《熊野神社上り口にある一円融合の石柱》
分類・歴
場所 いわき市鹿島町下蔵持字戸ノ内87-2
郷土愛の意識を高めた4文字熟語
写真(上)の石柱は、江名港~湯本線(県道48号)沿いにあるものです。「一圓融合」 の4文字は、鹿島地区地域振興協議会のスローガンとロゴマークとして地域の発展のために使われていますが、この 「一圓融合」 に関しては古い歴史があります。
昭和9年から同17年までの2期(第16、17代)を、鹿島村(当時)村長を務めた志賀直哉は、荒廃した村政を立て直し、豊かで平和な郷土をつくるという発想から村民に意識を促すために広めた言葉でした。 昭和初期は全国的に大不況に見舞われ、特に農山漁村の影響はひどく鹿島村もその例外ではなく、不況と共に村内の世相も激しく揺れ動いていた時です。
《鹿島神社に奉納されている、名木 「七本松」 から作られた銘板》
銘板には 『一圓融合 奉納 鹿島村振興委員会』 と彫られています。 「一圓融合」 の4文字を簡潔に説明することは難しいので、その一部に触れると「人徳を以って万象の徳を開闢(かいびゃく)するが故に、報徳生活は人道の原則であり一円融合によって万象が生々発展し・・・云々」と述べられています。 志賀直哉(村長当時)は旧、鹿島小学校校舎玄関前に円形に12本のシュロの木を植え、その中央部に二宮金次郎少年期の像(背に薪を負い本を読んでいる)を配した造園の発想をし、村内12大字全体の不況脱却と融合を願いました。 また、二宮金次郎像を中央に配したのは、児童たちが金次郎にあやかるようにとの念願を込めての建立でした。