おっさんひとり犬いっぴき

家族がふえてノンキな暮らし

極北の世界

2017-10-26 11:53:26 | 福島

 レンタルビデオ屋から借りて来たDVDの中に、「氷の上のふたり」という映画があった。どこのどういった映画かもわからなかったが、パッケージにホッキョクグマの写真があったので借りることにしたのだ。

 映画はディズニーの動物映画みたいな話で、カナダ北部の町(たぶん)に迷い込んだホッキョクグマ親子のうち、母熊だけが北極に移送され、子熊が残されてしまったので、少年が苦労しながら自力で母熊の元へ連れて行くというものだ。ただ、フィクションなのでツッコミどころ満載だったが、母親が移送された場所が北極海のレゾリュートという場所だというのは印象に残った。というのも、どこかで見聞きしたような覚えがあったからだ。

 もしかしたらと、以前読んだ探検家・角幡唯介さんの「アグルーカの行方」を引っ張り出してみると、確かに同じ場所が出ている。この本は、北極海に海洋ルートを見つけようとイギリスが大編隊を組んで探検に向かいながら、氷に閉じ込められて全滅した同じルートを、角幡さんが徒歩でたどるというものだ。その出発点がレゾリュートだった。

 植村さんの「北極圏1万2000キロ」の中でも、途中立ち寄っている。植村さんはグリーンランドから犬ゾリで出発するが、国境を超えカナダに入るとエスキモーも犬ゾリではなくスノーモービルを利用する。「氷の上のふたり」の舞台がカナダ北部だろうと見当をつけたのは、登場する人たちの足は、すべてスノーモービルだったからだ。

 氷点下30度という世界では、氷点下10度では「今日は暖かい」と言う。凍っていればスノーモービルや犬ゾリで移動できるが、氷が溶ければ飛行機でも使わなければ遠くへは出かけられない。

 地球温暖化により北極海の氷がなくなり、ホッキョクグマが絶滅の恐れがあると言うが、エスキモーだって猟もできなくなるし、移動もできなくなる。僕らが普通暮らしやすさと呼ぶものとは正反対の場所だが、最近やたらに惹かれるものがあるアベさんなのである。

 

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