Hさん作品「男のぼやきごと」に思ったこと M・Kさんの作品です
Aさんは一流企業を勤め上げ、その間奥さまは自分の生活をエンジョイ。貯金(使わなければ紙キレ同然)はなくても、現在、健康で住む家があり、畑の仕事もできて、奥さまは高価な品を今も大切に使い、心豊かに暮らしている。事故災難もなく(途中、あったかも知れないが)人生を謳歌しているようにも想像できる。Aさんは、そんな姿を愛しているのでは?……
Bさんも堅実で夫婦円満。お二方とも平均的に恵まれているケースのお話だと思いました。昭和二十年前後生まれの方はバブルとリーマンショックを経験している。何があってもブレないかもしれない。
最後に、奥さんの留守中に夕食を調達するBさんと、嫁さんの分も見繕って買って帰るAさんとの「男」の顔が微笑ましい。
それにしてもHさん、この会話をよく拾えたこと、感心しました。会話の一つひとつを覚えられて流れの良い文章力に脱帽です。
ちなみに私はブランド物には興味がなく、素朴なものに惹かれます。〈現実、買えないんだけれど〉笑。
それぞれに価値観の違いですね。だから世の中面白い。
文科系さんは、「Aさんを理解不能な人物」とあったので、書く気になりました。
M・Kさんにお応え 文科系
感想を下さったMさんに感謝して、一つこんな物語でお応えします。
「貴女、大変、一郎が離婚するって。まさかあの子が、それも成田離婚……」
「えーっ、あいつのことだから決心は固いよな……。にしても、どういう理由で?」
「えー、成田離婚って、普通は女性の方に男性が不審を持って……あれ、あのことよ!」
「えーっ、そりゃ重大な、許せないことだ。貴女がもしそうだったら、僕だって……」
と思わず口に出してしまった男は七〇歳、妻は六〇半ばという、夫婦の会話。女と男二人の子どものうち下のご長男のことなのである。小学生でも知っている大会社で取締役も勤め上げた夫は、退職時には年収三〇〇〇万というお宅。横浜外人墓地に近い高台に自宅を構え、妻は「模範的」専業主婦だ。「模範的」というのは例えば、隅々まで美しい家事の見事さや子育て。長女が京都大学文学部卒、長男は東京大学病院の外科勤務医である。
さて、この夫さん、家の貯金がいくらあるかなど、当然気にされたこともない。家庭内では、すべてをお連れ合いさんに委ね、彼女がいないと身動きさえとれない。だからなのか、このご長男も間もなく別の方と結婚され、今はもう子ども三人の立派なお父さんだ。
ということで、Mさん、こういうご夫婦も一応知ってはいます。ただ、僕とはいろいろ対照的という意味で「理解不能な人物」と言いました。そして、こういう家がまた、外からは分からない大変な悩みもお抱えなもの。「だから世の中面白い」のかどうか?
Aさんは一流企業を勤め上げ、その間奥さまは自分の生活をエンジョイ。貯金(使わなければ紙キレ同然)はなくても、現在、健康で住む家があり、畑の仕事もできて、奥さまは高価な品を今も大切に使い、心豊かに暮らしている。事故災難もなく(途中、あったかも知れないが)人生を謳歌しているようにも想像できる。Aさんは、そんな姿を愛しているのでは?……
Bさんも堅実で夫婦円満。お二方とも平均的に恵まれているケースのお話だと思いました。昭和二十年前後生まれの方はバブルとリーマンショックを経験している。何があってもブレないかもしれない。
最後に、奥さんの留守中に夕食を調達するBさんと、嫁さんの分も見繕って買って帰るAさんとの「男」の顔が微笑ましい。
それにしてもHさん、この会話をよく拾えたこと、感心しました。会話の一つひとつを覚えられて流れの良い文章力に脱帽です。
ちなみに私はブランド物には興味がなく、素朴なものに惹かれます。〈現実、買えないんだけれど〉笑。
それぞれに価値観の違いですね。だから世の中面白い。
文科系さんは、「Aさんを理解不能な人物」とあったので、書く気になりました。
M・Kさんにお応え 文科系
感想を下さったMさんに感謝して、一つこんな物語でお応えします。
「貴女、大変、一郎が離婚するって。まさかあの子が、それも成田離婚……」
「えーっ、あいつのことだから決心は固いよな……。にしても、どういう理由で?」
「えー、成田離婚って、普通は女性の方に男性が不審を持って……あれ、あのことよ!」
「えーっ、そりゃ重大な、許せないことだ。貴女がもしそうだったら、僕だって……」
と思わず口に出してしまった男は七〇歳、妻は六〇半ばという、夫婦の会話。女と男二人の子どものうち下のご長男のことなのである。小学生でも知っている大会社で取締役も勤め上げた夫は、退職時には年収三〇〇〇万というお宅。横浜外人墓地に近い高台に自宅を構え、妻は「模範的」専業主婦だ。「模範的」というのは例えば、隅々まで美しい家事の見事さや子育て。長女が京都大学文学部卒、長男は東京大学病院の外科勤務医である。
さて、この夫さん、家の貯金がいくらあるかなど、当然気にされたこともない。家庭内では、すべてをお連れ合いさんに委ね、彼女がいないと身動きさえとれない。だからなのか、このご長男も間もなく別の方と結婚され、今はもう子ども三人の立派なお父さんだ。
ということで、Mさん、こういうご夫婦も一応知ってはいます。ただ、僕とはいろいろ対照的という意味で「理解不能な人物」と言いました。そして、こういう家がまた、外からは分からない大変な悩みもお抱えなもの。「だから世の中面白い」のかどうか?