はるばる湯沢まで行くんだったら、もう一つぐらいスポットを登録しておこうと考えて、一里塚をカーナビに入れた。これが思いがけず、昔をしのぶ良い体験になった。
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この400歳だという槻ノ木(ケヤキ)は、根っこが凄いことになっている。おそらく塚の土饅頭に、縦横無尽に根を張り、塚を覆い隠してしまったのだろう。400年の重みを、感じるに充分すぎるくらいだ。
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この場所が、街道すじとは思えないほど静かでいい。江戸時代のメインストリートは、もちろん湯沢横手道路でもなければ、国道13号でもなかった。 その裏に、ひっそりと隠れていた。
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5円玉をチャリンと、入れ損なって。どこ行った?と探すの図。
時間に余裕があったので、この昔の街道を通って横手方面へ戻ることにした。これが大正解だった。湯沢がこんなに賑やかな町だったことを知らなかった。
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昔の面影は、黒い三角屋根の商家や、石造りの外壁や、柳に黒塀の庭などに、見出すことが出来た。想像を超えていた。
そのまま、細い通りを行くと、十文字(地名)の広~い道路に出た。これはこれで解放感が凄い。そこで考えた。な~るほど。十文字は文字通り、たてよこに交わる場所を指す。奥羽山脈に向かえば、内蔵で注目の増田町。峠を超えれば岩手県の水沢へ。左は雄物川町と、西馬音内盆踊りの羽後町。さらに日本海側へ。南東に温泉を経由して宮城へ。南は山形県真室川町。交易が盛んなわけだ。
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水がおいしいから、酒がうまい。両関、爛漫、福小町etc。橋の欄干には、酒造の工程を描いた絵が掲げられていた。
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岩崎という地区だけで、あの大きさのワラ人形を3体も作り、半年ごとに衣替えする。その背景が見えた気がした。
制限速度30kの道を、歩くような速度で眺めながら、人で一杯の黄金時代を想像した。国道に合流するまでの3kmは、タイムスリップの旅だった。