おっさんひとり犬いっぴき

家族がふえてノンキな暮らし

大人のレベル

2018-05-24 11:25:06 | 日記

 日本中で話題沸騰の話なのでわざわざここに書く必要もないのだが、何か書こうと思うと、どうしても頭をよぎるのは日大アメフト部の反則行為のことだ。仕方がないから、少しだけ書いておくことにする。と言っても事件自体は有名なので、ただ感じたことだけにする。

 監督、コーチの指示で悪質な反則行為を犯した選手は、謝罪と反省のために大勢のマスコミの前に姿を表し、真摯に記者会見をした。若干二十歳の若者が、あれだけ多くの人の前で謝罪会見をする姿に、反則行為はダメだとしても、その態度に「最近の若者には珍しくしっかりしている」と感じたのではないだろうか。もし、あの場に立つのが自分だったらと考えるだけで、舌がもつれ、膝がガクガクと震えそうなのだから。

 ところが、翌日には共犯でもある監督とコーチが記者会見をした。そのグダグダ具合は前日の若者の記者会見とあまりに落差が大きかっただっただけに、ニュースを見た人は「近頃の大人は、人間としてのレベルがかなり落ちてきているんじゃないか」と心配になったのではないだろうか。誰が見ても教育者とか指導者と呼ぶには正反対に位置する人たちだったからだ。

 このグダグダ会見にはおまけがついた。司会を務めた日大広報部の人間が、長くなった記者会見を無理やり打ち切ろうとした。「もう、十分話しましたからこの辺で」
「まだ、納得していないのだから、もう少し話が聞きたい」 
「納得してもらうことが前提ではないので」
「そんなことを言うと、日大のブランドが落ちますよ」
「落ちません」
 と言うような前代未聞の終わり方をしたのだ。

 よくそれで広報が務まるなと思っていたら、なんとこの司会者は、前職が共同通信社の記者だという。この前まで記者だった人間なら、会見に集まった記者たちの心情は心得ているはずである。と、期待するのは間違いのようだ。まるで昨日まではきつい年貢に苦しんでいたお百姓が、越後屋に就職した途端、悪代官と一緒になってお百姓をいじめるような構図なのだ。こんなのはドラマのシナリオにもならないが、現実世界では、大人の劣化により、そのくらいのドラマしか演じられなくなっているのである。

コメント
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