朝、窓の外を見たら霧で真っ白になっていた。よく晴れ上がった秋空もいいが、たまには異界に紛れ込んだかのような幻想的な風景もいい。
早速カメラを持って散歩に出かけるが、あまりに霧が濃いのでカメラを向けてもシャッターが切れないことが多い。近頃のカメラは頭がいいので、対象物がないと判断すると自動ではシャッターは切れなくなる。
霧の濃い日というのは天気が良くなる前兆で、太陽が顔を出しさえすればあっという間に霧は晴れ、そのあとは晴れ間が広がる。天気予報では今日の福島地方は、日中30度くらいまでは上がるらしい。
西日本の方は今日は雨というから、週末は天気が崩れるだろう。すっかり実ったお米だが、稲刈りは来週に持ち越すところが多いだろう。稲刈りが済み、殺風景になった田んぼがあちこちに出現すると、一気に秋は深まり、山々は紅葉に彩られる。ついこの前まで猛暑日が続いていたことを思えば、季節の移り変わりはびっくりするほど早いのだ。
一緒に散歩していたテオが、突然唸り声をあげて何かを威嚇し始めたので、ウサギでも現れたのかと思えば、なんと蜘蛛の巣に向かって吠えていた。
確かに昨日はその場所に蜘蛛の巣はなかったけれど、威嚇しなければならないほど怖いというのは情けない。根が臆病もののテオは、自分の家の中でも、見慣れない荷物が置いてあるだけで遠巻きにして吠えている。世の中、どっちかというと初めて見るもののほうが多いのだから、あんまり用心していると疲れちゃうぞ。
それにしても「蜘蛛の巣」とは言うが、クモは罠を張っているだけで、巣にしているわけではない。鳥の巣と蜘蛛の巣では、同じ巣でも全然別物なのに、違和感を感じないのは不思議だ。きっと日本語を習っている外国人は戸惑うだろう。例えば、サバ缶は鯖の缶詰なのに、猫缶には猫が入っていないのと同じようなものだ。日本語というのはかなりいい加減なことでも通じてしまうのである。
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