おっさんひとり犬いっぴき

家族がふえてノンキな暮らし

暴力と民主主義

2022-07-09 06:57:37 | 日記
 今朝の毎日新聞を読んでいたら、コラムにこんな文章があった。「民主主義に必要なのは、暴力で物事を片付けようとする誘惑を国民に醸成しないための環境づくりである」。堅苦しい言い回しだが、簡単に言うなら「暴力に訴えなければならないのは民主主義が機能していないから」ということでもある。

 小さな子供だって、自分の意見を聞いてもらえないと、物を投げたり打ってかかって来たりする。国民だって同じで、少数の人たちが無視されつづけば、ついには爆発するだろう。宗教的ないさかいや民族的ないさかいが起こるのも、どちらかの意見が無視されるからだ。

 そう思うので、昨日から安倍元首相の事件についてコメントしている政治家や解説者の話にずっと違和感を覚えている。というのが、口を揃えて「民主主義に対する暴挙である」「民主主義は暴力に屈してはいけない」と勇ましいのである。

 が、政治に暴力が持ち込まれるのは、民主主義がきちんと機能していないんじゃないか、とも思えるので論点がはぐらかされている気になるのである。

 ちなみに今度の事件の犯人は、安倍さんの政治信条と関係なく殺すしかないと言っているようなので、政治家の人たちが声を揃えて言うような、テロでも民主主義を破壊しようとする暴挙でもない。どちらかと言うと、自分のことを振り向いてもらうための無差別殺人や、死刑になりたかったと言って犯す事件にしか僕には感じられないのである。だからもし今度の参院選で「弔い合戦だ」みたいなことを言って選挙戦を戦うような政治家が出てくれば、それはどんなことでも利用してやろうという姑息な輩だろう。
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