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アメリカの国際情勢論(1)   文科系

2019年07月07日 12時43分01秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 日本マスコミに海外ニュース、見るべき国際情勢論があまりに少なくて、加えるに偏っているので、「ニューズ・ウイーク」を取り始めた。『2003年の発行部数は、アメリカで約310万部、アメリカ国外で約90万部の計400万部とされ』、日本語版については『2014年10月よりCCCメディアハウスが発行している。発行部数6万部』という政治週刊誌だそうだ(以上の『 』はウィキペディアから)。ある病院でこれを読む機会があって、米国外信、報道の一部をほとんど垂れ流すだけのような日本マスコミよりも、米国報道自身の方がはるかに日本を支配する米国の意向が分かると考えたからである。結果は予想通り、米国の思考がとてもよく分かり、日本マスコミ海外ニュースは実に頼り無いものと映った。「中央マスコミの忖度」からか安倍・米国に甘く、反米ニュースには米国以上にバイアスがかかっている日本マスコミなど素通りしてやろうというわけである。

 さて、この間度々ここに書いてきた事だが、世界に広がっている右翼ポピュリズム潮流は、米国が大歓迎するところ。米国のうち続いた戦争政策が作り出した難民問題や、米のグローバル金融による各国搾取やが世界に右翼ポピュリズムを生んでいると観てきたが、その結果のように各国国民の目が国内にだけ向かえば、米国にとってこんな好都合はないわけだ。そういった世界各国情勢を踏まえてこそ、今の米国が「米中衝突」、香港・ウイグルをいかに画策、展開していくかに専心できる。今後の国際情勢では何を置いても、香港、ウイグル、西南太平洋問題である。日本も、これでもってこそアメリカに揺さぶられていく。そう述べた上で、今後も以下のように、「ニューズウイーク」記事要約紹介をここで続けていくとお約束しておきたい。


 さて、ニューズウイーク7月9日号に、「これが日本の進むべき道だ」という記事がある。同誌の「日本版コラムニスト」と肩書きが付いたグレン・カールというお方が書いている。調べてみたら、元CIA諜報員「オペレーションオフィサー」とあったし、去年日本記者クラブで講演もしていたりするから、米外交の、それもアジア方面外交の「本流」のお方と見うる。さて、この記事の内容である。

 書き出しが、トランプの例の「日米安保暴言」。「米国は日本を守るが、日本は米が攻撃されてもソニーのテレビで見ているだけ」を取り上げて「トランプの無知と無礼は今に始まったことではない」と言いつつも、「今回の発言が持つ意味は大きい」と、始めている。そしてこの本文であるが、先ず、最も基本的な国際情勢認識はこういうもの。
『アメリカが超大国として君臨することで世界の平和が維持されている「パクス・アメリカーナ」の時代は終わりを迎えようとしている』
 ならば、静かに「アメリカの傘の下の平和」を終えていくかと言うと。これが、さにあらずで、
『アメリカが国際秩序の維持に消極的になれば、ロシアと中国は国際的な影響力を強めやすくなる。アメリカの同盟国は、どうやって自国を守るかを考えなくてはならなくなった』
 
 その上ですぐに、日米関係、国際関係、経済力、軍事など小見出しを付けて日本の方向が示されるのだが、その書き出しがこういうものだ。
『安倍晋三首相は理解しているようだが、日本に必要なのは以下の行動だ』 ちなみにこの文章だが、我が日本国の首相を、まるでアメリカ忖度人のように扱っていると思えないか。

 さて、以下は明日要約していくが、この国際情勢認識そのものが僕にはアメリカの立場だけの、酷く一面的な独断が酷すぎると読める。簡単な反証例で論破可能だからだ。

 アフガン戦争から引き続くイラク戦争、シリア内乱は、そして、そこからの膨大な難民の世界流出が、アメリカこそ21世紀の世界平和、国際秩序を乱してきた張本人と示している。アメリカはこれらの戦争を現に、国連の度重なる制止を振り切って敢行したのではなかったか! イラク戦争に至っては、当時の有志参戦国の政権は、その後総て国民の選挙によって崩壊させられたのではなかったか。イギリスなどは、長年掛けて「イラク戦争参戦の誤りの反省書」まで仕上げている。

 対するに「ロシア、中国の国際的な影響力」に対して「米同盟国は国防が必要」と説いているが、この両国に今のアメリカほどの戦争指向が間もなく起こってくるとは、僕には到底考えられない。当面はアメリカが「(ロ中の戦争指向を)それらしく見せる」ことに腐心していくのだろう。イラク、シリアで関連死含めて150万人だかを殺した21世紀の米国より酷い戦争国と、果たしてこのロ中をアメリカが示して見せられるだろうか?

 また、これらの国際情勢認識に絡んで国連が一言も出てこないのも、いかにもアメリカらしい。この人類史が20世紀になって初めて生み出した多国間主義に基づく国際平和組織をば、アメリカは無視しているのだ。将来にわたってもそうだと考えている如くに。人類史視点で見れば、これこそ21世紀アメリカ外交最大の人類史的誤りなのだと思う。ケネディやアイゼンハウアーが生きていたら、必ず僕と同じ事を、それも生涯懸命に叫び続けると確信している。戦争や経済競争においてではなく、国連においてこそいろんな色の小さな国の人々が初めて、アメリカと対等に物が言えるのだ。国連を無視して憚らぬということは、こういう人々を端から無視して掛かること、民主主義も(他国の)自由も既に投げ捨てた国である。

(続く)

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