分類:観 鹿島町を見て歩こう(75) 中島山寶林寺 いわき市常磐松久須根町字坂下(旧・鹿島村) 土中から出てきたお地蔵さん 5月10日付の記事に関連しますが、中島山寶林寺境内の一角に祀られている像高 1m30㎝ ほどの子安観音があります=写真。
このお地蔵さん、姿を消したまま暫く所在が分からないままでした。 昭和50年代に入ってから鹿島の有志たちが郷土誌を作ろうとして編纂委員がその話を聞きつけ、境内一帯を丹念に調べ始めて裏手の方も掘り始めたところ、僅か10㎝ばかりの土中から石面が現れてそれが首のない地蔵尊であることが判明しました。 《地蔵尊と台座が異なる理由は!?》 〈エピソード〉 明治初年の頃、村の若者たちが地蔵さんを肩に担ぐ力比べをしようということになりました。 次々に抱えては持ち上げようと競っている内に、1人が精一杯の力を出し尽くして肩の近くまで持ち上げたものの、重さに耐え兼ねて地蔵さんを落してしまいました。 かなりの重量で、もともと肩へ担ぎ上げることは無理だったのですが、それ故に若者たちは闘志が一層高まり挑戦したのですが、その結果は無残にもお地蔵さんの胴体と首は割れて離れてしまいました。
その後、ご難に遭ったお地蔵さんはそのまま放置され、長い間にいつの間にか姿を消してしまいました。やがて発見されると、新しく台座が造り替えられて同地に子安観音堂が建てられました。