アジアと小松

アジアの人々との友好関係を築くために、日本の戦争責任と小松基地の問題について発信します。
小松基地問題研究会

20210826黒い雨と黒い水

2021年08月26日 | 原発
黒い雨と黒い水

 政府は「黒い雨」裁判の有毒性を渋々認めたが(上告断念)、東電福島原発から排出されたトリチウム含有の「黒い水」を海に放出するという。

 資源エネルギー庁のHPには、「(トリチウム水による)外部被曝はほとんど発生しません」と書かれているが、トリチュウムが染色体異常を起こすことや、母乳を通して子どもに残留することは動物実験で報告されている(西尾正道『被爆インフォでミック』)。トリチウムは猛毒物質であり、海に放出するのではなく、発生源の東電がタンクを増設し、無毒化されるまで、百年でも、千年でも、責任を持って保管するのは当然である。

 どんなに水で薄めても、時間がたたない限り、放流したトリチウムの量は変わらないのである。トリチウム(放射能を帯びた水素)の半減期は12年で、1000分の1になるまでには120年かかる。それでも1000分の1は残存しているのだ。政府が希釈したトリチウム水が安全だというなら、コロナ禍で乱調気味の菅には、トリチウム水で満たされたプールの中で、一泳ぎしてもらってよかろうではないか。

 満田夏花さんによれば、福島のタンクに貯蔵されている処理水のトリチウム総量は約860兆ベクレルで、福島第1原発が、事故の前年に海洋中に放出したトリチウム量は2・2兆ベクレルであり、その400年分にあたる。小川慎一さんによれば、関西電力高浜原発などからは年間18~83兆ベクレル、六ヶ所村再処理工場からは試運転した3年間で、2150兆ベクレルのトリチウムを海に流している(2021.4.14『北陸中日新聞』)。

 世界中の海がトリチウムで汚染されており、原発を廃炉にするしか未来はないのである。
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