
1/30 大飯原発控訴審口頭弁論
島崎邦彦さんの証人尋問決定
4・24口頭弁論へ
1月30日、名古屋高裁金沢支部で、大飯原発控訴審が開かれた。62の傍聴席に69人が希望し、7人があふれた。今日の口頭弁論は元規制委員会委員長代理の島崎邦彦さんの証人尋問が正式に決まるのか、決まらないのかという非常に重要な弁論期日だった。
原告木田節子さんと代理人弁護士の意見陳述のあと、裁判長から、4月24日に島崎さんの証人尋問が正式に決定したことが伝えられ、傍聴席ではどよめきが起こり、緊迫した議論が始まった。
原告側からの主尋問は60分以内で、反対尋問も60分以内であること、主尋問と反対尋問の間に30分の休憩を挟むこと、主尋問に使う書類は2月末までに提出すること、反対尋問に使う書類は3月末までに提出すること、1問1答形式の尋問にすることなどが取り決められた。
裁判長は「(島崎証人尋問は)この裁判で最も重要」と言い、この尋問が成功裏に進められるのか、不成功に終わるのかによって、大飯裁判だけではなく、その他の原発訴訟にも大きな影響を与えることになる。
記者会見で弁護団は、島崎証人の採用の背景には、大飯原発の地震動の過小評価が規制委員会の元委員から出され、マスコミも報道したので、裁判所としても島崎さんの話を聞かずに判決を書くことが出来なくなったと、裁判所の決定を高く評価した。
裁判長は、島崎証人尋問の証言内容を踏まえて、今後の証人採用や裁判の進行方針を決めると言って、次々回の期日を7月5日に決定した。まさに4・24口頭弁論は樋口判決が継承されるのか、振り出しに戻されるのかの分水嶺となる。名古屋高裁金沢支部を埋めつくして、その日を迎えようではないか。
木田節子さんの意見陳述
木田さんは福島原発事故で、富岡町から水戸市に避難している。証言の一部を要約して引用する。
6年前に起きた福島原発事故は未だに収束しておらず、原発災害で避難している福島県民の数は未だに8万9000人にのぼっている。助成金制度を利用して農業をはじめた若夫婦がふたりで自死した。イチゴ栽培をはじめたが、スーパーでは遠方野菜(福島県産以外)から売れていき、自分達が作ったイチゴが売り場に残され、見切りのイチゴの安さに、将来を悲観したと言われている。
取り残されたひとり暮らしになった高齢者の孤独死が多い。子どもの甲状腺ガン発症者が昨年末には183人(疑いも含めて)と発表された。平時の子どもの発症率は100万人に1人か2人と言われているが、福島県の子ども(18歳以下)は37万人なので、異常なほど高い発症率である。甲状腺の摘出手術を受けるとき、転移・再発については「口外しない」という同意書に署名しなければ、受けられないことになっていて、実態がわからなくされている。
短い時間の中で、木田さんの思いの丈が語られ、「すばらしい判決を下されるよう、お願い申し上げます」と締めくり、傍聴席から大きな拍手が続いた。(文責当会)
島崎邦彦さんの証人尋問決定
4・24口頭弁論へ
1月30日、名古屋高裁金沢支部で、大飯原発控訴審が開かれた。62の傍聴席に69人が希望し、7人があふれた。今日の口頭弁論は元規制委員会委員長代理の島崎邦彦さんの証人尋問が正式に決まるのか、決まらないのかという非常に重要な弁論期日だった。
原告木田節子さんと代理人弁護士の意見陳述のあと、裁判長から、4月24日に島崎さんの証人尋問が正式に決定したことが伝えられ、傍聴席ではどよめきが起こり、緊迫した議論が始まった。
原告側からの主尋問は60分以内で、反対尋問も60分以内であること、主尋問と反対尋問の間に30分の休憩を挟むこと、主尋問に使う書類は2月末までに提出すること、反対尋問に使う書類は3月末までに提出すること、1問1答形式の尋問にすることなどが取り決められた。
裁判長は「(島崎証人尋問は)この裁判で最も重要」と言い、この尋問が成功裏に進められるのか、不成功に終わるのかによって、大飯裁判だけではなく、その他の原発訴訟にも大きな影響を与えることになる。
記者会見で弁護団は、島崎証人の採用の背景には、大飯原発の地震動の過小評価が規制委員会の元委員から出され、マスコミも報道したので、裁判所としても島崎さんの話を聞かずに判決を書くことが出来なくなったと、裁判所の決定を高く評価した。
裁判長は、島崎証人尋問の証言内容を踏まえて、今後の証人採用や裁判の進行方針を決めると言って、次々回の期日を7月5日に決定した。まさに4・24口頭弁論は樋口判決が継承されるのか、振り出しに戻されるのかの分水嶺となる。名古屋高裁金沢支部を埋めつくして、その日を迎えようではないか。
木田節子さんの意見陳述
木田さんは福島原発事故で、富岡町から水戸市に避難している。証言の一部を要約して引用する。
6年前に起きた福島原発事故は未だに収束しておらず、原発災害で避難している福島県民の数は未だに8万9000人にのぼっている。助成金制度を利用して農業をはじめた若夫婦がふたりで自死した。イチゴ栽培をはじめたが、スーパーでは遠方野菜(福島県産以外)から売れていき、自分達が作ったイチゴが売り場に残され、見切りのイチゴの安さに、将来を悲観したと言われている。
取り残されたひとり暮らしになった高齢者の孤独死が多い。子どもの甲状腺ガン発症者が昨年末には183人(疑いも含めて)と発表された。平時の子どもの発症率は100万人に1人か2人と言われているが、福島県の子ども(18歳以下)は37万人なので、異常なほど高い発症率である。甲状腺の摘出手術を受けるとき、転移・再発については「口外しない」という同意書に署名しなければ、受けられないことになっていて、実態がわからなくされている。
短い時間の中で、木田さんの思いの丈が語られ、「すばらしい判決を下されるよう、お願い申し上げます」と締めくり、傍聴席から大きな拍手が続いた。(文責当会)