アジアと小松

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小松基地問題研究会

志賀原発からの放射性物質の拡散予測について

2012年10月25日 | 原発(志賀原発)
放射性物質の拡散予測について

 10月24日、志賀原発の放射性物質拡散予測が発表された。7日間で、100ミリシーベルトに達する地域が20キロ以内だという。かつて私も、志賀測候所(志賀原発の近く)の風向データを調べて、年間の風向きを調べて、当ブログで書いたことがあるが、それはあくまでも風向の年間頻度であり、それ以下でも、それ以上でもない。

 原子力規制委員会の今回の発表は、数字のお遊びであり、「20キロ以遠はご心配なく」という神社のお札のようなもので、絶対に信じてはいけないのだ。
 たとえば、富来町の方向(北方向)には拡散しないかのような結論であるが、2011年2月4,5日の最多風向は南風(南→北)であり、平均風速は2.2m/s,2.9m/sであり、この日に事故が起きれば、富来町は風下になり、放射性物質が降り注ぐのだ。

 南方向(金沢)へは、放射性物質が7日間で100ミリシーベルトに達する距離が2.8キロと書かれているが、2011年1月2日の最多風向は北風(北→南)で、平均風速は2.6m/sである。60分で9360m(約10キロ)まで到達する。2.8キロ地点に到達するのに、18分もかからないのだ。
 1月9日の最多風向も北風であり、平均風速は5.9m/sであり、60分で21240m(約21キロ)まで到達し、2.8キロ地点には8分後には到達する。

 東方向に運ばれた放射性物質は日本海に降り注ぎ、日本海流に乗って富来町から輪島市に至る能登半島沿岸を汚染する。海の方に行ってくれるから一安心という訳にはいかないのだ。

 風向・風速は時々刻々変化し、一定ではないので、統計上に現れてくる数字だけで判断しては間違いを招くし、要らぬ「安心感」を植え付ける。規制委員会は「誤差がある」と言っているが、これは誤差ではなくデマの類だ。まあ、規制委員会の狙いはここにあるのだろう。

 事故時の放射性物質の拡散予測に意味があるとすれば、方向を限定せず、全方向で、風速の80%レンジ上端値から、放射性物質の到達時間を予測すべきであり、住民が原発事故からどれくらいの時間で危険区域を脱すべきなのかを示すべきではなかろうか。

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◇80%レンジ
 不規則かつ大幅に変動する振動の変動幅を表す量。ある実測時間内に振動レベルを一定個数サンプリングした場合、全(すべ)ての測定値を大きさの順に並びかえて大きい方から10%目の数値を80%レンジ上端値といい、90%目の数値を80%レンジ下端値といいます。
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