分類 PV
赤提灯からのプレゼント
昨日の話しだが、午後1時を過ぎた頃に胸ポケットの携帯が鳴った。
ディスプレイ上には登録されていない電話番号が表示されていた。携帯を耳に当てると「△△です、昨夜はどうも。○○さんですよね」 私本人であるかを確認している。
「そうですけど」 こっちは相手が誰だか分からないまま、指名された本人であるのを認めた。
「○○さん、うさぎ、うさぎ。 どうしますか? なんなら私がお届けしましょうか?」 で思い出した。 初めて入った赤提灯のマスターからだった。
《もらい受けた兎のノンちゃん。可愛い~!》
話しを巻き戻すと、この日の夜は、いわき駅前で親友と最終バスの時間まで飲んでいた。21時10分、駅前発の舘ノ腰行きに乗ったのまでは良かったが、居眠りをして気が付いたらバスは既に小名浜本町通りを走行中だった。
鹿島小学校前で降車しなければいけなかったのに、その時点から15分も寝過す大失態を演じた。
慌てて次のバス停で降りてタクシーの空車が来たら、それに乗って帰ろうと思い鹿島街道に向かって歩いていた。 その途中で赤提灯を見てしまった。 拙作の小説 「港町ツーセイロ物語」 で題材にした店に雰囲気が似ていたので、つい首を突っ込んでしまったのだ。
なんと、ママがカウンターの中に居て(もう一人女性もいたが)マスターが止まり木に腰掛けている設定までが同じ。
どこかの社長(肩書に興味が無いので忘れた)という客と飲んでいたが、気安く話し掛けてくるので、いつの間にか私も仲間に加わって話が弾んだ。
いま思い出すと ゛うさぎ゛ の話題は、この時に出たのだった。マスターが家まで届けるとまで言ってくれているからには、私は「欲しい」とか「飼いたい」とか二つ返事をしてしまった筈なのだ。
今更、無碍に断るのも失礼なので私がもらい受ける羽目になった。今日は店が休みだと言っていたが昨夜飲んだ店に伺うとママが、私の?うさぎを用意して待っていてくれた。
大事に育てていたのだろう、綺麗になっているケージの中で1匹(羽)のうさぎが新しい飼い主を心配そうに見ていた。
ママは嫁入り道具のように、一緒に持たせる物として、赤い格子柄の座布団・顆粒状のエサ・干しワラの刻んだもの・オシメ、などを揃えて 「特に人参が好きなの」 といって、たったいま切ったばかりの瑞々しいスティック状の人参を私に寄越して、うさぎを名残惜しそうに見た。
「おしっこもウンチも、このプラスチック皿にしてケージを汚さないので、1日1回の検討で皿のおむつを変えてあげて下さいね」 うさぎに対するママの愛情が伝わってきた。
私のような一見(いちげん)の客に、大事に育ててくれるよう望みを託されてお預かりしたからには、私も本気で育ててあげなければならない重大な責務を負ったことになる。
親友に報告したら、うさぎの名前は、小説に書いた赤提灯のママの名前だったノンちゃんにしたら? と勧められた。
もう暫く飼ってからマスターとママに、うさぎに付けた名前と、元気でいるのを電話で一言伝えようと思っている。 きっと喜ぶだろうなー。
赤提灯からのプレゼント
昨日の話しだが、午後1時を過ぎた頃に胸ポケットの携帯が鳴った。
ディスプレイ上には登録されていない電話番号が表示されていた。携帯を耳に当てると「△△です、昨夜はどうも。○○さんですよね」 私本人であるかを確認している。
「そうですけど」 こっちは相手が誰だか分からないまま、指名された本人であるのを認めた。
「○○さん、うさぎ、うさぎ。 どうしますか? なんなら私がお届けしましょうか?」 で思い出した。 初めて入った赤提灯のマスターからだった。
《もらい受けた兎のノンちゃん。可愛い~!》
話しを巻き戻すと、この日の夜は、いわき駅前で親友と最終バスの時間まで飲んでいた。21時10分、駅前発の舘ノ腰行きに乗ったのまでは良かったが、居眠りをして気が付いたらバスは既に小名浜本町通りを走行中だった。
鹿島小学校前で降車しなければいけなかったのに、その時点から15分も寝過す大失態を演じた。
慌てて次のバス停で降りてタクシーの空車が来たら、それに乗って帰ろうと思い鹿島街道に向かって歩いていた。 その途中で赤提灯を見てしまった。 拙作の小説 「港町ツーセイロ物語」 で題材にした店に雰囲気が似ていたので、つい首を突っ込んでしまったのだ。
なんと、ママがカウンターの中に居て(もう一人女性もいたが)マスターが止まり木に腰掛けている設定までが同じ。
どこかの社長(肩書に興味が無いので忘れた)という客と飲んでいたが、気安く話し掛けてくるので、いつの間にか私も仲間に加わって話が弾んだ。
いま思い出すと ゛うさぎ゛ の話題は、この時に出たのだった。マスターが家まで届けるとまで言ってくれているからには、私は「欲しい」とか「飼いたい」とか二つ返事をしてしまった筈なのだ。
今更、無碍に断るのも失礼なので私がもらい受ける羽目になった。今日は店が休みだと言っていたが昨夜飲んだ店に伺うとママが、私の?うさぎを用意して待っていてくれた。
大事に育てていたのだろう、綺麗になっているケージの中で1匹(羽)のうさぎが新しい飼い主を心配そうに見ていた。
ママは嫁入り道具のように、一緒に持たせる物として、赤い格子柄の座布団・顆粒状のエサ・干しワラの刻んだもの・オシメ、などを揃えて 「特に人参が好きなの」 といって、たったいま切ったばかりの瑞々しいスティック状の人参を私に寄越して、うさぎを名残惜しそうに見た。
「おしっこもウンチも、このプラスチック皿にしてケージを汚さないので、1日1回の検討で皿のおむつを変えてあげて下さいね」 うさぎに対するママの愛情が伝わってきた。
私のような一見(いちげん)の客に、大事に育ててくれるよう望みを託されてお預かりしたからには、私も本気で育ててあげなければならない重大な責務を負ったことになる。
親友に報告したら、うさぎの名前は、小説に書いた赤提灯のママの名前だったノンちゃんにしたら? と勧められた。
もう暫く飼ってからマスターとママに、うさぎに付けた名前と、元気でいるのを電話で一言伝えようと思っている。 きっと喜ぶだろうなー。