フィヨルドの変人 ~Odd person in fjord~

ぇいらっしゃ~い!!!

くまが演歌をうたいます

2012年02月09日 18時34分49秒 | 日記

と言うわけで今日のブログネタは「くまうた」。

どんなゲームかと言えば、「初音ミクの遠すぎる先輩」とでも言いますかね。
まずストーリーを話せば・・・

宇宙の片隅の、小さな星。そこに、一匹の宇宙クマが住んでいました。
ある日、クマは、いつものように森の中を散歩していました。
すると、道に、何かが落ちているのを見つけたのです。
それは、一冊の本でした。
「えーと・・・、宇宙演歌全集・・・、って書いてあるのかな?」
「よくわからないけど、この本を読めば、きっと人間のコトバをマスターできるぞ!」
クマは、熱心に、その本を読み続けました。すると・・・
「なんだろう? 胸の底から、歌が・・・、歌が聞こえてくるぞ!」
「♪女が流す 涙の川は~
 ・・・ああ、なんて心にしみる素晴らしい曲なんだ!」
そうです。クマは、いつのまにか、演歌の心に、目覚めていたのでした。
「もっともっと、演歌のことを知りたい!」
そう思ったクマは思いきって、宇宙演歌協会に相談してみました。
こうして、クマは、演歌の聖地、地球に渡り、一人の元演歌歌手に弟子入りすることにしたのです。
長い長い、苦難に満ちた旅のすえ、ようやく、地球にたどりついたクマは・・・
いま、あなたの家のドアの前に立っているのです。


・・・以上、実際にゲーム中で語られるまんま書いてみました。なんかもうセンスが地球を2周くらい先を行っているか、さもなきゃ2万周くらい逆行してますわね。
要はこのくまと一緒に演歌を作る、ってゲーム。売り上げや演歌賞等の要素はあるけど、別に売り上げにノルマがあるわけでもなく、ゲームオーバーにもならない。
流れ的には、くまと一緒に演歌を作って、それをくまが歌う、と言う流れ。こちらがまずテーマ(「人生」「女」などの演歌っぽいのから「ミカン」「ロココ」なんていうふざけたのまで色々)を指定すると、それに合わせてくまがまず歌詞を書く。歌詞は七文字ないしは五文字ずつのブロックに別れていて、気になるところをこちらが添削していくという流れ。ただし、くまはあくまで宇宙クマなので、地球の言葉に多少疎く(日常会話は全く問題ないのに)、彼が書く歌詞や修正時の候補語句は正直無茶苦茶。添削どころか毎回歌詞は大手術になる。
例として、くまが自分で作った歌詞をご覧いただこう。テーマは「お風呂」

それは度胸か バブルかな
若い洗髪が ブラシだったら
パッとはるかな 大空ね
明るくない 化粧水
心の底から おやすみなさい
従業員は のぼせたという


これはひどい。
歌詞が出来たら曲をつけるが、こちらに出来るのは曲調を指定するだけ(「ちょっとポップに」とか「しんみりさせろ」とか)。あとは曲のタイトルをつけて(これもくまが出す候補から選ぶのだけどもちんぷんかんぷんなタイトルばかり言うので案外時間がかかる)、曲が完成。
ここまで苦労すると、ご褒美とも言える「新曲発表会」となる。苦労して作った歌をくまが珍妙なセットで、珍妙な衣装を着て、珍妙な声で歌い上げる。
実際にご覧いただこう。



これはすごい。いろんな意味で。
数文字の短い単語をロボットみたいに喋らせるというなら、小川範子さんの時代から(意味不明)あるけれども、歌のように音の高低やある程度の長さの発音を可能とする一般用ソフトは、パソコンやゲームをひっくるめても、これが元祖と言ってもいいと思う。もちろん声は珍妙だけれども、それを発するのを人外生物(宇宙クマ)にする、という逆転の発想で、珍妙さを個性とした制作者はホントにセンス良いと思う。
と、同時にボーカロイドを珍妙な生物が跳梁跋扈する世界にすることなく、「初音ミク」を開発することにより、きちんとかわいい女性が代名詞になるような世界としてくれたクリプトン・フューチャー・メディア株式会社様には素直に賛辞を送りたいと思う。
ちなみに歌詞自由作成モードもくまうたにはついている。みんな考えることは同じのようだ。



ゲームとするとランダム要素も多いし、これと言った攻略法もない。精魂込めて作った歌がヒットするわけでもないし、適当に作った歌がヒットすることもある。このゲームを楽しめるかは、作った歌に、そしてくまに如何に思い入れが持てるかが分水嶺だと思う。ただ、のれた場合はこれは相当に面白くなる。
知る人ぞ知るソフトだけれども、中古であれば別にプレミアはついてない。発売当時、ネットワーク機能で個人情報が流出する、なんて騒ぎもあったけどもね。まあ既に対策済みですけど。
PS2持ってていまだにやれる環境があるなら、一度経験してみて下さい。損はしないぜ(得もしないかも知れないけど)
コメント
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