OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

スターランド・ボーカル・バンドの秋日和

2013-09-24 15:13:52 | Pops

Afternoon Delight / Starland Vocal Band (Wingsong / RCA)

毎年、秋分の日も過ぎて、いよいよ陽が短くなりつつある頃、妙にポップス系コーラスグループが聴きたくなるのは、サイケおやじの本性のひとつです。

そこで取り出したのが本日掲載のシングル盤で、特にA面収録の「Afternoon Delight」は1976年にアメリカのチャートでトップに輝いた大ヒット曲♪♪~♪

実際我国でも、同年夏~秋にFENから流れまくっていたもんですから、サイケおやじは忽ち好みのツボを刺激されましたですねぇ~♪

なにしろ演じているスターランド・ボーカル・バンドが男女各々2人の4人組という、大好きなママス&パパスのスタイルであった事も大きく、それでいてアバやマンハッタン・トランスファーのようなゴージャスな雰囲気よりも、ハートウォーム優先主義のポップス性が好ましく思えたわけです。

メンバーはビル・ダノフ、タフィ・ダノフ、ジャナサン・キャロル、マーゴット・チャップマンという顔ぶれなんですが、ご推察のとおり、ビルとタフィは夫婦関係にあり、グループが正式結成デビューした1976年以前からソングライターコンビとして、例えばジョン・デンバーが1971年に放った永遠のメガヒット「故郷へ帰りたい / Take Me Home, Cuntry Road」を書いた素晴らしい実績を残しています。

また、それ以前はファット・シティという、ハードロックとフォークロックの生煮えのようなバンドで、中途半端なレコードを出していたんですが、もちろん売れるはずもなく、何時しかビル&タフィ名義で活動するも、やっぱりレコードはヒットに程遠く……。

結局はソングライターが本業になっていたと思われますし、後追いで件のファット・シティやビル&タフィのアルバムを聴いてみれば、やっぱり精彩がありません。

ところが、これも後で知ったことなんですが、前述したジョン・デンバーがビル&タフィの書いた「I Guess He'd Rather Be In Colorado」をレコーディングした事から親交が深まり、ライプ巡業では前座を務めたり、件の「故郷へ帰りたい / Take Me Home, Cuntry Road」を作ったりという、それなりに充実した日々の中、ついにジョン・デンバー自らが設立したRCA傘下の新レーベル「ウインドソング」の最初の契約グループとして再デビューが決定!

ここにスターランド・ボーカル・バンドが正式発足するわけですが、集められたマーゴット・カンケルは売れなかった時代のファット・シティに非常勤(?)のメンバーだったそうですし、ジャナサン・キャロルは男子高校生だった!?

という、何んとも思惑がイマイチ不明なスタートではありますが、しかし出来上がった楽曲の完成度は抜群で、それはグループ名を冠にしたデビュー1stアルバムはもちろん、シングルカットの「Afternoon Delight」だけを聴いても、必ずや納得されるはずです。

とにかくポップス正統派のコーラスが本当に心地良いんですよ♪♪~♪

ちなみに曲を書いたのはビル・ダノフなんですが、最初っからコーラスグループを意図しての作風は、流石の一言でしょう。

そうした特性は、そのデビューアルバムにもぎっしり入っていますから、追々にご紹介致しますが、とりあえず私有している4枚のLPは何れも秀逸で、確かリアルタイムでは日本盤も発売されていました。

ということで、当時は我国でもハイ・ファイ・セットあたりが人気を集めていたこともあり、個人的にはスターランド・ボーカル・バンドもブレイクすると思っていたんですが、現実は厳しかったようです。

ご存じのとおり、その頃にはアバという、同じ編成のポップスグループが華やかな雰囲気で世界的に大きなブームを作り出していた事に比較すれば、スターランド・ボーカル・バンドは如何にも地味でしたからねぇ……。

しかし、そういうところが天の邪鬼なサイケおやじには、これまた大好きになる大きなポイントでありまして、アメリカンポップス保守本流のソフトロック的なウエストコーストサウンドやカントリーロック、あるいはポピュラー系コーラスグループの系譜に登場した、幾分オールディズ趣味が滲む音楽性は、地味なればこその輝きに感じられたというわけです。 

既に述べたとおりのキャリア等々を調べ、売れなかった頃のレコードを聴いていくという、奥の細道の探索も非常に楽しいのが、こういうグループを好きになった宿業と認めているのでした。

コメント (7)
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