分類:地
鹿島町を見て歩こう(75)
いわき市鹿島町 《走熊地区》 鹿島町の一端を望む 真ん中に1本の細い道があり、その周りを囲むようにして家並みがある町(写真下)ですが実はこれ、かつての面影さえ残っていない鹿島の旧道で、場所は走熊地域です。 それでも、この地域は昔から鹿島街道(旧)のメインストリートで、道の右側に小、中学校・農協・雑貨店・駐在所・簡易郵便局・床屋・精米所が並んでいました。 そして 「鹿島農協前」 というバス停があり、その他は一面が見渡す限りの田圃でした。
《鹿島の旧道で、正面に見えるのが鹿島小学校=走熊地区》
ひるまはげんげと藤のむらさき。 夜は梟(ふくろう)のほろすけほう。
ブリキ屋のとなりは下駄屋。下駄屋のとなりは小作人。 小作人のとなりは畳屋。畳屋のとなりは鍛冶屋。 鍛冶屋のとなりはおしんちゃん……。
草野心平の詩「上小川村」の一節ですが、子供の時から鹿島で育ってきた者にとっての原風景と重複してしまうから何とも不思議です。 、
《手前が「しまむら」鹿島街道を挟んで wonderGOO が見える》
遠く高台に見えるのが鹿島台(米田地区)の団地です。 当時(私の場合は昭和30年代)は鹿島が、いわき市の発展から取り残されたような環境の中にいたので、草野心平の詩には特に共感を覚えたのかも知れません。 現在(いま)、何処へ行っても町も、駅も、画一化した建物で成り立っているので、賑やかさの中に風情というものが掻き消されてしまって味も素っ気もない感じがしてしまうのですが、これは老いた者の単なる嘆きになってしまうのでしょうか。