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世界経済情勢の焦点、「新興国」への空売り  文科系

2014年03月29日 14時09分11秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 僕と同じように世界政治経済の一大焦点を観ている人は、まともな経済学者ならば多いはず。世に喧伝されている一部ブリックス諸国も含んだいわゆる「新興国の通貨引き下げ」問題に大国の空売りを絡ませる見方である。真壁 昭夫(まかべ・あきお)という方が、講談社の「現代経済」に書いた文章を抜粋したい。こういう方だ。
「1953年神奈川県生まれ。76年一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行入行。ロンドン大大学院修了。メリルリンチ社ニューヨーク本社出向、みずほ総研主席研究員などを経て、05年信州大学経済学部教授」
 日本のマスコミもこのように、単に儲け手段としてではなく世界政治情勢としての空売り情報を、もっと多く伝えて欲しいといつも思っている。もちろん、その真っ最中の情報などは出てくるわけもないが、これが世界政治に争いを持ち込む大悪影響などはどんどん知らせる必要があるのではないか。現代国家間最大の弱肉強食現象。これをやられた方は、必殺仕事人でも雇いたいほどに憎しみを募らせるはずなのである。それも、やられたとさえ広言できずに、密かに憎しみを募らせるしかないのである。本当に、なんでこんなことが許されるのか。一国の通貨や国債とか、その(大きな)会社の株とかは、その国の生死運命を左右するようなものなのだが。そういう国や人の命がかかったような重要なものを、実商いの何十分の一という少額で大幅安にしていく方向でギャンブルが出来る仕組みなのである。 

 金融市場では、ソロス氏が中国の資産の空売りを始めたとの噂も出ている。そうした観測の真偽を確かめるすべはないものの、金融市場に対する影響は無視できない。同氏の動きに追随する投資家も出てくるだろう。
ソロス氏の想定では、2~3年以内に中国政府の政策の矛盾が明確化すると、中国政府の防御壁が決壊する懸念が高まると見ているようだ。確かに、長い目で見るとそのリスクを過小評価することは適切ではない。同氏が中国をターゲットにする意図は理解できる。

 懸念される「フラジャイル・ファイブ」
「フラジャイル・ファイブ」とは、大手金融機関が、経済基盤のぜい弱性のため、通貨が変動しやすい新興国5ヵ国を指す。具体的には、ブラジル、インド、インドネシア、トルコ、南アフリカを意味している。
 これらの新興国は特定の輸出品に対する依存度が相対的に高く、世界的な市況の変化の影響を受けやすい。しかも、経常収支は赤字基調が続いており、先進国からの投資資金の流入が減ると、経済全体に大きな影響が出やすい国だ。
 米国の金融緩和策縮小は、これからも継続される可能性は高い。当面、投資資金の流出等で当該国の株価が下落し、通貨が売られやすい状況は続くと見られる。中国や新興国の経済が、世界にとって無視できないリスク要因という構図が続くと見た方がよいだろう。】




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