OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

悔しいけれどオレンジ・ペコ

2013-09-05 14:06:30 | 日本のロック

君の想い出 / オレンジ・ペコ (キングレコード)

度々書いてきたように、サイケおやじが高校生の頃は洋楽のシンガーソングライターやウエストコーストロックの爆発的流行を背景に、我が国では歌謡フォークが大ブームでしたから、音楽に興味を持つ若者は自然にアコースティックギターで歌うという形態が普通になりました。

まあ、このあたりは、それ以前のエレキ~GSブームの頃と大差の無い衝動だったと思うんですが、だからこそロックバンドに拘っていた当時のサイケおやじは、幾分肩身の狭い境遇……。

なにしろそこには根本的な問題として、日本語のロック云々という論争まで堂々と存在していましたからねぇ~~~。

今となっては笑い話かもしれませんが、リアルタイムでは相当に真剣だったんですよっ!

さて、そんな渦中のサイケおやじも高校最上級生になってみれば、学内同好会のバンド組では唯一人の生え抜きという立場から、平たく言えばバンドで好きな事をやれるはずが、生来の気の弱さから、その頃には9人にまで増えていたグループメンバーの意見を優先させるという、いやはやなんとものテイタラク……。

結局、バンドであったとしても、日本語の歌をやらざるを得ない流れになっていたのは前年からの引き続きという真相があるにせよ、だからこそサイケおやじが自分なりに志向していたのが、流行のウエストコーストロックの日本版であり、実際にそうしたプロのグループが続々と登場していたことは言うまでもありません。

本日ご紹介のオレンジ・ペコも、昭和48(1973)年頃にデビューしたと思しき4人組で、それまでのアコースティック系歌謡フォークとCSN&Y~ポコあたりの西海岸コーラス優先主義スタイルを上手く融合させたグループでした。

告白すれば正直、掲載のシングル盤A面曲「君の思い出」を最初にラジオで聞いた瞬間、やられたぁ~~~!?!

と思いましたですねぇ~~~~~~~。

負け惜しみかもしれませんが、やっている事は軟弱の極みだと思う反面、そうした如何にもウケ狙いの裏には、きっちりウエストコーストロックの翻案が感じられるところに悔しさを覚えたというわけです。

そして実際、彼等はテレビにも頻繁(?)に出ていましたし、女の子のファンもそれなりに多かったと記憶しているんですが、結果的にレコードのセールスは芳しくなったようで、それはそれなりに納得するしかないでしょう。

ちなみにオレンジ・ペコは船橋たかき(vo,g)、原田ひろき(g,vo)、丸山コージ(b,vo)、キース戸部(ds) というメンバー構成で、今日ではドラマーのキース戸部が後に石橋凌率いるARBに加入した事により、なかなか歴史的な重要性(?)を指摘されたりもするんですが、個人的には、この「君の想い出」を作詞作曲した船橋たかきの才能に、ちょいと注目していました。

率直に言えば、虫歯になりそうなほど甘~い青春の歌であり、所謂ロック魂なんてものとは無縁でしょう。

しかしアコースティックギターとロックビートの自然なミックス感は、これがなかなか気持ちの良い世界なんですよ、聴いていて恥ずかしくなるほどに♪♪~♪

ということで、それではオレンジ・ペコに敗北したサイケおやじは、それからど~したのか?

という、ど~しようもない疑問に独り善がりのお答えすれば、やっぱりエレキでガツガツやりたいっ! そんな気持ちが捨てきれず、相変わらずのハードロックやベンチャーズっぽいエレキインスト等々を周囲に強要し、浮いていたのは自覚していながら、密かにドゥービー・ブラザーズに傾倒し、あのファンキーなギターカッティングを練習していたのです。

またオレンジ・ペコが全国的にブレイク出来ず、解散した結果の中で、彼等のレコードは掲載の私有盤しか知らないサイケおやじにしても、もしも船橋たかきがソロレコーディングを残してるのならば、聴いてみたいという希望は今も継続中!

そして今回、プログを書くために久々に聴いた「君の想い出」って、実はホリーズのスタイルも強いんですよねぇ~♪ もちろんCSN&Yのグラハム・ナッシュ経由と言えばそれまでなんですが、ギターの使い方やリズム隊の存在感が、モロにホリーズ!

と思っているのは、サイケおやじだけでしょうか?

だから自分が好きになっていたのは当然であり、ますます好きになっちまいそうですよ、愛の告白じゃ~ないんですが♪

 

コメント
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