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憲法論議はいよいよ本番に。自由な掲示板です。憲法問題以外でも、人間的な話題なら何でも大歓迎。是非ひと言 !!!

グローバル・ヒストリー上の今(1)   文科系

2017年03月21日 21時43分07秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 グローバル・ヒストリー上の今  文科系

 トランプ登場の論議が姦しい。先日ドイツであったG20蔵相・金融相会議でも大もめ。それも、米国1国が自己主張を貫き通して「大変満足」という結末。これでは、7月のG20首脳会議は一体どうなることやら。そんな今、標記のこととして関連づけられる、いろんな本の内容紹介を中心とした数本の過去エントリーを集めて連載形式とし、再掲させて頂きます。目次を予告するとしたらこんなところでしょうか。
(1)世界震源マグマど真ん中の日本
(2)米社長たちはこうして「金融の馬車馬」になった
(3)ギリシャ危機下のユーロを、ゴールドマンはどう活用したか
(4)随筆「ならず者国家」
(5)とにかく、世界史の過渡期が、終わる?
(6)ある老碩学本末尾の抜粋「米中の明日は?」
 

(1)世界震源マグマど真ん中の日本  文科系 2016年10月31日

 以下のこの文章は、この間にここに要約①~③などをしてきた著作「金融が乗っ取る世界経済」関連の10本ほどのエントリーを実証的各論として、その上にまとめ上がった世界情勢の最も大きい総論ともいうべきものの積もりです。ここの10月8日エントリーにこの本の後書き自身ほとんどを『ドーア本あとがき、「米中関係」で「挑発」』と題して転載しましたが、以下はこの本を読み終え、ここに種々紹介してきた今の僕の「後書き」に当たります。よろしく、ご一読下さい。

 ここに何度も書いてきたように、米国は国家も家計も大赤字だ。

 元米国家監査院長によって国家自身の各種累積赤字が65兆ドルと報告されたのは、つい最近のこと。それでいて年間軍事費はいつの間にか冷戦時代の2倍になっていて、年60兆円も使っている。アメリカの家計もサブプライムバブル破裂などの結果として大赤字で、破産者が多い。1600兆円を超える貯蓄があるから、国家に1000兆円を超える赤字があっても円の世界的信用を維持している日本とは違うのである。アメリカには、サブプライムバブル破裂前後に家を取り上げられた破産低所得者は無数だし、消費者ローン破産者も巷に溢れかえっている。

 さて、こんな状況で年間軍事費60兆円をどう維持していくのか。この維持が出来なければ、アメリカは早晩パクスロマーナ、無敵艦隊スペイン、大英帝国と同じ轍を踏むことになろう。そこで浮かび上がって来るのが、金融である。つまり、アメリカ金融が現在世界振動の大マグマになるはずだ。

 アメリカは物の貿易収支はずっと大赤字なのだから、金融収支に国の存亡を掛けるしかない国に、90年辺りからなっている。世界各国の通貨に空売りをかけて通貨危機をあちこちで起こしたり、サブプライム・ローン組込証券のようなデリバティブを世界中の小金があるが無知な例えば学校法人などにまで巧みに売りつけて大損させたり、外国企業の株を買い占めてその操作に励んだり。株の操作は、原則こんな遣り口である。一つは、資産が多い外国企業の筆頭株主になり、その資産を売り払って株をつりあげてから、これを売り抜く。今一つは、ちょっと長期の筆頭株主になって経営権を握り、リストラに励んで株を吊り上げて売る。こういうこと、つまり金融の国際競争力を育成、奨励したいアメリカ国家だからこそ、ソロスやバフェットのような大投資家にキャピタル・ゲイン税15%などという猛烈な減税優遇を施してきたのだろう。また、こういう世界経済への金融支配の結果として、世界中に失業者や不安定雇用者が溢れることになったのだろう。

 さて、以上のような世界情勢認識からアメリカの今後の国家戦略を考える時、こんなことが浮かび上がってくる。現世界最大の資産国、日中の資産狙いだ。だからこそ、一昔前の原油操作狙いの中東重視戦略から、西太平洋重視へと世界戦略の方向転換を最近図ったのだと、僕は観ている(もちろん、歴史的結果としてイスラムの国々から徹底嫌悪されてしまったということもあるだろうが)。それも、出来るだけ日中が手を組まないように、相互反目、離反を謀りつつ。こういう目で観て初めて、以下のようにいろんな事も見えてくるのではないか。

 最近日本のGPIF投資が10兆円を越える損益を出したようだが、あれはアメリカの仕業だろう。日本最高の金融頭脳にこれだけ多額な損をさせるというような金融経験を持った大物は、いくらレバレッジを掛けた遣り口を使ったとしても、これ以外には考えられない。
 また、小沢、鳩山の「徹底排除」はその日中接近姿勢への妨害工作としてあったのだから、今の南シナ海問題にもこんな視点が必要だろうと考える。ここからまた、フィリピンのドゥテルテの反米姿勢、「中比2国間交渉主義」姿勢は、今後のアメリカが陰陽両様で大問題にしていくはずであって、この問題にも日本は否応なく巻き込まれることになるだろう。ちょうど新政権代表団を組んで真っ先に中国を訪れた小沢一郎が嫌悪、排除されたように。
 また、こういう目で観れば、韓国の大統領の国家機密漏洩問題も怪しいと愚考している。彼女が中国に接近したのは、アジア通貨危機やリーマンショックなどを通じて日米に金融搾取されたからだと僕は観てきたが、この対中姿勢が今度は日米から嫌悪され、排除されようとしているということだ。

 こうして僕には、日本の右の方方がこういう日米問題を大きく取り扱わないのが不思議で仕方ない。今の米国に付いて行っても、良いことなど何もないのである。金融搾取が謀られたり、日米集団安保法制よろしく「軍を出せ」といわれて日本人が70年ぶりに他国と殺しあいを演じるぐらいしか。それとも、「集団安保法制は形だけで、対米『物』輸出を続けさせていただくため。金融搾取はこれを跳ね退ける」などという芸当が、果たして可能なのかどうか。

 今の米国大統領選挙を観て、日本国民も気付くべきだと思う。「どちらがより嫌われ者か?」という激論が、「どちらがウォール街に近いか?」という批判合戦になっている。日本国民こそ、サンダースのようにウォール街からの距離を取るべきではないか。(日本と同じように)不安定労働者、相対的貧困者が先進国ではダントツに多いのは、金融立国だからと気づき始めた米国国民が、そんなことを教えてくれていると思う。
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PKOは、以前のPKOじゃないのですね。  らくせき

2017年03月21日 09時35分24秒 | Weblog
国連は人道的な立場からPKOで武力を行使、戦闘を容認しているんですね。
自衛隊は9条をかえないかぎりPKOには参加できなくなっている。
それにも関わらず、スーダンに派遣しているのはオカシイのでは?

民主党政権が派遣をきめた時とは条件がかわってしまったのでは?


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ハリルジャパン(88) 代表戦再開、期待する選手  文科系

2017年03月20日 11時55分40秒 | スポーツ
 いよいよアジア予選再開。日本には明るい材料ばかりである。唯一の不安は、手術を要する怪我による長谷部の不出場、これだけ。
代わって、絶好調組はこれだけ居る。FWでは、大迫、岡崎に、久保までが台頭してきた。MFでは、何と言っても原口。そして日本最大弱点のセンター・バックで完全レギュラーに復活してイングランドカップ戦決勝まで進出して、マンUイブラと激しい当たり合いを演じたばかりの吉田の成長が、何と言っても心強い。

 日本在籍選手も明らかにレベルが急上昇している。このレベルアップはACLを観ると分かり過ぎる程に分かるのである。鹿島の守備が群を抜いているが、他のチームもどれだけ当たり強くなったことか。

 NHKがBSで、過去の代表戦を映してくれている。相手をちんちんにしたあのサウジ戦を3度目に観た。大迫と原口の何とオールマイティーでアグレッシブなこと!
 原口の、自分で敵ボールを奪い取って相手ゴールまで迫っていく再三のプレーなどは、日本の過去の国際戦では考えられなかった質のもの。彼が連続得点できるのは、ゴールに結びつくチーム・ボール奪取世界水準に通じているからとさえ見たものだ。
 大迫がまた凄い。もともとオールマイティーな選手だが、現世界の得点法・ボール奪取に更に磨きがかかるなど、あらゆるプレーの水準が上がっている。これがまた、得点の他にアシストもできるのだから、岡崎と組ませたら最高のコンビではないか。

 この岡崎がまた、レギュラー復帰しているだけではなく、彼の復帰と共にレスターは連勝! 水準が上がった天才・大迫には、地味な鈍才・岡崎の「格別な良さ」が誰よりも分かるに違いないのである。なんせ、大迫がやっと慣れてきたドイツで得点ランク上位に最後2年も名を連ねていた大先輩なのである。しかも、日本にかっていなかったような、超長期の代表FWレギュラー、つまり絶対的代表FWでありつづけてきた。この点は、カズもゴンも、城、柳沢などなどの代表FWを誰を取り上げても及ばず、どれだけ強調してもし過ぎることはないのだが、日本のスポーツ・マスコミは意外に岡崎を扱わず、その都度新たな顔ぶればかりを取り上げてきたのだから、ただ笑える。まるで、サッカー人気を上げないように努力しているようで。ちなみに、岡崎は今度のW杯で3度目の出場になる。

 マスコミが大騒ぎを続けてきて並みの選手のままで消えていった人のどれだけ多かったことか。それも、FWか攻撃的選手に限られているのだから、岡崎の扱いが不当に思えるのである。ちなみに、野球ばかりを不当に持ち上げる点でも、日本のスポーツマスコミは下らない。スポーツマスコミも公器のはずだが、ことスポーツに関しては公器という立場を近ごろ特にかなぐり捨てていないか。「大相撲の復興」も何度も言われてきたが、長期的に見て本当のことかね?
 スポーツ・マスコミの「興業主義」、「見せるスポーツ主義」では、野球も相撲もサッカーも長期的基本的に廃れていくばかりのはずだ。スポーツは、子どもにせよ生涯スポーツにせよ、やる人が増えることに社会的に貴重な意味があるのであって、それを無視した興業主義の発展などはあり得ないと言いたい。岡崎のことを考えるたびに、そんなことをも思うのである。
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日本はこのまま終る国なのか   文科系

2017年03月20日 09時45分08秒 | 国内政治・経済・社会問題
 日本という国は、こんなに羊頭狗肉が普通になってしまって、特に偉い人たちがこうなっていては、日本人特有の優しさも失ったもう終わった国なのかなと考え込んでいる。二つのコメントをお読み願いたい。最初の物は昨日のエントリーに付けたコメントですが。

【 こんな文科省でも・・・ (文科系)2017-03-19 10:34:11
 こんな(オール官僚天下り体制の組織者である)文科省でも、流石にこんな考え方は持っていないし、ましてや語ることなどはしないはずだ。
『教育勅語は良い(ことが書いてある)』
『大日本帝国憲法下の日本も国民主権であった。天皇が今の象徴と変わらなかったのだから』
『南京大虐殺は(ほぼ)なかった』

 こうして、こんな考え方を持った日本会議の面々は、こういう文科省よりも遙かに反知性主義が酷いと言える。敢えて言えば「真実なんてどうでも良い」と考えているように見える。よって、こんなことさえ不安になるのである。こんな文科省や官僚体制がばんばん叩かれる今が、何か日本の反知性主義的右傾化、政治腐敗を更に大きく招き寄せているような気がすると。政治家という目糞が官僚という鼻糞を叩いて、目も鼻も、よって日本国という身体自身が、どんどん悪くなっていくような・・・。】
(「文科省経由、オール官僚天下り体制  文科系 2017年03月19日」に付けたコメント)

【 受験校で (文科系)2016-10-07 21:28:48
 現代の男のことで、コメントを続ける。
 我が連れ合いは、愛知県一の難関高校で定年までの最後17年を国語教師として過ごした。ついでながら、僕の兄弟妹3人はこの高校を出ているし、僕の中高一貫校の中学のサイクリング仲間である親友らが何人かこの高校へ行った。それで僕は、この高校の生徒たちの移り変わりをずーっと観て来られたという立場にある。そんな目で観るとこんな変化に気付く。

 何よりも大きいことはこれ。「自分勝手な秀才」が現れたこと。昔の秀才ってみんな、正義感も結構あった。そして、そういう人が生徒会とか、クラブのレギュラーやキャプテンなんかをやっていたものだ。こういう高校が変わってきたのが、1960年代後半からだと思う。この高校にも、「自分勝手な秀才」がどんどん増えていくようになった。クラブもやらず、生徒会などには脇目もふらず、文化祭さえ休んで、ただ自分の勉強に励む。そういう生徒を、心ある先生たちは本心忌み嫌っていた。
「こういう人物らが東大法学部へ行ったり、国立医学部へ入ったりして社会の指導者になっていくとすると、日本の将来は暗いなー。医者や政治家なんて特に、こういう人物にはなって欲しくないものだが・・・」
 この学校では今でも、昔タイプ秀才は多いからこの「自分勝手」は目立つのである。ただそういう昔の秀才タイプも社会に出ると、いつの間にかそれぞれの集団に合わせるのかその正義感を無くしていくと、そんな姿はいっぱい見てきたものだ。(以下略) 】
(「日本の男と女、この文化の異なり」文科系2016年10月04日」へのコメント。)

 ここの終わりに、一言。かく語る僕も一時、当時はほとんど意識もしていなかったのだが集団に染まっていたなーと後悔している時代がある。ひどく後悔していて、思い出しては今でも悲鳴を上げるときもあり、いつしかそういう習慣が付いてしまった程だ。人生は難しい・・・。
 

 
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文科省経由、オール官僚天下り体制  文科系

2017年03月19日 09時57分27秒 | 国内政治・経済・社会問題
「文科省」天下り問題はどうも、文科省だけの不正ではなく、標記の大悪と判明してきた。
 つまりこういうこと。文科省を通じて、日本中の全ての大学に全省庁官僚を天下りさせる体制であったと。今朝の中日新聞三面にも、こんな報道があった。

『新たに三十件を超える国家公務員法違反が同省の調査で確認されたことが分かった。これまでの判明分と合わせ、違法事案は約六十件になる。文科省職員が外務省や内閣府の退職者の天下りをあっせんした事案も含まれる。(中略) 違法事案は二月の中間報告から倍増し、歴代幹部を含む大規模処分は必至。他省庁に問題がどれだけ広がるかが今後の焦点となる

 なお、五輪絡みの罪で更迭された局長までが、天下りによってこんな風に救われているという。悪に悪を重ねた大悪であって、現在の官僚体制の腐敗、その底深さの深淵を覗いた思いがする。

『文科省元スポーツ・青少年局長が昨年四月、埼玉県にある私立大の学長に再就職した際も人事課が関与した。元局長は二〇二〇年東京五輪・パラリンピックのメイン会場となる新国立競技場の建設を担当していたが、工費膨張による計画撤回に伴い更迭された』

 日本国民一般がこの超格差社会で四苦八苦しているときだから、大変な罪であって、なんたることかと思う。若者には就職氷河期やブラック企業、中高年は再就職毎に条件を落としていく時代なのである。そんな時代に、大学教職員の職を文科省を通して官僚らが奪い取っていた。こういう確信犯に文科省が成り下がっているというのは、近ごろ流行の反知性主義にもこの省がどっぷりと浸かっているということを示している。

 関連してさらに、こんなことさえもうかがわれる。文科省が、大学への己の大きな権力を活用、悪用して、全省庁官僚を大学教員職などへと再就職押し込みを図ってきたという体制は、さぞや、官僚体制全体の中に文科省の発言力、権力を拡大していくやり方にもなったろう。それも、こうした性悪大悪を拡大する確信犯の権力拡大なのである。
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安倍さんはどうなる?  らくせき

2017年03月17日 19時09分08秒 | Weblog
人徳のなき性格か?籠池さんは腹をくくって証人喚問に。
安倍さんも一緒に喚問したらどうかな?

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「グローバル・ヒストリー」という学問の登場   文科系

2017年03月17日 09時56分05秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 ここで紹介してきた『書評「アメリカ帝国の終焉」』でも、標記の学問(分野)のことに触れた。そして、この書評⑤に「東洋経済12月24日号」の特集『「いま」がわかる歴史の読み方』に関わって、昨日コメントを一つ付けた。この特集の中の「覇権国家の行方ー欧米からアジアへ」という記事に触れて。 

 グローバル・ヒストリー。この語と、これが説く内容が、最近の世界マスコミに頻繁に出てくるようになった。これは、世界経済史における各国の力を数百年単位の盛衰の流れとして観る学問。イギリス経済学者アンガス・マディソンの学説とその膨大な資料が有名である。

 今の経済報道マスコミが、「今とここ」だけ、そんな株価動向だけに成り果てているとき、例えば500年もの経済盛衰史を示してくれる学問はすごく貴重だと言える。上記「東洋経済12月24日号」の特集資料をやや詳しく説明してみよう。予め言っておくと、この記事には大きな欠陥がある「欧米からアジアへ」と題しながら、中国のことを完全に避けて、インドのことでお茶を濁している。なぜなのだろう? 苦笑いしながら考えてみたとだけお伝えして・・・。


 さて、この記事には西暦1500年から今日までの世界経済盛衰史資料が載っている。1500年当時とは、やっとコロンブスのアメリカ「発見」があったばかり、当時のいわゆる欧米経済力は世界の3分の1にも満たないそれが1900年の頃には、逆に、アジアが4分の1以下になる。中国とインドが植民地主義にやられた「特殊な時代」という説明があった
 それから120年、アジア・アフリカが、欧州・南北米大陸を、昔のように追い越そうという時代。それが今なのである。中国とインドが復活してきて、日本も1970~80年代の「ジャパン・アズ・ナンバーワン」時代よりはかなり落ちたとは言えやはり大きいGDPを持っているということなのだ。一時NIESと言われた韓国、台湾や、マレーシア、インドネシアなどの東南アジア諸国の台頭にも凄く大きなものがあると分かる。

 さて、こんな時代に斜陽のアメリカべったりで中韓と喧嘩するような軍事政策をさえ採ってきた安倍長期政権は甚だしい時代錯誤と言えないだろうか。昨今の「森友」「南スーダン」問題のすったもんだは、安倍の時代が終わったと誰かが動き始めたのだろうなどと、想ってみたところだ。
 こんな政権、時代に合うわけがない。「アメリカの非知性と時代錯誤・トランプと良い勝負」、には相応しいかも知れない、等とも想ってみたもの。
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日本会議、「東京裁判史観」「連合国史観」という茶番  文科系

2017年03月15日 21時42分22秒 | 歴史・戦争責任・戦争体験など
【 日本会議 (文科系)2017-03-14 07:58:37
 籠池は日本会議大阪支部長だそうだが、日本会議会員なんて碌なもんじゃない。それは、以上に述べた南京大虐殺否定論からもよーく分かるのである。

 南京虐殺は無いとする。教育勅語は、その各徳目を「天皇家の発展のためにこれらの習得に励むように」という勅語文脈からきり離して美化する。エントリーのような南京大虐殺戦略を作った軍上層部を祀った靖国神社を賛美、参拝する。揚げ句の果ては、戦前も象徴天皇制であって、国民主権があったように語る。

 これでは、中国や韓国にいつもケンカを売っているのであって、わざわざそういう歴史を無視した態度を取っているのである。それでこの2国が日本(政権)に反発してきたというのは、全面的にこちらの罪である。

 こんな態度は最初から国際友好を嘲笑うようなものと言える。日本が侵略したアジアのいくつかの国との関係を損なっているのは、日本であり、日本会議である。

 これらだけを取り上げても、安倍政権の行いは日本国民に対して万死に値する罪である。】


【 「東京裁判」論議の馬鹿らしさ (文科系)2017-03-15 21:39:22
 右の方々は「東京裁判史観」「連合国史観」という言葉をよく使う。そういう考え方の宣伝とともに。が、東京裁判は、上の南京大虐殺はもちろん、その前の満州事変から日本の罪を裁いたのだった。当たり前だろう。当時の国連で、満州事変が弾劾されて日本は国連を脱退したのだから。
 以降の日本は、国連法違反の確信犯になった。だからこそ、上記南京大虐殺の残酷ぶりも確信犯として平気で行ったのである。南京の日本軍大将、松井岩根は、東京裁判によって南京のこの罪で死刑になっているのだ。

 こういう裁判も「戦勝国裁判」と言うか? 自分の残虐さを手前勝手に誤魔化してきただけだ。事実あった事件を無いも同然に工作し、大々的に世論操作してまで、日本の対外的大罪を歴史から消してしまおうとしたのである。

「東京裁判史観」「連合国史観」等と語れるのは、こうして太平洋戦争、日米関係だけを見るからであって、それは自分勝手な歴史ねつ造。こんなことはやめて、国連法違反確信犯であったという国連との関係や、満州事変・南京大虐殺などの罪との関係も、胸に手を当ててよーく考えることだ。

 東京裁判史観なんて、こうして、世界には全く通用しない日本のほんの一隅だけで語られる独り善がりなだけの論議である。今後こんな恥ずかしい用語は使わぬことだ。

 ちなみに、右の方方は東京裁判、日本の戦争責任に関わって、満州事変、それによる日本国連脱退、以降の国連法違反の確信犯などなどのことは何も語らない。】
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南京虐殺史実の決定版   文科系

2017年03月13日 22時45分37秒 | 歴史・戦争責任・戦争体験など
「あんたも無知丸出しかい? 南京市民より死者が多い三十万人などというヨタ話を、ほんとに信じるの?」
 今度の相手も上から目線でこちらを頭から押さえ込んで来た。いつも同様、僕のブログの過去文章を読んでいないことも丸分かり。丁寧に反論する。

 ①虐殺直前に、日本軍がしかけた上海上陸攻防の大激戦が三か月続いた。そこの中国軍三〇万が揚子江すぐ上流の首都・南京城めがけて潰走し、日本軍がこれを我先にと追撃して出来上がったのが南京城包囲である。城の外、付近の住民も首都軍の庇護を求めて逃げ込んだし、膨大な人数に増えていて当たり前なのである。

 ②次いで、「あんな短期間にそんなにたくさん殺せる訳がない。日本軍はスーパー・サイヤ人か?」とのご批判。これには、こうお応えする。南京城壁は高さ一八メートルで分厚く、一方は揚子江。この城の限られた城門から全軍脱出が敢行されたのが一九三七年一二月一二日の夜から一三日朝にかけて。作戦は完全な失敗。揚子江を渡れた兵はごく少なく、膨大な数の捕虜はその後どうなったか。以降の日本軍中国南下作戦を考えれば、生かして放つはずがない。以降七年半の占領下早い内に、収容施設へ連れて行くように見せかけて秘密裏に殺したと考えるの普通だろう。三一年の満州事変の無法行為で国連を脱退したことを巡る国際的批判と、国内の戦意高揚とのためにも、秘密裏にということが大事だった。

 ③と、僕が返した反論には間髪を入れず、こんなご批判。「それだけ死んだら、死者名簿は? 慰霊祭は? なぜ家族の猛抗議はなかったのか? これらがいまだにないのは嘘である証拠! せいぜい二万人がイーところだな!」。まるで鬼の首でも取ったように勝ち誇って来る。これもネトウヨ本の鸚鵡返しであって、勝ち誇ったこの態度も「自信」の顕れなのである。ただし僕は、一一年ここで闘ってきた勤勉な古参兵。こんなひょろひょろ弾に倒れる訳がない。
 当時の中国政府は、戸籍がないに等しく、兵士は浮浪者が多かった。それも、あの広大な全土から集められた人々。浮浪者が多く、戸籍がないなら、どうやって名簿を創り、家族に知らせるのか。しかも、以降一二年の中国は戦乱と、さらには国共戦争と政権分裂。日本の習慣で思い付いた訳知り顔の屁理屈に過ぎない。現に、中支派遣軍事前教育教科書にこんな記述がある。
『三三年に陸軍歩兵学校が頒布した「対支那軍戦闘法の研究」中の「捕虜の取扱」の項には、(中略)「支那人は戸籍法完全ならざるのみならず、特に兵員は浮浪者」が多いので、「仮にこれを殺害又は他の地方に放つも世間的に問題となること無し」と書かれていた(藤原彰『戦死した英霊たち』)』
(岩波新書「シリーズ日本近現代史全10巻」の第5巻『満州事変から日中戦争へ』加藤陽子・東京大学大学院人文社会系研究科教授、220ページ)

 ④すると今度はまた、こう返ってきた。「どんな理屈を語ろうと、死者数二万という学者の有力説もある。三〇万ははっきり嘘として、数をはっきりさせろよな!」。古参兵はこの数字弾のひょろひょろぶりもよく知っているから、こう反論するだけだ。
 確か小泉内閣の時に日中の学者が集まって虐殺数を検討する会議を持った。日本からも一〇名ほどが出たが、北岡伸一など政府系の学者らが多い日本側の結論は、二~二〇万というもの。なぜこんなに開きが出るのか。「虐殺犠牲者」の定義とか虐殺期間・地域などで一致できなかったからだ。特に虐殺に兵士を含むか否か。兵士の戦死は当たり前、虐殺の数には入らないと。が、これにも反論は容易だ。日本は中国に最後まで宣戦を布告をせず、地中あちこちから折り重なって出てきた膨大な若者人骨は捕虜を虐殺した証拠にもなる。以上から、日本の(政府系)学者らさえ二〇万人の含みを否定できなかったのである。


 さて、以下の内容がまた、以上すべてを裏付けるものである。

【 南京大虐殺、一師団長の日記から  文科系 2017年03月09日

「教育図書出版 第一学習社」発行の「詳録新日本史資料集成 1995年改訂第8版」という高校日本史学習資料集がある。これをぱらぱらと見ていて、南京大虐殺の資料を新たに一つ発見したので、ご紹介したい。408頁に南京攻略軍指揮官の中島今朝吾(けさご)第16師団長日記というのが載っていた。そこの全文を書いてみる。

『大体捕虜ハセヌ方針ナレバ、片端ヨリ之ヲ片付クルコトトナシタレドモ、千、五千、一万ノ群集トナレバ之ガ武装ヲ解除スルコトスラ出来ズ、唯彼等ガゾロゾロツイテ来ルカラ安全ナルモノノ、之ガ一旦騒擾セバ始末ニ困ルノデ、部隊ヲトラックニテ増派シテ監視ト誘導ニ任ジ、十三日夕ハトラックノ大活動ヲ要シタリ。シカシナガラ戦勝直後ノコトナレバナカナカ実行ハ敏速ニハ出来ズ。カカル処置ハ当初ヨリ予想ダニセザリシ処ナレバ、参謀部ハ大多忙ヲ極メタリ。
一、後ニ至リテ知ル処ニ依リテ佐々木部隊ダケニテ処理セシモノ約一万五千、大平門ニ於ケル守備ノ一中隊長ガ処理セシモノ約一三〇〇、其仙鶴門付近ニ集結シタルモノ約七、八千人あり。ナオ続々投降シ来ル。
一、コノ七、八千人、之ヲ片付クルニハ相当大ナル壕ヲ要シ、中々見当ラズ。一案トシテ百、二百ニ分割シタル後、適当ノカ処ニ誘キテ処理スル予定ナリ。』

 高さ18メートルもある分厚い南京城壁の限られた門から一夜にして日本軍包囲網を脱出しようとした中国軍兵は、その多くが捕虜になった事が示されている。どうせ逃げられないから、捕虜になって助かろうという態度にさえ見えるのである。ところが、これを最初からの方針として、全部殺してしまった。あちこちに分けて連れて行って殺し、埋めたということなのである。そもそも冒頭のこの部分が僕がこのブログで強調してきた要注意か所と言える。

「大体捕虜ハセヌ方針ナレバ、片端ヨリ之ヲ片付クルコトトナシタレドモ」

 最初から捕虜は殺す方針であったことが明確に述べられている。酷いもんだ。こんな資料があるのに、ネトウヨ諸君の種本論客達は、兵士虐殺を否定してきたのである。一師団長が聞いただけで彼等がよく語る「せいぜい2万人」などは、優に超えている。すべて世界に向けては、いや南京攻略兵にすら秘密の仕業であった。少し前にあった満州事変に対する国連非難囂々に懲りていたのだろう。また、国民の戦意高揚のためにも、敵への残虐行為は極力秘密にするものだ。実に卑怯、姑息な日本軍、奴らである。もっとも命令を出した奴らが卑怯、非道なのであるが・・・。】
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書評、「アメリカ帝国の終焉」⑤最終回  文科系

2017年03月13日 21時05分40秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など
「アメリカ帝国の終焉 勃興するアジアと多極化世界」(進藤榮一筑波大学名誉教授著、講談社現代新書、2017年1月刊)の要約・書評第5回目、最終回になった。今回は、全4章「勃興するアジア」の第3節「太平洋トライアングルからアジア生産通商共同体へ」と最終章「同盟の作法──グローバル化を生き抜く智恵」の要約である。

 東アジアの生産通商状況が世界一の地域激変ぶりを示している。80年代中葉から2000年代中葉にかけて一度、2000年代中葉から後にもう一度。前者は太平洋トライアングルから東アジア・トライアングルへ、後者は「三様の新機軸」という言葉で説明がなされている。

 太平洋トライアングルというのは、日本、東アジア、アメリカの三角関係だ。日本が東アジア(主として韓国、台湾)に資本財、生産財などを輸出してそこの物作りを活発にし、日本、アジアがそろって米国に輸出した時代である。その「日本・アズ・ナンバーワン」の時代が、世紀の終わり20年程でこう換わったと語られる。アジアの生産、消費両方において、アメリカとの関係よりもアジア域内協力・互助の関係が深まったと。最終消費地としてのアメリカの役割がカジノ資本主義・超格差社会化によって縮小して、中国、東南アジアの生産と消費が急増し、東アジア自身が「世界の工場」というだけでなく、「世界の市場」にも変容したと述べるのである。
 例えば日本の東アジアへの輸出依存度を見ると1985年、2000年、2014年にかけて17・7%、29・7%、44・5%と増えた。対して対米国の同じ依存度は、46・5%、29・1%、14・4%と急減である。
 ちなみに、世界3大経済圏(の世界貿易シェア)という見方があるが、東アジアはアメリカを中心とした北米貿易協定をとっくに抜いて、EUのそれに迫っているのである。2015年の世界貿易シェアで言えば、EU5兆3968億ドル、東アジア4兆8250億ドル、北米2兆2934億ドルとあった。


 次にさて、この東アジアが2000年代中葉以降には更にこう発展してきたと語られる。
 東南アジアの生産性向上(従って消費地としても向上したということ)と、中国が主導役に躍り出たこと、および、インド、パキスタンなどの参加である。
 この地域が世界で頭抜けて大きい工場・市場に躍り出ることになった。
 例えば、世界からの直接投資受入額で言えば2013年既に、中国・アセアンの受入額だけで2493・5億ドル、EUの受入額2462・1億ドルを上回っている。
 これらの結果リーマンショックの後には、世界10大銀行ランクもすっかり換わった。中国がトップ5行中4つを占め、日本も2つ、アメリカは1つになった。

 さて、こういう世界経済の流れを踏まえてこそ、日本のあるべき発展、外交、防衛策も見えてくる。最終章「グローバル化を生き抜く智恵」というのは、そういう意味なのだ。世界経済発展の有り様と東アジア経済の世界的隆盛とを踏まえれば、日本の広義の外交の道はこうあるしかないだろうということだ。
 最初の例として、中国への各国直接投資額が、2011年から2015年にかけてこう換わったと指摘される。増えたのが、韓国、フランス、ドイツ、EU4か国などからの投資額で、それぞれ、58・0%、58・4%、38・0%、24・4%の増加。減ったのがアメリカ(11・8%減)と、日本に至っては49・9%減なのである。

 次に、新たな外交方策として、アジア重視のいろいろが提言される。アジア各国の生産と消費との良循環を作ることを通して得られる様々なものの指摘ということだ。今のアジア各国にはインフラ充実要求もその資金もあるのに日本がこれに消極的であることの愚かさが第一。この広域インフラ投資を進めれば、お互いの潜在的膨張主義を押し留めるという抑止力が働くようになるという成果が第二。こうして、アジアが経済的に結びつくことによって不戦共同体が出来るというのが、最後の意義である

 最後に述べられるのがこのこと。日本が見本とすべきだと、日本と同じアメリカの同盟国カナダの対米外交史を示していく。アメリカと同盟関係にありつつも、中国との国交回復では米国に先行してきた。この時の元首相トルドーはアメリカのベトナム戦争に反対したし、その後のカナダもまたアメリカのシリア軍事介入に反対した。このように、カナダの対米外交は対米同盟絶対主義ではなく、国民民生重視の同盟相対主義なのだと解説される。その対中累積投資額は580億ドルとあって、カナダにとって第2位の貿易パートナーが中国なのである。アメリカ帝国の解体と日本の対中韓孤立状況を前にして、カナダのこの立場は極めて賢いものと述べられる。


 さて、この書の結びに当たるのは、こんな二つのテーマだ。英国のEU離脱とは何であり、現在のグローバル化は過去とは違うこういう積極的なものであると。
 英国のEU離脱を引き起こした『(EUの難民)問題はだから、(エマニュエル・トッドが語るような)EUではない。中東戦争の引き金を引いた米欧の軍事介入だ。それを支える米国流“民主化”政策だ」
 そして、現在のグローバル化とはもはや、米英流金融マネーゲームのそれではなく、こういうものだと語られる。
『一方で先進国の不平等を拡大させながらも、他方で先進国と途上国間の不平等を限りなく縮小させているのである』


(終わり)
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積極的平和主義とは   らくせき

2017年03月12日 09時41分28秒 | Weblog
じつに上手なネーミングですね。
本当は9条派が唱えるべき旗印。
みごとにとられてしまいました。

9条派が積極的な平和主義を実践するとしたら
どんなことが出来るのでしょうか?

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日米ファッショ化の臭いがあるが・・・

2017年03月11日 10時19分40秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 日米ともにファッショ化の臭いがある今、こんな文章を書いてみた。

 日米が頼っている金融グローバリゼーション経済って、どうみても人間本性に合わないもの。その訳はこういうことだ。なお、トランプがいくら内向き保護主義を取ると強調しても、世界相手の金融搾取は抑える訳がないと強調しておきたい。現物貿易が凄い赤字なのだから、国際金融収支の黒字化は至上命令であるし、主要閣僚にゴールドマンが多数入っているというのがその証拠と言える。

 さて、金融グローバリゼーションとは、他国が汗水垂らして現物経済で作り上げた財貨を、金融操作で掠め取ろうというもの。しかも、この経済手法自身は、現物経済のように新しい職業を創れないどころか、世界の職業減らし・失業増やし、不安定職業増にだけつながり、世界的に超格差と貧困とを創るだけの経済(学)手法である。さらに、地球環境だとか水だとか、グリーンニューディールのように人類にとって画期的な新商品開発だとかの、人間にとって本質的に大事な長期投資には励まないと、悪い所だらけの経済とも既に判明している。こんな物の力に放任させた世界、国は、そもそもこの末はどうなるのか。
 世界の人間本性に合わず、圧倒的多数の人間を無視する経済手法を採るとすれば、悪い物を良い物と信じさせるために嘘が横行する政治になるのは必定。東條の大東亜共栄圏や、ヒトラーの人類浄化と同様に、思想を操って黒を白と言いくるめるのである。そんな時代、政治手法には必ず、以下のようなことが起こってくる。

 政治が反知性主義になるから、まず大学・学問を弾圧し始める。こんな点では、安倍政権の文科系縮小方向が大いに気になる所だ。また、今回の文科省天下り悪行批判自身は良いことであるにしても、安倍がこれに励むというのには、こんな不安も禁じ得ない。文科省を超右翼的に引き回す布石ではないかという不安である。
 こういう「白黒転倒政治」は次に、反知性主義がどんどん先駆けて逆に政治家を引っ張っていくようになっていくもの。防衛相トモちん、モリトモ、ネトウヨ、ヘイトスピーチ、その大元になっているような日本会議とその歴史修正主義(日本史論)などには、そんなことを感じざるをえない。こういう連中がポピュリズムよろしくどんどん先頭を走って行き、気がついたらどんな政治家もこの流れを抑えられなくなっていたと、それがファシズムの歴史的な起こり方だったと愚考する。

 と以上のように見ても、今の時代にこれが実現していくとは、僕には到底思えないのである。そもそも20世紀前半とは民主主義の厚みが違うし、世界各国の相互連関性が切っても切れないものにもなっている。子どもらの未来を思う女性の参政権があるのだし、人の命の大切さ(感覚)も往時とは問題にならない。むしろ、この30年程でアメリカがやった数々の戦争や、その結果であるテロの横行、IS建国、膨大な難民うみだしなどが、既にもう人類史の今においては例外的な大悪だと見るのが適切なのだと思う。それぐらいに、冷戦終結前後からのアメリカが、力に任せた国連無視など、時代錯誤の無茶をやったのだと。その結果としてアメリカの今が在り、富の喪失、国家も家計も凄まじい赤字、内向き保護主義などなどと、のたうち回っているのだと。

 人が人間理性の勝利を信じられるような時代になりかけていると、信じたい。それならばそれで、歴史修正主義などによる復古政治は反民主主義の、むだな不幸の源として退けて、新しい時代への正しい胎動を日米ともに一刻も早く始めるべきなのだが・・・。
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一番の安全保障は   らくせき

2017年03月11日 09時31分31秒 | Weblog
敵をつくらないこと。
しかし名無しさんは中国と韓国がキライ。
それをあからさまに言うのはどうなのかな?

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随筆紹介  「冬の朝、女の子」   文科系

2017年03月10日 20時54分38秒 | 文芸作品
 冬の朝、女の子   S・Yさんの作品です


 なにかの拍子に、古いこと、おもに子どものころをよく思い出すようになった。
 年をとった証なのだろう。未来よりも、過去の時間のほうが多くなったのだもの。
 例えば夕暮れどき。洗濯物を取り込みながら、季節の風や匂いを感じると、言いようのない切なさを感じたりする。夕焼けの雲の間から落ちる光には言葉に出ないほどの神々しさを感じ、神の存在さえ感じてしまうほどだ。
 西の空が茜色に染まりかけ、鳥の群れがねぐらへ帰って行く。それを見ていると、決まって私の胸の中には、里の、子どものころの光景が蘇ってくる。

 子どもの頃の遊び場は、お寺の境内と、隣接した保育園の運動場だった。誰でも自由に出入りができた。夕刻「ゴーン、ゴーン」という寺の鐘の音を聞くと、それを合図のようにして子どもたちは散って行った。必ず、誰かが、
── 夕焼け小焼けで日が暮れてぇ
   山のお寺の鐘が鳴るぅ ── 
歌いだして、それぞれに口ずさみながら帰った。ほとんどの子が子守りを兼ねていたので、弟妹を背におぶったり、手を引きながらであった。

 その中にお寺(尼寺)の子がいた。私より二つ年上で時々一緒に遊んだ。おとなしい、かわいい子だった。
 歳月が過ぎて中学生になったある日、家の玄関に彼女が立っていた。冬の朝、まだ道路も凍てついている早い時刻。寝起きだった私の目にも、彼女が托鉢に歩いていることは分かった。下駄履きの白い素足が真っ赤になっていた。母がごくろうさまと言いながら、彼女の首から掛けた袋の中にお米を入れた。後女は黙って頭を下げると帰って行った。
 彼女は中学三年で成績も優秀だったと聞いていたが、進学することはできない。当時、この地域ではまだ児童施設が少なかったのか、親のない女の子が、尼寺で多く面倒をみてもらっていた。みんな中学卒業と同時に髪をおろす。彼女もその中のひとりだった。
 親がないのは彼女のせいでない。それなのにどうして? 恋愛も結婚も、家族も持てないなんて……。

 私は、何年たっても、あの冬の朝の光景が忘れられない。
 黙って背を向けて帰って行ったあのうしろ姿。今の、こんな時代だからこそ、よけいに思い出されてならない。
 托鉢のとき、彼女が手にしていた小鈴のやさしい音色がいまだに耳に残っている。
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南京大虐殺、一師団長の日記から  文科系

2017年03月09日 02時33分11秒 | 歴史・戦争責任・戦争体験など
「教育図書出版 第一学習社」発行の「詳録新日本史資料集成 1995年改訂第8版」という高校日本史学習資料集がある。これをぱらぱらと見ていて、南京大虐殺の資料を新たに一つ発見したので、ご紹介したい。408頁に南京攻略軍指揮官の中島今朝吾(けさご)第16師団長日記というのが載っていた。そこの全文を書いてみる。

『大体捕虜ハセヌ方針ナレバ、片端ヨリ之ヲ片付クルコトトナシタレドモ、千、五千、一万ノ群集トナレバ之ガ武装ヲ解除スルコトスラ出来ズ、唯彼等ガゾロゾロツイテ来ルカラ安全ナルモノノ、之ガ一旦騒擾セバ始末ニ困ルノデ、部隊ヲトラックニテ増派シテ監視ト誘導ニ任ジ、十三日夕ハトラックノ大活動ヲ要シタリ。シカシナガラ戦勝直後ノコトナレバナカナカ実行ハ敏速ニハ出来ズ。カカル処置ハ当初ヨリ予想ダニセザリシ処ナレバ、参謀部ハ大多忙ヲ極メタリ。
一、後ニ至リテ知ル処ニ依リテ佐々木部隊ダケニテ処理セシモノ約一万五千、大平門ニ於ケル守備ノ一中隊長ガ処理セシモノ約一三〇〇、其仙鶴門付近ニ集結シタルモノ約七、八千人あり。ナオ続々投降シ来ル。
一、コノ七、八千人、之ヲ片付クルニハ相当大ナル壕ヲ要シ、中々見当ラズ。一案トシテ百、二百ニ分割シタル後、適当ノカ処ニ誘キテ処理スル予定ナリ。』

 高さ18メートルもある分厚い南京城壁の限られた門から一夜にして日本軍包囲網を脱出しようとした中国軍兵は、その多くが捕虜になった事が示されている。どうせ逃げられないから、捕虜になって助かろうという態度にさえ見えるのである。ところが、これを最初からの方針として、全部殺してしまった。あちこちに分けて連れて行って殺し、埋めたということなのである。そもそも冒頭のこの部分が僕がこのブログで強調してきた要注意か所と言える。

「大体捕虜ハセヌ方針ナレバ、片端ヨリ之ヲ片付クルコトトナシタレドモ」

 最初から捕虜は殺す方針であったことが明確に述べられている。酷いもんだ。こんな資料があるのに、ネトウヨ諸君の種本論客達は、兵士虐殺を否定してきたのである。一師団長が聞いただけで彼等がよく語る「せいぜい2万人」などは、優に超えている。すべて世界に向けては、いや南京攻略兵にすら秘密の仕業であった。少し前にあった満州事変に対する国連非難囂々に懲りていたのだろう。また、国民の戦意高揚のためにも、敵への残虐行為は極力秘密にするものだ。実に卑怯、姑息な日本軍、奴らである。もっとも命令を出した奴らが卑怯、非道なのであるが・・・。
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