自分にとってのケイタイ電話とは何か?
そんないろんな情報はいならないから、通話で連絡さえ取れれば、それで良いという結論に達しました。
そこで老人用の機種を物色してみると、これが基本に忠実で好ましいですね。折りたたみとかは出来ないけれど、初期のケイタイなんかトランシーバーよりも大きかったですからねぇ。
ちょっと真剣に考えています。
ということで、本日は楽しい1枚を――
■Manteca / Red Garland (Prestige)
レッド・ガーランドは私が大好きなピアニストですが、最初にグッときたのは、マイルス・デイビスの代表作「マイルストーンズ(Columbia)」に入っていたリズム隊だけの演奏「Billy Boy」を聴いてからです。
それは全く躍動的でテンションの高い名演でしたから、忽ちガーランド中毒を患った私の前、敢然と現れたのが、このアルバムです。
と言うのも、レッド・ガーランドは前述した「マイルストーンズ」のセッション直後にマイルス・デイビスのバンドレギュラーを辞したとされ、それが1958年の4月2~3日の出来事でした。
そして約1週間後の4月11日に行われたリーダーセッションで作られたのが、この作品というわけです。
メンバーはレッド・ガーランド(p)、ポール・チェンバース(b)、アート・テイラー(ds) という気心の知れた面々に、レイ・バレット(per) が加わっていますから、ちょっと新鮮なグルーヴが楽しめます――
A-1 Manteca
ディジー・ガレスピー(tp) が自作した十八番のアフロキューバンジャズですから、レイ・バレットが参加したここでのバージョンのテンションは、ちょっと何時ものレッド・ガーランドらしくないほどに高すぎます!
まず、いきなりコンガの響きと「マンテェ~~~カッ」という叫び声! 続けてスタートするテーマからしてポール・チェンバースのベースが異常なテンションの高さです。
もちろん演奏は楽しさ優先の快楽モード♪ チャカポコのコンガが気持ち良い限りですし、アート・テイラーのシンバルワークがラテンの味わいを大切しています。そしてレッド・ガーランドのビアノからもアタックの強さが何時も以上に感じられるんですねぇ~♪
当然、コロコロと転がるスイング感の妙と歌心の素晴らしさは最高ですし、中盤ではアート・テイラーとレイ・バレットの打楽器対決が興奮を煽ります。アート・ブレイキーほどのアクが無くて、実に良い感じです♪
さらにラストテーマのアンサンブルも、またまた「マンテェ~カッ」の叫び声があって、痛快です!
A-2 S' Wonderful
有名スタンダードをスイング感満点に解釈していくトリオを、上手くリードしていくのが、レイ・バレットのコンガです♪ 実にたまらんですねぇ~、このグルーヴがっ!
もちろんレッド・ガーランドは十八番のフレーズを連発してくれますし、ドラムス&ベースの正調ハードバップという4ビートに完全対応した独特の後ノリは最高♪ その隙間を埋めていくレイ・バレットのコンガも効果的です。
またポール・チェンバースが悪趣味ギリギリのアルコ弾き! しかし歌心がありますから、強い印象を残しているのでした。
A-3 Lady Be Good
これまた有名スタンダードを素材にしながら、アップテンポの痛快な演奏を披露してくれます。初っ端からアート・テイラーのブラシがスピード感満点に疾走すれば、レッド・ガーランドも絶好調!
このあたりは前述した「Billy Boy」と共通の楽しさがありますし、レイ・バレットの参加によって生み出された新たなグルーヴは、痛快至極! ピアノとドラムス、そしてコンガの対決にも熱くさせられます。ついつい音量を上げてしまいますねぇ~♪
B-1 Ecactly Like You
素晴らしい「ガーランド節」が楽しめる快演で、素材はもちろん歌物スタンダードですから、トリオ+1の真髄が記録されています。
う~ん、それにしても当時のレッド・ガーランドは絶頂期だったのでしょうねぇ~♪ 歌心あふれるフレーズが止まらないですし、絶妙に粘ったノリと軽いスイング感が完全融合した名演だと思います。もちろん、あのブロックコードにも和みますよ♪
またポール・チェンバースがギシギシと軋る凄いアドリブを披露すれば、バックではコンガとシンバルの合の手が楽しく、このセッションの成功が証明されているのでした。
B-2 Mort's Report
オーラスはレッド・ガーランドが得意とするスロ~ミディアムテンポのブルースなんですが、レイ・バレットのコンガが入って妙な雰囲気になっています。
なんというか、違和感満点なんですねぇ、マヌケたような……。
しかし聞き続けているうちに不思議な心持となってきます。それは亜空間のブル~スと言えば贔屓の引き倒しになりますが……。
このあたりは実際に聴いていただくしか無いわけです。おそらくは最初、コンガが邪魔っけに思えるでしょう。それも真実だと思います。最後には土人の呪術みたいに聞こえてきますよ。
ということで、オーラスが若干ミスマッチなんですが、かみあわないプロレスみたいなものかもしれません。それまでのプログラムが素晴らしすぎましたから。
ちなみに、こういうコンガとかパーカッション入りのピアノカルテットは、ツボにはまると快楽地獄がまっています。我国の菅野邦彦も一時は同様のカルテットを率いていましたねぇ~♪
近年のピアノトリオブームは現在も続いているようですが、ここはひとつ、コンガ入りピアノカルテットの復権を願っています。