フィヨルドの変人 ~Odd person in fjord~

ぇいらっしゃ~い!!!

よく言われる語源の「飛び跳ねるノミ」は一説でしかなく、実ははっきりしてません

2010年04月06日 20時07分02秒 | 音楽
1つウクレレが戻ってきたのでもう一つを調整に出しました。
出したのはハワイ製の「Kelii(ケリー)」というブランドのウクレレ。

ぬたりがウクレレを手にしたのは、つじあやのさんの「風になる」(ジブリの「猫の恩返し」主題歌)を聴いて影響を受けての話。最近はやたらギターギター言ってますが、実際に触っての衝撃はウクレレの時の方が遙かにでかくて、「ぼくにもひけた」(G馬場かお前は、ってネタが古いわ)って言う喜びは今でも忘れられないですね。
んで、当時つじあやのさんが使用するウクレレがほぼケリー一本だったのね。「風になる」も当然ケリーで演奏している。そうなればぬたりも同じ物が欲しくなるのが道理。さださんと同じギターが欲しいとか思うよりはなんぼも現実的な話だし。Terry’s Terryなら200万は下らないし、ヤマハのLL120MSですら120万円するんだもんな。
ところが、これが何処を探しても、つじあやのさんと同じモデルが見つからない。
ぬたりがウクレレをやり始めた時には、つじあやのさんのは旧モデルとなっており、中古を探さざるを得なかった、というのが理由の1つ。もともそんなに大きな工房でないから生産量は少ないし、当該モデル生産当時は正規輸入代理店というのも存在しなかった。だから日本に入ってきた絶対数がそもそも少ない。
で、当時の現行モデル(かなり印象が変わっていました)は、天下のヤマハが輸入代理店を一時期していたんだけど、これすらほとんどお目にかかれない状態だった(一応はヤマハ音楽教室受講なもので、そのあたりの経緯も実はセンセから聞いた)
結局しつこいくらいにネットを漁っていたら、念願の旧モデルの出物がお茶の水の楽器屋にあったので、速攻飛んでいって確保した訳。
実際には、形が同じと言うだけで、つじあやのさんの(カスタム)とぬたりの(スタンダード)はグレード違い。んで、ボディのバックに明らかに見て分かる傷もあった。そんなのに数万円(細かい金額は失念)出して良いものか、店頭で随分悩んだんだけどね。確か当時の新モデルの定価とほぼ同じ売値だったと思う。
で、実際買ってはみたものの、これが信じられないくらいに弾きづらい。弦高も相当に高く、感覚が他のウクレレと全く違う。なもんで、買ってしまってからはケースにしまったまま放っておかれる不遇の時を過ごすことになる。実は1回だけ売りに出されかけたことすらもあった。ちなみにその時の査定は
「大して値はつかない(1万円くらい)から、多少の金額で売るくらいなら興味のある人にプレゼントでもした方が良いと思うよ」
という涙無くしては語れない評価だったんだけどもね。

それから更に数年。このブランドを巡る状況は随分変わった。結局その後この旧モデルを眼にすることはなく、結果的にぬたりはワンチャンスを確実にモノにしてゲットした形となっている。そして天下のヤマハが入れていた新モデルも、実際現物を眼にしたのはたった1回きりだった。
そしてそもそも「ケリー」というブランド自体が現在は消滅しているらしい。一言で言えば、安易に量産化に走って、ブランドの信用を失墜させたらしいのね。
つじあやのさんもかつてはケリー一本槍だったものの最近は複数の主力ウクレレを持つようになっている。

希少価値は確かに上がったんだろうけれどもね。実際ギターのセンセは現物見ながら「この頃のままでいてくれたらケリーも良いブランドに育ったのになあ」と感慨深げに話すくらいのしっかりした作りをしている。とはいえ、そもそも元値がそんなにしないし、ブランドとしては地味すぎるから、市場での売値が上がった、ということもないんですけどね。
ただまあ、自分と音楽をつないだ、という観点から言えば、実は手持ちの楽器の中では有数の物語性を持つウクレレには違いありませんわね。

弾きやすくなって、帰ってきてね。
コメント
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