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小松基地問題研究会

20190911大飯・高浜原発訴訟(控訴審/金沢)

2019年09月12日 | 原発
20190911大飯・高浜原発訴訟(控訴審)

 2019年9月11日、名古屋高裁金沢支部で、大飯・高浜原発について、原子力規制委員会の原子炉設置変更許可の取り消しを求める控訴審がおこなわれた。

 原告は福井県の一市民で、本人訴訟で国に立ち向かっている。

 傍聴時に配布された書面「控訴に当たって再度主張」(9/11)によれば、①人格権に基づく「妨害予防請求権」、②原子力発電よりも、安全で低コストの発電が可能な時代になったこと、③原発由来の放射性物質が健康、ついには生命の危険をもたらすこと、④福島原発事故によって、原発の危険性が明らかになったと、主張している。

論より証拠
 今日の裁判は証拠裁判主義にもとづいておこなわれている。
 ウィキペディアによれば、証拠裁判主義とは、事実認定は証拠によって行われなければならないという刑事訴訟法上の原則であり、刑事訴訟法317条には「事実の認定は、証拠による」と書かれている。証拠裁判主義には、事実認定過程を客観化・透明化し、裁判官の恣意を排除するという特色がある。「証拠」とは、証拠能力を有し、適式な証拠調べを経た証拠をいう。このような証拠による証明を「厳格な証明」と呼ぶ。
 すなわち、「論より証拠」なのであるが、この点がこの裁判の弱点になっているようだ。国の答弁書(8/29)でも、「抽象的な危険性を指摘するにとどまり」「具体的な主張立証をしておらず」と一蹴されている。

ちょっと気懸かり
 この書面(「控訴に当たって再度主張」)では、「一般の建築物は…震度6強から震度7にかけての地震でも倒壊することはない」「三井ホームや住友林業の住宅では、熊本地震のような強い地震が何度もくる稀な地震でも構造躯体が維持された」と断定的に書いているが、このような主張は、むしろ相手方に有利に働くのではなかろうか。
 むしろ、事実は逆なのではないか。2019年9月1日に放映されたETV「サイエンスZERO」では、2016年4月14日に発生した熊本地震(震度7が2回)によって生まれた地表断層の120メートル以内で、家屋倒壊が集中していたと報じている。
 そして、2メートルもの平行移動(揺れ)があり、建物がバタバタと倒れ、ガラガラと崩れており、もしも、そこに原発があったら、原子炉建屋や付属の諸施設(配管、配線など)がいかに危険であるかを主張した方がよいのではないかと思った。

次回は11月13日
 閉廷後、原告からいろいろ説明があったが、13000円分の印紙さえ準備出来れば、裁判を起こせると説明されたが、裁判所に幻想を抱いてはならないのではないか。この間、さまざまな社会的裁判を傍聴してきたが、裁判所は独立しているわけではなく、政権の付属機関以外の何ものでもないから、むしろ裁判を主張の場として、人々の結集とたたかいの構築を図ることが重要なのではないだろうか。
 次回は11月13日(水)午後1時15分~ 
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