OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

ブルー・コメッツの歌謡曲にも創意工夫

2013-09-13 15:03:41 | 歌謡曲

海辺の石段 / ジャッキー吉川とブルー・コメッツ (日本コロムビア)

一応、明日からは三連休になるんですが、なんだか最近は休んでばっかりの日本!

そんなふうに思っている皆様も大勢いらっしゃるに違いない!

と確信するサイケおやじは正直、高度成長の時代にがむしゃらに働き、前向きに生き抜いていた大人達の恩恵を受けていたわけですから、実は明日、おやじバンドの一員として老人施設への初慰問にも、妙に血が騒いでいる次第です。

で、その演目のひとつとして練習していたのが、本日掲載のシングル盤A面曲「海辺の石段」なんですが、ご存じのとおり、これが発売された昭和44(1969)年秋といえば、流石のブルー・コメッツも歌謡曲にどっぷり浸かりながら、新しい展開を模索していた時期ということで、今となってはムードコーラス?

なぁ~んて思われる仕上がりの中にも、斬新な試みを導入していたが、この「海辺の石段」でありました。

なにしろラウンジ系のオルガンイントロに絡んでくるのがシタール!?

と、思わずハッとさせられるのが、実は「電気仕掛の琴」だったという真相は、歌謡曲保守本流の曲メロとコブシの効いたボーカルの歌い回しを尚更に和洋折衷へと導く目論見だったと思います。

しかも演奏がストリングスを入れつつも、基本的にはバンドスタイルをメインにしているのですから、そこにブルー・コメッツの存在を強く感じますし、バックで印象的なキメになっているミステリアスな女性コーラスも良い感じ♪♪~♪

実は珍しくもブルー・コメッツと組んだなかにし礼の綴った歌詞が、海で死んでしまった恋人を想う……、せつなさも暗さもグッと堪えて忍び泣きみたいな世界なので、井上忠夫の書いた曲メロも内省的でありながら、結果的に後味の悪さが残らないように心がけた潔さがある感じでしょうか。

もちろん狙いどおりのヒットになったことは言わずもがな、それでも失速していたGSブームの中では、堂々と歌謡曲をやれる存在がブルー・コメッツの実力と魅力でありました。

言い換えれば、洋楽ロックがAORという新ジャンルを設定せざるをえなかった歴史と同じく、未だニューミュージックなぁ~んていう便利な言葉が無かった日本においては、歌謡曲の懐の深さが楽しめるというわけです。

ということで、今夜も練習に没頭予定のおやじバンドの演目は、十八番の「星降る街角」等々の昭和歌謡曲や不遜にも寺内タケシにリスペクトしたエレキインストの民謡メドレーを用意しているんですが、やっている側が一番楽しいというアマチュア精神を大切にするしかないでしょうねぇ、恥ずかしながら。

なんとかなれっ! てなもんです。

コメント (4)
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