11月は好きな季節ですね。師走で切羽詰まる前、一抹の寂しさもあり、寒くなりつつある季節の移ろいを感じたり、とまあ、いつもの私に似合わないことを書いてしまいましたが、この時期に良く聴くのが、これです――
■Restless Night / Karla Bonoff (Sony)
「ささやく夜」という邦題があまりにも有名な1970年代西海岸ロックのヒット盤です。
カーラ・ボノフの2枚目のアルバムになりますが、それ以前からソング・ライターとして下積みながら、業界では嘱望された存在だったようです。実際、彼女の作品はリンダ・ロンシュタットに取上げられてヒットしていました。
で、このアルバムは1979年に発売されるや、本国アメリカよりも、日本でウケたような雰囲気で、当時流行のカフェ・バーとか、おしゃれな店では定番のBGMでした。
その影響力は絶大で、例えば中島ゆみきの「寒水魚」というアルバムの音作りやジャケットの雰囲気は、モロじゃないでしょうか。
肝心のこのアルバムは、サウンド的にはイーグル直系の演奏ですが、彼女の作る曲は1970年代のモータウン調が入った黒っぽい隠し味があります。それと歌詞が女性の心の奥底を歌って、かなりエグイものが感じられますが……!
そのあたりは英語が完璧に理解出来ない日本人には、結果オーライというか、素直に曲調の良さ、ボーカルの味、演奏の上手さ等に酔ってしまえばいいんです。それが日本人としての洋楽のひとつの楽しみ方でもあるわけですから♪
で、個人的にはラス・カンケル(ds)、ケニー・エドワーズ(b)、ドン・グロニック(p)、ワデイ・ワクテル(g)あたりが中心となった柔軟かつ強靭な演奏と、多彩なゲスト達による西海岸温もりコーラスに囲い込まれた彼女のスジの通った歌いっぷりに、たまらなく心魅かれているわけですよ、何年たってもですね♪
機会があれば、ぜひとも聴いてみて下さい。今の季節には最高ですよ、特にタイトル曲が♪