goo blog サービス終了のお知らせ 

OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

屈折したら正統派を

2005-11-13 16:54:36 | Weblog

大相撲、始まりましたですね♪ 何だかんだ言っても、これから2週間は楽しみがあるわけです。個人的には十両が最近のお気に入りで、行司なら木村政直が、斉藤セイロク的風貌と動き、大袈裟なアクションに厳しい力士への注文、それを誰も聞いていないという土俵上の力士の身勝手という部分が、最高です。

肝心の力士では、北桜の闘志むき出しの仕切り、塩まき、勝負の後の喜怒哀楽が♪

とまあ、相撲の見方も屈折気味の私ですが、テレビ観戦のもうひとつの楽しみは桟敷席にいる女性のお客さんを見ることです。明らかな水系、芸者さん、有閑マダム、お嬢様が大勢、いますよね♪

いかん、また、屈折してきましたので、本日の1枚は――

Silver's Blue / Horace Silver (Epic)

ホレス・シルバーは、1950年代前半から盟友のアート・ブレーキーと共にハードバップの原型を築いたピアニストですが、ジャズ・メッセンジャーズで大ブレイクした後に独立して吹き込んだのが、このアルバムです。

その原因はバンド内の主導権争いだと言われていますが、真相は藪の中、しかしこの作品でのミソは、そのジャズ・メッセンジャーズから当時のレギュラーメンバーだったドナルド・バード(tp)、ハンク・モブレー(ts)、ダク・ワトキンス(b) を引き抜く形で作られたことで、実際にこのメンツで巡業もこなしていたようです。

そしてその他に夭折した隠れ名手のジョー・ゴードン(tp)、ベテランのケニー・クラーク(ds)、当時の売れっ子アート・テイラー(ds) が参加しているのですから、悪いわけが無いという、ハードバップの人気盤なのです。

ちなみにハードバップとは分かりやすいビバップ、より黒っぽく、楽しいモダンジャズのことです。

それはファンキー味がたっぷり染み込んだド頭のタイトル曲から全開で、スロー・ブルースで展開される各人の黒~い表現は、何度聴いても不思議な魅力があります。

特にハンク・モブレーは、まろやかな温か味とパワフルな黒っぽさが魅力で、私が一番好きなテナー奏者♪ ちょっと聴きにはぼやけた音色で、もたれるフレーズがコルトレーン全盛期にはバカにされた対象でしたが、誰にも真似の出来ないタイム感覚と当にモブレー節というアドリブ・メロディーは唯一無二で、虜になったら抜け出せません。

また、がっちり底辺を支えるダグ・ワトキンスの太いベース・ラインも最高です。

そして曲によって別々に参加しているトランペッターも、個性丸出しですし、後で煽るリーダーのピアノも、それだけ聴いていても楽しめるほどにファンキー! 全篇、捨て曲無しの充実盤なのです。

この後、ホレス・シルバーは名門ブルー・ノートと契約してヒット盤を連発しますが、その発端を記録したこのアルバムも、やはり名盤だと思います。現在CD復刻されていますので、未聴の皆様には激オススメです。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする