 24日(土)の午後11時前後に久保地区にある通称、岩薬師の山が崩壊しました。
 この山は鹿島街道(県道小名浜・平線)沿いにあり、いわき市指定有形文化財 『久保の磨崖仏』 が4体あったが何れも崖崩れによって消滅してしまったのです。

     磨崖仏があった場所は、一瞬にして跡形もなくなってしまった

 約1,5kmが全面通行止めになりバスの運行にも支障が出て、船戸(柿境)~走熊(小神山)間は迂回道路を通行するようようになったために 「久保入口」 「船戸」 「船戸団地」 の3停留所は利用不可の事態となりました。

        通行止めになった鹿島街道(手前)で、左側が平方面》


       1番目の写真と比較すると無残な姿になった事がよく判る

 磨崖仏は、久保の金光寺(箱﨑亮弘住職)の所有で、平成21年(2009)4月に、市指定有形文化財に指定されたもので4箇所に彫られており、薬師・阿弥陀・弥勒・釈迦像が東西南北に位置していました。
 地元の人たちからは、この磨崖仏を 「岩薬師さま」 と呼ばれて親しまれていました。

         

                  
          かつて鹿島街道を走行中に見えた磨崖仏の数々

 2次災害を防止するための対応として崩れた箇所へ大型土のうを積んで、その後は4車線の内、2車線を緊急確保に務め規制解除する予定とのことです。

 ◎小さい写真は画像の上にポインターを乗せてワンクリックして見て下さい。





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高照山の祭典を見学

2019-08-18 06:18:46 | Weblog
                                            分類:催

    磐城三十三観音十七番目の霊場
 昨日(17日)は高照山観音堂(本尊:十一面観世音菩薩)の祭典日でした。 
 午前9時に高照山の上り口に遍照院(小名浜住吉)の住職を迎えて区長・区長代理・寺世話人・神社総代が『獅子頭、太鼓』を持ち、観音堂まで上がりました。
    
                    高照観音堂での祭典準備

 鹿島民俗見聞会(小松隆会長)では、この貴重な祭典法要を執り行う式典を記録に残そうとして同行してきました。
 走熊(はしりくま)観音堂再建勧進趣意書によると「石城三十三番札所の一なる當十七番走熊高照山十一面観世音菩薩は、いまを距てる実に1514年、1世の大徳徳一大師の祈願に係るものにて云々」とこと細かに記されているので、年号は文明年間に遡ることになります。
 旧菊田、磐前、磐城、楢葉の四郡に祀られる霊験あらたかな磐城三十三ケ所霊場の一つです。

            
         《過去に三度全焼し、昭和45年に建立された現在の高照山観音堂

 この観音堂へは海抜126メートルある高照山に登ることになり、片道20分前後掛かります。 磐城三十三観世音がある中で一番険しい道程とされています、
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お盆がやってきた

2019-08-13 16:44:06 | Weblog
                                          分類:地

    ただいまと 子らが集まる 盆帰省
 いわき地方のお盆は8月15日(旧盆)を中心に行われます。
 今日(13日)は盆の入り。 家の前に 「迎え火」 を炊いて先祖の霊を招き入れ、16日に 「送り火」 を炊いて送り出すという儀式の1つになります。
 先祖の霊を供養する仏教行事で、この間に地方に実家や縁戚がある人たちの大移動があり、家を出ている家族が一同に会したり、この機会に婚約者同士のお披露目の場を兼ねたりもします。

                《我が家の菩提寺でもある蔵福寺(鹿島町走熊)

 今年は10日の土曜日から連休に入ったので帰省ラッシュも緩和されて、街中の渋滞にもさほど気にならずに済みました。現代の帰省客は進歩的、合理的、簡略的というか、お盆を割り切った休暇として捉え、普段おろそかになりがちな家族のコミュニケーションをドライブの車中で果たそうとしたり、主たる目的をレジャーに重きを置いてやってくるようです。

                  《お盆の風物詩、じゃんがら念佛踊り

 いわきの地に生まれた大須賀筠軒〈おおすがいんけん〉(1841~1912)の 『磐城誌料歳時民俗記』 を読むと、その中でお盆について 『期間中、村里より「じゃんがら念佛」の一行が鉦や太鼓を携えて磐城平城下に大勢やって来る。一組の人数は14、15人ほどである。じゃんがら念仏踊りの一行は城下の神社・仏閣を回り、また商家や新盆の家の前でも踊る……』 などと詳細に書き記しています。
 昭和30年代まで 「平の七夕まつり」 では、近くの村々から青年団が平市内に繰り出して 「じゃんがら念佛踊り」 を競っていたところを見ると、その名残だったのかも知れません。
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いわきおどり小名浜大会

2019-08-02 22:30:16 | Weblog

                             分類:催
    
    暑さを吹き飛ばすドンワッセの掛け声
 夏になると、いわきおどりは市内の各地で行われる恒例の市民イベントですが、今年で38回目を迎えたいわきおどりの小名浜大会は今日(2日)開催されました。

          《18時に特設ステージで開会式が行われた

、定西交差点からいわき市役所小名浜支所までの区間を参加団体59団体、約2300名が暑さにめげず爆舞しました。
 いわきおどりは、昭和56年に〝市民の誰もが気軽に歌い、踊れる〟ように発案されました。身体を左右に移動させながら 「ドンワッセ」 と大きな声を出しながら前へ進んでいく簡単なもので、年々参加者は増えています。


 開会前のアトラクションとして県立いわき海星高校の、じゃんがらも披露された
 
 参加チームが59団体もあるので全部は列記できないが、ほんの1部を挙げたみますと明治安田生命・社会福祉法人五彩会・アネラ保育園・大東銀行・常光サービス・いわきコンピュータカレッジ・NPO法人みんぷく・長瀬印刷・船戸幼稚園・ひまわり信用金庫・日立金属・三菱ケミカルグループ・NISSAN・小名浜港湾事務所・あすか製薬・ガクセンキャンパス・小名浜二小オーシャンス、等々でした。
            《社会福祉法人、五彩会のメンバー

 本おどりは18:45~20:50までの約2時間、絶え間なく踊り続けられ、愈々、夏本番を迎えたことを目の当りに肌で感じました。
 明日(3日)は、第66回いわき花火大会で、音楽と花火のシンクロの世界が楽しめます。

         《睦バレエのしなやかな踊りも見せ場をつくった》

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